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2022.07.11
【医師監修】絶対にやってはいけない夜泣き対策は?NG行為とおすすめの対処法
赤ちゃんのお世話で大変なことのひとつ「夜泣き」。赤ちゃんは泣くのが仕事とは言え、ずっと泣いているとどうすればいいのか?とパパもママも途方に暮れてしまいます。この記事では、夜泣きの原因や対処方法について紹介します。「夜泣きを減らすためにどうすればいいのかな」と悩む時はぜひ参考にしてください。
目次
- 赤ちゃんの夜泣きはいつからいつまで?原因とは
- ・赤ちゃんの夜泣きはいつまで続く?
- ・赤ちゃんの夜泣きの原因
- 絶対にやってはいけない【夜泣き対策】この4つはNG!
- ・「長時間の放置」はダメ
- ・「大声で怒鳴る」はダメ
- ・「泣いたらすぐ抱っこ」はダメ
- ・「ママやパパが自分を責める」はダメ
- 赤ちゃんの夜泣きに!おすすめの対処法
- ・1. 睡眠環境を整える
- ・2. 授乳をしっかり
- ・3. 十分なスキンシップ
- ・4. 外気に触れる
- ・5. 寝る前のルーティン
- これって病気?赤ちゃんの夜泣きがひどい時
- ・睡眠障害の可能性
- ・発達障害の可能性
- 夜泣きにまつわるよくある疑問
- ・Q. 夜泣きをする子・しない子の特徴はある?
- ・Q. 夜泣きを放置するとどうなる?
- ・Q. 夜泣きのピークはいつ?
- ・Q.できるだけ夜泣きを予防するためにできることは?
赤ちゃんの夜泣きはいつからいつまで?原因とは
赤ちゃんの夜泣きはそもそも、いつから始まるのでしょうか。個人差はありますが、おおよそ生後半年ごろから始まることが多いと言われています。
赤ちゃんの夜泣きはいつまで続く?
夜泣きがいつまで続くかに関しても、個人差があります。1歳〜1歳半ごろまでに落ち着く子が多いと言われていますが、2〜3歳まで続く場合もあります。また1歳ごろになって、急に夜泣きが始まることもあります。
赤ちゃんの夜泣きの原因
そもそも赤ちゃんの夜泣きは、なぜ起こるのでしょうか?原因は様々で、ストレス、睡眠不足、新しい環境に触れた時、甘えたい時に起こりやすいと言われています。しかし原因がはっきりわからないことも多くあります。
■ストレスがかかった時
ストレスがかかると、夜泣きをすることが多いです。具体的には日中に友達とたくさん遊んだ時、普段出かけないところに出かけた時、旅行した時などです。普段と違った生活や刺激は、成長・発達には欠かせない大切なこと。しかし赤ちゃんにとっては、ストレスになることもあると覚えておきましょう。
■睡眠不足になった時
睡眠不足の時はどうしても疲れてしまい、夜に起きてグズグズしやすいです。また寝ようと思っていてもうまく寝られなくて、眠いのに眠れないストレスからグズグズすることもあります。
■新しい環境に触れた時
保育園に通い始めた、祖父母の家で預かってもらったなど、普段と違う環境の場合も夜泣きが起こりやすいです。大人でも新しい環境での生活は慣れるまで時間がかかり、ストレスがかかりますよね。赤ちゃんも同じようにストレスを感じて、夜泣きをすることがあります。
■甘えたい時
生後半年〜1歳ごろは、まだまだ大人にたくさん甘えたい時期。なかには兄弟ができて、かまってもらえる時間が減る場合もあり、そのストレスや寂しさから夜泣きをすることもあります。まだまだ大好きなママやパパに甘えたいのです。
■原因がないことも多々ある
このように色々な原因を解説しましたが、どれにも当てはまらないのに夜泣きをすることもあります。赤ちゃんの夜泣きは、まだ原因がわからないことも多いのです。
また日中に多くの情報を得て脳をフル回転しているため、夜にその情報が残っていて夜泣きをするとも言われます。赤ちゃんの成長の過程ですので、しっかり発達している証拠だと前向きに捉えられるといいですね。
絶対にやってはいけない【夜泣き対策】この4つはNG!
赤ちゃんの夜泣きは、大人にとっても辛いもの。できるだけ夜泣きが起こらないように、対策をとりたい人も多いでしょう。しかしながら、絶対にやってはいけない夜泣き対策もあります。ここからは、NGとされる対策についてご紹介します。
「長時間の放置」はダメ
赤ちゃんの夜泣きが続くと、ママもパパもストレスで疲れてきますね。そんな時にやってしまいがちなのが、泣いている赤ちゃんを放置することです。赤ちゃんが泣き続けていると疲れてイライラしてしまうため、少し離れるのは問題ありません。完全に放置してしまうことはやめましょう。
泣いている赤ちゃんをすぐに抱っこできない、どうしてもイライラしてしまう場合は、赤ちゃんの様子が見える範囲で少し離れて15分ほど様子をみてもよいでしょう。泣き止んでそのまま寝てくれることもあります。
「大声で怒鳴る」はダメ
連日夜泣きをされると、ストレスが溜まってイライラするでしょう。おむつを替え、おっぱいやミルクを飲ませ、抱っこしていても泣き止まない時も多々ありますね。
そんな時、何に対して泣いているのかわからず、怒鳴ってしまう人もいるかもしれません。寝ずに泣き続けることにイライラするかもしれませんが、大声で怒鳴るのはやめましょう。
また赤ちゃんを泣き止ませるために、強く揺さぶってしまうかもしれません。強く揺さぶると、頭部が損傷する「乳児揺さぶられ症候群(SBS)」が起こりえます。「高い、高い」のように、あやす程度であれば大丈夫です。ただし乳幼児揺さぶられ症候群の場合、脳出血や失明、知的障害を起こすこともあるので、注意が必要です。
どうしても泣き止まずイライラしたら、家族や友人など親しい人に連絡して気持ちを落ち着かせ、かかりつけの小児科医に相談するなどしましょう。
「泣いたらすぐ抱っこ」はダメ
夜泣きしている原因はさまざまありますが、眠たくて泣いている、眠たいのに起きてしまって泣いていることがあります。
うとうとして泣いているときにすぐに抱っこをすると、逆に覚醒してしまい、さらに泣いてしまうことがあります。
「ママやパパが自分を責める」はダメ
赤ちゃんの夜泣きは、成長の過程でどうしても起こることです。原因があれば対処ができますが、はっきりした原因のない夜泣きに対しては、ママやパパが頑張ってもどうしようもないこともあります。そんな時に自分を責めてしまうかもしれません。
しかしママやパパがうまくあやせないから、接し方が問題だから、と自分を責める必要はありません。自分を責めてストレスが強くなると、育児ノイローゼになってしまう人もいます。子どもの成長過程で仕方がないと考え、必要以上に責めないようにしましょう。
おすすめ情報
赤ちゃんの夜泣きに!おすすめの対処法
絶対にやってはいけない夜泣き対策は紹介しましたが、「ではどうやって対策すればいいの?」と思いますよね。ここからは、おすすめの夜泣き対処法をお伝えします。
1. 睡眠環境を整える
まず大切なのは、赤ちゃんがしっかりと眠れる環境を整えることです。赤ちゃんが安心して眠るには、環境がとても大切。大人の話し声や、扉の開閉などの生活音で起きてしまうこともあります。
赤ちゃんは言葉がまだ話せないので、自分の不快な事やして欲しい事は、すべて泣いて伝えようとします。「おむつが濡れて気持ちが悪い」「部屋が暑くて寝苦しい」なども、泣いて訴えるのです。まずはおむつを確認し、肌着が不快な状態ではないか確認しましょう。そして部屋の明かりや温度など、赤ちゃんにとって快適かどうかも見てください。
よくある間違いは、必要以上に着せ過ぎていること。もし思い当たるママは、1枚少なめの薄着を心掛けましょう。少しの生活音も出さないのは難しいかもしれませんが、赤ちゃんが途中で起きることがないように、部屋の調光や温度などには気をつけましょう。
2. 授乳をしっかり
次に、ミルクや母乳を与えて、しっかりお腹を満たした状態にすることです。赤ちゃんはまだ生活リズムが整っておらず、ミルクや母乳は一回で必要量を飲みきれないことも多いです。
お腹が空いて夜泣きをすることもあります。授乳でしっかりとお腹を満たした状態で眠ると、空腹で起きることはなくなります。
3. 十分なスキンシップ
夜泣きの原因の一つに、「甘えたい」こともあります。おむつは汚れておらず、ミルクを飲んで満腹なのに、何をしても泣いている時もあるでしょう。しっかりスキンシップをとり、思う存分甘えさせてあげましょう。
ママやパパは忙しく、仕事終わりで疲れている時など、しっかり時間をとって子どもと向き合うのが難しいかもしれません。
赤ちゃんは十分に甘えられないと、夜泣きという形で甘えることもあります。赤ちゃんを抱っこしたり、手を握って話したりすると、安心して泣き止むことでしょう。寝る前にしっかりとスキンシップをとり、甘えられると夜泣きが減らせるかもしれませんよ。
4. 外気に触れる
抱っこやおっぱいなど、何をしても泣き続ける場合は、一度環境を変えてみるとよいでしょう。抱っこしながら窓を少し開けて、外の空気に触れたりすると、気分が変わって泣き止むこともあります。ただしママやパパが寝不足の時に外で抱っこをすると、転倒や転落の危険性があります。ベランダなどで抱っこする時は、十分注意しましょう。
5. 寝る前のルーティン
寝る前のルーティンを決めることもおすすめです。入眠儀式とも言いますが、寝る前は毎日同じ流れにすることで、赤ちゃんもこれをしたから寝る時間と認識しやすくなります。
寝る前のルーティンは絵本の読み聞かせ、音楽を聞かせるなど、何でもかまいません。できそうなことから始めてみましょう。
これって病気?赤ちゃんの夜泣きがひどい時
夜泣き対策をしっかりしても、あまりに夜泣きがひどい場合、「これって病気なのかな?」と不安になるかもしれません。夜泣きと症状が似ている病気もありますので、紹介します。
睡眠障害の可能性
夜泣きがあまりにもひどい場合は、「乳児慢性睡眠障害」の可能性があります。当てはまる症状は以下の通りです。
・昼間によく寝る
・かんしゃくを起こす
・離乳食が進まない
・夜に寝ない・寝つきが悪く途中で目が覚めてしまう
・寝室に入ることを嫌がる
・大人がいないと寝られない
子どもの成長・発達に影響が出ることもあります。当てはまる症状があれば、一度かかりつけの小児科医に相談しましょう。
発達障害の可能性
夜泣きがあまりにも激しい場合、「発達障害なのではないか?」と不安に感じる人もいるかもしれません。発達障害とは、1歳ごろの時点で診断することは難しいもの。早くても3歳ごろから診断されると言われています。もし気になる場合は小児科医に相談しながら、成長・発達を見守っていく必要があります。
夜泣きにまつわるよくある疑問
ここからは、夜泣きにまつわるよくある疑問にお答えします。
Q. 夜泣きをする子・しない子の特徴はある?
- 夜泣きをする子、しない子の特徴があれば知りたいですね。しかし夜泣きをしない子の特徴は医学的にわかっていません。ベッドや布団など抱っこせずに寝る子のほうが夜泣きしない傾向にあるようですが、はっきりとわかっていません。
Q. 夜泣きを放置するとどうなる?
- 夜泣きをしても、しばらくは様子を見て問題ありません。しかしずっと放置すると、赤ちゃんとの信頼関係が築けなくなってしまいます。赤ちゃんが「泣いて何かを伝えようとしても無駄だな」と思い、伝えようとしなくなる場合もあるでしょう。これをサイレントベビーと言います。すぐに対応することが難しいときは、「ちょっと待ってね」など声をかけましょう。
Q. 夜泣きのピークはいつ?
- 夜泣きのピークには個人差がありますが、生後8ヶ月〜10ヶ月ごろが多いでしょう。
Q.できるだけ夜泣きを予防するためにできることは?
- 夜泣き予防のためにできることはありますよ。以下を参考にしてください。
■昼夜のリズムをつける
まずは朝起きてからカーテンを開けて、日光を浴びることからはじめましょう。日光を浴びることで体内時計のリズムが整いやすくなります。
また、日中にお散歩に出かけ外の風にあたったり、外で遊べるときはできるだけ体を動かすといいでしょう。日中にたくさん動くと夜寝やすくなりますよ。
■昼寝を長くしすぎない
昼寝を長くしずきると、夜なかなか寝つけなくなることがあります。無理に起こさなくてもいいですが、できるだけ夜にぐっすり寝られるよう、昼寝の時間を調整するといいでしょう。
■寝る前の環境を整える
赤ちゃんが寝る前の環境を整えることも大切です。夜寝る前にテレビや部屋の明かりで明るかったり、音が大きかったりすると、赤ちゃんが興奮してなかなか寝つけません。部屋は暗くし、音はなるべく小さくなるよう環境を整えて、寝られるようにしましょう。
《まとめ》
夜泣きの原因はわからないことも多く、いつまで続くのか、どうしたら泣き止むのかと悩む人も多いでしょう。夜泣きは赤ちゃんの成長過程で見られ、多くのママやパパが通る道です。家族で協力しながら、対策をとっていきましょう。またあまりにも夜泣きがひどく、ストレスを強く感じる場合は、小児科医に相談することも一つの方法です。家族での解決が困難な時は周りに相談し、助けを求めてくださいね。
※写真提供:PIXTA
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ママのお悩みの声
1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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