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2023.12.21
【スピード出産体験談】出産が早い人の特徴・生まれるまでの流れは?
赤ちゃんに会えるのは楽しみですが、「陣痛や出産の痛みに耐えられるかな?」と心配するママも多いでしょう。「陣痛が来てからあっという間に生まれた!」などの経験談を聞くと、自分もスピード出産だといいなと思うかもしれませんね。この記事では、出産が早い人の特徴や、出産をスムーズにするための条件を解説します。ただし、スピード出産が必ずしも安産とは言えません。出産が早い人が気をつけるべきことも含めて、詳しく説明していきます。
目次
- 出産が早い「スピード出産」の人の特徴3つ
- ・1. 経産婦である
- ・2. 切迫早産気味
- ・3. 標準的な体型で体力がある
- スピード出産のお産の流れ
- ・破水から始まるスピード出産
- ・陣痛から始まるスピード出産
- ・健診で出産の兆候を指摘されることも
- 《アンケート》スピード出産とは最短何時間?
- 《リアル体験談》どんな流れでスピード出産になった?
- 出産が早い人のリスク
- ・リスク1. 墜落分娩(墜落産)
- ・リスク2. 弛緩出血
- ・リスク3. 子宮頸管裂傷や会陰裂傷
- ・リスク4. 立ち会い出産が難しくなる
- 出産が早い特徴を持つ人が準備すべきこと
- 2人目は早く生まれる人が多いの?
- スピード出産の経験者が次の出産時に気を付けること
出産が早い「スピード出産」の人の特徴3つ
よく耳にする「スピード出産」。実は特に定義はなく、医学用語でもありません。
出産にかかる時間は、陣痛が10分間隔になったときから計り始めて、一般的に初産婦では12時間前後、経産婦では6時間前後とされています。
それよりも短ければ、お産の進みが早いと言えるかもしれませんね。陣痛開始から1時間以内で、出産に至る人もいます。
では、お産の進みが早い要因はあるのでしょうか?「スピード出産」の人の特徴を3つ、まとめました。
1. 経産婦である
初めて出産する人を「初産婦」、2人目以降を「経産婦」と言います。初めてのお産で時間がかかった人も、2人目は早く生まれたというケースはよくあるもの。
統計的にも、1人目に比べて2人目のお産は、所要時間が半分ほどになることがわかっています。出産を経験することで、ママの産道や子宮口は柔らかくなり、スムーズに開きやすくなるためです。風船をイメージするとわかりやすいかもしれません。一度膨らんだ風船を再び膨らますと、最初よりも膨らみやすいですよね。
また経験者である経産婦さんの方が、リラックスしやすく、いきみ方が上手くなっているのも、影響するかもしれません。
2. 切迫早産気味
切迫早産や子宮頸管無力症と診断されていた人は、スピード出産になる傾向が強いと言えます。切迫早産の人は、子宮の収縮によって子宮頸管長が短くなっていたり、子宮口が開き始めていたりします。
切迫早産と診断され、点滴で子宮収縮を抑えていた人は特に、正期産に入って点滴を外した途端に陣痛が始まり、お産が進む可能性もあります。
また、子宮頸管無力症は早産の原因の一つ。赤ちゃんの出口である子宮頸管がしっかり閉じる力がなく、陣痛がなくても開いてきてしまう病気です。妊娠期間中に子宮頸管を縛る手術をする事もあります。縛った糸を解いた後に陣痛が始まると、あっという間にお産が進む可能性があります。
3. 標準的な体型で体力がある
スムーズな出産にはママの体型や体力、赤ちゃんの大きさも影響します。ママが太りすぎの場合、赤ちゃんも大きくなりすぎてしまい、お産の進みが遅れることがあります。
ママの骨盤の形も影響します。よくお尻が大きいと安産体型と言われますが、大切なのは骨盤の形です。赤ちゃんの丸い頭がスムーズに通る形の骨盤だと、お産は順調に進みやすいでしょう。
それから出産時に必要な体力がない場合、出産が長丁場になります。普段から適度な運動とバランスのよい食事で、体力をつけておきましょう。ストレッチやエクササイズで、骨盤周りの筋力や柔軟性を高めておくことも大切です。
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スピード出産のお産の流れ
医学的には、10分おきの陣痛が来た時点を分娩の開始とします。お産が始まるパターン別に、流れをみていきましょう。
破水から始まるスピード出産
破水とは、赤ちゃんを包んでいた膜が破れて、羊水が外に流れ出すこと。陣痛ではなく、破水からお産が始まることも少なくはありません。
正期産(妊娠37週以降)の場合、80%ほどは破水から24時間以内に自然に陣痛が来て、お産に至るとされています。もし破水しても陣痛が来なければ、陣痛促進剤を使ってお産を進めていくこともあります。
破水すると赤ちゃんの頭が下がり、直接子宮口を刺激するため、お産が早く進むことがあります。また破水によって子宮の内圧が変わることで、急に陣痛が強くなる傾向もあります。
このような理由から、「破水後に急に痛みが強くなり、どんどん子宮口が開いて、あっという間にお産になった」というケースが起こるのです。
陣痛から始まるスピード出産
陣痛から始まる場合、出産に至るまでの時間は人それぞれです。陣痛の始まりとされるのは、陣痛が10分おきに規則的に来るようになった時点です。たとえ10分おきに陣痛があっても、後に間延びするようであれば、前駆陣痛だったとみなされます。
分娩開始とはみなされない前駆陣痛の期間が長く、本陣痛からお産までが早くなる人もいます。また逆に、前駆陣痛をあまり感じず「なんとなく痛いかな」と思ってから、あっという間にお産が進んでしまう人もいます。これには個人差が非常に大きいです。
健診で出産の兆候を指摘されることも
妊娠後期の妊婦健診では、内診することが多くなります。医師から「子宮口が開いてきている」「赤ちゃんの頭が下がっている」と言われたら、出産が近づいていると理解して準備をしましょう。
必ずしもすぐにお産が始まるとは限りませんが、陣痛が始まり、破水した場合にお産が早く進む可能性は十分あります。場合によっては、管理入院や計画分娩になることもあるでしょう。
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✔破水したら赤ちゃんはどれくらいで生まれる?高位破水したら?出産までの流れ
おすすめ情報
《アンケート》スピード出産とは最短何時間?
周りで聞いたことのあるスピード出産の最短時間を、アンケートで聞いてみました。
※回答者数790
「わずか1時間で生まれた」という経験を聞いたことがある人が40%、「2時間」が25%となりました。平均的な出産所要時間よりも大幅に短く、羨ましく感じてしまうかもしれませんね。
《リアル体験談》どんな流れでスピード出産になった?
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- 陣痛に耐えながらも昼食を済ませたところ、急に産気づき、分娩台まで間に合わずに赤ちゃんの頭が出てきた。そして10分もせずに爆誕!早すぎると胎盤が一気に剥がれることがあって、あまり良くないそう…。私はかなり出血し、あと少しで輸血をするところだった。
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- 2人目のときが、破水から出産まで2時間半くらいだった。病院に到着すると、すでに陣痛が始まっている数人の妊婦さんよりも先に分娩室入り。看護師さんに「ごぼう抜きですよ」と言われた!
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- 1人目は2時間50分、2人目は1時間45分だった。促進剤が効きすぎる体質のようで、進みがすごく早いと先生にも驚かれた。
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- 超スピード出産で、母子手帳に書かれた分娩時間は47分。全く陣痛に気が付かず、産む時だけ痛かった。もう少しでも病院へ行くのが遅れたら、絶対に自宅出産していたはず!
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- 自宅で破水してからの出産で、52分だった。そして2人目は分娩台に上がって9分後、さらに3人目も病院に着いた20分後には産んだ私。毎回周りはとてもヒヤヒヤしている。
出産が早い人のリスク
陣痛の時間はできるだけ短くあってほしいというのは、多くのママが願うこと。しかし、スピード出産が必ずしも安産とは言えません。お産の進みが早いことのリスクもあります。
リスク1. 墜落分娩(墜落産)
自宅のトイレや風呂場、車の中、病院の玄関など、分娩台以外の場所で出産してしまうケースを「墜落分娩(墜落産)」と言います。
あまりにもお産の進みが早いと、墜落分娩になる可能性もあるため要注意です。もしも高い位置から赤ちゃんが落ちてしまうと、頭や首などをけがしてしまうかもしれません。
また赤ちゃんの保温やへその緒の処置、呼吸状態の管理、ママの出血の対応が迅速にできないなど、多くの危険があります。
リスク2. 弛緩出血
赤ちゃんが生まれ、胎盤が出た後は、子宮が収縮することで出血を止めます。しかしこの子宮収縮がうまくいかないと、「弛緩出血」という大量出血が起こります。
お産の進みが早すぎるのは、弛緩出血のリスク因子の一つです。
リスク3. 子宮頸管裂傷や会陰裂傷
「子宮頸管裂傷」とは、赤ちゃんが産道を通るときに子宮頸管が切れてしまうこと。「会陰裂傷」は、赤ちゃんが出てくるときに会陰が切れてしまうことです。
本来は子宮の収縮に合わせて、赤ちゃんはゆっくり産道を通ります。しかしお産が急速に進む場合は、産道に強い力が急にかかるので、産道や会陰が傷つくことがあります。子宮頸管裂傷は特に、大量出血につながることもあります。
こうした裂傷は、お産後に縫合しなければならず、しばらく傷口の痛みに悩まされることにもなるのです。
リスク4. 立ち会い出産が難しくなる
命に関わるリスクとは違いますが、お産があまりにも早く進むと、立ち会う予定の家族が間に合わない場合もあります。パパがかけつけた時には、すでに生まれていたというのはよくあるケースです。
出産が早い特徴を持つ人が準備すべきこと
スピード出産の場合、いつお産が始まってもいいように準備が大切です。どんな準備をしておくとよいでしょうか?
■産院までの交通手段の確保
いつも運転してくれる家族がそばにいてくれればいいのですが、なかなか難しいことも多いです。陣痛タクシーの利用なども準備しておきましょう。
■かかりつけ医への連絡手段の確認
夜中に陣痛が始まったり、破水したりする場合もあります。夜間や休日の場合の、かかりつけ医への連絡方法や、産院の出入り口を確認しておきましょう。
■入院セット
入院で必要なものは早めにそろえて、バックに詰めておきましょう。急な入院など、自分で持って行けない場合もあるので、家族にも入院セットの置き場所を伝えておきましょう。
■イメージトレーニング
急に陣痛が強くなると、パニックになってしまうことがあります。陣痛が始まってからお産までの流れを理解し、イメージトレーニングしておくのも大切です。呼吸法やリラックス法も練習しておきましょう。
2人目は早く生まれる人が多いの?
統計的には、2人目のお産は1人目の半分ほどの時間で生まれます。しかし、お産には色々な要因が関わっているため、それよりも早いことも遅いこともあります。
スピード出産の経験者が次の出産時に気を付けること
スピード出産を経験したママの場合、医師と相談して陣痛が来る前に管理入院をさせてもらうか、計画分娩にしてもらうのが安心かもしれません。かかりつけ医に前回スピード出産だったことを伝え、よく話し合っておきましょう。
また万が一、出産予定の産院ではない場所で出産してしまった場合は、どうすべきかを教えてもらうと安心ですね。
《まとめ》
陣痛はできるだけ短い時間に過ぎ、早く赤ちゃんに会いたいというのは当然の願いです。しかし、スピード出産にはリスクもあります。出産は赤ちゃんとママの共同作業。前もって準備をしておけば、あわてずに赤ちゃんと息を合わせて、出産までの時間を乗り切ることができるでしょう。
※写真提供:PIXTA
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国立福山病院附属看護学校卒業後、看護師として勤務。
第二子出産後、岡山大学医療技術短期大学部専攻科助産学特別専攻に進学し、助産師免許取得。
大学の非常勤講師、産婦人科病院、不妊治療専門クリニックなどで勤務。
現在は助産院勤務しながら、自身の出張・オンライン専門のすまいる助産院を開業中。産前産後の身体と心をサポートしてます。
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