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2022.03.11

破水したら赤ちゃんはどれくらいで生まれる?高位破水したら?出産までの流れ

「破水」という言葉を聞くと、出産の始まりをイメージする人がいるかもしれませんね。今回は破水の見分け方、破水したらどのくらいで赤ちゃんが生まれるのか、破水から出産までの流れについて解説します。また早期破水や高位破水時の対処法、破水後にしてはいけないこと、破水して病院へ行くときの移動方法も合わせてお話していきます。

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「破水」とは?どうやって見分ける?

 

「破水」とは、出産の過程で起こるもの。赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れることによって、中の羊水が体外に排出されることを指します。

 

破水したときに羊水が排出される量は、卵膜が破れる位置によって異なります。子宮口に近い位置が破れた場合を「完全破水」といい、子宮口から大量の羊水が排出されることになります。

一方、子宮口から遠い位置の卵膜が破れた場合を「高位破水」といい、流出する羊水は少量なので、尿もれとの判断がつきにくいです。

 

破水を確実に見分ける方法は、病院で検査を受ける以外にありません。特に「高位破水」の場合には、体外に排出される羊水が少ないです。いつものおりものと違いサラサラしている、水っぽいという程度の自覚症状しかないこともあります。

心配な症状がある場合には、かかりつけの産科医に連絡してください。尿もれのような症状がある、おりものが水っぽい、さらさらしたものが流れてくるなど、具体的に伝えて必ず検査を受けるようにしましょう。

 

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破水したらどうすればいい?

破水したら、まずは大きめの清潔なナプキンをつけて、すぐかかりつけの病院に連絡しましょう。病院に来るよう指示があったら、入院グッズを持って病院へ向かってください。入浴は禁止です。

破水すると、子宮の内側と外側が通じて感染のリスクが高まるため、まだ陣痛が始まっていなくても入院が必要です。

 

 

破水したらどれくらいで生まれる?

破水は陣痛開始後に子宮口が10cm開いた状態(全開大)に起こることが最も多く、これを「適時破水」と言います。本陣痛が始まってから、子宮口が全開大になる前に起こる破水が「早期破水」と呼ばれ、適時破水の次に多いとされています。

 

また、陣痛が始まる前に破水することを「前期破水」といいます。前期破水の場合、破水後24時間以内に陣痛開始することが多いです。しかし中には破水後に陣痛がなかなか始まらずに、陣痛誘発剤を使った誘発分娩となることもあり、破水が起きるタイミングには個人差がかなりあります。

陣痛が始まってから出産までにかかるまでの時間にも個人差があり、初産婦では10〜12時間、経産婦では4〜6時間くらいと言われています。

 

 

破水してからどうやって出産が始まる?

 

ここからは、前期破水から出産までの流れについてお話していきます。大体の流れを把握して、いざ破水したときに慌てないように、事前に準備をしておきましょう。

 

破水から出産までの流れ

1)清潔なナプキンをあてる

破水した後には、感染症予防のために清潔な状態を保つようにしましょう。破水後のシャワーや入浴、ウォシュレットの使用には子宮内感染の恐れがあるので、控えましょう。

 

病院へ行くまでに多量の羊水が流出する可能性がありますので、車や服を汚さないためにも大きめの清潔なナプキンを装着してくださいね。雑菌が繁殖するのを防ぐため、トイレへ行く際には毎回ナプキンを交換するようにしましょう。

高位破水の場合には羊水の流出が少量なので、生理用ナプキンの大きいもので対応できます。完全破水の場合には、羊水が多量に流出する可能性もありますので、お産用のナプキンを当てておくと安心ですね。

 

2)病院に連絡し受診する

破水したと感じたら、まずはかかりつけの産科医へ連絡をします。病院へ来るように指示があったら、入院グッズを持って病院へ向かいましょう。慌てずに入院準備を持ち運べるように、玄関近くに荷物を準備してくとよいでしょう。車が汚れないよう防水シーツやビニール、タオルなどをおしりの下に敷くと安心です。

経産婦さんの場合、破水後、急にお産が進む場合があります。陣痛が強くなったり、間隔が短くなる場合には車のシートに横になって病院に向かってください。

 

3)病院で検査をする

病院に着いたら、破水の検査・内診・お腹の張りと赤ちゃんの心拍を確認する機械で診察を行います。破水しているかどうかは、試験紙で簡単に検査することができます。検査で破水していることが確認できたら、そのまま入院となります。

 

4)陣痛が始まる

破水をしてから、24時間以内に陣痛が始まることが多いといわれています。

・お腹の張りや痛みが規則的に起こる

・10分以内の周期で起こる

ことが陣痛の特徴です。陣痛とともに子宮口が開いていきます。ママは痛みを逃しながら、赤ちゃんに酸素を送るようにしましょう。

 

5)分娩台へ移動

子宮口が10cmに開いた状態を、子宮口全開といいます。子宮口全開になったら、いよいよ分娩台へ移動していきみ始めます。

子宮口全開になってから、赤ちゃんが誕生するまでの時間にも個人差があります。初産婦の場合は平均1~2時間、経産婦の場合は30分~1時間ほどかかるでしょう。

 

もしも破水後に陣痛が来ないとき

前期破水をした場合、通常24時間以内に自然に陣痛が始まります。しかし、自然に陣痛が始まらないときには、母体と胎児の感染リスクが高まります。そのため子宮収縮剤を使って、人工的に陣痛を誘発します。

 

 

「早期破水・高位破水」したらどうなる?

もしも早期破水や高位破水をした際には、その後の感染リスクを減らすために行う対処法があります。

 

抗生剤の投与

破水前の卵膜に包まれている状態では、赤ちゃんは無菌状態の羊水の中にいるため、感染のリスクは低いとされています。しかし破水で卵膜に穴ができると、そこから雑菌が入り込みやすく感染リスクが高くなります。そのため、子宮内の感染リスクを減らすために抗生物質を投与されます。

 

陣痛促進剤の使用

子宮口を柔らかくするために、陣痛促進剤を使用する場合があります。お産を長引かせないことで、子宮内感染や、赤ちゃんやママの体力消耗を防ぐために検討される処置です。

陣痛促進剤を使用する場合は、かかりつけの産科医からの説明を受けて、妊婦さんの合意のもとに使用されます。

 

帝王切開の選択

母子の状態によっては、帝王切開が選択される可能性があります。陣痛が起きていて分娩が進んでいる状態でも、臍帯脱出や分娩遷延など母子に危険が伴うと判断された場合には、緊急で帝王切開が選択されることがあります。

子宮口全開大で、経膣分娩でも対応できると判断された場合には、鉗子分娩や吸引分娩を行い、赤ちゃんを早く取り出す方法がとられることもあります。

 

 

破水後にしてはいけないこと

 

破水後は、母体と胎児への感染リスクが高くなります。24時間以内に陣痛が起こる可能性が高いため、破水後の行動で気をつけてほしいことを解説していきます。

 

破水したら「慌てて救急車を呼ばない」

破水は異常なことではありません。動けなくなるほどの痛みや大量の出血がある場合には、かかりつけの産科医から救急車で受診するように指示があります。それ以外はタクシーや自家用車で、病院へ向かいましょう。

まずは慌てないで、かかりつけの産科医に連絡をして指示を仰いでください。

 

破水したら「車の運転はしない」

破水後は24時間以内に陣痛が起こることが多いため、車の運転は絶対にしないでください。運転中に陣痛が起きたりすると大変危険です。移動の際は、体を倒して仰向けではなく横向きになり、臍帯脱出などを予防しましょう

 

破水したら「入浴・シャワーを使用しない」

破水したあとは、子宮内に雑菌が入り込みやすくなります。破水に気付いた後のシャワーを含む入浴や、ウォシュレットの使用などは子宮内感染の原因となりますので控えましょう。

もし破水に気付かずに使用してしまった場合は、必ずそのことをかかりつけの産科医に伝えましょう。

 

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破水して病院に行くときの移動方法

先程もお話しましたが、破水したからといって救急車で病院へ向かう必要はありません。ここからは、破水後の病院への移動方法についてお話していきます。

 

家族などが運転する車で移動

破水して車で病院へ向かう際には、周囲の頼れる人に運転してもらって行くようにしましょう。運転中に陣痛が起きたりすると大変危険ですので、絶対に自分で運転はしないでください。

車を汚さないために厚めのナプキンをつけ、車に防水シートやビニールシート、バスタオルや大きめのタオルなどを敷くと安心です。

 

陣痛タクシーを利用する

周りに頼れる人がいないときは、陣痛タクシーなどが便利です。陣痛タクシーは、事前に登録しておくことで陣痛時に速やかにタクシーを手配して、かかりつけの産科医まで連れて行ってくれるサービスです。

破水が起こっても安心できるように、防水シートが完備されているタクシーもあります。また、妊婦さんへの対応の研修を受けた運転手がいるタクシー会社もあります。事前に調べておくとよいでしょう。

 

徒歩や公共交通機関は避ける

破水後は動けば動くほど、羊水が体外へ流れ出てしまいます。また移動途中に何があるのかわからないので、徒歩や公共交通機関での移動は避けましょう。

 

 

《まとめ》

 

破水した場合には、驚いてどのように対応すべきか混乱してしまうかもしれません。今回お話したことを参考に、実際に自分が破水したときには、誰に連絡してどのように病院へ向かうのか、入院に必要な荷物は誰が持って行くのかなど、確認してみてください。そして破水したときに慌てないように、事前に周囲と流れを共有しておきましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に助産師独自の職能団体として社団法人として創立。

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