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新生児(生後0ヶ月)|【医師監修】赤ちゃんの成長とママの身体の状態
生まれてすぐの新生児期。赤ちゃんはどのような状態で、どう成長していくのか、気になっている方も多いでしょう。大切な子どもの成長を見守っていきたいですよね。この記事では、新生児(生後0ヶ月)の赤ちゃんの成長と、その時期のママの状態について解説していきます。出産後のイメージがなかなかできない、産後のイメージをもっと具体的につけたい方はぜひ参考にしてください。
目次
- 新生児とはいつからいつまで
- 新生児(生後0ヶ月)の身長・体重や発達目安
- ・新生児(生後0ヶ月)の身長・体重
- ・新生児(生後0ヶ月)の発達の目安となる「原始反射」
- ・赤ちゃんは泣くことで全てを訴える
- 新生児(生後0ヶ月)の睡眠時間と赤ちゃんがよく眠る理由
- ・昼夜の区別がない
- ・まとまって眠れない
- ・生活リズムがまだできていない
- 新生児(生後0ヶ月)のミルクの量・授乳間隔
- ・新生児のミルクの量の目安
- ・新生児(生後0ヶ月)の最適な授乳の間隔
- ・授乳やミルクの後のげっぷのさせ方
- 新生児(生後0ヶ月)の生活スケジュール・お世話
- ・新生児(生後0ヶ月)の沐浴のやり方
- ・新生児(生後0ヶ月)のおへその注意点
- 産後1ヶ月のママの心身の状態
- ・産後の体はとても疲れやすい
- ・産後のママの心はとても不安定
新生児とはいつからいつまで
そもそも新生児とは、赤ちゃんのいつまでの期間を指すのか知っていますか?新生児とは生後28日以内の時期を言います。生まれてから大体1ヶ月間です。
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✔新生児とはいつまで?【助産師】期間や特徴と1日の生活を知ろう
新生児(生後0ヶ月)の身長・体重や発達目安
新生児(生後0ヶ月)の赤ちゃんが今後どのように発達するのか、気になるところですよね。
新生児(生後0ヶ月)の身長・体重
出生時の赤ちゃんの体重は平均で3kg程度、身長は約50cmと言われています。もちろん個人差が大きいです。生後1ヶ月健診までのおおよそ1ヶ月で、1日あたり体重は20〜30g増加していくと順調に発達していると言えます。
そのため体重は、出生時からおおよそ1〜1.5kg増加していることが多いです。身長も個人差がありますが、数センチ程度は成長すると言われています。
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✔ 新生児【体重増加の目安】赤ちゃんの体重が増えない原因&対策
新生児(生後0ヶ月)の発達の目安となる「原始反射」
新生児(生後0ヶ月)の時期には「原始反射」と呼ばれる反射があり、発達の目安としています。具体的には以下のものが挙げられます。
・吸啜(きゅうてつ)反射
・モロー反射
・把握反射
・自動歩行反射
・側彎(そくわん)反射
■吸啜(きゅうてつ)反射
赤ちゃんの口もとに手を持っていくと、強く吸い付き、乳首を吸うように音を立てて吸う反射です。
■モロー反射
大きな音を立てた時や、頭を持ち上げて急に落とすような動作をした時に起こります。赤ちゃんが両手を開き、その後抱きつくような動きをします。単に大きな音や衝撃などで驚いているのはモロー反射ではありません。
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■把握反射
指を手の平に置くと、指をまげて握るような動作をします。足にも把握反射があり、親指の付け根を圧迫すると足全体が曲がります。
■自動歩行反射
赤ちゃんを抱っこし脇の下を支えて足の裏を台などにつけると、足を交互に曲げ伸ばしして、歩いているような動作をします。
■側彎(そくわん)反射
赤ちゃんのお腹を持ち、うつ伏せの姿勢のまま持ち上げて、背中の脊柱のそばを上から下にゆっくり擦るとこすった側へお尻が曲がります。
赤ちゃんは泣くことで全てを訴える
新生児(生後0ヶ月)の赤ちゃんはまだ自分の言葉で伝えることができないので、伝えたいことは全て泣いて表現します。理由も様々で「暑い」「お腹がすいた」「おむつが汚れた」「甘えたい」など沢山あります。
最初はなぜ泣いているのかわからないことだらけでしょうが、一つずつ確認して赤ちゃんの要求に応えていきましょう。そうするうちに赤ちゃんも自分の要求を満たしてくれると感じ、徐々に信頼関係が構築されていくのです。
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新生児(生後0ヶ月)の睡眠時間と赤ちゃんがよく眠る理由
新生児(生後0ヶ月)の睡眠は不規則で、生後数日は1日の約70%は睡眠状態であると言われています。1日おおよそ15時間〜20時間程度眠っています。そのため大人と比べると一日中眠っているように感じられます。
新生児がよく眠る理由としては以下のことだと考えられています。
・昼夜の区別がない
・まとまって眠れない
・生活リズムがまだできていない
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
昼夜の区別がない
生まれてすぐの赤ちゃんは、まだ外が明るいから起きている時間で、暗くなったから寝る時間だ、という昼夜の区別がつきません。生活をしていくにつれて、徐々にこの昼夜の区別はつくようになります。
まとまって眠れない
生まれてすぐの赤ちゃんは、まだ夜になってまとまって寝るというリズムが確立できていません。胃の容量も小さく、ミルクや母乳の栄養も小分けにしか摂れないので、数時間ごとに起きて栄養をとります。またお腹がすいたらすぐに起き、眠たくなれば寝るという本能のままに生活しています。
生活リズムがまだできていない
赤ちゃんも睡眠中は、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)を繰り返しています。新生児(生後0ヶ月)は大人と違い、レム睡眠とノンレム睡眠の時間がほぼ同じです。そのため、少しの刺激で起きやすいと言われています。
また生後日数が経つと、睡眠時間の割合が減少するのですが、確実な昼夜のリズムがつくのは生後3ヶ月頃からと言われています。
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新生児(生後0ヶ月)のミルクの量・授乳間隔
新生児(生後0ヶ月)の間のミルクの量や授乳間隔について疑問に思う方や、これで合っているのかなと不安に感じている方もいるでしょう。
新生児のミルクの量の目安
新生児のミルク量の目安ですが、200ml×体重(kg)で1日の量を計算します。たとえば体重3kgの赤ちゃんであれば、1日600ml以内におさまるようにします。つまり1日8回であれば75ml /回、10回であれば60ml/回となります。
ただこれはあくまで目安です。赤ちゃんの体重やミルクと授乳のバランスによっても変わってきますので、参考程度にしてください。心配な場合は助産師に相談して、体重チェックや母乳測定などしてもらうと安心です。
新生児(生後0ヶ月)の最適な授乳の間隔
授乳間隔は基本的に、赤ちゃんが欲しい時に欲しいだけあげて問題ありません。ただ赤ちゃんによっては。お腹がすいてもあまり欲しがらない場合もあります。授乳間隔が大幅に開いてしまうと低血糖や脱水症状になってしまうため、新生児(生後0ヶ月)の間は3〜4時間に1回は、授乳もしくはミルクをあげるようにしましょう。1日の目安で言うと、6〜8回程度です。
母乳育児の場合はミルクに比べて腹もちしないため、頻回にあげる場合が多いです。回数が多くても、ママの体がしんどくなければ問題ありません。
また新生児(生後0ヶ月)の間は、満腹感が得られない時期です。そして反射として「吸啜(きゅうてつ)反射」というものがあり、満腹でも与えられるとミルクを飲んでしまいます。そのためミルクのみの場合は2時間程度間隔をあけ、体重の増えすぎに注意しましょう。
授乳やミルクの後のげっぷのさせ方
ミルクや授乳の後にげっぷをさせてください、と産院から指導を受けている方が多いでしょう。ミルクや母乳を飲む時に、空気も一緒に飲み込んでしまうことが多いので、げっぷをして空気を出す必要があります。
ただ、毎回げっぷがしっかりと出ない場合もあります。空気を沢山飲まずに上手に飲める赤ちゃんもいるので、げっぷが出ない場合は顔を横向きにして寝かせてください。万が一寝ている間にげっぷが出て母乳やミルクが出てきても、横向きになっていれば窒息する心配はありません。
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✔《動画》赤ちゃんのげっぷが出ない時!上手なげっぷの出し方【助産師】
新生児(生後0ヶ月)の生活スケジュール・お世話
ここからは新生児(生後0ヶ月)の赤ちゃんの生活スケジュール例、生活リズムが実際にはどのような感じなのか、具体的にご紹介します。
6:00 | 起床・おむつ交換・授乳 |
7:00 | 睡眠 |
8:30 | お着替え・おむつ交換・授乳・ママ朝食 |
10:00 | 洗濯などの家事・赤ちゃんと遊ぶ |
12:00 | 授乳・おむつ交換・ママ昼食 |
14:00 | 授乳 |
16:00 | 授乳・おむつ交換 |
18:00 | 沐浴・授乳・夜ご飯準備 |
20:00 | 授乳・おむつ交換・ママ夕食 |
22:00 | 授乳・おむつ交換・ママ入浴 |
0:00 | 授乳・一旦就寝 |
1:00 | 授乳・おむつ交換・抱っこ |
3:00 | 授乳・おむつ交換 |
4:00 | 一旦就寝 |
このように1日を通して、授乳・おむつ交換をしながら、赤ちゃんが起きていたら一緒に遊んだりするという流れです。あくまで一例なので、よく寝る赤ちゃんやあまり寝ない赤ちゃん、ご家庭の状態によりリズムは少し変わってきます。
新生児(生後0ヶ月)の沐浴のやり方
新生児(生後0ヶ月)は新陳代謝も皮脂の分泌も盛んなので、沐浴で1日の汚れを落としてあげます。生後1ヶ月間は感染予防のため、ベビーバスで体を洗いましょう。1ヶ月健診の後は家族と同じお風呂に入っても大丈夫です。
では沐浴の手順を簡単に説明します。
1. | お湯(温度は38度~40度が目安)の準備をします。 |
2. | お湯の用意をしながら、洋服の準備をします。肌着と洋服の袖をあらかじめ重ねておくとスムーズです。 |
3. | 赤ちゃんの体にガーゼをかけて足からゆっくりお湯につけます。 |
4. | 濡れたガーゼを軽くしぼって顔を拭きます。 |
5. | 目や口を避けて石けんをつけ、くるくると洗いガーゼで拭き取ります。 |
6. | 頭をガーゼで濡らし、石けんをつけてくるくると洗います。 |
7. | ガーゼを濡らして泡を拭き取ります。 |
8. | ガーゼを片手でギュッとかたくしぼり、頭を拭きます。 |
9. | 首はシワを伸ばすように指を入れて石けんをつけてよく洗います。(シワの隙間の洗い残しや拭き残しが、湿疹の原因になることが多いです。) |
10. | 胸・お腹を洗い、お湯をかけて流します。 |
11. | 手は手首から脇に向かって、シワを伸ばしながら石けんをつけて洗い、お湯をかけて流します。 |
12. | 足も同様に、足首から付け根に向かって石けんをつけて洗います。 |
13. | 片方の手を赤ちゃんの脇の下に入れ、手首に赤ちゃんのあごを乗せるように裏返し、背中とお尻を洗います。 |
14. | 最後に股を洗います。 |
15. | かけ湯をします。(1人で入れている場合はしなくても大丈夫です。) |
16. | バスタオルで体を押さえながら拭き、その後に保湿剤をしっかり塗りましょう。 |
新生児(生後0ヶ月)のおへその注意点
新生児(生後0ヶ月)赤ちゃんのおへそは、しっかり乾燥してからとれます。産院によっては毎日消毒が必要としているところもあれば、消毒はせずに自然に様子をみるところもあるでしょう。消毒をしてもしなくても、赤ちゃんのおへそは沐浴やおむつ替えのタイミングで観察が必要です。
赤ちゃんのおへそについて注意してほしいポイントをいくつか紹介します。
・おへそがじゅくじゅくしていないか
・おへそのまわりが赤くなっていないか
・変な臭いがしないか
・出血していないか
おへそがとれた後、一時的に出血する場合は問題ありませんが、出血が続く場合は注意が必要です。またまれに、おへそがとれた後にばい菌が入り感染症を起こすことがあります。上記のような症状がみられた場合は、早めにかかりつけの産科もしくは小児科を受診しましょう。
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✔新生児の沐浴の手順【動画で簡単】赤ちゃんの保湿ケアもよくわかる
産後1ヶ月のママの心身の状態
産後1ヶ月のママは、悪露と呼ばれる出血が出ます。この悪露は、子宮が妊娠前の状態に戻るために必要なものです。産後1ヶ月程度は出血が出続けますが、徐々に減っていきやがて止まります。あまりにも出血が多い場合や塊が多く出る場合は、早めにかかりつけの産科へ受診しましょう。
産後の体はとても疲れやすい
産後のママは、体がとても疲れやすい時期です。また頻回の授乳やミルクで睡眠不足の状態でもあります。家事や育児を頑張りすぎてしまうと、産後しばらく経ってからも体の不調が続いたりします。そのため赤ちゃんが寝ている間はなるべく体を休ませ、横になるようにしてください。
産後のママの心はとても不安定
産後ママの精神面では、産後のホルモンバランスの影響で気分が落ち込みやすい状態にあります。ひどくなると産後うつにつながることもあり、注意が必要です。理由もなく涙が出たり、子どもがかわいいと思えない、自分を責めてしまう、といったことがあれば病院に相談してください。
またささいなことでイライラしてしまうことも多いです。夫や上の子にイライラして、声を荒らげてしまうこともあるかもしれません。
そんな時は少しの時間でもいいので、リフレッシュできる時間を作りましょう。少しの時間家族にお願いして1人でカフェに行く、美容院に行くなど、どんな方法でもかまいません。ずっと赤ちゃんのお世話に集中していると、責任感やプレッシャーで参ってしまいます。そうならないためにも、短時間でもいいので自分がリフレッシュできる時間をつくりましょう。
《まとめ》
はじめての育児、赤ちゃんとの生活は慣れないことだらけで疲れてしまいますよね。赤ちゃんはかわいいけれど、お世話は大変です。つい赤ちゃんのお世話を優先しがちですが、ママの健康があってこそはじめて育児ができます。自分の体調も少し気にかけながら、赤ちゃんとの生活を楽しんでください。
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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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