【助産師監修】妊娠中のお腹の張りチェックシートで危険サインを見逃さない！

　

妊娠中に「お腹が張る」とはどんな状態？

 

お腹が張るというのは、赤ちゃんを包んでいる子宮が収縮することを指します。これを「子宮収縮」と言います。お腹の一部ではなく、全体が張っている状態です。

「バレーボールやドッヂボールが子宮の中に入っているみたい」と表現されることもあります。他には「お腹が締め付けられる」「重い」「ぐーっと押されるような感じ」など、妊婦さんによって感じ方は様々です。

初めての妊婦さんは、イメージしづらいかもしれません。

 

　

お腹の張りのセルフチェック方法

お腹の張りをセルフチェックする方法を説明していきます。お腹の張りに気づいたら、ゆっくりと身体を休める必要があります。おおよそ妊娠25週あたりから、生理的にお腹は張り始めます。この時期には、「お腹が張る」感覚がわかるようになっておくといいですね。

 

1. 仰向けに寝る

仰向けに寝ます。クッションや枕を使って上半身に45度の角度をつけ、お腹にかかる圧力を分散させます。お腹が大きくなってくると、仰向けの姿勢がつらく感じる人が多いようです。仰向けが難しければ無理せずに、横向き（右・左）やシムス位でも問題ありません。

抱き枕を挟むなどして、お腹に力が入らないようにしましょう。

 

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2. お腹に優しく手を当てる

子宮がある部分を、手のひらで優しく触れます。手の甲と手のひら、どちらで触れても、感覚がわかるようにしておきましょう。両手をお腹の上におくと、左右で違いがあった場合もわかるようになります。

 

　

危険かも？【お腹の張りチェックシート】

 

妊娠中のお腹の張りを確認する際は、以下のことをチェックしていきましょう。もし当てはまるものがあれば、危険なサインかもしれません。

 

＜危険なお腹の張りチェック＞

□ お腹の張りが1時間に3回以上ある

□ 安静にしても1時間以上お腹の張りが続く

□ 強い痛みや出血を伴うお腹の張りがある

□ 痛みがどんどん強くなる

□ 安静にしていても規則的なお腹の張りが続く

□ 息が出来ない、吐き気を伴うお腹の張りがある

 

このような症状があれば、かかりつけ医に相談してください。

また帝王切開予定、あるいは前置胎盤などの合併症を抱えている妊婦さんは、さらに注意が必要です。上記のチェック項目に限らずに、気になる張りがあればすぐ医師に連絡しましょう。

 

　

妊娠中にお腹が張る原因

妊娠中にお腹が張る原因はいくつかあります。詳しくみていきましょう。

 

■切迫流産・切迫早産

切迫流産は妊娠22週未満、切迫早産は妊娠22週以降～37週未満の時期に、お腹の張りが頻回に起こります。切迫流産では、あまり自覚がないケースもあります。子宮収縮の他にも、下腹部痛、出血、破水などがあります。

また、産婦人科で子宮頸管長を測ると、通常より短くなっていることもあります。しばらく安静にしていても治まらないのが特徴です。

 

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■冷え

身体が冷えると、お腹が張ることがあります。できるだけ身体を温めるようにしましょう。

 

■疲労・ストレス

疲れやストレスでもお腹が張りやすくなります。家事、育児、仕事などで疲れを感じたときは、家族と協力して休むようにしましょう。

 

■お腹の締め付け

通常の下着や洋服は、妊娠中の身体を締め付けてお腹の張りに繋がってしまうことがあります。締め付けのない、できるだけゆったりとしたものを着るようにしましょう。

 

■便秘・ガス・尿

妊娠すると、ホルモンの影響で便秘になりがちです。ガスがお腹にたまると、張りにつながるので注意しましょう。

尿を我慢して膀胱にたまっていると、それもお腹の張りの原因になります。我慢しないようにしましょう。また、便秘の場合は、妊婦健診時に医師に相談しましょう。

 

■乳首マッサージ

乳頭刺激により、オキシトシンというホルモンが分泌され、それが子宮収縮につながります。妊娠後期に入るまでは、乳頭刺激はしないようにしましょう。

 

■双子

双子など多胎妊娠では、子宮の容量がさらに大きくなるので、お腹が張りやすくなります。

 

■胎動

妊娠中期になると胎動が激しくなり、張りにつながることがあります。

 

■性行為

妊娠中の激しい性行為はお腹が張る原因になります。

 

■子宮筋腫

子宮筋腫があると、お腹が張りやすくなります。妊娠により筋腫が大きくなって、痛みを伴う場合もあります。

 

その他、原因がわからないものもあります。お腹が張るようであれば、とにかく身体をゆっくり休めましょう。

 

　

妊娠中にお腹が張った時の対処法

お腹が張った時の対処法を紹介します。

 

横になって安静にする

まずは身体を横にして、ゆっくり休みましょう。腹圧のかからない体勢にして休み、お腹の張りが落ち着くのを待ちましょう。しばらくしても治まらないようであれば、かかりつけ医に相談しましょう。

 

身体を温める

身体が冷えているためお腹が張っている可能性があります。入浴や足浴をして、身体を温めましょう。

 

ゆったりとした服に着替える

身体を締め付ける洋服を着ていないかチェックしてください。締め付けのないゆったりとした服装に着替えましょう。

 

 

《まとめ》

 

妊娠中の身体と向き合うことは、非常に大切です。妊娠中期には、お腹の張りとはどのような状態かわかるようにしておきましょう。もし危険な張りのサインや違和感があれば、早めにかかりつけ医に相談してください。

 

※写真提供：PIXTA

 

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