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【助産師監修】妊娠12週(妊娠4ヶ月)体調とつわりの症状・お腹の赤ちゃんの様子
妊娠12週から妊娠4ヶ月となり、妊娠初期の最後の月が始まります。つわりがようやくおさまるママも多くなり、胎盤が完成すれば流産のリスクも減っていきます。お腹の赤ちゃんはますます成長し、よりヒトらしい形に近づきます。つわりがおさまって気をつけなければいけないのが、ママの体重管理。急激に体重増加しないように食生活を見直して、休息と運動のバランスがうまくとれた生活を心がけましょう。なかには、つわりがまだ続くママもいるので、対処法を紹介します。
目次
妊娠12週の赤ちゃん-骨と筋肉が発達
妊娠12週の赤ちゃんの体は、重要な器官の形成が整って、これから体全体・手足の骨・筋肉などが発達していきます。骨も成長して、超音波検査ではっきり見えるでしょう。
また脳を左脳と右脳に分ける線が超音波検査で確認でき、心臓の4つの部屋もわかるなど、臓器のより細かい部分が見えるようになります。
妊娠12週のお腹の赤ちゃんは6㎝くらい、体重は14gほど。だいぶヒトらしくなった顔にも胎毛が生え、口を開けたり閉じたりする動きが見られます。
まぶたは完全にでき上がりますが、まだ目をパチパチと開閉はできません。妊娠中期の後半までは、上下のまぶたはまだくっついた状態なのです。
ママの子宮の中にある羊水の量も増えて、赤ちゃんは羊水を吸ったり吐いたりして、すでに呼吸の練習を始めています。羊水を飲んで、水分に近いおしっこを羊水の中にしていますが、これができていることは、赤ちゃんの消化器や泌尿器がうまく動いている証拠です。
妊娠12週のママの体-胎盤ができるまであと少し
赤ちゃんのベッドとなる胎盤は、妊娠15週ごろまでに完成します。胎盤が完全にでき上がると、赤ちゃんの成長に必要な酸素や栄養が、胎盤を通してママの体から送られます。すると赤ちゃんの成長速度もより早まります。
胎盤ができてお腹の赤ちゃんの成長が進むと、ママの体に流れる血液の量も多くなります。妊娠によるホルモン変化もともなって、口のなかの歯茎が敏感になり、出血しやすくもなります。
胎盤が完成するころには、妊娠で変化したホルモンバランスも安定していきます。妊娠してから高かった基礎体温は下がり、体の熱っぽさやだるさもなくなるでしょう。
妊娠12週ごろの子宮は、新生児の頭くらいの大きさになり、お腹の膨らみが外見からもわかり始めます。また、子宮は骨盤の上の方に固定され、これまで気になっていた頻尿は少なくなるでしょう。
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妊娠12週のつわり-症状がおさまってくる
つらかったつわりも妊娠12週ころから少しずつおさまってきます。ママによって異なりますが、だいたい妊娠12週から16週までの間には、症状がおさまることが多いです。
まだつわりが続くママは、吐き気や嘔吐、唾液量が増える、においに敏感などの症状が見られるでしょう。
つわり症状が治まらないとき
もしも妊娠12週ごろでもつわりがおさまらない場合、もう少し続いたり、まれに出産まで続くこともあります。
水分も摂れない妊娠悪阻(にんしんおそ)は入院して点滴が必要になることもあり、嘔吐が続くと胃液で逆流性食道炎になってしまうことも。ひどいつわり症状が続くなら、かかりつけの産科医に相談してみましょう。
多くのママは妊娠16週ころまでにはつわりがおさまるので、ママと赤ちゃんの体に異常がなければ、そのまま様子をみることが多いです。
ママ自身ができるつわり対策は、脱水症状に注意して、食べられそうなものを少しずつ分けて摂ること。嘔吐が続く時は、不足しがちなビタミンB1やビタミンKが摂れるように、これらの栄養素が含まれた経口補水液などを少しずつ飲むことをおすすめします。
また胸のムカムカがおさまらないママは、果物や鶏肉などに多く含まれるビタミンB6を摂るようにしてください。ビタミンB6は、胸のムカムカを軽くする効果が期待できます。
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妊娠12週に注意すること-体重管理と切迫後期流産
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つわりの後の体重増加をコントロール
妊娠12週ごろ、つわり症状がおさまると同時に、食欲が増えてきたママもいるでしょう。急に美味しく食べられるようになり嬉しいですが、これからはママの体重管理が必要です。
ママの体重が急激に増加すると、妊娠高血圧症候群などトラブルの可能性も高まります。このようなリスクを避けるためには、赤ちゃんの分として2人分の食事量を食べないよう気をつけてください。
食事の量だけでなく、バランスもよく考えましょう。植物性のタンパク質や野菜や果物、豆類などバランスの良い食事を心がけるのが大切。水分摂取を意識し、日中はなるべく動いて夜には睡眠をしっかりとるなど、規則正しい生活を送りましょう。
妊娠12週以降は後期流産に注意
妊娠12週を過ぎると流産の可能性はだいぶ減ってきますが、油断はできません。妊娠12週以降、妊娠22週未満に起こる流産を、自然流産のうち「後期流産」と呼びます。
妊娠12週未満に起こる初期流産と比べると、赤ちゃん側の原因は減り、ママ側の感染(細菌に感染して子宮内に炎症が起こる)や「子宮頸管無力症」といった理由が多くなります。
子宮頸管無力症とは、子宮の入り口部分にある子宮頸管が開いてしまい、赤ちゃんを子宮の中にとどめておくことができない状態のこと。
この時期に起こる流産の確率はそれほど高くないので、心配しすぎる必要はありません。しかし、おりものの増加、出血やお腹の痛みなど、気になる症状があれば、かかりつけの産科医に相談しましょう。
《まとめ》
妊娠12週は、つわりがおさまるママが多いですが、その時期は人それぞれ。まだ続くつわりにつらい気持ちを抱えるママも、妊娠16週ころまでには軽減する可能性が高いので、辛抱してこの時期を過ごしましょう。あらためて生活習慣や食生活を見直し、急激な体重増加には注意が必要です。これからは体重管理を忘れずに過ごしてくださいね。
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Q. つわり対策にお灸や針、整体、ツボマッサージで軽減できますか?
Q. つわりに伴う頭痛を軽減できる効果的なツボはありますか?
監修者
1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。
2010年一般社団法人格を取得。
2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。
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