なぜ哺乳瓶の消毒は必要?
生まれてすぐの赤ちゃんは昼夜かかわらず頻回の授乳です。そのたびに哺乳瓶の洗浄と消毒をするのは時間と手間がかかりますよね。どうして消毒をする必要があるのでしょうか。
■哺乳瓶を消毒するのは洗浄・乾燥しても菌やウイルスが残っているかもしれないから
普段、私たちが使う食器は洗剤で洗い、乾燥させてまた使います。食器やコップなどは単純な形なので洗い残しなく乾燥することができ、食中毒を起こすような菌は大抵防ぐことができます。
それに比べて哺乳瓶は筒状になっており、乳首や小さな部品もあるため洗い残しが出やすく乾燥しにくい構造です。十分に洗浄・乾燥されずミルクが残った哺乳瓶は菌が繁殖しやすい環境になります。
哺乳瓶を正しく消毒することで、免疫力の弱い赤ちゃんを守ることができます。
■サルモネラ菌とサカザキ菌に注意
哺乳瓶とミルクによる食中毒の原因として注意が必要な菌は、「サルモネラ菌」と「サカザキ菌」です。この二つは乾燥した環境でも生き残ることができるため、調乳時に注意が必要です。
菌の感染から赤ちゃんを守るためにできることは次の4つです。
・調乳前にしっかり手洗いをすること
・哺乳瓶や調乳用具はしっかり洗浄・消毒すること
・水を一度沸騰させ、70度以上で調乳すること
・調乳してから2時間以上経ったミルクは与えないこと
粉ミルクの缶は何度も開けたり閉めたりするので菌が紛れ込みやすいため、清潔に扱うよう気をつけましょう。
また、粉ミルク缶以外にも、キューブ状や液体ミルクなど使い切りの製品を利用するのも良いですね。使い捨ての哺乳瓶もありますので、お出かけの時や消毒が難しいときに使うと便利です。
消毒をやめるタイミングはいつ?
いつまで哺乳瓶の消毒をしたら良いのでしょうか。消毒をやめても良いタイミングを知りましょう。
■生後3ヶ月くらいまで消毒をするのが一般的
生まれてすぐの赤ちゃんは免疫を自分で作り出すことができません。ママから受け継いだ免疫を持って生まれてきますが、それも徐々になくなっていきます。
生後3ヶ月を過ぎると自分で免疫を作り始め、生後6ヶ月には大人の50%、1歳になると70%程度免疫が備わると言われています。そのため、一般的には自分で免疫を作り始める生後3ヶ月くらいが消毒をやめても良い時期と言われています。
早産で生まれた赤ちゃんや、疾患を持って生まれた赤ちゃんは、十分な免疫獲得まで時間がかかる可能性がありますので、消毒をやめるタイミングは主治医に確認しましょう。
哺乳瓶の消毒・洗い方で気をつけるべきこと
なるべく菌を残さないように洗い、消毒するため、どんなことに気をつけると良いのでしょうか。
■洗浄に大切なのは流水、洗剤、乾燥
洗浄の方法として、食器洗浄機と手洗いの二つがあります。どちらにも共通して、洗剤を使って流水で洗い流し、乾燥させることが大切なポイントです。
【食器洗浄機】
食器洗浄機は水温が高く水圧が十分にあり、しっかり乾燥もできるため、手間なく菌を残さない洗浄ができます。
哺乳瓶を分解し、水で十分に汚れを流し落としてから食器洗浄機に入れるようにしましょう。細かい部品がありますので、水圧で飛ばないよう工夫をしてくださいね。
【手洗い】
まずは自分の手を30秒以上石鹸で洗います。哺乳瓶を分解し、中性洗剤を使って汚れが残らないよう細かな部分も丁寧に洗いましょう。
乳首やその周りの部品は繊細なので柔らかいスポンジで洗うと良いです。乳首専用の洗浄器具もありますが、食器用スポンジを小さくカットするのも便利です。
シンクは普段よく使う場所なので雑菌があると考え、直接哺乳瓶を置かず、専用のたらいを準備してその中で洗うとより清潔です。洗剤成分を十分に洗い流して、清潔な布巾やキッチンペーパーの上で自然乾燥させます。
布巾で水滴を拭いてしまうと、布巾に付着している雑菌を哺乳瓶に移してしまうことになるのでやめましょう。洗浄後すぐ消毒する場合は、乾燥させる工程を省いても大丈夫です。
■消毒方法は煮沸消毒、薬液消毒、電子レンジ消毒の3つ
洗浄を終えた哺乳瓶を消毒するには、3つの方法があります。ママや家族の生活に合わせて選ぶと良いですね。
【煮沸消毒】
沸騰したお湯に哺乳瓶を入れ、瓶は10分以上、乳首は3〜5分煮沸します。哺乳瓶によっては熱に弱いものもありますので、ガラスの哺乳瓶が適しています。
【薬液消毒】
次亜塩素酸ナトリウムという薬液に1時間浸けます。専用の商品が市販されているので、使いやすいものを選びましょう。病院や施設での消毒はこの方法です。
この薬液は24時間使えて便利ですが、薬液の臭いが気になる人もいます。消毒後に流水をかけてしまうと消毒の効果がなくなります。臭いや薬液による肌荒れが気になる人は、煮沸消毒にすると良いでしょう。
【電子レンジ消毒】
専用の容器に水と哺乳瓶を入れて電子レンジで数分温めます。その後乾燥する時間が必要となります。電子レンジ消毒が可能な哺乳瓶を使いましょう。
《まとめ》
免疫力の弱い赤ちゃんが哺乳瓶に残っている菌で病気にならないよう、しっかり洗浄・消毒をして安全に授乳しましょう。
洗浄や消毒の方法はいくつかありますが、ママや家族の生活スタイルに合わせて無理なく安全にできる方法を選びましょう。生後3ヶ月以降、赤ちゃんの成長・発達を確認しながら、消毒をやめるタイミングを考えてみてくださいね。
※写真提供:PIXTA
イベント・セミナー
妊娠・出産について学べるイベントやセミナーを紹介
-
オンライン(録画配信) 無料
-
オンライン(録画配信) 無料
-
オンライン(録画配信) 無料
-
オンライン(録画配信) 無料