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2023.04.03
【医師監修】胎嚢の大きさの平均(妊娠5・6・7週)とは?いつから確認できるの?
妊娠が発覚するとうれしい気持ちのなか、「赤ちゃんは成長しているかな」「無事に育ってくれるかな」などと不安も多いはず。妊娠してすぐの時期は、胎嚢の大きさや経過に問題がないか、気になることもあるでしょう。この記事では、胎嚢の大きさの目安を解説します。妊娠週数ごとのママと赤ちゃんの状態も紹介していきます。
目次
胎嚢(たいのう)とは?いつから確認できる?
胎嚢(たいのう)とは何でしょうか。胎嚢は妊娠初期に確認できる、赤ちゃんが入った袋のことを言います。
胎嚢はいつから確認できる?
妊娠週数は、最終月経の初日を「0週0日」として数えます。28日周期の場合であれば、月経予定日を「妊娠4週0日」とし、妊娠4週後半〜5週頃から確認でき始めます。ほとんどの場合、妊娠5週頃には、超音波検査で胎嚢が確認できるでしょう。
ただし、月経周期には個人差があります。月経周期が不順な人、排卵がずれている人は、胎嚢確認が少し遅れるケースもあります。
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【妊娠週別】胎嚢の大きさの目安
胎嚢は日々成長するため、週数を経るごとに大きくなりますが、個人差があります。平均的なサイズと異なっていても、順調に成長していくことも多いです。医師による診察で問題ないと言われていれば、気にしすぎないようにしましょう。
【妊娠5週】胎嚢の大きさ・赤ちゃんは器官形成期
妊娠5週ごろは、月経の遅れに気がつき、妊娠検査薬を試す人が多い時期です。月経周期が正常であれば、この頃に子宮内に胎嚢が確認できます。
胎嚢の大きさには個人差があり、おおよそ10mm程度が平均ですが、人によっては約9〜20mmと差があります。この時期、胎嚢は1日に1mmずつ成長しているため、診察を受けるタイミングによって異なります。平均くらいの大きさであれば、心配する必要はありません。
■赤ちゃんの体がつくられる大切な時期
この頃はまだ、妊娠の自覚がない人もいます。しかし赤ちゃんは器官形成期といって、心臓や脳などの重要な臓器が作られ始める大切な時期です。お酒やタバコはやめて、薬の内服も避けましょう。
もしも持病があって薬を飲んでいる場合は、継続して内服するか薬を変更するか、かかりつけ医に相談してください。
【妊娠6週】胎嚢の大きさ・つわりの始まり
妊娠6週ごろになると、胎嚢の大きさは約20mmに成長します。人によっては15〜27mmと個人差はあります。妊娠5週〜6週には卵黄嚢という、赤ちゃんに栄養を送る丸い輪っかが確認できるでしょう。そして妊娠6週後半になると、胎芽(胎児)の心拍が確認できるケースが多いです。
心拍が確認できると、胎嚢の大きさはあまり計測しなくなります。心拍が確認できていれば、大きさはあまり気にしなくてもいいでしょう。心拍確認は妊娠6週〜7週ごろで、これも人によって差があります。まだこの時期に確認できなくても、心配する必要はありません。
■つわりが始まる人も
この時期からつわりの症状が出る人がいます。早い人は妊娠5週頃からつわりで悩みますが、食べられるものを食べ、体を休めるようにしてください。
【妊娠7週】胎嚢の大きさ・葉酸の摂取
妊娠7週ごろ、胎嚢の大きさは25mm程度になります。妊娠7週にはほとんどの場合、心拍が確認できるでしょう。
■葉酸摂取を意識しよう
妊娠初期、特に妊娠7週ごろまでに必要な栄養素が、葉酸です。葉酸は赤ちゃんの脳と神経の発達に必要な栄養素で、食事からも摂取できます。葉酸は、以下の食材に多く含まれています。
・ほうれん草
・レバー
・ブロッコリー
・きのこ類
葉酸は、水に溶けだしてしまう特徴がありますので、スープなどがおすすめです。食事での摂取が難しい場合は、サプリメントで必要量を摂るといいでしょう。
■ママの体と心も変化する
妊娠7週ごろになると、つわり以外にもママの体調に様々な変化が現れます。気分が落ち込む、理由もなくイライラする、不機嫌になるといった心の変化が現れる人もいるでしょう。
また、肌荒れや乾燥などの肌トラブル、頻尿や胸の張りなど体の変化もみられます。スキンケアでは低刺激のものを使用しましょう。そして食べられるものを食べて、体を休めるようにし、心身ともにリラックスしましょう。仕事では、体調によって業務の調整が必要な場合は、上司に相談するといいかもしれません。
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「胎嚢の大きさ」についてよくあるママの疑問
ここからは胎嚢の大きさについて、よくある質問に答えていきます。
Q. 胎嚢は小さくても大丈夫?
- 胎嚢が小さいと、流産してしまうのではないかと不安になるママもいるでしょう。胎嚢が小さいまま成長せずに、流産になる可能性は否定できません。ただし、胎嚢が小さくても徐々に成長していくこともあります。そのため、胎嚢の大きさが平均に満たなくても、赤ちゃんが成長していれば心配しなくてもいいでしょう。
Q. 胎嚢の大きさと流産は関係ある?
- 胎嚢が小さい場合、流産につながることもあります。しかし、そのまま成長することも多いです。胎嚢の大きさが、流産と関係しているとは言えないでしょう。
Q. 胎嚢が小さいとダウン症の可能性が高い?
- ダウン症だと、胎嚢が小さい場合も確かにあります。しかし胎嚢が小さいからといって、必ずしも障害があるわけでも、流産になるわけでもありません。胎嚢の大きさは検査の精度によって若干の誤差が出ますし、心拍の確認以降、問題なく成長し出産まで至ることもあります。
《まとめ》
妊娠初期は赤ちゃんが流産してしまわないか、きちんと成長するのかどうか、と不安な時期です。胎嚢の大きさが気になる人も多いでしょう。胎嚢の計測では、超音波検査の当て方により誤差も生じます。赤ちゃんが成長していれば、気にしすぎる必要はありません。リラックスして穏やかに、赤ちゃんの成長を見守りましょう。
※写真提供:PIXTA
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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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