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2022.08.01

産褥期とはいつまで?【産科医】産後の体の変化&正しい過ごし方

産後の時期は「産褥期」と呼ばれ、出産で疲れた体が徐々に妊娠前の状態に戻ります。ではこの産褥期はいつ頃までなのか、知っていますか?産褥期の過ごし方は、産後ママの体の回復にとって重要です。この記事では、産褥期はどのように過ごすべきか解説します。

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「産褥期」とはいつまで?

産褥期とはいつまで

 

「産褥期」とは、産後6~8週間の時期をいいます。この時期には、妊娠・出産・育児と目まぐるしく変化する女性の体が、妊娠前の状態に戻っていきます。具体的にどう変化するのかを見ていきましょう。

 

産褥期のママの状態

産褥期のママの体は、どのように変化するでしょうか?出産は交通事故ほどのダメージを受けるとされており、体には大きな負担がかかっています。大きなダメージを受けた体は、徐々に妊娠前の状態に戻るため、様々な変化が起こります。

 

まず悪露(おろ)と呼ばれる出血がみられます。また子宮が妊娠前の状態に戻ろうとするための、収縮による痛み(後陣痛)があります。

出産により、骨盤底筋群と呼ばれる骨盤まわりの筋肉がダメージを受けて、尿漏れしやすくなることも。さらには出血や母乳で水分をとられて便秘になったり、出産時にいきんだ影響で痔ができることもあります。

 

多くの変化が起こりますが、妊娠前の状態に戻るために産後はできるだけ安静に、体をしっかり休める必要があります。そのためには家族など、まわりのサポートが必要です。

パパや両親などからのサポートが受けづらい場合は、家事サポートや産後ケア制度など、自治体のサービス活用を出産前から考えておきましょう。

 

 

【産褥期】ママの正しい過ごし方とは

それでは、大事な産褥期をどのように過ごせばよいのでしょうか?

 

産褥期の過ごし方「入院中」

出産後のママの体は、とにかくボロボロです。大変な体力を使って出産を終え、傷の痛みもあります。そんな中、赤ちゃんの育児が始まるのです。

 

入院中は、赤ちゃんのお世話を学ぶ大切な時期。しかしママも無理せず体を休めることができる、大事な時期でもあります。入院中は、食事の用意や家事をする必要がありません。赤ちゃんのお世話など必要なこと以外は、できるだけ体を休めるようにしましょう。

 

産褥期の過ごし方「退院後1~2週間」

退院してすぐは、体調は問題なく感じる人もいるでしょう。また里帰り出産をしている人は、家族のサポートを得られますね。ただしパパが育休を取られないなど、家族のサポートを得にくい場合は、ママが家事や上の子のお世話をしなければいけません。

 

しかしながら産後1~2週間は、ママの体は思っているより疲れているため、しっかりと休む必要があります。この時期に無理に動いてしまうと出血が増えたり、なんとなく体がだるくて疲れるなど、体の不調が起こりやすくなります。

家事はできるだけ最低限にして、入院中と同じように、赤ちゃんのお世話だけに集中しましょう。そして赤ちゃんが寝ている時には、できるだけ体を横にして休みましょう。

 

産褥期の過ごし方「退院後3~4週間」

退院後3週間〜4週間では、赤ちゃんの1ヶ月健診と、ママの産後健診があります。健診の結果が問題なければ、徐々に家事や買い物など活動を開始しましょう。まだ疲れやすい時期なので、無理をせず軽い家事から再開しましょう。

 

産褥期の過ごし方「退院後5~8週間」

徐々に体力が戻ってくる時期ですが、まだ体調は万全ではありません。疲れたなと感じたら無理をせず、休みながらにしましょう。

 

 

産後・産褥期にやってはいけないこと

産後の大切な時期は、やってはいけないことがあります。特に親世代から言われることが多いかもしれません。ここからは、産褥期にやってはいけないことを紹介します。

 

喫煙

まずやってはいけないのは喫煙です。妊娠中から禁煙が必要ですが、以前に喫煙していた人は「妊娠・出産を終えたから喫煙してもいい?」と考えるかもしれません。

赤ちゃんが近くにいる中での喫煙は「受動喫煙」となり、赤ちゃんの成長・発達に影響があります。そのため、喫煙や副流煙は避けましょう。

 

激しい運動

出産はフルマラソンほどの体力を必要とし、体はダメージを受けているため、ゆっくりと休めて回復させなければなりません。激しい運動はさらに体を疲れさせてしまうので、やめましょう。できるだけ早く体型を戻したい気持ちはあるでしょうが、激しい運動は禁物です。

産褥体操のように、ゆっくりとした姿勢で始められるものから体を動かし、産後に体調が戻ってから運動を始めましょう。

 

関連ページ

産褥体操のやり方【動画】産後いつから始める?助産師監修

 

産後早い時期での性交渉

出産後すぐは悪露と呼ばれる出血があり、傷も完全に治っていません。そのため、産後すぐの性交渉は避けましょう。産後の性交渉は必ず、産後健診が終わり、医師の許可を得られてからにしてください。また産後の性交渉は感染予防の観点からも、初回から必ずコンドームを使用し、避妊をしましょう。

 

次の妊娠までは、基本的には1年間あけるのがいいでしょう。妊娠を希望しない場合は、ピルの内服や子宮内避妊具もありますが、授乳中はピルの内服ができません。子宮内避妊具は月経が再開するまでは使用できませんので、それぞれの事情に合わせた方法で避妊してください。

 

重い荷物など体に負担がかかること

腹圧のかかるような重い荷物を持つ姿勢や、長時間の外出、家事などは産後すぐはやめましょう。家事は2~3週間経過してから、赤ちゃんの洗濯や片づけなど、軽いものから始めるようにしましょう。

 

産褥期にやってはいけないこと

 

【産褥期】ママの体の変化・起こりやすい症状

産褥期の体はどのように変化するでしょうか。この時期のママに起こりやすい症状も紹介します。

 

産褥期のママの体1. 悪露が出る

出産後は子宮内膜や分泌物が、体の外に出血として排泄され、これを「悪露(おろ)」といいます。出産後の数日間は赤色の出血ですが、徐々に茶色っぽくなり、その後はだんだん薄く黄色っぽくなり、やがておりもの様に変わります。

子宮内膜や分泌物、また一部残っている胎盤組織が排出されるため、生理の時より出血量はやや多いでしょう。その場合は、産褥パットや生理用のナプキンを使用してください。出血量は個人差があるため、量に合わせてパットの大きさを変えましょう。

 

産後は特に肌が敏感になり、出血で蒸れてかぶれやすい状態です。会陰部の傷がある人は、特に外陰部を清潔に保つ必要があります。パットをこまめに交換しながら、できるだけ外陰部を清潔に保つようにしましょう。

 

産後は悪露が出ることで、子宮が妊娠前の状態に徐々に戻っていきます。ただし出血は1ヶ月程度続くため、貧血になることも。食事ではできるだけ、鉄分を多く意識して摂取することも大切です。産後は多くの人が貧血になりますが、その程度によって鉄剤を処方されることもあります。

 

産褥期のママの体2. 子宮が収縮する

妊娠により大きくなった子宮は、徐々に妊娠前の大きさに戻っていきます。その収縮する過程で痛みを伴うことがあり、これが「後陣痛」です。授乳をすると乳頭の刺激により、子宮を収縮させる「オキシトシン」というホルモンが出ます。そのため授乳時に、子宮が収縮する痛みを感じる場合も多いです。

子宮は徐々に収縮していき、出産後1週間頃には恥骨の下あたりまで収縮し、おおよそ産後8週間で妊娠前の大きさに戻ります。

 

産褥期のママの体3. 腰痛や肩こり

出産時の姿勢で筋肉痛になったり、産後は授乳の姿勢で負担がかかったりして、腰痛や肩こりが起こりやすいです。できるだけ体に負担がかからないように、姿勢を正すよう意識しましょう。また授乳後などは軽いストレッチをすると良いですね。腰痛に対しては骨盤ベルトを巻き、しっかり支えましょう。

 

産褥期のママの体4. メンタルの不調

出産後はホルモンバランスの変化が大きく、気分の浮き沈みがあります。また慣れない育児での不安やストレス、睡眠不足からイライラしたり、理由もないのに泣いてしまうなど不調が見られます。

マタニティブルーズと呼ばれる、妊娠中から産後に見られる心身の不調も起こりやすいです。人によって様々ですが、よくあるのは以下の症状です。

 

・イライラする

・急に泣きたくなる

・理由はないのに涙が出る

・気分が落ち込む

・倦怠感

・動悸

 

産後の不調で多いものですが、産後2週間を過ぎても続くようであれば、一度かかりつけの産科医もしくは心療内科に相談しましょう。

 

 

【産褥期】受診が必要な症状とは?

産褥期の不調

 

出産後の不調が続く場合は、受診が必要になるでしょう。

 

生理2日目を超える出血がある

出産後は悪露が出ますが、徐々に量は減っていきます。産後、一時的に量が増えることはありますが、増えた場合はまず横になり安静にしましょう。安静にして量が減るようであれば問題ありませんが、以下のケースはかかりつけの産科医に相談して受診しましょう。

 

・安静にしていても量が減らない

・パットいっぱいに出血して塊も出る

・だらだらと出血が止まらない

 

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産後の悪露はいつまで?【産科医】注意すべき症状&産褥期の過ごし方

 

悪露から臭いがする

悪露に臭いがあると、感染が起こっている可能性があります。臭いがする時は受診しましょう。

 

排尿時に痛みがある

排尿時に痛みがある、頻尿になっている場合は、膀胱炎の可能性があります。

出産によって膀胱の筋肉が引き伸ばされ、尿意を感じにくくなります。また育児に追われてこまめにトイレに行けないこともあり、産後は膀胱炎になりやすい状況が続きます。膀胱炎の症状がみられたら、かかりつけの産科医に相談してください。

 

 

《まとめ》

 

産褥期のママは、体も心も大きく変わります。妊娠・出産で大きく変化した女性の体は、産後さらに大きく変化し、妊娠前の状態に戻ります。どうしても赤ちゃんのお世話に気をとられ、自分のことは後回しにしてしまいがち。しかしママの健康があってこそ、育児ができるのです。ぜひ自身の体調にも目を向け、周りのサポートを得ながら体を休めるようにしてください。

 

※写真提供:PIXTA

 

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監修者

山田 勢 先生

医療法人尚生会 やまだ産婦人科

産婦人科医師

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