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2021.05.10
新生児【体重増加の目安】赤ちゃんの体重が増えない原因&対策
赤ちゃんは生まれてからの新生児期間に、どれくらい体重が増加していれば問題ないのでしょうか?自分の赤ちゃんはちゃんと成長しているのか、心配になるママは多いです。ここでは新生児の体重増加の目安について説明し、体重が増えない場合の原因と、その対処法について紹介します。
目次
【新生児】赤ちゃんの体重増加の目安とは
生後28日までの赤ちゃんを、新生児と呼びます。この時期は、子宮から外の世界に環境が変化し、それに慣れるまで赤ちゃんの体の機能が不安定なのが特徴です。新生児の成長目安の一つとして、体重の変化を知ることはとても大切です。
新生児は生後1週間ほど体重減少
生まれたての新生児は、それまで羊水の中で生活していたため、体の中に必要以上の水分が蓄えられています。その水分は生まれた後に尿・便はもちろん、呼吸や皮膚からの蒸発でたくさん失われます。
生後2~3日の赤ちゃんは飲む量よりも、その余分な水分が失われる量の方が多いため、一時的に体重が減少するのです。これを生理的体重減少と呼びます。生理的体重減少は生後2~3日がピークで、生後1週間で出生体重に戻ります。その後、赤ちゃんの体重は増加していきます。
新生児の体重増加は平均して1日30g
正期産の赤ちゃんは生まれてから1ヶ月までに、約1,000g増加しているとよいとされます。そこから平均すると新生児は、1日約30gの体重増加があれば心配ないということ。
ただし体重の増え方は、赤ちゃんの個性によって違いがあります。1日30gずつ増えない場合も、健康であれば問題ないことがほとんどです。
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母乳育児における赤ちゃんの体重増加の推移
特に母乳で育つ新生児の赤ちゃんは、1日15g〜35gの体重増加があればよいとされています。毎日平均的に体重が増えるわけではないので、2~3日あるいは1週間くらいまとまった期間で、体重増加を見ていきましょう。そして成長曲線から大きく逸脱していないかを、判断していきます。
成長曲線は母子手帳の後ろの方に掲載されていますので、そのグラフを参考にしましょう。
もし、いつもより尿と便の回数が少ない状態が続く、飲みが悪い、元気がない、ぐったりしている、皮膚の張りがないなどのサインがあるときは注意。哺乳量の不足で体重が増えないかもしれないので、かかりつけの病院に相談しましょう。
【新生児】赤ちゃんの体重が増えない!原因とは
新生児期の赤ちゃんの体重が増えない原因として、考えられるのは「栄養不足」「運動量が多い」「何らかの病気」の3つです。
新生児の体重が増えない原因1. 母乳・ミルク量が不足
単純に、必要哺乳量が不足している場合、新生児の体重は増えません。1回の哺乳量の目安は体重1kgあたり20ml、1日の哺乳量目安は体重1kgあたり100〜200mlです。たとえば、体重3kgの赤ちゃんであれば1回60ml、1日でトータル300〜600mlとなります。
母乳育児の場合は、明確な量がわかりにくいです。母乳の出る量が心配なママは、母乳外来や自治体の新生児訪問、産後ケアなどを活用しましょう。そこで母乳の状態をチェックしてもらったり、1回の母乳量を測ってもらうと安心です。
赤ちゃんの飲み方も、体重増加に関わってきます。生まれてすぐの母乳育児では、赤ちゃんが欲しがるときに欲しいだけ飲ませます。
生後1週間はそれでよいかもしれません。ですがそれ以降も少しだけ飲んで寝て、すぐにまた授乳という状況が続くと、トータルの授乳量が増えません。それにより、新生児赤ちゃんの体重も増えにくいのが現状です。またよく寝る赤ちゃんは、1日の哺乳回数が少なくなり、栄養不足となる場合があります。
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新生児の体重が増えない原因2. 運動量が多い
よく母乳やミルクを飲んでいてよく動き、たくさん尿と便をする赤ちゃんは、摂取するカロリーに対して消費する量が上回ることも。そして体重が増えにくい場合があります。この場合は体重が増えなくても様子を見ていくことがほとんどです。
赤ちゃんに嘔吐や排便の様子がおかしいということがなければ、安心して見守っていきましょう。
新生児の体重が増えない原因3. 何らかの病気
新生児期の赤ちゃんの体重がなかなか増えない場合、何らかの病気が原因の場合もあります。たとえば、心臓の疾患はその代表的なもの。ただし入院中に見つかることがほとんどのため、退院後も小児科のフォローがあるはずです。
他には、甲状腺や成長ホルモンなどの内分泌系の異常、消化器管系の異常、腎臓の病気、ウイルスなどの感染症、染色体異常などが考えられます。
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新生児の体重が増えない時の対策
新生児の栄養不足によって体重が増えない場合は、何が原因かがわかると、それに対する対処法が見えてきます。 具体的な対処方法を紹介しましょう。
新生児に与える母乳・ミルク量を見直す
ミルクの場合は前述した計算方法で、1回の哺乳量や1日の哺乳量が適切かを判断しましょう。母乳の場合は、授乳の前後で新生児の体重を測って母乳量を測定。そして大体の目安で、1日量を計算します。もし母乳が足りない時は、追加でミルクを飲んでもらいましょう。
また、ママが睡眠不足などで疲労が強いと、母乳の出が悪くなります。母乳量を増やすためにはママもしっかり栄養をとり、休息することが大切です。
新生児の母乳育児は正しい姿勢を
母乳が出ているにもかかわらず新生児の体重が増えない場合、赤ちゃんの飲み方が悪かったり、哺乳力が弱いことが考えられます。対策としては、ラッチオンという正しい授乳の姿勢を取れるようにすること。
ラッチオンのポイントをチェックして、授乳体勢を整えてみましょう。
●赤ちゃんの口が朝顔の花のように大きく開いている
●赤ちゃんの口で乳輪の外側までしっかり覆われるくらい、乳首を深く含ませている
●赤ちゃんのあごが引きすぎていない
●ママの乳頭の高さと赤ちゃんの口が同じ高さになっている
●ママのお腹と赤ちゃんのお腹が向かい合わせに密着していること
授乳時の体勢を変えるだけで、新生児の哺乳量が格段にアップするのはよくあることです。母乳外来や産後ケアを利用して、助産師に相談しましょう。
赤ちゃんの哺乳スケジュールを変えるのも、有効な対策の一つです。1回量をしっかり飲んでもらえるように、2〜3時間の間隔を空けながらリズムをつくると、哺乳量が増えます。
また、赤ちゃんの1日のスケジュール(睡眠時間や授乳時間、沐浴や遊ぶ時間など)を決めることで、1回の哺乳量がアップする場合もあります。
《まとめ》
新生児の体重は、生後1ヶ月までに1kg増加、もしくは1日約30gの増加がみられるとよいと言われています。なかなか体重が増えない原因は、栄養不足、赤ちゃんの運動量が極端に多い、何らかの病気の3つが考えられます。助産師や産婦人科・小児科のフォローなど、専門家によるサポートを受けながら、赤ちゃんが健やかに成長できるように対処しましょう。
※写真提供:PIXTA
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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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