【専門家監修】
妊娠・育児を楽しく学べるママ向けメディア

お知らせ *★まなべび公式アンバサダー★*募集中です

2022.08.15

モロー反射とは?いつまで続く?激しい時の対処&発達障害との関連

生まれてから数ヶ月間のみにみられる、赤ちゃんの「モロー反射」。聞いたことはあっても、具体的にどんな反射なのか、わからない人もいるでしょう。初めてモロー反射を見た時は、驚くかもしれませんが、赤ちゃんの発達過程における自然なものです。ここではモロー反射について、ママの疑問やよくある質問について解説します。

  • facebook
  • twitter
  • line
  • hatena

19


 

赤ちゃんの「モロー反射」とは?いつからいつまで続く?

赤ちゃんのモロー反射

 

「そもそもモロー反射って何だろう?」と思う人もいるでしょう。「モロー反射」は赤ちゃんが大きな音に反応した時や、頭を持ち上げて急に落とすような動作を受けた時に起こります。赤ちゃんが両手を伸ばして外に開いた後、両手を曲げて抱きつくような動きを反射的に行います。

 

モロー反射はどんな時に起こる?

モロー反射を起こす刺激には個人差がありますが、音や光が刺激となる場合があります。テレビの音やドアの開閉音など、日常生活で生じる音に反応することもあります。

また、体勢が変わった場合にも起こりやすいもの。抱っこしている赤ちゃんをベッドに寝かせる時や、沐浴の時などもよくあります。

 

新生児のモロー反射はいつからいつまで続く?

モロー反射は、生まれてすぐからみられる反射。生後すぐから始まります。生後3ヶ月頃まで続くケースが多く、生後4ヶ月頃になると消失していることが多いです。

 

関連ページ

新生児とはいつまで?【助産師】期間や特徴と1日の生活を知ろう

生後1ヶ月の生活リズム【助産師】赤ちゃんの睡眠時間を整えるコツ

赤ちゃんの首すわりはいつ?首がすわる状態とは?時期や練習方法

 

原始反射とは?

原始反射は、外部の様々な刺激によって、中枢神経が反応し無意識に引き起こされる反射のことを指します。生まれてすぐから、生後3ヶ月4ヶ月で消失するものもありますが、1歳~2歳まで続く反射もあります。

 

原始反射といっても様々なものがあります。一番有名なのが前述したモロー反射ですが、ここでは、モロー反射以外のものについて説明します。

 

自動歩行

足の裏が床にふれると、歩くような仕草を見せる

把握反射

手のひらに刺激を与えると握りしめるような仕草をする

吸啜反射

口で指や乳首をくわえると吸うような仕草を見せる

バビンスキー反射

赤ちゃんの足の裏を刺激すると、足の指が曲がって扇状に広がる

 

赤ちゃん本人の意思とは無関係に行われる原始反射が消失するということは、大脳の発達が順調であることを指します。そのため、原始反射の確認は赤ちゃんの発達の指標にもなります。

 

 

モロー反射が【激しい・多い・あまりしない】赤ちゃん

モロー反射とは、赤ちゃんの時期だけの特有のもの。それでも「うちの子はすごく多い気がする」「モロー反射が激しくて気になる」「モロー反射をあまり見ない」など、赤ちゃんによって違いがあります。ここからはよくある疑問について解説します。

 

1. モロー反射が【激しい】赤ちゃん

モロー反射が激しい場合は、赤ちゃん自身も驚いてすぐに起きてしまい、なかなか寝られないなどと困るママ・パパも多いでしょう。モロー反射が激しいと感じた時は、まず赤ちゃんがどのような時に、激しく反射が出ているのかを観察しましょう。

モロー反射が激しい時は、赤ちゃんにとって刺激の多い環境であることが多いです。もし環境を整えても変わらず激しい場合は、てんかんなど何か病気が隠れている可能性があります。

 

2. モロー反射が【多い】赤ちゃん

モロー反射の度合いや、刺激に対する反応には個人差があります。モロー反射は連続で起こることもあり、1日に何度も見られることも多いです。連続して起こったり、何度もモロー反射がありなかなか寝られない場合は、モロー反射が多い赤ちゃんと言えます。

 

音にあまり反応しない赤ちゃんであれば、モロー反射が少ないこともあります。音に敏感な子はわずかな音でもモロー反射が起こり、目覚めてしまうでしょう。このように反応の違いには、個人差が大きいです。たとえモロー反射が多くても、心配しすぎる必要はありません。

 

3. モロー反射が【あまりない】赤ちゃん

モロー反射は個人差が大きく、音や光などの刺激に対してあまり反応しない赤ちゃんもいます。モロー反射があまりないと感じても、時々あれば問題ありません。

 

しかし全くモロー反射をしない、また左右非対称に手足が動く場合は、脳や体の発達に問題がある可能性があります。医師に相談しましょう。病院では健診時に必ず確認しています。もし健診の際に指摘がなくても、自宅に帰ってからあまりしなくなった時は、医師に相談するといいでしょう。

 

 

モロー反射と発達障害・てんかんの違いや見分け方

モロー反射と発達

 

赤ちゃんのモロー反射が激しい場合は、発達障害やてんかんではないかと不安になることもあるでしょう。病気の心配や見分け方について解説します。

 

モロー反射がなくならない!「発達障害」との関連

モロー反射は、生後4ヶ月ごろにほとんど消失するもの。もしこの時期を過ぎてもまだ反射が続くと、発達障害ではないかと不安になる人もいるでしょう。ですがモロー反射が激しかったり、生後4ヶ月を過ぎても続くからといって、必ずしも発達障害ではありません。

発達障害とモロー反射との関連には、不明なことも多いです。もしも心配な場合は、かかりつけの産科医や小児科医に相談しましょう。

 

「モロー反射」と「てんかん」の違い

モロー反射とよく間違われる病気に、「点頭てんかん(West症候群)」があります。

点頭てんかん(West症候群)とは、乳児期に起こる悪性のてんかん。イスラム教徒の祈りの形に似ているため、そう言われています。点頭てんかんは遺伝性の病気ではありません。点頭てんかんのうち約80%が、出生直後の合併症により起こる、脳障害の合併症であると言われています。

 

点頭てんかんの症状には、以下が挙げられます。

◆1~3秒ほど手足と頭部に瞬間的に力が入った感じになる

◆両手・両足を伸ばすと同時に、頭を前にガクンと体ごと折り曲げるようにする動作が見られる

◆睡眠からの覚醒後に、頭が突然ガクッと垂れる

◆発達の退行がみられる(笑わなくなる・おすわりができなくなる)

点頭てんかんの場合は、ホルモン治療や薬物治療、外科的な治療が行われます。

 

モロー反射には、赤ちゃんが驚くような音など、反射を誘発する原因があります。しかしてんかん発作には明らかなきっかけがなく、突然起こります。またてんかん発作の場合は、うつむくような姿勢が特徴であり、これらがモロー反射との違いといえます。

 

モロー反射がきっかけで病気がわかるケース

モロー反射がきっかけで、赤ちゃんの病気がわかることがあります。それは「脳性麻痺」の場合です。モロー反射などの原始反射が消えていく時期になっても、まだ反射が残っていると、脳性麻痺の可能性があります。

 

脳性麻痺は、妊娠中や出産前後における赤ちゃんの脳の損傷が原因となり、発症します。モロー反射などの原始反射は、脳幹という中枢神経を司る部分にあります。そして脳幹に異常があると、反射に影響が出る場合があります。脳性麻痺では、脳が発達の段階で何かしらダメージを受けてしまい、運動機能や姿勢保持に影響が出ます。

症状としては、体の反り返りや、こわばりが強いことがあります。また首が座らない、寝返りができないケースもあります。

 

 

赤ちゃんのモロー反射が激しい時!ママができる対策

モロー反射が激しい時

 

赤ちゃんのモロー反射が激しい場合、どのように対処すればいいか悩むママもいるでしょう。ここからは自宅でできる、対処方法をご紹介します。

 

モロー反射の対策「おくるみを使う」

モロー反射への一般的な対処としておすすめなのが、おくるみを使う方法。モロー反射が激しくて起きてしまう赤ちゃんの場合、手や足をほどよく抑えてくれるおくるみで、モロー反射が起こりにくくなるでしょう。

 

おくるみの巻き方

おくるみは、ガーゼでもバスタオルでもかまいません。

 

(1)おくるみやタオルをひし形に置き、その上に赤ちゃんを寝かせます。

(2)赤ちゃんの右側にある部分を、体の左側に折り込みます。次に足の下の部分を、下から体の上に持っていき包みます。

(3)左側の部分を右側に持っていき、包んで完成です。

きつくならないように、ほどよいゆとりを持たせてくるむといいですよ。

 

関連ページ

動画で簡単【おくるみの巻き方】新生児の赤ちゃんが安眠できるコツ

 

おくるみ巻き方

 

おくるみを巻かれるのを嫌がる赤ちゃんもいます。もし嫌がった場合は、きつくなり過ぎていないか確認し、肌当たりのいい素材のものに変えてみましょう。それでも嫌がる場合はおくるみで巻くことはやめましょう。

モロー反射が終わる生後3ヶ月4ヶ月頃までは、おくるみを使用できます。赤ちゃんの様子をみながら試してください。

 

モロー反射の対策「赤ちゃんが過ごす環境を整える」

モロー反射が激しい場合、赤ちゃんにとって刺激の多い環境であることが多いです。まずは赤ちゃんに刺激がなく、ゆっくりと過ごせるように改善しましょう。音や光を調整したり、衣類を整えたりして、身の回りの環境をよくしてあげましょう。家族が扉の開閉や生活音に注意すると、モロー反射が少なくなることもあります。

 

 

《まとめ》

 

生まれてすぐの時期に見られる、モロー反射。初めて見た時は「大丈夫かな?」「何か病気があるのでは?」と心配になることもあるでしょう。まずは赤ちゃんにとって刺激の多い環境ではないか確認し、音や光、衣類などを整え、刺激となるものを減らしてみましょう。モロー反射は、赤ちゃんの発達をみる上で重要なもの。ですがもし激しい場合や、病気ではないかと不安に思う場合は、医師に相談してみましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

関連ページ

【月齢別】赤ちゃんの睡眠時間はどれくらい?助産師が教える睡眠リズムの整え方

なぜ赤ちゃんはくしゃみが多い?【小児科医】対処法&受診のサイン

背中スイッチを攻略!【動画】生後1ヶ月赤ちゃんの寝かしつけのやり方

おひなまきの正しい巻き方&効果【動画で解説】助産師監修

           

1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

>詳しく見る

イベント・セミナー
妊娠・出産について学べるイベントやセミナーを紹介

>イベント・セミナー一覧
  • オンライン(録画配信) 無料

    5月9日開催 産後ヨガ~心身をリラックしながら骨盤ケアをしよう~(無料)

    開催日
    2024/5/9(木)
    10:00~10:30
    詳細
    開催日
    2024/5/10(金)
    14:00~14:30
    詳細
    開催日
    2024/5/10(金)
    20:00~20:30
    詳細

特別講座【アーカイブ配信】
過去実施した妊娠・出産・育児を学べる人気のセミナーを公開!(会員限定)