生後3ヶ月の赤ちゃんの身長・体重・発達

生後3ヶ月頃になると、赤ちゃんの体重は生まれた時の約2倍になり、身長は10cm程度成長しています。また、できることが少しずつ増えていく時期でもあります。
首がすわる赤ちゃんが多い
生後3ヶ月〜4ヶ月頃には、首がすわる赤ちゃんが増えてきます。首がすわるようになると、抱っこの時に頭をしっかり支える必要がなくなります。縦抱きでの抱っこがしやすくなり、外出の時も楽になるでしょう。赤ちゃんを腹ばいの姿勢にすると、ひじで体を支えて、頭を持ち上げるようになります。この姿勢をキープしてぐらぐらしないようであれば、首すわりが完全にできていると言えます。
自分の意思で手を動かせるようになる
赤ちゃんは首がすわると、手の動きも器用になります。両手をもむように動かしたり、ガラガラを渡すと握って自分の口に近づけたり、といった動作もみられます。これは脳に近いところから始まった発達が、首から徐々に手の方向まで進んだ証拠です。自分で見て気になる、興味があって触る、という自発的な動きができるようになります。
また手のひらの感覚も発達してくるため、ザラザラ、フワフワなどの感触を楽しめるようにもなります。
視力も発達し少し離れたものも見える
生後3ヶ月頃には赤ちゃんの視力が発達してくるため、30㎝以上の距離も少しずつ見えるようになります。今までぼんやりとしか見えていなかったメリーやガラガラなども、少しずつはっきりと見えるようになります。そして視界に入ったものを、目で追うようになるのです。おもちゃだけでなく、公園など外の景色や乗り物、植物や動物など色々なものを見せてあげましょう。
感情表現がはっきりし始める
赤ちゃんは生後2ヶ月頃から、少しずつ表情が豊かになります。嬉しい時には満面の笑みを見せてくれたり、くすぐると声をあげて笑うなど、よりはっきりと感情表現するようになります。楽しいときの感情表現が、よりわかりやすくなるのです。ただし気に入らない時や不満な時には、思いっきり泣くようにもなります。生後3ヶ月は、感情を全面的に表現し始める時期です。
たそがれ泣きをする
生後3ヶ月頃の赤ちゃんは、はっきりとした理由もないのに、夕方頃になるとグズグズしたり、泣き出すことがあります。これは「3ヶ月コリック」とも呼ばれ、原因ははっきりしていません。ただし病気ではありませんし、成長するにつれておさまるので問題ありません。もしグズグズ泣いているようであれば抱っこしたり、あやしたりしてあげましょう。
関連ページ
✔ハンドリガードとは【医師監修】いつからいつまで?赤ちゃんがしない時
✔赤ちゃんの首すわりはいつ?確認方法や練習・抱っこのコツ
生後3ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間
生後3ヶ月頃になると徐々に昼夜の区別がつき、生活リズムが整ってきます。赤ちゃんは昼間に起きている時間が長くなり、夜まとまって眠るようになります。今まで昼夜逆転していた赤ちゃんも、徐々に昼夜の区別がつくようになってくるのです。
また生後3ヶ月には就寝時間、起床時間がだいたい一定になってきます。昼寝は1日に2〜3回、1時間程度のことが多いでしょう。ミルクやおっぱいも1回で飲む量が定まってくるので、夜間まとまって寝てくれるようになります。これまで夜間、頻回に授乳やミルクをあげていたママは、ようやく少しまとまって寝られるようになるでしょう。
関連ページ
✔【月齢別】赤ちゃんの睡眠時間はどれくらい?助産師が教える睡眠リズムの整え方
生後3ヶ月の赤ちゃんのミルクの量・授乳間隔
生後3ヶ月頃になると、授乳間隔が安定してくるようになります。ミルクのみの場合は1日に6〜8回程度、母乳のみの場合は1日に8〜10回程度です。授乳間隔も3〜4時間程度に、落ち着いてきます。また今までは1回に飲む量にムラがあった場合でも、自分の適量を大体決まった時間に飲むようになり、リズムができてきます。
ただ赤ちゃんによっては、飲み終わっていてもおっぱいをくわえたままのことも。また飲み終わっていないのにキョロキョロし、集中して飲まなかったりする場合もあります。そのため飲む量や頻度、回数の個人差が大きくなります。
生後3ヶ月の赤ちゃんの生活スケジュール

ここからは、生後3ヶ月の赤ちゃんの生活スケジュールの例を紹介します。
7:00 |
起床・お着替え・授乳 |
8:00 |
遊び・ママ朝食 |
9:30 |
ねんね |
11:00 |
お散歩・遊び |
12:00 |
授乳・ママ昼食 |
13:00 |
ねんね |
14:30 |
遊び・絵本読み聞かせ |
15:30 |
授乳 |
16:00 |
グズグズ |
17:00 |
ねんね |
18:00 |
遊び・絵本読み聞かせ |
19:00 |
お風呂・授乳 |
20:00 |
ねんね |
1:00 |
授乳・ねんね |
5:00 |
授乳・ねんね |
これはあくまで一例ですが、生後3ヶ月頃は日中ご機嫌に起きている時間が長くなり、昼寝の時間が短くなります。また夜間まとまって寝てくれるため、夜間の授乳やミルクの回数が減ることが多いです。天気のいい日には、抱っこやベビーカーでお散歩や買い物などに出かけ、外気に触れるようにしましょう。
生後3ヶ月の赤ちゃんのお世話・遊び
生後3ヶ月頃になると、音やぬいぐるみなどに興味を示すようになります。赤ちゃんの顔の近くにぬいぐるみを近づけて遊ぶと、声を出して笑ったり、「あ〜」「う〜」など声を出して反応することもあるでしょう。また自分の意思で声を出して笑うようになるため、こちょこちょとくすぐる遊びに喜ぶ赤ちゃんも多いです。
たくさんの表情を見せて反応してくれるため、ママもパパも楽しいですよね。ぬいぐるみやおもちゃをつかむ練習をしたり、音の鳴るおもちゃで遊んだりするといいでしょう。
おもちゃを握ったりなめたりして遊ぶ
ガラガラなど音の鳴るおもちゃも握れる場所があれば、握って自分の口に近づけてなめるようになります。またぬいぐるみやオーボール(ネット状になったボール)をつかんでなめて、手や口で感触を確かめるようになります。そのため、手の感覚や口や舌の感覚も発達していきます。
自分の手をなめることも
手が自分の意思で動くものだと認識するようになってからは、手をなめることも増えてきます。赤ちゃんは自分が興味をもったものを口に入れてなめることで、そのものの感触や味、匂いを確かめているのです。時にはげんこつをしゃぶることもありますが、この時期に大切な感覚の発達の過程なので、気にせず見守ってあげましょう。
ガーゼハンカチやタオルでにぎにぎの練習も
ガーゼハンカチやタオル地のハンカチを、赤ちゃんの近くまで持っていき、手に握らせてあげましょう。指先の強さにもつながります。握る力が徐々に強くなったら、反対側をママやパパが軽く引っ張って遊んであげるといいでしょう。
うつぶせ寝はSIDS(乳幼児突然死症候群)のリスク
赤ちゃんをやわらかいお布団に寝かせていると、何かの拍子にうつ伏せになってしまった時、口や鼻が塞がれて呼吸ができなくなる危険性が高くなります。またうつぶせ寝の方が仰向け寝よりも、SIDS(乳幼児突然死症候群)になる確率が高くなるため注意が必要です。もし仰向けで寝かせてもうつぶせ寝になってしまう場合は、気がついた時に仰向け寝に戻してあげると安心です。
赤ちゃんのベッドや布団まわりに、おもちゃやぬいぐるみ、枕があると何かの拍子に顔に乗り、口や鼻がふさがってしまうことがあります。また手足をバタバタすることで布団が顔に乗ってしまうなど、思わぬ事故につながることもあります。赤ちゃんのベッドや布団まわりの環境にも注意しましょう。
赤ちゃんの3~4ヶ月健診のポイント
3〜4ヶ月健診は赤ちゃんの健康状態を把握するために、多くの自治体で実施しています。健診内容のポイントを紹介します。
首すわりの状態
生後3ヶ月では、首がすわりはじめる赤ちゃんが多いため、首のすわりをまず確認します。両手を持って引き上げて、頭がついてくるかを確認します。ただ生後3ヶ月で首がすわる赤ちゃんは全体の約50〜60%と言われているため、まだ首がグラグラしていても心配することはありません。
「うちの子は遅いのかな?」と不安になってしまうママも多いですが、個人差が大きいので健診時点で首がすわっていなくても、もう少し様子をみましょう。
股関節の動き
1ヶ月健診でも確認していますが、先天性股関節脱臼がないかを確認します。
耳の聞こえ
生後3ヶ月の時期、多くの赤ちゃんが音に反応します。そのためガラガラを耳の近くで鳴らして、音のする方へ向き、反応するかを確認します。またあやして笑うかどうかも確認します。
追視
音の鳴るものやぬいぐるみなどを動かして、動くものに反応するかを確認します。もし健診の時に機嫌が悪く、泣いていたりしてできない場合でも、自宅でできていたり、ママの後を追う様子があれば問題ありません。
産後3ヶ月のママの身体の状態と避妊

産後3ヶ月頃になると、月経が再開するママも多くなります。帝王切開後の方は概ね、産後1年程度は避妊が必要。経膣分娩(下からのお産)の場合でも、子宮を休ませるためにも、半年~1年程度は避妊することをおすすめします。月経が再開していない場合でも妊娠することもありますので、産後初回のセックスから必ず避妊をしましょう。
産後の避妊方法
避妊方法はコンドーム、ピル(経口避妊薬)、IUD(子宮内避妊具)など、色々種類がありますが、基本的にはコンドームがいいでしょう。
■コンドーム
IUDやピルは月経が再開していないと使用できません。また定期的に通院し薬を処方してもらったり、避妊具を確認する必要があります。そのため、一番簡易な方法がコンドームです。ただ挿入前に必ず装着するなど、正しく使用しないと避妊効果が得られないため、使用方法には注意が必要です。
■ピル(経口避妊薬)
ピルは排卵を抑える効果があるため、飲み忘れがなければ避妊効果はほぼ100%です。ただ母乳分泌を抑える効果があるため、授乳中は使用できません。また一度月経が来てから、産婦人科での処方が必要になります。ミルクのみの方にはお勧めです。
■IUD(子宮内避妊具)
子宮内避妊具は、子宮内に器具を装着して受精卵の着床を防ぐものです。避妊率は約95%と高いですが、一度月経が来てからの使用になり、定期的に産婦人科への通院が必要にもなります。また次の妊娠希望時には抜去が必要なので、数年以内に次の妊娠を望む場合にはお勧めしません。
基礎体温法では避妊できないので注意
「避妊方法に基礎体温法もあるのでは?」と思った方もいるかもしれません。ですが産後すぐは月経周期や基礎体温が安定しておらず、無排卵の場合もあります。そのため、「排卵日前後の妊娠しやすい時期」を特定することができません。
産後のママの体調や授乳の状況によっても、月経の再開時期や月経周期は変わります。基礎体温法での避妊はお勧めできません。
《まとめ》
生後3ヶ月頃の赤ちゃんは新生児の頃より大きく成長しているため、楽しみが増えますよね。また夜間まとまって寝てくれるようになると、ママやパパの疲労具合も少し変わってくるでしょう。できることが少しずつ増えてくる時期です。赤ちゃんとコミュニケーションをとりながら、たくさん話しかけたり、遊んだりしてください。
関連ページ
✔乳児湿疹の原因とは【小児科医】アトピーとの違い&赤ちゃんのスキンケア
✔赤ちゃんの鼻水・鼻づまりの対処法&受診すべき症状【小児科医】
✔赤ちゃんが奇声をあげる理由?月齢別の原因と対処法【医師監修】
✔赤ちゃんのお腹がパンパン!お腹の張りに【新生児~】ガス抜きマッサージ
1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
>詳しく見る