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2023.05.12
妊娠中期のお腹の張りの原因【医師】寝ている時に張るのはなぜ?
妊娠中期にはだんだんお腹が大きくなり、ママにはマイナートラブルが増えてきます。特に気になる人が多いのが「お腹の張り」です。お腹の張りは生理的に起こるものもありますが、「妊娠中期に張るって大丈夫?」と不安になる時もありますね。この記事では、妊娠中期のお腹の張りと原因、また対処方法について解説します。
目次
- 妊娠中期とはいつから?赤ちゃんとママの状態
- ・妊娠中期のママの状態
- ・妊娠中期の赤ちゃんの状態
- 妊娠中期に「お腹が張る」ってどんな感じ?
- ・お腹がパンパンになる
- ・胎動を張りと感じることもある
- 妊娠中期に「お腹が張りやすい」原因と対処法
- ・張りの原因1. 長時間の労働による疲労
- ・張りの原因2. 冷えや便秘
- ・張りの原因3. 性行為による細菌感染
- ・張りの原因4. ストレス
- 妊娠中に夜寝ているときにお腹が張るのはなぜ?
- ・日中に動いた疲れで張っている
- ・同じ体勢で寝ていてお腹が張る
- ・日中は張っているのに気がつかない
- 妊娠中期のお腹の張りの受診目安
- ・安静にしてもおさまらない
- ・張りとともに持続的な痛みがある
- ・張りとともに出血がある
妊娠中期とはいつから?赤ちゃんとママの状態
妊娠中期のママの状態
妊娠中期は、いわゆる「安定期」と言われる時期。つわりが治まってくるママが多く、比較的体調が落ち着く場合が多いです。
つわりが終わると食べられるようになり、体重がどんどん増えがちです。体調が落ち着き動きやすい時期でもありですが、無理をして動きすぎるとお腹が張り、切迫流産・早産になってしまうこともあります。
妊娠中期の赤ちゃんの状態
妊娠中期は、赤ちゃんの体もある程度作られる時期です。そしてママはだんだん胎動を感じられるようになります。胎動は赤ちゃんからの「元気だよ」のサイン。胎動を感じた時は声をかけたり、お腹をなでたりして、反応してあげましょう。
妊娠中期に「お腹が張る」ってどんな感じ?
妊娠中期には、初期に比べて「お腹の張り」を感じることが増えてきます。お腹の張りには、妊娠中の生理的な張りと、そうではなく受診が必要な張りがあります。また感じ方には個人差がありますが、「お腹がパンパンになる」あるいは「膨らむ」ように感じることが多いです。
お腹がパンパンになる
妊娠中期には、赤ちゃんがどんどん大きくなります。そして赤ちゃんの成長にともなって、子宮もだんだん伸びて大きくなります。この子宮が伸びる過程で、生理的にグッと収縮してから伸びることがあります。このグッと収縮した感覚を、「張り」と感じるのです。
伸びる過程でグッと一時的に収縮している場合は、一時的なのですぐに治まり、張りが何度も繰り返し起こることはありません。「お腹が張っているかな?」と感じた時は、手で触ってみて普段の状態と比べてみましょう。明らかにいつもよりも硬い感じがして、その後やわらかくなる場合はお腹が張っています。
胎動を張りと感じることもある
お腹の張りは、「お腹全体が膨らむような感じがある」「お腹がパンパンになる」ように感じる人が多いです。 また、赤ちゃんの胎動も徐々に感じるようになります。お腹の張りが胎動による感覚なのか、わかりにくかもしれません。
見分け方としては、「お腹全体が同じ硬さでパンとしている」のであれば、お腹の張りの場合が多いです。 逆に「お腹の一部だけ硬い」場合は、胎動による一時的なお腹の張りです。
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妊娠中期に「お腹が張りやすい」原因と対処法
妊娠中期になると、お腹が張りやすいママが増えてきます。その原因は様々ですが、以下のようなものが考えられます。
・長時間の労働による疲労
・冷えや便秘
・性行為による細菌感染
・ストレス
ではそれぞれの対処方法と、日常生活での注意点について解説します。
張りの原因1. 長時間の労働による疲労
妊娠中は、妊娠前より体が疲れやすくなっています。長時間の労働は、妊娠前には問題なかったとしても、妊娠中の体へは負担が大きいです。長時間労働による疲労は、お腹が張る原因になります。特に立ち仕事の人は、お腹が張りやすいでしょう。
仕事中に頻繁にお腹が張る場合は、座ってできる内容に変更してもらったり、時間を短くするなど、職場と相談しましょう。もしも難しい場合は「母性健康管理指導連絡カード」や診断書を医師に記載してもらい、業務の変更をしてもらえるように調整してください。
また家でも、立ちっぱなしで家事をすることが多いでしょう。できるだけ座りながらする、また一気に済ませずに休憩する、といった工夫をするといいでしょう。
張りの原因2. 冷えや便秘
体が冷えると血流が悪くなり、お腹が張りやすくなります。上着やブランケットで調整したり、腹巻やカイロで温めるなどして、体を冷やさないように注意しましょう。
また、便秘もお腹を張りやすくします。食物繊維の多い食事をバランスよく食べ、水分はこまめに摂取しましょう。また妊娠中期には医師の許可があれば、軽い運動ができます。適度な運動習慣をつけるため、ストレッチやマタニティヨガをするのもいいでしょう。
もしもどうしても便秘が改善しない場合は、かかりつけの産科医に相談して、便秘薬を処方してもらってください。
張りの原因3. 性行為による細菌感染
妊娠中に性行為をすることには問題ありませんが、感染に注意が必要です。コンドームを使用せずに性行為をすると、細菌感染が起こり、早産のリスクが高まることがあります。
妊娠中の性行為では、必ずコンドームを使用しましょう。また、性行為中は体に負担がかからないようにし、お腹が張るようであれば中断してください。
張りの原因4. ストレス
仕事や家庭でのこと、人間関係など、ストレスがたまるとお腹が張りやすくなります。お腹が張ったら横になり、安静にしましょう。そしてできるだけストレスなく過ごせるよう、気分転換やリフレッシュできる方法を見つけておくといいですね。
妊娠中に夜寝ているときにお腹が張るのはなぜ?
夜間にお腹が張りやすいと感じる人も多いでしょう。夜にお腹が張る原因には、以下のようなものがあります。
・日中にたくさん動いて疲れて張っている
・同じ体勢で寝ていて、お腹が張る
・日中張っているのに気がつかない
それぞれ詳しく解説していきます。
日中に動いた疲れで張っている
日中は仕事や家事、育児と忙しく動いていることが多いでしょう。そのため日中の疲れから、夜にお腹が張りやすくなります。
同じ体勢で寝ていてお腹が張る
夜に寝ている間は、ずっと同じ体勢のままの場合もあるでしょう。だんだんお腹が大きくなると、同じ体勢のまま寝ていることでお腹が張りやすくなります。
日中は張っているのに気がつかない
日中は仕事や家事、育児で忙しく、ゆっくりする時間がない人もいます。すると日中のお腹の張りには気がつかず、夜ゆっくりしている時に張りを自覚するケースもあります。
寝ている時間はどうしようもないですが、張りで目が覚めたら、体の向きを変えましょう。また急に起き上がらず、一度横向きになってから、ゆっくり体を起こすようにしましょう。
妊娠中期のお腹の張りの受診目安
妊娠中期のお腹の張りは、どの程度で受診すべきか不安に思うママもいるでしょう。ここからは受診の目安と、危険なお腹の張りについて解説します。
安静にしてもおさまらない
生理的なお腹の張りであれば、横になってしばらく安静にすると治まることがほとんど。しかし安静にしていても、お腹が頻繁に張る場合があります。その時は夜間や休日でも、かかりつけの産科医に連絡して受診してください。
張りとともに持続的な痛みがある
生理的なお腹の張りの場合は、基本的に痛みはありません。もしもお腹の張りだけでなく、同時に痛みがあり、1時間に4回以上張る時は受診が必要です。
張りとともに出血がある
お腹の張りとともに出血がある場合は、切迫早産の兆候のためすぐに受診が必要です。
《まとめ》
妊娠中期はお腹の張りが増えてくる時期なので、不安になる時もあるでしょう。お腹の張りを感じたら、まずは座り、できれば横になって安静にしてください。それでもお腹の張りが変わらず増えたり、治まらない場合はすぐに受診しましょう。
※写真提供:PIXTA
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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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