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2023.10.05

【医師監修】臨月はお腹が下がる?どんな感覚?先輩ママに聞く出産兆候

臨月になると、妊婦さんのお腹は下がってくるといわれます。経産婦さんの中では、すでにお腹が下がる感覚がわかる人もいるかもしれませんね。この記事では臨月にお腹が下がる理由や、それによって起こる身体の変化、出産の兆候について学んでいきましょう。お腹が下がる時期やその時の感覚はどのようなものか、先輩ママの体験談もふまえて解説します。

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臨月になるとお腹が下がるのはなぜ?

臨月にお腹が下がる

 

「臨月」というのは、妊娠10ヶ月のこと。臨月に入ると、赤ちゃんはいつ生まれてもいい時期になります。

お腹の中の赤ちゃんは出産に備えて、頭をママの骨盤内に侵入させてきます。すると赤ちゃんの身体がある程度固定されるため、ママは胎動をあまり感じなくなることがあります。

そして次第に、子宮の出口(出口部)に向かって下がってくるため、お腹全体が下がるように見えるわけです。

 

 

お腹が下がる時期

臨月ごろにお腹が下がるといっても、その時期には個人差があります。初産婦さんと経産婦さんでも、少し異なります。

多くの場合、臨月に入ると徐々に赤ちゃんが下がり始め、初産婦さんがそれを感じるのは妊娠36週過ぎあたりでしょう。一方で、経産婦さんは出産直前に下がることもあります。あくまでも目安として考えておきましょう。

 

 

臨月にお腹が下がることで起きる身体の変化

臨月の身体の変化

 

お腹が下がることで起きる身体の変化としては、以下のようなものが挙げられます。

 

1. 頻尿・尿漏れ

お腹の赤ちゃんが下がってくると、赤ちゃんの頭がママの膀胱を刺激します。このため、頻繁に尿意を催すことがあります。トイレに行っても少量しか出ないこともあり大変かもしれませんが、我慢しないようにしましょう。尿漏れがある時は、おりものシートをつけておくと安心ですね。

 

2. 便秘

妊娠すると、便秘になる人も多くいます。赤ちゃんの頭が下がってママの腸をより圧迫することで、さらに便秘になりやすくなる傾向があります。ひどい場合は薬でコントロールすることもありますが、基本的には多めの水分や食物繊維の摂取を心がけましょう。

 

3. 胎動が減る

赤ちゃんの頭が下がってきて骨盤内に固定されると、なかなか動きづらくなり胎動が減ることがあります。なんとなくいつもと違う胎動があるなど違和感があれば、かかりつけ医に診てもらいましょう。

 

関連ページ

【医師】臨月に胎動は減る?激しい・少ない・痛い時の胎児の状態

 

4. 胃がすっきりして食欲が出る

妊娠中は赤ちゃんで大きくなった子宮が胃を圧迫していたせいで、食欲がない、あるいは気分が悪くなることもあるでしょう。しかし、赤ちゃんが下りてくると胃の圧迫がなくなり、逆にすっきりして食欲が増すケースがあります。

妊娠後期になると、急激に体重増加するのはこれが原因にもなります。つい食べすぎないようにしましょう。

 

5. 恥骨痛

赤ちゃんが下がってくると、骨盤内に入り込み、ママの恥骨を圧迫することがあります。痛みが出て、歩きづらくなる人もいます。日常生活に支障が出るようであれば、かかりつけ医に相談しましょう。

 

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臨月の恥骨痛は出産間近のサイン?出産前の兆候と対策を助産師が解説

 

 

【先輩ママ体験談】お腹が下がる時期・お腹が下がる感覚は?

お腹が下がる時期や感覚について、先輩ママの体験談を紹介していきます。

 

お腹が下がるのは妊娠36~38週ごろ

お腹が下がったと感じたタイミングは、妊娠36週38週ごろが多いようです。

 

妊娠37週ごろを境に、ふとお腹が小さくなったような感じがした。これまで一番膨らんでいたおへそあたりが少しスッキリして、下腹部のあたりがパンパンに突き出てきた。
妊娠37~38週くらいの時に夫が先に気づいた。自分でも鏡で確認してみると、明らかにお腹の膨らみが下に垂れ下がってきていて、まるで重みのある水風船のよう。こんなにも変わるのかとびっくり。

胃の不快感がなくなった

お腹が下がることで、胃がスッキリしたというママもたくさんいます。

 

今まで少し食べただけでお腹がいっぱいになっていたのが、もりもり食べられるようになった。
胃がすっきりしたほか、呼吸が楽になった感覚があった。おかげで出産前の2週間でさらに体重が増えてしまった…。

胎動の位置が変わった

胎動を感じる位置の変化で、お腹が下がったことに気づくケースもあります。

 

赤ちゃんが下がって骨盤に頭がはまると、胎動が少なくなるというのを聞いていたが、実際は出産まで激しく動き続けていた。ただし少し前まであばら骨を蹴られていたのが、あまりなくなってきていた。
臨月にはどんどん胎動の位置が下へと移動した。赤ちゃんが動くとより恥骨が痛くなったり、膀胱が圧迫されて頻尿にもなった。さらに足の付け根やおしりの穴のほうまで鈍い痛みが出てきて、辛かった。

お腹はあまり下がらなかった

出産まで腹が下がった感じがない人もいます。

 

1人目の出産前は少しお腹が下がったが、2人目はあまり下がらなかった。出産は毎回違うことを認識させられた。
妊娠後期はずっと胃の不快に悩み、後期づわりで思うように食事もとれずにいた。臨月にはすこしスッキリすると聞いていたので期待していたが…実際は全く変わった感じはせず、むしろ胃もたれはひどくなった。
 

お腹が下がること以外の出産の兆候

お腹が下がることは、出産が近い兆候ですが、それ以外にもよくみられる変化があります。どんな兆候があるのか見ていきましょう。

 

お腹が張る

出産が近くなると、頻繁にお腹が張るようになります。本陣痛に入る前の陣痛を「前駆陣痛」といい、本陣痛とは異なって張りが不規則で、痛みはあるときとないときがあります。

 

前駆陣痛は1日に数回起こることもあれば、ほぼ経験せずに本陣痛をむかえる場合もあります。前駆陣痛から本陣痛につながる日数にも個人差があり、一概には言えません。

痛みのある子宮収縮が規則的に1時間に6回以上、10分間隔または10分以内になると、本陣痛だと判断できます。そして出産の準備に入ります。

 

出血

いわゆる産徴(おしるし)を指し、出産前に見られる出血のことです。おりもの状であることが多いでしょう。ただし産徴(おしるし)はある人とない人、量が少ない人、多い人と様々です。

出産が近づくにつれて、子宮壁から卵膜が剥がれてくることで出血が起こります。おしるしがくると、数日から数週間以内に出産になるケースが多いといわれています。出血に驚くかもしれませんが、焦らずに出産準備を始めましょう。

 

破水

破水とは、子宮内で赤ちゃんを包む膜が破れて羊水が出てくること。子宮の入り口の卵膜が完全に破れてしまうことを「完全破水」、上部の方のみ破れることを「高位破水」と言います。完全破水は量が多いためすぐにわかりますが、高位破水は少量で、尿漏れと間違えることがあります。

 

いずれの場合も、すぐに入院と抗生剤の点滴が必要です。かかりつけ医に連絡をとり、指示を仰ぎましょう。なお破水した場合、入浴、シャワーは厳禁ですので注意してください。

 

 

お腹が下がったときの過ごし方

臨月の過ごし方

 

臨月でお腹が下がってくると、これまで以上に注意することも増えます。この時期の過ごし方について説明していきます。

 

軽い運動は問題なし

ウォーキングなどの軽い運動は問題ありませんので、むしろ積極的に行いましょう。体力をつけることにもつながり、適度な体重増加制限は安産にもつながります。臨月になると安静を心がける必要もないので、散歩がてらウォーキングを行いましょう。軽い運動はストレス発散になり、気分転換にもなります。

 

ただし途中で破水や陣痛が起きる可能性も考えて、誰か付き添いの人と一緒に歩くのがよいでしょう。ナプキンと母子手帳の携帯をおすすめします。

 

遠出の外出は避ける

臨月になると、車で30分以上かかる外出や電車での遠出、旅行はやめておきましょう。近所のスーパーや行きなれた散歩コース、近くの駅などがおすすめです。いつ出産になるかわからないので、ひとりで遠くに行くことは避けましょう。

 

車の運転は避ける

車の運転も避けてください。お腹が大きいと運転がしづらく、足元も見えないため危険です。何かあってからでは遅いので、妊娠後期から運転は避けたほうが無難です

 

入院グッズの確認をする

妊娠中期くらいに、入院グッズの準備を始める人が多いかもしれません。出産間近に「あれもこれも」と迷わないように、しっかり入院グッズの確認をしましょう。

 

入院中のことを家族と打ち合わせしておく

出産して入院すると、最低でも5日は家族と離れることになります。上にお子さんがいる場合は、保育園や幼稚園、小学校の準備、習い事など家族に引き継いでおきましょう。

忘れがちなのが、ゴミ出しの日です。退院して自宅に帰るとゴミだらけ!とならないようにしましょう。また里帰りする場合は、自宅のことをノートにまとめておくとよいでしょう。

 

病院への移動手段を確認しておく

入院のタイミングは、家族がいるときに来るとは限りません。自分の運転で病院へ行くことは、絶対にしてはいけません。いざというときのために、パパ以外にも連絡がとれて、病院に送ってもらえる人を探しておきましょう。

陣痛タクシーがある地域は、あらかじめチェックしておき、ない地域はすぐに来てもらえるタクシー会社を事前に見つけておくと安心ですね。

 

 

《まとめ》

 

臨月にはお腹が下がり始めますが、もちろん個人差があります。お腹が下がることで起こる身体の変化を学ぶことで、その感覚がつかめるかもしれません。出産の兆候がみられたら、慌てずにゆっくり過ごしながらその時を待ちましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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ママのお悩みの声

臨月、お腹の張りの硬さが気になる

赤ちゃんが出ちゃいそうでトイレでいきめない

       

1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

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