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2024.02.16
【助産師監修】妊婦はプールに入れる?マタニティスイミングはいつから?
妊娠中は「どれくらいの運動はしていいの?」「プールで泳ぐのは大丈夫?」と、疑問に思うかもしれません。適度な運動は不快症状を緩和し、リラックスや体重コントロールに繋がるなど、様々な効果があり推奨されています。妊婦さんにも赤ちゃんにも安全で、楽しいと感じられる運動がよいですね。この記事では、マタニティスイミングについてお話します。マタニティスイミングにはどんな効果があるのか、また注意すべきことをお伝えしていきます。
目次
妊婦さんはプールに入ってOK
妊婦さんが運動すること、プールに入ることは問題ないとされています。妊娠前からスポーツをしている人は、妊娠中も続けて大丈夫ですが、運動の強度は制限する必要があります。妊娠してからスポーツを始める場合は、安全で全身を使う有酸素運動がよいでしょう。
マタニティスイミングについても同様です。正常な妊娠経過をたどっている妊婦さんは、プールに入ることができます。妊婦健診の際に、医師に許可をもらってから始めるとより安心ですね。
プールに入らない方がいいとき
マタニティスイミングを控えた方がよい妊婦さんもいます。正常な妊娠経過だとしても、心疾患や呼吸器の疾患、糖尿病、甲状腺の疾患などがある場合はやめておきましょう。
以下のような妊婦さんは、妊娠中の運動は避けるようにしましょう。
・流産や早産・切迫流早産の経験がある人
・お腹が張りやすい人
・頸管長短縮が指摘されている人
運動することでお腹の張りが強くなる可能性があるため、できるだけ安静にして過ごすことが大切です。
また双子や三つなどの多胎妊娠の場合は、早産のリスクが高いので、問題なく妊娠経過を過ごしていたとしてもやめましょう。
妊婦さんがプールに入ってもいい時期
自然流産しやすい時期は、妊娠12週頃までと言われています。そのためプールに入るのは、妊娠12週以降がよいとされています。
さらに慎重に考えると、胎盤が赤ちゃんの出口を覆う「前置胎盤」の診断が分かるのが、妊娠16週頃なので、それ以降がよいという意見もあります。
多くの場合、安定期とされる妊娠12週~16週頃からスイミングを開始できると指導されるでしょう。
いつまでが大丈夫という時期は特に決められておらず、臨月まで行うことができます。ただし臨月になるとお腹も大きくなり、家事をこなすだけでも運動になるので、無理せずできる範囲で取り組むとよいでしょう。
マタニティスイミングは、比較的長い期間できるスポーツと言えますね。
おすすめ情報
マタニティスイミングのメリット3つ
妊娠中の運動には、妊娠に伴う不快症状が緩和され、過度な体重増加を抑える、ストレス解消につながるなどの効果があります。また全身運動により、体力の維持と向上につながると言われています。ではマタニティスイミングには、具体的にどのような効果があるのでしょうか。
1. 全身運動ができる
水の中では浮力があるので、重力を感じにくくなります。お腹が大きく動きづらさを感じている妊婦さんにとって、これはとても大きなメリットで、陸上ではできない動きがしやすくなります。
妊娠するとどうしても動きが制限され、腹筋や背筋が弱くなってしまいますが、水中だと水の抵抗に逆らって筋肉を使うことができます。膝や腰にも負担をかけずに全身を使う運動ができるので、おすすめのスポーツです。
2. マッサージ効果がある
陸上に比べて水の中は、8倍の圧がかかると言われています。そのため水中で運動すると、水圧による適度な圧迫がマッサージとなります。血行促進になり、浮腫にも効果があります。
妊娠中は、立ちっぱなしになることや、ウォーキングをすると足が浮腫んでしまいがちですが、マタニティスイミングではスッキリできるようです。
3. 仲間づくりにつながる
プールが妊婦さん同士のコミュニケーションの場となり、妊娠や出産に関する情報を共有し、不安の軽減につながります。こうした交流は、ストレス発散にもなります。
マタニティスイミングといっても、実際は泳ぐというより、水中で体を動かすことがメインの場合が多いようです。泳ぎが不得意な妊婦さんにも、始めやすいスポーツです。
妊婦さんがプールで注意すること
ここまでマタニティスイミングのメリットについてお話してきました。ただし、プールに入る時には注意しておきたいこともあります。
時間帯や水温に注意する
プールに行く時間帯は、昼間がおすすめです。夜間は陣痛が起きやすいと言われており、もし異常があった場合、夜間は医療機関の対応が難しいこともあります。
プールの水温は、30℃前後がよいでしょう。マタニティスイミングのクラスがあるプールでは、このくらいの温度に管理されていることが多いはずです。
季節によってはスイミング終了後に、寒さを感じるかもしれません。髪を早く乾かす、厚手の服を着るなどして、冷やさないように気をつけましょう。
転倒に気をつける
妊娠中期から少しずつお腹がふっくらしてきます。特に妊娠後期には、大きなお腹で足元が見えづらくなります。プールサイドや更衣室は滑りやすいので、よく注意しましょう。着替えるときも、立ったままではなく座って着脱するのがよいですね。
また水から急に上がると、血圧の変動によって立ちくらみやめまいが起こりやすいです。ゆっくりとした動作を心がけましょう。
マタニティクラスがあるプール選び
マタニティクラスがあるプールは、専門の資格を持っているインストラクターが指導してくれ、助産師が常駐し、体調の確認をしている場合もあります。安心してスイミングに取り組める環境がよいですね。
体調の変化に注意
体調が優れないときは、プールに入るのを控えましょう。もし以下の症状があれば、すぐに中止してかかりつけ医を受診しましょう。
・頭痛
・吐き気
・呼吸困難
・お腹の張りを感じる
・お腹の痛みがある
・性器出血がある
・胎動が減った
体調に変化があったときにもすぐ対応できるように、かかりつけ医の近くのプールを選ぶとよりよいですね。
プールにまつわる妊婦さんの疑問
ここまで、マタニティスイミングの効果や注意点をお伝えしました。よくある質問に回答していきます。
Q. プールの塩素消毒は大丈夫なの?
プールに塩素を入れることで、感染症の予防や細菌繁殖の抑制ができます。塩素によって、肌が乾燥しやすくなり、髪の毛がダメージをうけるなどの影響はあります。特に妊娠中は、ホルモンバランスが変化し肌が敏感になっているので、しっかりとスキンケアをするとよいでしょう。また髪の毛も、プール後にしっかりと洗い流しましょう。
塩素消毒によって、早産や自然流産、先天的異常につながるというデータは認められていません。
Q. 妊娠中のウォータースライダーはダメ?
ウォータースライダーについては、妊娠中の利用はできない施設がほとんどです。滑り終わった時にバランスを崩しやすく、人にぶつかり事故につながる可能性もあるので、利用はやめましょう。
《まとめ》
マタニティスイミングは、不快症状の軽減や体重管理、また妊婦さん同士のコミュニケーションの場となり、ストレス緩和にも効果があります。妊娠中の運動として推奨できるでしょう。体調を第一にして無理はせず、安全に楽しんで取り組めるとよいですね。
※写真提供:PIXTA
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監修者
1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。
2010年一般社団法人格を取得。
2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。
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