赤ちゃんの寝返りはいつから?

生後3ヶ月~4ヶ月頃に赤ちゃんの首がすわり、その後に寝返りという成長過程をたどります。赤ちゃんは毎日手足をばたつかせて腹筋を鍛えていますし、自らものをつかもうとして腕や手先を動かしていきます。
うつぶせにすると、手で身体を支え、頭を持ち上げ、胸を床から離せるようにもなります。つまり日々の赤ちゃんのすべての動きが、身体の筋肉の成長や発達につながっています。
寝返りは、背中や胸、腕、腰などの筋肉が発達することで出来るようになります。厚生労働省の乳児身体発育調査によると、生後6ヶ月~7ヶ月未満の乳児の90%が寝返りが可能と言われています。
ただ、これは多くの乳児が生後6ヶ月~7ヶ月に寝返りができるようになるのであって、必ずしもできなければいけない時期ではありません。赤ちゃんの成長にも個人差がありますので、まずはその成長を見守りましょう。
赤ちゃんの寝返りしそうな時期のサイン
赤ちゃんの成長のスピードは個人差があります。自分で反動をつけて、いきなり寝返りする赤ちゃんもいれば、身体を捻ったりひねったりし、寝返りしそうなサインを出す赤ちゃんもいます。サインが見られたら、寝返りができるようにサポートしてあげてもいいですね。
赤ちゃんの寝返りしそうなサインを紹介します。
寝返りのサイン1. 身体をひねる・そらす
赤ちゃんが身体をひねったり、そらしたりするのは背中の筋肉が発達してきている証拠です。自分の身体を曲げたり伸ばしたりすることで、足や腰、背中の筋肉を発達させています。
寝返りのサイン2. 身体を左右横向きにする
赤ちゃんが身体を左右横向きに保つことができるようになったら、背中の筋肉も発達してきている証拠です。
寝返りのサイン3. 手で膝や足を触る・足を持って遊ぶ
赤ちゃんが自分の膝や足を触ったり、足の先を持って遊んだりなめたりするようになります。これも体幹の筋肉、足を上げる筋力、腰を丸める力、股関節の柔らかさが育ってきている証拠です。
寝返りが遅い?赤ちゃんがなかなか寝返りをしない原因
前述したように基本的には、生後6ヶ月~7ヶ月で寝返りができるようになります。ですが生後9ヶ月になっても寝返りをしないなど、個人差があり時期は様々です。中には正常な発達をたどっているにも関わらず寝返りをしなかったり、寝返りが遅れたりすることがあります。
以下の原因を参考にして、寝返りしやすい環境をつくってあげましょう。
成長曲線より身体が大きい
赤ちゃんの体重が成長曲線の上をいったり、大幅に超えたりすると、身体が重いため動きが鈍くなります。そのため、首のすわりや寝返りなどの動作が遅れる可能性があります。積極的に身体を触れ合わせ、身体を動かす楽しさを教えてあげましょう。
うつぶせが苦手
赤ちゃんにうつぶせの練習をさせなかったり、うつぶせになる機会が少なかったりすると、うつぶせが苦手になったりします。うつ伏せの状態はいろいろな体の使い方を覚えます。
積極的にうつぶせ練習をさせてあげましょう。ただし、うつぶせの状態にしているときは、赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。
動きにくい服装
冬場などで赤ちゃんに厚着をさせている場合や、窮屈な服を着せている場合は、身体が自由に動かせず、寝返りができない可能性があります。赤ちゃんが自由に身体を動かすことができるような服装を心がけましょう。
柔らかい布団
赤ちゃんが寝返りするには、ある程度踏ん張るための硬い床も必要です。柔らかい布団やマットレスの上などは、身体が沈んでしまい、踏ん張ることや、反動をつけることができなかったりします。寝返りの練習をするときは、硬めのマットレスや床の方がいいでしょう。
【動画で見る】寝返り練習!ママのサポート方法
赤ちゃんが寝返りしそうなサインを見せたら、サポートしてあげましょう。寝返りの具体的なサポート方法を動画付きでご紹介します。
赤ちゃん自身がまず寝返りの方法を覚えると、だんだんとコツもつかめてきて自然と寝返りができるようになってきます。寝返りの方向に好きなおもちゃなど目的があると、好奇心が増し、寝返りがしやすくなりますのでぜひ試してみてください。
大切なことは、赤ちゃんが自力で寝返りをするのを待つということです。寝返りのサポートをするときは無理やりしないようにしましょう。
寝返りができたら注意したいこと
寝返りができるようになったら、赤ちゃん自身の視野も広がり、好奇心も増します。動けるようになり行動範囲も拡大しますが、その分危険もたくさん潜んでいます。環境を整備し、赤ちゃんの行動範囲に危険が潜んでいないか確認する必要がありますね。
高いところには寝かせない
寝返りをするようになると、いろいろなところをごろごろと動き回り、行動範囲も増します。赤ちゃんをベビーベッドなどの高いところで寝かせるときは、必ず柵をするようにしましょう。ソファーなども危険です。バウンサーも寝返りした際に転落する可能性がありますので、ベルトは必ず装着するようにしましょう。
行動範囲に危険なものを置かない
寝返りができるようになると、いろいろなものに興味を持ち、それに手を伸ばしたりします。赤ちゃんの行動範囲にたばこ、ボタン、電池や割れ物など誤飲や怪我をする危険性のあるものは置かないようにしましょう。
特に兄弟がいる場合は、小さなおもちゃが散乱しがちです。出来るだけ小さなおもちゃは床に置かないように気を配ることが大切です。またテーブルや椅子、家具などに当たらないように気をつけましょう。
コード類に気を付ける
近くにコード類があると、寝返りの際に身体や首に巻き付いたりする可能性があります。特に夜寝る際に、携帯電話の充電器のコードには注意が必要です。夜は電気を消すため、赤ちゃんの様子が観察しにくい環境にあります。
「朝起きると赤ちゃんにコードが巻き付いていた」などということになりかねません。使用しないコードは片付け、使用する場合は赤ちゃんが触らないようにガードするなど工夫が必要です。
クッションやぬいぐるみに注意
寝返りの際、近くにクッションやぬいぐるみがあると、赤ちゃんの顔が埋もれてしまい窒息の危険性があります。動き回るのを防止するために、クッションなどで赤ちゃんを挟むことは逆に危険ですので注意してください。かわいいからという理由で赤ちゃんのそばにぬいぐるみを置くこともやめましょう。
やわらかいマットレスや布団に注意
大人用のベッドで一緒に寝る場合、マットレスが柔らかすぎると寝返りをした際に身体が沈んでしまい、窒息の原因になります。マットレスは硬めのものを使用するか、赤ちゃん用の硬めの布団を準備するようにしましょう。
《まとめ》
赤ちゃんの寝返り時期には個人差がありますが、おおよそ生後6~7ヶ月で出来るようになります。赤ちゃんが寝返りしやすいよう環境を整えたり、寝返りしそうなサインを出したら、サポートしてあげるとよいでしょう。その際には、窒息や転落など事故が起こらないように環境整備をしてあげてくださいね。
※写真提供:PIXTA
国立福山病院附属看護学校卒業後、看護師として勤務。
第二子出産後、岡山大学医療技術短期大学部専攻科助産学特別専攻に進学し、助産師免許取得。
大学の非常勤講師、産婦人科病院、不妊治療専門クリニックなどで勤務。
現在は助産院勤務しながら、自身の出張・オンライン専門のすまいる助産院を開業中。産前産後の身体と心をサポートしてます。
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