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2021.12.24

【助産師が解説】産後体重は戻る?減らない原因と産後ダイエットのコツ

出産後は、自分の体形が妊娠前とは変わってしまったと思ったり、妊娠で増えた体重が戻らず心配になる方もいるかと思います。ただし、食べないことでの急激な体重減少や、骨盤が不安定な時期の適切ではない運動で負荷をかけてしまうと、産後の不調につながりかねません。ここでは妊娠中に体重が増える理由や、産後の循環動態の変化について理解しましょう。また体調の回復や、分娩で開いた骨盤の戻る過程などを知り、健康を維持し無理なく体形を戻していくコツを助産師が解説します。

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産後の体重はいつ戻る?出産直後~産後5ヶ月の体重変化

産後の体重

 

妊娠中の推奨体重増加量は、妊娠前のBMIが18.5以上25未満の「普通体型」の妊婦さんの場合で、7~12kgです。ここでは妊娠中に変化した体形が、産後どのように戻っていくのかを知りましょう。そのためまずは、妊娠中の体重や体調の変化についてを説明した、以下の記事を参考にしてください。

 

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産後の体重変化の特徴

妊娠中に増えた体重のうち、

●約4kgが赤ちゃんと付属物(胎盤・臍帯など)

●約3.5kgがママの貯蓄された脂肪

●約3.5kgが血液や組織液

●約1kgが子宮・乳房の増大分

と言われています。出産後には、赤ちゃんと付属物・羊水・血液を合わせた、約5kg分が体の外に出ることになります。

つまり出産直後の体重減少は5kg程です。上述したように妊娠中に循環血液量が1.5倍ほど増えているので、腎臓が機能して徐々に尿などで排出するため、体重はすぐには戻りません。

 

さらに産後はホルモンバランスが急激に変化。また出産時に羊水や出血で体外に出た水分を取り戻そうと、身体が水分を溜め込もうとします。そのため身体がむくみやすく、思っていたよりも体重が減っていないと思うかもしれません。

 

子宮も6~8週間かけて元の大きさに戻ります。赤ちゃんの成長を10ヶ月支えていた母体と、お産で開いた骨盤が戻るためには、相応の期間が必要です。

つまり急激に体重をもとに戻そうというのは、無理がたたり体調を崩すことになりかねません。焦らずに体の回復を捉えながら、負荷の少ない運動を取り入れ徐々に戻していくと良いでしょう。

 

 

なぜ戻らない?産後に体重が減らない原因

出産後、思ったように体重が減っていないと感じるママもいるかもしれません。ここからは、体重が減りにくい原因について解説していきます。

 

産後体重が減らない原因1. 筋肉量の減少

産後1ヶ月は、ママの身体の回復をはかるために、赤ちゃんのお世話以外はゆっくりと過ごすことが大切です。産後1ヶ月を過ぎて体を動かしてもいい時期になってもそのまま、赤ちゃんのお世話以外は寝たきりの生活を続けていると、筋肉量が減ってきてしまいます。

筋肉量が落ちると基礎代謝も落ちてきますので、体重が落ちにくくなってきます。産後1ヶ月を過ぎた頃からは、ストレッチなどの軽い運動からとりいれるようにしましょう。

 

産後体重が減らない原因2. 授乳による食べ過ぎ

産後は母乳からたくさんの栄養を赤ちゃんに届けようと、食欲が増大します。確かに母乳を与えるだけで、1日に約500kcalものエネルギーが消費されると言われています。しかしそれ以上の高カロリーを摂取してしまっては、体重は減るどころか増えてしまいますよね。バランスの取れた食事を適量とりましょう。

 

産後体重が減らない原因3. 運動の時間が取れない

慣れない育児で毎日忙しすぎて、自分の時間を持てないママもいるでしょう。育児で自分の時間が取れないというママには、育児や家事をしながらの軽い運動がおすすめです。皿洗いや洗濯の時につま先立ちをしてみる、また赤ちゃんをあやしながら軽く膝を曲げてみるといいでしょう。簡単にできそうな運動を、育児や家事をしながら行うと時短になりますよ。

 

 

産後に体重を戻したい!ダイエット成功のコツ

ここでは、産後のダイエットを成功させるためコツを紹介していきます。

 

産後ダイエットのコツ1. 食生活を見直す

産後は妊娠中のお腹の圧迫感が解消され、食欲が増進しがちです。適量を意識して食事をすることが大切です。また赤ちゃんが飲む母乳は、ママの食べたものをもとに作られています。赤ちゃんの成長のため、産後の身体の回復のためにも、バランスの取れた食事をとりましょう。

 

産後の食生活

産後ダイエットのコツ2. 骨盤ケアをする

産後に行うダイエットでは、出産に伴い開いている骨盤を元に戻していくことが大切です。骨盤を正しい位置に戻すことで、腹部の血流が改善し、おなかまわりにも脂肪がつきにくくなると言われています。

骨盤が緩んでいる期間は、だいたい産後6ヶ月まで。この間に「産褥体操」で骨盤周りの筋肉をつけ、骨盤ベルトなどで骨盤を正しい位置に導くように心がけましょう。

 

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産褥体操のやり方【動画】産後いつから始める?助産師監修

 

産後ダイエットのコツ3. 適度な運動をする

産後の運動は、簡単で身体への負担が少ないものから始めてください。産後おこなう運動として、「産褥体操」が推奨されています。産後1ヶ月は身体を休めることが大切とされていますが、そんな時期でもおこなってよい体操が産褥体操です。自分の体調を見て、無理のない範囲でおこないましょう。

また産褥体操は、骨盤周りの関節や筋肉をほぐすものが含まれており、これにより骨盤の回復がスムーズになると言われています。

 

 

産後ダイエットにおすすめの運動

産褥体操

 

産後ダイエットで体重を戻すには、骨盤を元の位置に整えることが重要になります。ここでは、骨盤を整えることに役に立つ運動を、いくつか紹介していきます。

 

骨盤の傾斜運動(産後7日目頃から)

1. 膝をたてて仰向けになる

2. 深く息を吸いながら、床に背中を押し付けるようにして、骨盤を傾ける

3. ゆっくり息を吐きながら、お腹とお尻を引き締め、3~5秒間維持する

4. もとに戻してリラックスする

 

骨盤底筋体操(産後7日目頃から)

1. 両足を肩幅にひらく

2. 背筋を伸ばして姿勢を整える

3. お腹が突き出さないように腰の位置に気をつけながら、片手はお腹に、もう片方はお尻に当てる

4. ゆっくりと呼吸をしながら、肛門を内側に押し上げるように引き締める

5. ゆっくりと呼吸しながら、少しずつ力を抜く

6. 動き4.と5.を2~3回繰りかえす

 

腰上げ運動(産後7週目以降)

1. 両ひざを立てた状態で仰向けになる

2. 腰をゆっくりと上げる

3. ゆっくりと下ろす

 

 

《まとめ》

 

産後は思うように体形が戻らずに、焦ってしまうことがあるかもしれません。しかし、産後は身体を休めるべき時期と、身体を動かして体重管理しやすい時期があります。今回お話した内容を参考にして、健康的に理想の体型に近づけられるといいですね。

 

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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