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2021.10.01

【新生児の哺乳量】飲みすぎ?足りない?助産師が教える赤ちゃんのサイン

出産を終えると、すぐに授乳が始まります。入院中は助産師や看護師がついて、こまめに赤ちゃんの体調管理しながら必要な量を検討し、授乳をサポートします。退院後に家での生活を始めると「順調に体重が増えているのか?足りているのか?」など、不安になることもあるでしょう。今回は新生児の哺乳量・授乳の頻度・回数の目安について、理解を深めていきましょう。また飲みすぎや、足りないときのサインについても助産師が解説します。

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【新生児の哺乳量】授乳頻度・回数の目安

新生児の哺乳量

 

新生児の時期は、母乳をどれくらいあげていいのか、母乳量が不足の場合にミルクはどのくらい足していいのか、迷うこともあるのではないでしょうか。ここでは一般的な哺乳量の目安を解説していきたいと思います。

 

1日に必要な新生児の哺乳量

新生児に必要なミルクの量は、体重によって変わってきます。

1日の哺乳量の目安:産科退院後(生後5、6日目~)から150~200㏄/㎏/日

つまり3㎏の子であれば、450~600㏄/日が必要になると言われていて、体重とともに必要量は増えていきます。1日量で示したのは、赤ちゃんやおっぱいの個性を考慮する必要があるからです。

一回で多くの量を飲む子、小食で分食しながら必要量を満たす子、またママの母乳分泌の状況や、授乳が効率的にできているかなどを見ながら、判断していきます。

 

これらは、赤ちゃんの体重増加の経過や泣きの状況、排泄などを総合的に見て判断していきます。判断をママが一人で背負わなくて大丈夫です。最近は産後の1ヶ月健診までに、2週間健診があります。さらに変化のスピードが速い乳児健診の時期まで、健診や予防接種、行政の赤ちゃん訪問などを活用しながら、定期的に体重の伸びや成長の様子をサポートしてもらう機会があります。

徐々にわが子の個性やニーズ、生活リズムが見えてくるので、初めからママは正解を自分に課さなくても大丈夫ですからね。

 

新生児の適切な1日の授乳頻度・回数

次に1回あたりの哺乳量のお話です。基本的に新生児の授乳は、1日8回以上と言われています。授乳スタイルがミルクのみ場合は、おおよそ3時間前後でお腹がすいて泣き出すので、そのタイミングであげるとよいでしょう。

 

母乳のみの場合は、「むずむずと動き起き始めたときに飲ませる」といった頻回授乳が基本になります。1~3時間で泣き出したり、1日に授乳が15回以上になることもあります。

混合栄養の場合は、退院時までに病院で飲めた母乳量を目安に、補足するミルク量を考慮すると良いかと思います。

一人ひとり授乳スタイルは違ってきますし、母乳の分泌量も日々変わってきます。どれだけ飲ませればいいのか迷ったときは、かかりつけの産婦人科か母乳外来、助産院などで相談するとよいでしょう。

 

また飲ませ方次第で、随分と飲める量が変わってきます。授乳の仕方について紹介する以下の記事も、よかったら参考にしてください。

※参考記事:新生児【体重増加の目安】赤ちゃんの体重が増えない原因&対策

 

 

新生児が飲みすぎた時のサイン

新生児期の赤ちゃんは、まだ自分の感情がどのようなものなのか未経験で学習の途上です。たっぷり飲めて気持ちよくなった経験、飲みずぎて気持ち悪くなった経験、空腹時の感じた感覚などを日々一つ一つ経験しながら、徐々に自分の適切量を学び、ママに伝えることが上手になっていきます。ママも赤ちゃんも軌道に乗るまでトライ&エラーが当たり前と思ってくださいね。

そのため、以下はあくまでも目安として理解してください。

また、生後3ヶ月までの赤ちゃんの体重増加の目安は、25~40g/日といわれています。あくまでも目安とし、もしこれより体重が増えている場合でも、哺乳量を少なくすると泣きが強くなる場合は、増加に対して心配しなくて良いでしょう。

 

新生児が飲みすぎたときに見せるサインとしては、飲んでもなんだか機嫌が悪く、気持ちが悪そうでうなったりいきんだりして、ときには大量に吐いてしまうことなどがあげられます。その際は、授乳のタイミングや量、哺乳瓶などを検討してもよいかもしれません。

 

関連ページ

新生児とはいつまで?【助産師】期間や特徴と1日の生活を知ろう

 

 

新生児の哺乳量が足りない時のサイン3つ

新生児の哺乳量不足

 

一概には言えませんが、新生児の哺乳量不足を疑うサインとして、以下を参考にしてみてください。

 

新生児の哺乳量不足のサイン1. 尿の回数が少ない

赤ちゃんの排尿の様子が脱水のバロメーターになります。新生児のおしっこの回数が、1日に6回以下となったり、尿の色が濃くなったりした場合は哺乳量が足りていない可能性があります。回数だけでなく、しっかり色も観察するようにしてください。

 

新生児の哺乳量不足のサイン2. 便秘気味

生後1ヶ月過ぎると、少しずつ便の回数が少なくなることが一般的。ですが赤ちゃんの哺乳量が少ないと便が硬くなり、便秘の原因になる場合もあります。補足量を増やすと便が出やすくなる場合は、哺乳量を増やした方が良い場合もあります。

 

新生児の哺乳量不足のサイン3. すぐにミルクを欲しがる

赤ちゃんの排泄以外にも、たびたび哺乳しても満足している様子がなく、授乳途中で泣き出してしまったり、哺乳瓶が空になると泣き出してしまうようであれば、助産師などに哺乳の様子を見てもらうと良いかもしれません。

 

 

《まとめ》

 

新生児のお世話をするうえで、「ミルクは足りてるかな?」といった不安は自然なこと。授乳は母子の体調、子どもの個性や、ママの栄養方法についての希望、おっぱいの状態、また母乳やミルクの飲ませ方など、いろいろな状況を考慮する必要があります。ある程度ペースがつかめてきたと感じるまで、地域の開業助産師に一緒に授乳を見てもらい、サポートを受けると安心かと思います。

 

またママや周囲の大人が、赤ちゃんの泣きや様子を観察し、気持ちを想像しながらお世話していくうちに、赤ちゃんも自分自身のニーズを理解し、成長とともに反応がわかりやすくなるでしょう。もし「いつも飲む量が急に飲めなくなってしまった」「状況が変わってきた」「不足しているような気がする」「もっと違う方法があるのではないか」「授乳に時間がかかりすぎて休む暇がない」「授乳に痛みがある」などがあれば、地域の助産師や産院の助産師も一緒に考えたいと思いますので気軽にご相談ください。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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