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2022.11.29

胎動が激しくても赤ちゃんは大丈夫?【医師】痛いときの対処法

赤ちゃんの胎動が激しいと、「一体お腹の中で何をしているの?」「激しく動いているけれど赤ちゃんは狭くないのかしら?」と不安や疑問に思うかもしれません。胎動は赤ちゃんが元気な証拠。赤ちゃんの胎動で注意すべき点について、理解を深めていきましょう。痛い時の対処法や、胎内の赤ちゃんの様子についても医師が解説します。

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胎動はいつから感じるの?

胎動はいつから

 

胎動を感じる時期には個人差がありますが、早くて妊娠4ヶ月頃から感じられます。妊娠5ヶ月6ヶ月頃には、赤ちゃんの骨格はしっかりとして、筋肉が発達しています。胎内で活発に動く時期のため、この頃に胎動を感じる妊婦さんが多いようです。

しかし中には胎動を感じにくかったり、感じるのが遅れたりする場合もあります。初めての妊娠ではまだ胎動の経験がないため、何が胎動なのかわからずに気づけないことも。しかし遅くとも妊娠7ヶ月には、明らかな胎動に気づけるでしょう。

 

胎動の感じ方には違いがある

胎動の感じやすさには、妊婦さんの体型も関係します。たとえば皮下脂肪が多いとそれがクッションとなるため、胎動に気づきにくい傾向に。痩せている妊婦さんの方が、ダイレクトに胎動が伝わってくるでしょう。

また忙しいワーキングママなど、日中動き回ってゆっくり過ごす時間が少ないと、赤ちゃんの動きに気づくのが遅れる可能性があります。在宅ワークやデスクワークなどで長時間座っていたり、日中ゆったりと過ごしたりしていると、胎動は感じやすいでしょう。

 

さらに、羊水の量によっても変わります。羊水は赤ちゃんを包み、外の刺激から守る役割をしています。妊娠7ヶ月8ヶ月頃には、羊水の量は約700~800mlまで増えていきます。しかし妊娠糖尿病や、赤ちゃんの成長・胎盤機能に何かしら問題がある場合、羊水量がそれ以上に多くなることがあり、子宮壁に振動が伝わらず胎動が感じにくくなるのです。

 

その他赤ちゃんが眠っている、赤ちゃんが小さくまだ手足の力が弱いと、胎動は感じにくいでしょう。

 

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【先輩ママ】胎動はいつから?どう感じた?妊娠期ごとに違う感じ方

 

 

胎動が激しくても大丈夫?赤ちゃんは何をしている?

胎動は赤ちゃんが元気なしるしですので、胎動が激しくても問題はありません。むしろお腹の中の居心地が非常によく、赤ちゃんが発達している証拠といえます。

 

胎動の感じ方にも違いがあり、ぽこんぽこんと動く場合もあれば、ぐに~と手や足を子宮壁に押し付けるような動きをすることも。またドスッと肋骨を蹴ってくるなど、その方法は様々です。

赤ちゃんが成長するにつれ、動きも活発になります。お腹の中で大きく手足を広げて蹴ったり、臍の緒で遊んだり、狭い子宮の中でも自由自在に動いて回ります。

動きすぎて逆子になることもありますし、しゃっくりをしたり、羊水を飲んでおしっこもします。妊婦健診の際にエコーでそれらの様子を見せてもらうと、赤ちゃんに対する愛情もさらに深まりますね。

 

臨月に入ると赤ちゃんは大きく成長し、骨盤に頭がはまって出産の準備に取り掛かります。激しい胎動は少し落ち着いてくるようですが、出産直前まで激しい胎動を感じたママもいるでしょう。また逆子で帝王切開を予定していた前日、くるりと回って帝王切開が取り止めになったママもいます。

赤ちゃんはママのお腹の中で、自由に動きやすいように過ごしているのですね。臨月の胎動の落ち着きにも個人差がありますが、胎動が全くなくなるわけではありません。もしも全く感じられない場合は、注意が必要ということを覚えておきましょう。

 

胎動の強さで性別がわかるって本当?

「お腹の赤ちゃんが力強く蹴ったら男の子」という噂を聞いたことがあるかもしれませんが、これは医学的に全く根拠がないことです。「男の子=力強い」というイメージがあるからでしょうか。実際は胎動が激しい女の子も、逆に弱い動きの男の子もいて、性別と胎動に関係性はありません。

赤ちゃんの性別は、エコー検査によって判定されます。胎児の体位や向きにもよりますが、妊娠18週22週の間に判断できるケースが多いようです。

 

 

胎動が激しくて痛い時の対処法

胎動が激しい痛い

 

赤ちゃんが元気な証拠だとしても、痛いくらいに胎動が激しいと「少しおとなしくしておいて」と思うこともあるでしょう。赤ちゃんの腕や足が、ママの肋骨・胃・膀胱などの臓器に当たると、痛みが起こります。胎動の痛みを軽減する医学的な方法はありませんが、痛みを和らげる工夫について紹介します。

 

激しく痛いところをさする

胎動の痛みを感じるのはおおよそ、肋骨や臓器のあたりです。激しく痛みを感じたら、ゆっくりその部分をさすったりお腹を優しくゆすったりしましょう。赤ちゃんの手足の位置がずれれば、痛みを感じる部位も変わってきます。

 

痛みを感じた部分を温める

赤ちゃんのキックがママの肋骨などにしっかり入ると、痛くてしばらく動けないことも。その時は温かいタオルやホットパックであたためると、痛みが緩和されます。

 

音楽を聴かせる&話しかける

胎動が激しい時は、ママ自身がリラックスすることもおすすめです。自分が好きな音楽を聴かせたり、赤ちゃんに話しかけたりしましょう。副交感神経が優位となり、リラクゼーションにつながります。すると痛みを感じにくくなったり、痛みがやわらいだりします。

また妊娠7ヶ月頃から、赤ちゃんも耳が聞こえ始めます。赤ちゃん自身もリラックスでき、少しは胎動が落ち着くかもしれません。

 

抱き枕で体勢を工夫する

ママのお腹は大きく膨らみ、寝返りをうつのも一苦労でしょう。抱き枕を使って、激しい胎動の痛みを和らげる姿勢を工夫してみてください。片膝もしくは両膝を軽く曲げて横向きに寝る「シムス位」という姿勢は、妊娠中のお腹でもリラックスして休息できると言われています。

またママが四つん這いになって身体を揺らすと、子宮内に空間ができて胎児が移動しやすくなります。

 

身体をゆらす&動かしてみる

身体を揺らしたり動かしたりすると、子宮内に微妙な空間が生まれます。お腹の中にいる赤ちゃんの位置がずれることで、蹴る位置も変化します。

 

日中に胎児が寝ているタイミングで休む

夜間はママが横になり、リラックスしている時間が長いです。そのため胎動がさらに感じやすく、夜眠れなくなったりします。胎児はお腹の中で、20~30分おきに寝たり起きたりを繰り返しています。日中に胎児が寝ていて、胎動がおとなしい時に一緒に休むといいかもしれません。

胎動が激しい時は無理をせず、家事は少し中断してゆっくり休みましょう。

 

 

胎動が減った・感じられない時は注意!

胎動が激しくても特に問題ありません。しかし注意しなければならないのは、「今まで活発だった胎動が急に減る」または「胎動が感じられなくなる」時です。

正期産が近くなると、赤ちゃんの頭が骨盤の中にはまり込んで、以前よりは動きづらい傾向にあります。だからといって、赤ちゃんの胎動が全くなくなるわけではなく、急に胎動が減ることもありません。

 

胎動の消失や減少は、子宮内胎児死亡の兆候である可能性も示唆されています。いつもと違って明らかに胎動を感じない、胎動が弱々しい場合は、一度ソファなどに横になり、全神経を集中させ胎動を感じてみましょう。

1時間以上胎動を感じない、いつもより極端に胎動が弱いと感じたら、すぐにかかりつけの産科医に相談しましょう。NST(ノンストレステスト)で赤ちゃんの心拍やお腹の張り具合を調べ、エコー検査で羊水量・臍帯・胎盤、赤ちゃんの状態を確認することになります。

 

普段から赤ちゃんの胎動に意識を向けて、胎動カウントをしておくことも、異常時の早期発見につながります。もしもいつもと違う様子があれば症状を伝え、医師に赤ちゃんの様子をしっかり診てもらいましょう。「これぐらいで受診して大丈夫かな?」と躊躇せず、何でも相談しましょう。赤ちゃんを守れるのはママだけです。

 

 

「胎動カウント」のやり方

赤ちゃんとママは一心同体です。妊婦健診以外で赤ちゃんの異変に気付けるのは、ママしかいません。胎動は赤ちゃんが元気な証拠ですので、常に意識を向けておくように日々心がけましょう。

 

胎動が正常かどうかを知る方法に、「胎動カウント」があります。胎動カウントは赤ちゃんが元気かどうかを判断するための、おすすめの方法です。妊娠28週頃からは胎動カウントを行い、赤ちゃんや自分の身体に意識を集中させましょう。

 

胎動カウントでは、「胎動を10回感じるまでにどれくらい時間がかかったか」を計測します。方法は以下のとおりです。

 

【胎動カウントの方法】

◆まずはソファやベッドなど、横になれる場所で安静にします。

◆赤ちゃんの胎動を感じましょう。胎動を10回感じた時間を計測します。

 

連続した胎動は1回と数えるようにしてください。通常は早くて10分程度、遅くても40分以内には10回以上の胎動を感じるでしょう。もし1時間以上かかるようなら、かかりつけの産科医に相談した方がよいでしょう。

 

 

《まとめ》

 

胎動とは、赤ちゃんがお腹の中で元気に育っている証拠。痛みがあるくらい激しいとびっくりするでしょうが、リラックスして赤ちゃんとの一体感を楽しみましょう。もし胎動が減少する、あるいは感じなくなる場合は、すぐにかかりつけの産科医に相談すると安心です。胎動カウントを日課にして、赤ちゃんの異常の早期発見に努めましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

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