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2022.04.15

【医師監修】経産婦の胎動はいつから?2人目で感じる胎動の違いとは

「経産婦さんは初産婦さんより、胎動を感じるのが早い」と聞いたことがある人もいるでしょう。ここでは実際に、経産婦さんは2人目の胎動をいつから感じるのか、1人目のときと胎動の感じ方は違うのかを解説します。また妊娠期ごとの経産婦さんの胎動の感じ方や、その他にみられる、初産婦さんと経産婦さんの違いについてもお話します。さらに病院で診察を受けるべき胎動についても説明していきますので、参考にしてくださいね。

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経産婦は胎動をいつから感じる?

経産婦の胎動

 

赤ちゃんがママのお腹の中で胎動を始めるのは、妊娠8週頃。実は赤ちゃんはこんなに小さい時期から、もぞもぞと動き始めています。

しかしこの頃の赤ちゃんの動きは小さく、羊水にプカプカと浮いている状態。ママが胎動を感じることは、まだほとんどありません。

 

一般的に、初産婦さんが胎動を感じ始めるのは、妊娠19週21週と言われています。経産婦さんはこれより2~3週程度早くから、胎動を感じる場合が多いようです。これは経産婦さんが前回の妊娠で胎動を感じた経験があり、刺激を感じやすいという理由があります。

しかしながら、経産婦さんの胎動の感じ方にも個人差があります。普段の活動量や刺激への過敏性などにより、胎動を初めて感じる時期は変わるようです。

 

 

経産婦にとっての胎動!1人目と感じ方は違う?

経産婦さんは、胎動をより強く感じると思う人がいるかもしれませんが、実はそうとも限りません。初産婦さん・経産婦さんの違いよりも、ママの感じ方・赤ちゃんが動く頻度と大きさ・発達の程度・性格などに左右されることが多いです。

またママの皮下脂肪が多いよりは少ない場合、羊水が多いよりは少ない場合のほうが、赤ちゃんの胎動を感じやすいと言われています。

さらにママが動いているときより、ゆったり座ったり横になっているときのほうが、赤ちゃんの胎動を感じやすいでしょう。

 

胎動を感じ始める時期や、胎動の頻度・強さがどうしても気になる人もいるかもしれません。胎動の感じ方には個人差が大きく、出産間近までほとんどを感じないママもいます。ほとんど胎動を感じない場合でも、元気な赤ちゃんを出産しています。心配しすぎないようにしましょう。

 

 

【妊娠期別】経産婦の胎動の感じ方

それぞれ妊娠期ごとに、経産婦さんの胎動の感じ方にどのような違いがあるのか、お話していきましょう。

 

経産婦の胎動【妊娠初期】繊細な刺激を感じる

この時期は子宮がまだ小さく、恥骨からお臍の下あたりまでの位置に、胎動を感じやすいでしょう。赤ちゃんはまだ小さく、力が弱いです。ママはお腹に強い刺激を感じるというよりは、腸の中でガスが動いている感じや、つんつんと優しくつつかれているような繊細な刺激を感じるママが多いのが特徴です。

 

経産婦の胎動【妊娠中期】強い動きを感じることも

妊娠中期には妊娠初期に比べて、子宮も赤ちゃんも大きくなり、赤ちゃんの動きが活発になってきます。赤ちゃんの骨格や筋肉はしっかりとしてきますので、ママはお腹に強い胎動を感じることも。赤ちゃんが手足を曲げ伸ばししたタイミングで、お腹の中から押されるような感覚になるママもいます。ママが活動しているときにも、胎動を感じやすくなるのがこの時期です。

 

経産婦の胎動【妊娠後期】強い痛みを感じ始める

赤ちゃんが大きくなり、子宮の中で動けるスペースが少なくなってくるのがこの時期。赤ちゃんが手足を大きく動かすと、強い痛みを感じるママも出てきます。赤ちゃんの胎動による痛みで、夜に起きるママが多くなるのもこの時期です。

ただし胎動の感じ方には、ママの皮下脂肪や羊水の量、赤ちゃんの動き方など、様々な要素が関係します。個人差がありますので、弱い胎動のみ感じるママもいますよ。

 

 

初産婦と経産婦のさまざまな違い

経産婦と初産婦の違い

 

ここまでは胎動の感じ方について、初産婦さんと経産婦さんの違いをお話しました。それでは胎動の感じ方以外には、初産婦さんと経産婦さんにどんな違いがあるのか、詳しく解説していきましょう。

 

【妊娠線】経産婦はできにくいがケアは必要

妊娠線とは、子宮と赤ちゃんが大きくなるスピードに対し、ママのお腹は皮膚の伸びが追いつかずに生じるものです。経産婦さんは前回の妊娠で、お腹が大きくなった経験があります。そのため初産婦さんより皮膚が伸びやすく、妊娠線ができにくいとも言われています。

しかし全くケアをしないでいると、前回よりもお腹が大きくなった場合に、妊娠線ができる可能性もあります。経産婦さんでも、妊娠線のケアは必要。しっかり保湿ケアを行いましょう。

 

できたばかりの妊娠線は、赤みがかっています。徐々に色は薄くなってきますが、消えることはありません。そのため、初めての妊娠時に妊娠線ができた経産婦さんは、お腹に薄くなった妊娠線が残っているでしょう。

 

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【おっぱい】経産婦はやわらかく伸びやすい

初産婦さんと経産婦さんでは、おっぱいの形や色にも違いが出てきます。経産婦さんは赤ちゃんに授乳した経験から、乳頭や乳輪がやわらかく、伸びやすくなっていることが多いです。一方で、初産婦さんは経産婦さんに比べて乳頭や乳輪が小さく、妊娠初期の着色も薄い傾向にあるようです。

 

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【子宮口】経産婦には開きがある

初産婦さんの子宮口は、閉じているのが一般的。ですが経産婦さんは、前回のお産で赤ちゃんが通っているので、子宮口には指一本程度の開きがあります。また同じように産道も、前回のお産で赤ちゃんが通っているため、膣壁の状態や外陰部の見た目に違いがあります。

 

【お産の経過】分娩時間は経産婦が早い傾向

お産が始まる前の兆候は、初産婦さんも経産婦さんも大体同じもの。ですが分娩時間には、大きな違いがあります。前回のお産で赤ちゃんが通ったぶん、経産婦さんの産道は広がりやすく、赤ちゃんが通りやすくなっているためです。

陣痛が始まってから胎盤が出てくるまでの時間は、初産婦さんは12~15時間、経産婦さんは5~8時間が平均です。

 

また会陰の伸びについても、経産婦さんのほうがいいです。そのため会陰切開をするケースも、初産婦さんより少ないと言われています。しかしお産に関しては、産まれてくる赤ちゃんの大きさや、陣痛の強さ、ママの体力など、様々な要素が関係します。なかには初産婦さんでも、経産婦さんより短い分娩時間になる場合もあります。

 

【産後の経過】経産婦は後陣痛が強くなる

経産婦さんは、前回の妊娠によって子宮が大きくなりやすいため、産後の「後陣痛」が強くなる傾向。後陣痛とは、子宮が妊娠前の大きさに戻ろうと、収縮する時に生じる痛みのことです。より大きくなった子宮を元の状態に戻すためには、より強い子宮の収縮が必要になるということ。

疲労などによりこの子宮収縮の力が不足していると、弛緩出血という多量の産後出血を引き起こす恐れがあります。

 

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胎動がなくなった時は要注意

定期的に感じていた胎動がなくなったら、ママは心配でしょう。実は、急に胎動がピタリと感じられなくなった場合、お腹の中で大変なことが起こっている可能性もあります。

 

妊娠後期の赤ちゃんは30~60分ずつ、起きている状態と寝ている状態を繰り返します。そのため1時間以上胎動がない場合には、お腹の上から優しく叩いて刺激を与えてみます。この刺激で赤ちゃんが目覚めて、胎動を感じることがあります。

全く赤ちゃんの胎動を感じない場合には、お腹の中で赤ちゃんに酸素がうまく運搬されず、赤ちゃんが危険な状態になっていることもあるのです。

 

もし赤ちゃんの胎動を急に全く感じなくなって心配なときには、かかりつけの産科医の診察を受けてください。赤ちゃんに異常がないことを確認してもらいましょう。胎動に異常を感じた際の迅速な受診は、赤ちゃんの命を守るための大切な行動です。

また普段から胎動を確認する方法として、「胎動カウント」というものがあります。定期的に赤ちゃんの動きを確認しておくと、ママも安心できるでしょう。

 

自分でできる胎動の確認方法「胎動カウント」

 

妊娠30週を過ぎて、定期的に胎動を感じるようになったら行ってみましょう。

 

1)横になった状態やリラックスできる体勢になって、赤ちゃんの胎動の回数を数えます

2)ボコボコと連続で胎動を感じた場合は、1回とカウントします

3)胎動を10回感じるまでにかかった時間をはかります

 

早い人では10分程度、遅い人でも40分以内に10回の胎動があります。もしも胎動を10回数えるまでに1時間以上かかる場合には、かかりつけの産科医に連絡しましょう。

 

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胎動カウントのやり方がよくわかる【動画】2種類の方法を解説

 

 

《まとめ》

 

経産婦さんでも、胎動の感じ方や赤ちゃんの状態に、不安を感じることがあるかもしれません。胎動の感じ方は、様々な要素によって変わってきます。胎動をあまり感じないからといって、不安になすぎる必要はありません。定期的に胎動を感じるようになったら、胎動カウントをしてみて、赤ちゃんの動きを確認してみてはいかがでしょうか。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

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