【専門家監修】
妊娠・育児を楽しく学べるママ向けメディア

お知らせ *★まなべび公式アンバサダー★*募集中です

2023.05.18

【医師監修】妊娠線はいつからできる?効果的な予防法&ケア方法

妊娠すると起こる身体の変化のひとつに、妊娠線があります。妊娠線とはお腹や胸、脚などの皮膚にできる、紫色あるいは白色の線状のもの。妊娠線ができてしまうと、「これって消えるの?」と心配になるかもしれません。今回は、妊娠線とはどのようなものか詳しく解説していきます。妊娠線の予防やケア方法も産科医が紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

  • facebook
  • twitter
  • line
  • hatena

7


 

妊娠線とは?いつからできる?

妊娠線とは

 

妊娠線とはどのようなものか、学びを深めていきましょう。

 

妊娠線とはどのようなもの?

妊娠線とは、妊婦さんの体重増加で起こる身体の変化のひとつ。皮膚にできる、縞模様の紫色の線を指します。

妊娠したママは胎児への栄養を蓄えるために、身体に脂肪がつきやすくなり、胎児の成長によって急激にお腹が大きくなります。その際に皮膚が引き伸ばされて、皮膚のコラーゲンが断裂することにより、いわば肉割れが起こります。最初は紫色をしていますが、産後は次第に白色になり、あまり目立たなくなってきます。

 

妊娠線ができる原因

前述したように、妊娠線ができる原因は、皮膚が急激に引き伸ばされることです。

皮膚の構造について説明していきます。皮膚は外側から、表皮・真皮・皮下組織の3層で構成されています。表皮自体は伸縮性があり、脂肪のつき具合で伸びますが、表皮の下にある真皮は弾力性がありません。

そのため急激に脂肪がつくことや、胎児の成長によってお腹が膨らんだ結果、その伸びに真皮がついていけずに裂けてしまいます。これが妊娠線のできる理由です。

 

さらに妊娠中は、副腎皮質ホルモンが増加します。このホルモンは皮膚のターンオーバーを抑制し、コラーゲンの生成を抑制してしまう働きがあります。そのため妊娠中は通常よりも肌の弾力が低下し、ターンオーバーが促進されません。よって妊娠線ができやすい状態になるのです。

 

妊娠線・正中線の違い

正中線とは、お臍のあたりからお腹に向かってある1本の線をいいます。7割の人に生まれつきあるものです。妊娠線は妊娠してできるものなので、正中線とはまったく異なります。

妊娠中はメラニン色素が活性化したり、胎児の成長に伴って皮膚が薄くなるために、正中線がさらに目立つことも。ただし出産を終えると、次第に薄くなって目立たなくなります。

 

関連ページ

妊娠中にできる「正中線」とは?【助産師】妊娠線との違い&ケア方法

 

妊娠線ができやすい時期

妊娠線がよく現れるのは、急激にお腹が大きくなり、身体に脂肪がつきやすくなる妊娠中期からです。体型の変化によって、妊娠線はできすいといえるでしょう。特に妊娠後期は体重の増加が激しく、妊娠線ができやすいので注意が必要です。

中にはまれに、妊娠初期からできるママもいるので、個人差があるようです。

 

妊娠線ができやすい場所

妊娠線ができやすい場所は、脂肪がつきやすい、皮膚が引き延ばされやすい部分だといわれています。胸、おしり、お腹、足の付け根、太もも、二の腕、わきの下などが挙げられます。

出産間近のママは、体重が10kg近く増加しています。きちんとケアしていたつもりでも、胸の下、おしり、お腹の下など、見えない場所に妊娠線ができている可能性も。見えない部分こそ、念入りにケアをしましょう。

 

 

妊娠線ができやすい人・ひどくなる人の特徴

妊娠線ができやすい人

 

妊娠線は必ずできるわけではありません。妊娠線ができやすい、ひどくなる人の特徴としては、「体形の変化が大きい人」「皮膚が引き伸ばされやすい人」が挙げられます。具体的にどんな人が当てはまるのかを見ていきましょう。

 

やせていて小柄な人

小柄な人は背が高い人よりも体表面積が狭く、胎児の成長具合によって皮膚の引き伸ばされ方が変わってきます。骨盤がせまく胎児が前にせり出すため、普通体型の人よりも皮膚が引き伸ばされ妊娠線ができやすくなります。

 

乾燥肌の人

妊娠するとただでさえコラーゲンが少なくなり、肌の弾力が低下します。そのうえ乾燥肌の人は、皮膚が傷つきやすいため、肉割れを起こしやすくなります。冬場など乾燥しやすい時期は、特に注意が必要です。アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患をもっている人も、妊娠線が出現しやすいでしょう。

 

高齢出産の人

加齢によって肌の弾力も失われますので、妊娠線ができやすくなってしまいます。

 

経産婦

経産婦さんは初産婦さんに比べて、皮膚が伸びやすい状態となっています。そのため、お腹が大きくなりやすく妊娠線ができやすいです。

 

双胎妊娠・多胎妊娠の人

双胎、多胎妊娠の場合は、胎児の人数分だけ皮膚がより大きく引き伸ばされます。妊娠線がよりできやすい状況にあります。

 

肥満気味の人

肥満の人は皮下脂肪が多くついています。皮下組織の下にある皮下脂肪は、弾力性がないため、伸びにくい状況にあり妊娠線ができやすくなります。

 

急激に体重増加した人

急激に体重が増加すると、その身体の変化についていけずに妊娠線ができやすくなります。妊娠期間中、体重増加は緩やかになるように工夫しましょう。

 

 

妊娠線の効果的な予防時期&ケア方法

妊娠線は、早めの対策で最小限に防ぐことができます。ここでは、予防を始める時期や詳しいケアの方法を紹介していきます。

 

妊娠線は消える?

一度できた妊娠線は、白っぽくなって目立たなくなることはあっても、一生消えることはありません。だからこそ早めに対策し、妊娠線による肌への影響を最小限に防ぐ必要があるのです。

 

妊娠線の予防を始める時期

妊娠線ができ始めるのは、お腹が大きくなる妊娠中期ごろから。ただし食べづわりにより、妊娠初期から体重が増加する妊婦さんも一定数います。

体調がよければ、妊娠初期から妊娠線の予防ケアを始めるのがおすすめです。保湿ケアを始めてからすぐに効果が出るわけではないので、妊娠初期から習慣づけることが重要です。

またつわりが治まったらできるだけ早く体重を管理し、急激な体重増加を防ぐように心がけてください。

 

妊娠線の予防・ケア方法

妊娠線の予防・ケア方法で重要なのは、「適切な体重増加」「保湿」です。それぞれ詳しく紹介していきます。

 

適切な体重増加

非妊時の体型にもよりますが、胎児と胎盤、羊水、循環血液量の増加、出産に必要なエネルギーを蓄えるために必要な皮下脂肪を合わせて、7~13㎏の体重増加が必要とされています。

近年、妊婦さんの痩せ志向が高まり、適切に体重が増えないまま出産となるケースも増加しています。体重を増やさないことは、決していいわけではありません。ある程度、出産に備えてエネルギーを蓄えておくことは大変重要です。つまり、適切な体重増加を適切なスピードで行うことが大切なのです。

 

急激な体重増加は妊娠線の発生だけでなく、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病など、他の合併症のリスクを高めるため注意が必要です。つわりが終わって食欲が増す時期、そして妊娠後期の胎児の成長スピードが速い時期は、急激な体重増加に注意しましょう。

 

保湿をしっかりおこなう

皮膚トラブルにおいて、乾燥が大敵なのはいうまでもありません。肌の弾力や伸縮性を保つためにも、クリームやオイルなどで、肌の保湿を心がけてください。特に冬場は乾燥しやすいため、保湿の回数と量を増やすことをおすすめします。

妊娠中は副腎皮質ホルモンの影響で、コラーゲン生成が抑制され、ターンオーバーがうまくいかない時期。しっかりと保湿をしましょう。

 

保湿剤はどう選べばいい?

保湿剤を選ぶポイントを紹介します。

 

保湿力が高いもの

前述したように、乾燥していると妊娠線ができやすいため、一番の予防は保湿です。ヒアルロン酸、コラーゲン、セラミドなどの保湿成分が含まれているものを選びましょう。

 

無添加・アレルギーテスト済みのもの

妊娠中は非常に肌がデリケートです。使用する保湿剤は無添加のものや、アレルギーテスト済みをおすすめします。そして自分の肌に合っているか確認するため、できればテスターを腕の内側などに塗って試しておくといいでしょう。

 

香料に注意

妊娠中は嗅覚も敏感になるため、できれば無香料を選ぶことをおすすめします。いつもは好きな香りであっても、妊娠中は急に不快に感じたり、気分が悪くなる可能性があり注意が必要です。

 

クリームの効果的な使い方について

保湿剤はたっぷりと使用しましょう。手のひらに500円玉くらいの量をとって、全体に伸ばしながらマッサージします。摩擦が起きないように、ゆっくり優しく丁寧に塗るようにしてください。朝、夜の2回を目安にマッサージするとよいですが、乾燥しやすい冬場などはさらにこまめに塗りましょう。

 

 

《まとめ》

 

妊娠線が一度できると、いずれ目立たなくはなっても、完全に消えることはありません。しかし妊娠初期からの予防ケアで、妊娠線は最小限にとどめることができます。つわりが落ち着いたら、妊娠線予防を始めましょう。急激な体重増加や乾燥は、妊娠線ができやすい状況を作ってしまいます。意識して妊娠生活を送ってくださいね。

 

※写真提供:PIXTA

 

関連ページ

妊娠線予防はいつから?できやすい人の特徴【助産師おすすめ】ケア

妊娠線予防に!マッサージの効果的なやり方【動画】助産師が解説

【アンケート調査】妊娠線予防のケアはいつから?ケアの頻度は?

 

ママのお悩みの声

妊娠6ヶ月、今から妊娠線予防マッサージをしても遅い?

妊娠線予防をするのに普通のボディクリームはダメ?

             

1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

>詳しく見る

イベント・セミナー
妊娠・出産について学べるイベントやセミナーを紹介

>イベント・セミナー一覧
  • オンライン(録画配信) 無料

    5月9日開催 産後ヨガ~心身をリラックしながら骨盤ケアをしよう~(無料)

    開催日
    2024/5/9(木)
    10:00~10:30
    詳細
    開催日
    2024/5/10(金)
    14:00~14:30
    詳細
    開催日
    2024/5/10(金)
    20:00~20:30
    詳細
  • オンライン(ライブ配信) プレゼント 無料

    5月28日開催 お金のプロから学ぶ!子育ての不安が軽くなる! 『子育てのお金の超基本マネーセミナー』プレゼントつき

    開催日
    2024/05/28(火)
    10:00~11:00
    詳細
    開催日
    2024/05/29(水)
    10:00~11:00
    詳細
    開催日
    2024/05/31(金)
    20:00~21:00
    詳細
  • オンライン(録画配信) 無料

    6月13日開催 助産師が教える 【赤ちゃん連れの旅行】で 知っておきたい注意点&ポイント(無料)

    開催日
    2024/6/13(木)
    10:00~10:30
    詳細
    開催日
    2024/6/14(金)
    14:00~14:30
    詳細
    開催日
    2024/6/14(金)
    20:00~20:30
    詳細

特別講座【アーカイブ配信】
過去実施した妊娠・出産・育児を学べる人気のセミナーを公開!(会員限定)