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2021.12.03
臨月にやたら眠いのは出産の兆候?【助産師が教える】眠気の対処法
いよいよ臨月に入り、急に眠気が強くなったと感じる妊婦さんは多いではないでしょうか。妊娠中は体が疲れやすく、眠気を感じることも多いのですが、それ以外にも臨月に眠くなるのには理由があります。この記事では、臨月に眠くなる理由と対処法について紹介します。
目次
臨月に眠い・だるいと感じる理由
そもそも臨月に眠い、だるいと感じるのはなぜでしょうか。理由は次の4つです。
・臨月にはエストロゲンというホルモンが多く分泌されるから
・臨月はお腹が大きく、息苦しく感じて体力を消耗するから
・臨月になり、大きくなったお腹で寝返りが上手くできなかったり、頻尿で夜中のトイレの回数が増えて、たびたび起きるから
・産後の授乳リズムに対応するため、夜間の睡眠中に中途覚醒するから
それぞれについて順番に解説していきます。
眠い&だるい理由1. 臨月に多く分泌されるホルモン
エストロゲンというホルモンは妊娠初期にも多く分泌され、妊娠維持のために必要です。しかし多く分泌されると睡眠が抑制され、夜の寝つきが悪くなります。また、体が疲れやすくもなり、眠いと感じることが多くなります。
臨月になると出産に向けて本能的に身体を休め、エネルギーを蓄えておくためにも、ホルモンが多く分泌されます。その影響で眠気を感じやすいと言われています。
眠い&だるい理由2. 大きなお腹による息苦しさ
臨月にもなると大きくなったお腹が胃を圧迫し、横隔膜もあがるため、息苦しさを感じることがあります。そのため今まで以上に疲れやすく、体力を消耗するので、体力回復をしようと日中に眠くなることがあります。
眠い&だるい理由3. 臨月におこる頻尿など
妊娠中はホルモンの影響で頻尿になる人が多いです。臨月には、赤ちゃんが出産に備えてだんだん下降してくるので、膀胱を圧迫しさらに尿意を頻繁に感じやすくなります。排尿しても、スッキリしない感覚が出ることもあります。
また赤ちゃんの睡眠サイクルは、昼夜関係なく20分おきに寝たり起きたりを繰り返しています。妊婦さんが布団に入って横になった途端に、胎動が激しくなってなかなか寝付けないと感じるという場合も多いです。
臨月ごろにはどんどんお腹も大きくなるので、寝返りをうつのも大変です。クッションや抱き枕などを使って、楽な姿勢をとると少し改善するでしょう。
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眠い&だるい理由4. 臨月の細切れ睡眠
臨月に睡眠が細切れになるのは、産後に向けての準備とも言われています。出産後は日中も夜間も、赤ちゃんに2〜3時間おきの授乳やミルクが必要です。そのため出産後のリズムになるべく慣れるためにも、臨月は細切れ睡眠になりやすいとも言われています。
短時間で休めるように体が順応しています。細切れになることは不眠と捉えて心配せず、疲労を感じたら、お昼寝などで適宜睡眠をとりながら過ごしましょう。
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臨月に眠い・だるいのは大丈夫?
臨月に眠いだけでなく、だるさがある場合は、「これって大丈夫?」と不安になるかもしれません。ですが前述のように、眠気やだるさの大半は生理的なもの。生活する上での工夫は必要になりますが、心配しなくても良いでしょう。
臨月のだるさの原因とは
臨月に入ると赤ちゃん・胎盤・羊水・乳房の重さなどで、ママの体重は10kg程度増加。体が重く、だるさを感じやすくなります。また妊娠中に胎盤から分泌される、プロゲステロンというホルモンの影響でも、だるさや疲れが起きやすいです。プロゲステロンの分泌は、分娩まで増加し続けるのが特徴です。
また臨月ごろには、貧血が原因でだるさを感じる場合もあります。妊娠中は赤ちゃんにしっかりと栄養を供給するため、循環血液量が増加。ですが赤血球の数に変わりはないため、血液が薄まった状態になります。
そのため妊娠後期になると、貧血気味になる妊婦さんが多く、だるさを感じることがあります。
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臨月に眠いのは出産の兆候かも
臨月に眠さやだるさを感じやすい原因は、前述の通り、母体の変化によるものです。身体が出産に向けて準備を整えていると心に留めながら、眠気を受け止めましょう。休める時はできるだけ休息をとって、お産に向けて体力を維持しましょう。
出産に向けて、身体はどんどん準備を進めている証です。「寝られなくてつらい」と落ち込み過ぎず、前向きにとらえてください。
臨月に眠い時の対処法
臨月に眠いと感じた時には、無理せず休む時間を確保し、ゆったり余裕をもって生活しましょう。
眠気の対処法1. お昼寝をする
無理せずお昼寝をしましょう。長時間の昼寝で昼夜逆転してしまう場合、夜間不眠の原因にもなります。お昼寝の時間は調整するなどの工夫をしましょう。
眠気の対処法2. 軽い運動をする
臨月に眠い時は、軽いストレッチやヨガ、散歩などの有酸素運動も、身体がスッキリするきっかけになるかもしれません。血行の改善や、筋力低下の防止、むくみや腰痛などマイナートラブルの予防にもつながります。
臨月のスクワットや散歩などは、出産に向けての体力づくりにもおすすめです。産前休暇に入り活動量が減った妊婦さんは、少しずつでもいいので、ぜひ有酸素運動を取り入れてください。
眠気の対処法3. 睡眠環境を整える
臨月には眠りが浅くなるため、熟睡できないことが多いもの。睡眠環境を整えるだけでも、睡眠の質の改善につながります。
・就寝前に入浴やマッサージをする
・スマホやパソコンなどブルーライトを発するものは、睡眠の1時間前から見ない
・カモミールティーなどのハーブティーを利用する
このようなことをおすすめします。
また食後すぐは消化活動が活発で、直後に横になると吐き気が起こりやすいです。なるべく就寝の2時間前には、食事を終えるようにしてください。寝心地のいい枕やベッド、リラクゼーション、ヒーリング音楽を利用してみるのもいいでしょう。
眠気の対処法4. 食べすぎない
前述したように、妊娠後期や臨月には大きなお腹が胃を圧迫して、一回にたくさんの量を食べると、胃もたれや胸やけを起こしやすくなります。臨月になり出産が近づくと、骨盤の中に赤ちゃんが入っていき胃の圧迫感がなくなり、たくさん食べられるようになります。
しかし満腹まで食べてしまうと、眠気が生じやすくなります。食事は腹八分でなるべく間食は控え、適度な空腹感を保つようにしましょう。
《まとめ》
出産までにやりたいことがたくさんあるのに、眠くてなかなか進まないと感じる妊婦さんもいるかもしれません。あまり詰め込み過ぎずにやることを最小限にして、身体の欲求に合わせて過ごしてくださいね。
臨月には体やホルモンバランスの変化で眠気を強く感じますが、それ自体は大きな問題はないことが大半です。眠さやだるさに抗うことなく、時間に余裕をもってゆったりリラックスして過ごすようにしましょう。出産の兆候でもあります。出産に向け体が少しずつ準備をしていると前向きにとらえて、赤ちゃんと会える日を楽しみに待ちましょう。
※写真提供:PIXTA
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監修者
1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。
2010年一般社団法人格を取得。
2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。
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