生後5ヶ月の赤ちゃんの身長・体重・発達

生後5ヶ月頃になると、赤ちゃんはどの程度成長しているでしょうか。以下におおよその例を示します。
|
身長 |
体重 |
男の子 |
61.9cm〜70.4cm |
6100〜9200g |
女の子 |
60.1cm〜68.7cm |
5740〜8670g |
生後5ヶ月の赤ちゃんの運動能力
生後5ヶ月になると、早い子は寝返りをするようになります。寝返りは腰をひねり、上半身を反動で回転させてできる動き。簡単そうですが、様々な部位が連動して動くことでできる大変な運動です。寝返りをする時期には個人差があるので、できていなくても心配する必要はありません。
寝返りができなくても、赤ちゃんをうつ伏せにした時に両手にぐっと力を入れ、上体を胸まで上げられていれば、背中まで発達が進んでいる証拠です。そして仰向けに寝ている時や、おむつ替えの時に、自分の足をつかむようになります。ただし、まだ自分の足だと認識はしていません。
またうつぶせのまま両手を使って、遊ぶこともできるようになります。ほしいものをつかむのは練習中。つかめなくても何度も取ろうとするうちに、距離感がわかり、しっかりつかめるようになります。
生後5ヶ月の赤ちゃんの体の発達
赤ちゃんの体の中では、お腹の中でママからもらっていた抗体がなくなり、感染症にかかりやすくなる時期です。生後2ヶ月頃から予防接種を開始していますが、外出の機会が増え人との接触が多くなると、より感染のリスクは高くなります。また、ママやパパの風邪が赤ちゃんにうつってしまうこともあります。
病気にかかることで体の中で抗体を作り、丈夫な体をつくりあげていくのですが、なるべく人混みは避けましょう。予防接種は定期的に受けるように。ママやパパは手洗い・うがいなど基本的な習慣も確実にしましょう。
そしてママやパパが風邪をひいてしまった場合は、必ずマスクをして赤ちゃんのお世話をしてください。できるだけ赤ちゃんと同じ部屋で寝ない、接触する時間を短くするなど対策し、早めに治すようにしましょう。
生後5ヶ月の赤ちゃんの心の発達
ママのことをしっかり認識しています。あやすとご機嫌に声を出して笑ったり、ママやパパの声に反応して声を出したりもします。
また興味が広がっている時期なので、外遊びや絵本の読み聞かせなど、コミュニケーションをとりながら刺激を与えましょう。散歩でお友達の遊んでいる様子を眺めたり、児童館で他の赤ちゃんと触れ合うだけでも刺激になります。社会との関わりに関心が出ている時期なので、外遊びも積極的に取り入れましょう。
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生後5ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間

生後5ヶ月頃になると、赤ちゃんの生活リズムはほぼ一定になるため、昼寝の時間帯も決まってきます。夜にまとまって寝る赤ちゃんが多いですが、夜泣きが始まる時期でもあります。
夜泣きの原因
原因はお腹がすいた、暑い、甘えたい、怖い夢を見た、日中に興奮することがあった、運動不足など様々です。夜泣きにも個人差があります。すぐに終わる赤ちゃんもいれば、何週間・何ヶ月と続く場合もあります。
原因がはっきりしている場合は対処できますが、はっきりしない場合も多いです。そんな時の対処方法を紹介します。
夜泣きの対処法3つ
・抱っこやベビーカーで少し散歩する(家の中でなかなか寝ない場合は外に出てもOK)
・母乳やミルクをしっかり飲ませて落ち着かせる
・気が済むまで泣かせる
原因がわからず泣き続けられると、イライラして「なんで?早く寝てよ〜」と思い焦ってしまいがちです。しかし、焦りが赤ちゃんに伝わると余計にグズグズしてしまったり、起きて遊び出してしまうこともあります。「気が済むまで泣いたらいいや〜」と開き直ると、案外寝入ることもありますよ。
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生後5ヶ月の赤ちゃんのミルクの量・授乳間隔
生後5ヶ月頃になると離乳食が始まるため、授乳やミルクの回数が少なくなります。今まで1日に5〜6回あげていたミルクや授乳のうち、1回を離乳食に置き換えるようにしましょう。まだこの時期はミルクや授乳がメインです。ミルクは200〜250ml、授乳も3〜5時間の間隔で飲みます。
生後5ヶ月に離乳食をスタート

生後5〜6ヶ月頃になると、離乳食が始まります。今までミルクや母乳しか口にしていない赤ちゃんにとって、食事が始まるのは大きな成長です。
ただし赤ちゃんによっては、食事を嫌がる場合もあります。その時は無理せず、時期を見てから始めるようにしてください。
離乳食は液体に近い形状のやわらかいものから始めて、徐々に固形物へ、大人と同じ食事になるように近づけていきます。最初はまだミルクや母乳がメインですので、1回・2回食と少ない回数から始めます。赤ちゃんの発達に合わせて、食事の形態や回数も変化していきます。
離乳食開始の目安はいつなのか、以下にご紹介します。
離乳食開始の目安
・首が完全にすわっていて、5秒以上お座りができる
・大人が食べているものを見るとよだれが出る
・赤ちゃんの機嫌がいい
しっかりお座りができていると、食事ができる体勢ができているので安心です。また大人が食べているものに、興味を示しているかどうかもサインのひとつです。赤ちゃんも大人の真似をして口をモゴモゴさせていたり、食べている様子を見てよだれがたくさん出ていたりと、食べたそうな様子があれば始めてもいいでしょう。
そして、赤ちゃんの体調や機嫌がいい時に始めるのがとても大切です。機嫌が悪い時には全く受け付けてくれないことも多いので、タイミングを見計って始めましょう。
離乳食の始め方
今までミルクや母乳しか飲んでいない赤ちゃんにとって、離乳食は舌触りもにおいても全てが初めての体験で、驚きの連続です。まずは赤ちゃんが離乳食に慣れるための時期と考え、機嫌がいい時に、授乳やミルクの1回を離乳食に置き換えて始めましょう。
■最初は何から始める?
最初は消化吸収の良い米がゆ1さじから始めましょう。そのままゴックンと飲み込めるよう、しっかりすりつぶしてなめらかにしてあげてください。
今まで液体しか口にしていなかった赤ちゃんは、どろっとしていることにびっくりして、舌を出しておかゆを出してしまうかもしれません。出してしまってもスプーンで受けて何度も口に入れてください。
■赤ちゃんの咀嚼(そしゃく)機能は?
この時期の赤ちゃんは、まだ口周りの筋肉の発達が十分ではありません。舌も前後にしか動かず、歯も生えていない子がほとんどです。そのため、舌で少しずつ喉の奥に運ぶのが精一杯なので、舌触りがなめらかでないとすぐに吐き出してしまいます。
離乳食の進め方
まずは米がゆから始めます。1週間程度経って慣れてきたら、徐々に野菜や果物、タンパク質(豆腐や白身魚)をあげてもいいでしょう。野菜の種類は何でもOKですが、初めての食材はアレルギーの場合も考え、少量ずつ様子を見ながら始め、徐々に量を増やしてください。
また離乳食開始の時期は、味覚が発達する時期でもあります。酸味・塩味・うまみ・甘味・苦味など様々な味を体験することで、味覚も発達していきます。
多すぎる塩分は、赤ちゃんの体にとって負担になることもあります。はじめは味付けせず、素材の味を食べてもらいましょう。離乳食が進んでからも、味付けは薄味になるように気をつけてください。
■離乳食を食べる時の姿勢は?
この時期の赤ちゃんは、まだ自分でお座りができない場合が多いので、ママのひざに座らせて食べさせてあげましょう。抱っこして少し後ろに傾けるような姿勢にすると、飲み込みやすくなるのでおすすめです。
離乳食の進み具合は個人差が大きい
離乳食を始めた赤ちゃんには、すごく食べてくれる子もいれば、なかなか食べてくれない子もいて、個人差が大きいです。同じ月齢の子でも、その進み具合に差がある場合もあります。
焦ることもあるかもしれませんが、赤ちゃんの様子をみながら、その子のペースに合わせて進めていきましょう。
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生後5ヶ月の赤ちゃんの生活スケジュール
生後5ヶ月の赤ちゃんの生活スケジュール例を示します。参考程度にみてください。
7:00 |
起床・授乳 |
8:00 |
お着替え・遊び・ママ朝食 |
10:00 |
授乳・おむつ |
11:00 |
ねんね・うとうと |
13:00 |
授乳・買い物・ママ昼食 |
14:00 |
遊び・お散歩 |
15:00 |
一人遊び |
16:00 |
ねんね |
17:00 |
授乳・遊び |
19:00 |
離乳食・遊び・ママ夕食 |
20:00 |
お風呂 |
21:00 |
授乳・ねんね |
2:00 |
授乳・ねんね |
赤ちゃんのおむつかぶれに注意
赤ちゃんのおしりやお股に湿疹が出る、赤くなるなど肌トラブルが出ることもあります。赤い、一部だけぶつぶつしている場合は、おむつかぶれのことが多いです。
おむつかぶれの原因は、おむつが肌に合わない、擦れてしまう、拭き残しがある、強く拭きすぎる、頻回のおしっこや便による刺激などが考えられます。おむつのメーカーやサイズを変える、おむつ替えの時にぬるま湯でお股を洗って替える、など試してみてください。それでも改善しない場合はカビが原因の可能性もありますので、小児科を受診してください。
産後5ヶ月のママの状態
産後しばらくすると、抜け毛が気になる方も多いです。これは産後のホルモンバランスの変化や、夜間の授乳など不規則な生活によるストレスや疲労が原因です。しばらくすると落ち着いてきますが、気になる場合はシャンプーを変えてみたり、美容師に相談するなどしましょう。
産後の性生活
産後5ヶ月頃までにセックスを再開する方も多いでしょう。産後すぐは育児に追われて余裕がありませんし、体にもまだ痛みがあることも。出産後のホルモンも影響し、性欲がなくなってしまうこともあります。
ママは忙しくてそれどころじゃないと考えていても、女性と男性では性欲も違います。男性の生理的なものを理解してあげましょう。
セックスは夫婦の大切なコミュニケーションでもあります。女性が拒否し続けてしまうと、男性が勃起不全になってしまうことがあります。夫婦仲がギスギスしてしまい、関係が冷え切ってしまうこともあります。
すぐにセックスをするのが難しい場合は、体や心の状態をパパに伝え、話し合う機会を設けましょう。スキンシップだけでも、「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。オキシトシンは別名「愛情ホルモン」とも呼ばれていて、ハグやセックスで分泌されストレスを軽減するとも言われています。
体に負担がかからないようにコミュケーションをとりながら、スキンシップを再開していきましょう。
《まとめ》
生後5ヶ月は赤ちゃんが寝返りを始めたり、離乳食が始まったりと変化が多い時期。どんどん成長する過程が見られ、遊びの幅も広がっていく時期でもあります。離乳食の進み具合などは個人差が大きいので、焦らずに赤ちゃんの成長を見守っていきましょう。
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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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