赤ちゃんに麦茶を飲ませるのはいつから?水分補給に必要?
赤ちゃんに麦茶を飲ませたほうがいいのでしょうか?実はWHO(世界保健機構)では、生後半年までの栄養や水分補給に、母乳かミルク以外を与えることを推奨していません。ミルクや母乳以外のものを多量に飲むと、体の小さな赤ちゃんは電解質が崩れ、体調を崩す場合があるからです。
離乳食が進み、舌やあごの動かし方が上手になった頃、水分を摂ることを好み、取り込むのも上手になってきます。
赤ちゃんに麦茶はいつから?【助産師に聞く】入浴後に水分補給は必要?
赤ちゃんの麦茶はいつから飲ませていいのか
赤ちゃん用に市販されている紙パックやペットボトルの麦茶は、生後1ヶ月頃から飲めると記載されています。しかし前述の通り、生後1ヶ月から飲める麦茶は、「1ヶ月から与えなければいけない」わけではないです。離乳食が進んでくる頃から与え始めても、問題ありません。
赤ちゃんに飲ませる麦茶の作り方&保存
赤ちゃんは免疫が未熟で雑菌に弱いです。そのため赤ちゃんに与える麦茶は、大人が家庭で簡単に大容量作って保存しておく麦茶とは、違う衛生管理が必要です。
赤ちゃんの麦茶の「作り方」
ドラッグストアや赤ちゃん用品店で販売されている麦茶にも、色々な種類があります。それぞれ作り方が異なりますので、参考にしてみてくださいね。
■ティーバッグタイプ
ティーバッグタイプは大人用でも売られています。水出しタイプと煮出しタイプの2種類があり、一度にたくさんの量を作ることができます。家族全員が麦茶を飲む場合には、一度に大容量を作ることができておすすめ。ただし赤ちゃんが飲む場合には、作ってから時間が経っていないものを与えてあげましょう。
赤ちゃんの味覚は鋭いため、麦茶のちょっとした苦みもとても強く感じ、受け付けない場合があります。薄めに作ったり、飲むときに湯ざましや白湯で薄めると良いでしょう。
■粉末タイプ
粉末タイプの麦茶は、水やお湯に溶かして作ります。作り置きをしなくても、一度に飲む少量の麦茶を作ることができるので、衛生面で安心できます。
粉末タイプは冷たい水でも溶けるものがあり、水道水でも作ることができます。赤ちゃんに飲ませるのであれば、一度沸騰させた湯ざましで作ると残留塩素を除去でき、より安心できます。
■ペットボトル・紙パックタイプ
ペットボトル・紙パックタイプの麦茶は、煮出して作る必要がありません。買ってそのまま赤ちゃんにあげることができます。
赤ちゃんの麦茶の「保存方法」
麦茶は一度にたくさん作って、保存しておきたいと思う人もいるでしょう。しかし煮出して作った麦茶であっても、家庭の衛生的な保存は限界があります。赤ちゃんが飲む麦茶なら、半日~1日以内には飲み切るようにしましょう。
また煮出して麦茶を作ったら、必ず清潔な保存容器に移して冷蔵保存してください。常温保存では、傷んでしまう可能性があります。必ず冷蔵保存しましょう。
赤ちゃんに麦茶を飲ませるときのポイント

ここからは、赤ちゃんへ麦茶を飲ませる時のポイントをお話します。大人と違っていくつかのポイントがありますので、参考にしてくださいね。
赤ちゃんに麦茶をあげる【タイミング・量】
離乳食を開始していない赤ちゃんには、基本的に麦茶を与える必要がありません。もし試したい場合は、1回に10~20㏄くらいを上限に与えてください。コップやスプーン、哺乳瓶などで与えると赤ちゃんが受け入れやすいでしょう。
もしもこの時においしくなさそうにしても、味覚は発達し変わっていきます。飲めるように練習したりする必要はありません。離乳食開始後にまた与えてみましょう。
赤ちゃんに麦茶を飲ませる【温度】
赤ちゃんの飲み物は、冷たすぎると受け入れにくかったり、熱すぎるとやけどをしてしまいます。人肌の温度(40度程度)のものをあげましょう。
赤ちゃんの麦茶の【飲ませ方】
赤ちゃんに初めて麦茶をあげるときは、まずスプーン一杯からあげましょう。麦茶は小麦からではなく大麦からできていますが、アレルギー反応が起こる可能も否定できません。必ず少量から試して、徐々に量を増やすようにしてください。
飲める量が増えてきたら、低月齢の赤ちゃんなら哺乳瓶やカップ、スプーンなどで与えましょう。高月齢の赤ちゃんには、口の発達に合わせてマグやストローの選択肢もあります。
赤ちゃんに麦茶を飲ませるときの注意点

赤ちゃんの水分補給に麦茶を与えることも選択肢の一つですが、麦茶を飲ませるときには注意点があります。ここからは赤ちゃんに麦茶をあげる時、気をつける事についてお話します。
麦茶は栄養補給にはならない
これまでにもお話しましたが、麦茶にはミルクや母乳のように、赤ちゃんが必要な栄養素が含まれているわけではありません。離乳食を食べ始める前は、基本的に栄養水分補給として母乳かミルクを与えましょう。
大人用の麦茶は味が濃すぎる
赤ちゃんの味覚は、大人よりも敏感。大人用に作られた麦茶は味が濃すぎて、赤ちゃんは苦味を感じやすいです。大人用の麦茶を赤ちゃんに飲ませる場合には、お湯や湯ざましで2~4倍に薄めて飲ませてあげましょう。
赤ちゃん向けに販売されている麦茶は、赤ちゃん用の濃度で作られていますので、そのまま飲みやすくなっています。
アレルギーのリスクがある
麦茶は大麦から作られているため、小麦アレルギーとは直接関係ありません。しかし、必ずしもアレルギー反応が起こらないというわけではありません。初めて麦茶を飲ませるときには、スプーン一杯程度から飲み始めて、様子を見ながら少しずつ量を増やしていくようにしましょう。
《まとめ》
麦茶は手ごろに水分補給しやすい、日本人にとって馴染みのある飲み物です。昔はお風呂上りに白湯や麦茶を飲ませる風習がありましたが、離乳食開始前の赤ちゃんに積極的に与える必要はない、と言われるようになりました。離乳食開始後は、少しずつ水分補給に慣れていくでしょう。
※写真提供:PIXTA
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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。
2010年一般社団法人格を取得。
2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。
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