赤ちゃんの「寝返り」はいつ頃から?早い子・遅い子は要注意?

寝返りとは、赤ちゃんが主体的にやる運動。寝返りができるというのは、赤ちゃんの筋肉や神経が発達している証でもあります。
寝返りはいつからできる?
赤ちゃんが寝返りするのは、平均で生後5ヶ月~6ヶ月頃からです。生後2ヶ月~4ヶ月頃に首がすわり、その後に少しずつ筋肉や神経が発達して、寝返りができるようになります。発達の具合には、個人差が非常に大きいです。すぐに寝返りできる赤ちゃんもいれば、ゆっくり習得していく赤ちゃんもいます。
まれに、寝返りをせずにおすわりに移行する場合もあります。寝返り時期には一定の目安はあるものの、必ずしも「早いから良い」「遅いから心配」ではありません。あくまでも「個人差」として周りと比較せず、それぞれ赤ちゃんのペースを見守りましょう。
寝返り前の赤ちゃんによくある兆候とは
寝返りができる前には、ほとんどの赤ちゃんが兆候を見せます。身体を捻る、あるいは仰向けの状態で足をバタバタさせると、寝返りをする兆候といえます。
また、近くのおもちゃを手で取ろうとした反動で、寝返りができることもあります。赤ちゃんが興味をもつおもちゃを近くにおいて、「手に取りたい気持ち」を引き出してみてください。寝返りする気持ちをサポートし、あと少しのところにそっと手を添え促してあげるのも良いでしょう。
赤ちゃんが「寝返りできた!」その判断基準
赤ちゃんが自分の力で、仰向けからうつぶせに体勢を変えられたら「寝返りができた」と判断します。左右どちらからでも良いです。
赤ちゃんの運動機能は、頭部から身体の下の方へ、中枢から抹消へ発達します。首がすわり、少しずつ自分の意思で腕や足が動かせるようになり、色々なものを見て興味を示し、手で触ろうとして寝返りをするのです。寝返りができるということは、赤ちゃんの筋肉や神経がしっかり発達している証です。
6ヶ月健診では寝返りの確認を行います。ただし寝返りの時期は早くて生後3ヶ月、遅くて生後10ヶ月と個人差があるもの。健診のタイミングでまだできなくても、経過を見ていて発達していくことがほとんどです。心配しすぎないようにしましょう。
寝返りが【早い】赤ちゃんの注意点
早ければ生後3ヶ月で、寝返りをする赤ちゃんもいます。寝返りの習得は運動機能が発達している証拠だと先述しましたが、実は「運動神経」とは関係がないことがわかっています。そのため、寝返りが早い方がより良いことではありません。
寝返りは時期は赤ちゃんの性格、その時の気分やタイミング、環境などに大きく左右され、赤ちゃんの体重にも関係します。体重が軽い子ほど身体を動かしやすいもの。興味のあるものが近くにあり、そこに手を伸ばそうとして、コツさえつかめばどんどん寝返りをしていきます。
寝返りの際にまだしっかり首を持ち上げられない場合は、特に目を離さず、適宜仰向けに戻してあげましょう。首を持ち上げることができずに、布団やおもちゃに顔が埋もれると、窒息してしまう危険性があります。
寝返りが【遅い】赤ちゃんの注意点
寝返りは生後5ヶ月~6ヶ月でできるようになりますが、これはあくまでも平均的なもの。遅い赤ちゃんは、生後10ヶ月になることもあります。
生後6ヶ月過ぎても寝返りができない場合は、まず環境を確認してみましょう。赤ちゃんに重ね着をさせすぎたり、マットが柔らかすぎていませんか。赤ちゃんが動きづらくて寝返りができない、というケースもあります。
またうつぶせが嫌い、寝返りに興味がない場合もあります。体重が重い赤ちゃんの場合は、動きづらくて寝返りをしない傾向も。単に本人の気分や好みの問題もありますので、根気強く見守っていきましょう。
まれに原始反射である「非対称性緊張性頸反射」が残っていると、寝返りが困難になることも。心配しすぎる必要はありませんが、もし不安であれば悩まず、かかりつけの小児医に相談してみましょう。
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先輩ママに聞く「いつ赤ちゃんが寝返りした?」「寝返りの予兆・練習方法は?」
ではここからは、先輩ママ約200人に聞いた「赤ちゃんの寝返り時期」に関するアンケート結果をみていきましょう。
Q. 赤ちゃんが寝返りできたのはいつ?
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調査期間:2022年8月25日~9月5日 回答数:217
赤ちゃんが寝返りできるようになった時期については、「生後4ヶ月」が最多で34%、次いで「生後5ヶ月」が31%、「生後3ヶ月まで」が21%という結果となりました。
寝返り時期には、ほっこり可愛らしい?こんなエピソードも。
◆急に静かになった瞬間、ぐるんっ!と寝返り成功。突然の出来事でびっくりした。息子自身も驚いた表情をしつつ、やり遂げたドヤ顔も可愛かった。
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◆寝返りが始まると、寝相の勢い余って寝返。自分では元に戻れず、目覚めて泣くこともよくあった。
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◆なぜか意地でも寝返りをしなかった我が子。お座りやつかまり立ちをしても寝返りはせず。1歳を目前に「仕方ないな。やるか。」という感じで当たり前の様に寝返りしていて笑った。
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◆目を離したほんの1分の間に、コロンと寝返り!初めての時はちゃんと見ていたかった…。
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◆生後6ヶ月を過ぎてはじめての寝返りだったので、成長が遅いのかなと心配な時もあったが…急にこてんっと簡単そうに寝返りして拍子抜け。
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Q. 「そろそろ寝返りできるかも!」寝返り前に感じた予兆は?
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- 横向きになったり、足をバタバタと激しく動かすようになった。ベビー布団で寝ていても、少しずつ位置がずれて布団からはみ出すこともあった。
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- やけにうつ伏せを好むようになり、体をよじる・くねくねとひねり出すような動きが増えた。
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- 背中をそらし始めたなと思ったら、自分で足をクロスして、寝返りしたそうな感じが見てわかった。手が邪魔になってなかなか上半身が回らない、もどかしい時期が続いた。
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- ほとんど予兆はなかった。子育て支援センターで隣にいた赤ちゃんの寝返りを見た後、自分で寝返り練習をし始めた翌日には成功させていた。子どもの成長はすごいと感心した。
Q. 寝返りの練習方法は?
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- そっと背中を押してあげたり、名前を呼んだり、おもちゃを見せながら応援。
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- 機嫌のいい時は少し固めの布団でうつ伏せにして、自分の首で頭を支える練習をさせた。
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- 下半身の力をつけるために、足の運動や体操をさせた。長くうつ伏せができるようになったら、おもちゃを取る練習を組み合わせ、上半身も鍛えた。
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- パパが隣で一緒に転がって、「こうするんだよー」とお手本を見せた。
赤ちゃんが寝返りしない時!サポート・練習のやり方
赤ちゃんが生後6ヶ月過ぎても寝返りしない場合は、周囲の環境を見渡してみて、赤ちゃんが寝返りしたくなるような工夫をしてみましょう。また、外出して他の赤ちゃんが遊ぶ姿を見せたり、うつ伏せで遊ぶ楽しさを経験させてあげられると良いでしょう。赤ちゃんが自発的に寝返りできるように、サポートしてください。
寝返りのサポート&練習方法

1)赤ちゃんの身体をうつ伏せや横向きにしましょう。赤ちゃんの目線が変わりますので、視界が広がり色々なものに興味がわくようになります。
2)もし赤ちゃんが足を曲げて身体を捻り始めたら、背中もしくは腰を支えて、軽く押してあげましょう。支えてあげるだけで、自分から寝返りをすることもあります。
3)寝返りができたら、床と身体に挟まっている腕を抜いてあげましょう。
寝返りをする方向に、お気に入りのおもちゃを置いたり、声かけをすると効果的に練習ができます。横向き・うつ伏せが嫌いな赤ちゃんは、もしかしたら初めは泣いてしまうかもしれません。その時は無理に練習せず、機嫌が良い時に挑戦してみましょう。
赤ちゃんによっては、寝返りせずお座りを習得する子もいます。座れる筋力と体幹はそなわっているので、筋肉の発達の遅さを心配しなくても大丈夫でしょう。うつ伏せが嫌いな赤ちゃんが成長につれて、遊びを通してずりバイやハイハイなどの行動を始めるのも、よくあるパターン。順序が違うことも心配せず、見守りましょう。
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赤ちゃんが寝返りの練習をするときの注意点
赤ちゃんが寝返りの練習をするときは、以下の点に注意しましょう。
■厚着をさせすぎない
特に寒い冬などは、赤ちゃんについ厚着をさせがちです。しかし厚着は身体を動かすのを妨げます。寝返りの練習をするときは、伸縮性のあるセパレートタイプのものがおすすめ。靴下をはいていると、足で床を蹴る際に滑ってしまうので、裸足が良いです。部屋を温かくして、赤ちゃんが身体を動かしやすいようにしてあげましょう。
■柔らかいマットの上や高い場所で練習しない
柔らかいマットの上だと、赤ちゃんが寝返りをする際に足に力を入れられずに、練習の妨げになってしまいます。また、うつぶせになった時に窒息の可能性もあり、非常に危険です。
ベッドの上などの高いところでの寝返りは、転落の危険性があります。床にプレイマットを敷くと良いでしょう。
■赤ちゃんから目を離さない
寝返り練習の際は、なるべく赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。何かの拍子で布団に埋もれて窒息したり、転落したりする可能性があります。ママの生活への負担も考えて、なるべく安全な環境づくが大切です。
■ベビーベッドやバウンサーで過ごす時間を短くする
赤ちゃんの視界に入るものを変えてあげると、色々なものに興味を示します。ずっと同じ場所で過ごすのではなく、たくさんのおもちゃや本など、赤ちゃんの興味がありそうなものを示してあげましょう。
赤ちゃんが寝返りするようになったら気を付けよう

寝返りが少しできるようになると、顔をあげて色々な方向を見ようとします。寝返りが楽しくなって、今度は色々なところに行ってみたいという欲求も現れます。赤ちゃんが安全に過ごせるように、以下のことに気を付けてあげましょう。
布団やクッションでの窒息
寝返りができるようになると、赤ちゃんの視界は一気に広がります。しかし最初はまだ、首を長時間支えておくだけの力がありません。疲れて、そのまま突っ伏してしまうこともあるでしょう。また、寝ているうちに寝返りをしてしまうこともあります。
柔らかい布団などの上では、そのまま窒息してしまう可能性があります。大人用の布団ではなく、赤ちゃんのことを考えて作られたベビー布団を利用し、寝かせるようにしましょう。
また床の上でも近くにクッションやぬいぐるみなどがあれば、埋もれてしまう可能性があります。赤ちゃんが日中過ごす環境として適切か、確認しましょう。
ベッドからの転落
ベビーベッドの柵をしていなかったり、大人用のベッドで赤ちゃんを寝かせたりすると、寝返りで転落事故につながる可能性があります。短時間だとしてもベビーベッドは毎回必ず柵をして、大人用のベッドでは赤ちゃんを一人にしないようにしましょう。
もちろん寝返り練習時期ではなくても、赤ちゃん転落の危険性があります。必ず柵をするのを徹底しましょう。またソファなどからの転落も、気を付けなければいけません。
赤ちゃんの誤飲
寝返りを習得すると、左右どちらかの寝返りを繰り返して、目的の場所に向かって行くようになります。赤ちゃんの口に入るような小さなものが落ちていると、手を伸ばしてつかみ、危うく誤飲するという事故も考えられます。
特にボタン電池、タバコ、硬貨、磁石などは赤ちゃんにとって非常に危険です。周囲に危険なものが落ちていないか、今一度確認をしましょう。
《まとめ》
赤ちゃんは寝返りをすると、視界が開けて興味の対象が変わってきます。寝返りしそうな素振りを見せていて、できなくてイライラしている様子があれば、そっと手を添えてあげると良いでしょう。もし寝返り時期が遅れたとしても、成長・発達には個人差があるので、心配しすぎる必要はありません。気になるようであれば、助産師やかかりつけの小児科医に相談してみましょう。
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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。
2010年一般社団法人格を取得。
2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。
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