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2023.05.04
妊娠初期の眠気の原因&対処法【助産師】眠い・だるいのはいつまで?
妊娠中は急に襲ってくる眠気やだるさに、「どうにかしてほしい」「いつまで続くの?」と悩むママもいるでしょう。今回は妊娠初期の症状のなかでも、眠気やだるさについて理解を深めていきましょう。眠い・だるい時にできる対処法も、助産師が解説していきます。
目次
妊娠初期の強い眠気・だるさの原因とは?
妊娠初期は眠気が強く、何をしていてもうとうとしてしまうもの。家にいる時は休めばいいですが、外出中はそうもいきません。まず、妊娠初期に眠くなってしまう原因について述べていきます。
眠気の原因1. 妊娠によるホルモン
妊婦さんの身体の中では、妊娠を継続させるために様々なホルモンの分泌が始まります。その勢いはまるでジェットコースターのようで、変化についていけずに、体調を崩してしまう場合がほとんどです。
そうした中で妊婦さんの身体を休ませ、少しでもストレスから遠ざけようと、眠気やだるさが起こると言われています。
特に「プロゲステロン」というホルモンには、体温を上げて妊娠を維持し、眠気を引き起こす作用があります。プロゲステロンはママと赤ちゃんを守る役割をする、非常に重要なホルモンと言えます。
眠気の原因2. 自律神経の乱れによる睡眠不足
妊娠初期には自律神経が乱れて、精神的に不安定になったり、体温調節が難しくなり、寝つきにくい状態に陥ることも。つわりが激しい人は、嘔吐や気分不良で眠れない時もあるでしょう。
このような睡眠不足によって、日中に眠気を感じることがあるようです。夜中は眠れないため、日中に眠くなるということですね。
妊婦さんはお腹の中で、一生懸命赤ちゃんを育てています。特に妊娠初期の赤ちゃんは急速に成長が進み、ママは体力的にも精神的にも疲れ果ててしまうでしょう。
妊娠中の身体は非常に正直です。眠気や倦怠感で活動しづらくなった時は、「ママ、ちょっとゆっくりしてね」という赤ちゃんからのサインと考えましょう。
眠気の原因3. 妊娠中の眠りのサイクル
妊娠中には、眠りのサイクルに変化が起こります。妊娠初期は日中にいくら寝ても眠くなりがちですが、妊娠後期には次第に細切れ睡眠になっていきます。このように、妊娠中に眠気が出てくるのは、産後の育児に備えての準備だと言われています。
産後は3時間毎の授乳で、なかなか休む時間がとれません。妊娠中からこのように身体を慣らしておくと、産後のスムーズな育児の開始が期待できます。
「どうしてこんなに眠くなるの?」と不安もあるかもしれませんが、今はこれが正常なのだととらえ、睡眠欲求に任せて休んでみるのもいいでしょう。
妊娠初期のひどい眠気はいつまで続く?ピークは?
妊娠初期に起こる眠気の原因の1つは、「プロゲステロン」というホルモンにあります。プロゲステロンは赤ちゃんが育ちやすい環境を整えるために、体温を上げて、子宮内膜を厚くしてふかふかのベッドをつくる役割もあります。
眠気の原因となるプロゲステロンの分泌は、妊娠2ヶ月~4ヶ月をピークに増加し、妊娠5ヶ月頃には元の量に落ち着きます。そのためひどい眠気もプロゲステロンの分泌に合わせて、この時期に一旦おさまるでしょう。
しかし個人差があり、睡眠不足と眠気が出産まで続く場合もあるので、あくまで目安として考えておきましょう。
またつわりの種類に、眠りづわりというものがあります。どれだけ寝ても寝足りないくらい、日中眠くなってしまうものです。吐き気や嘔吐を伴い、ただ単に眠くなる状態とは少し異なります。気分不良を伴う眠りづわりの場合は、ゆっくり休むようにしましょう。
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妊娠中のひどい眠気に!おすすめ対処法
妊娠初期にひどくなる眠気。家にいる時はゆっくり休めても、仕事の場合だとそうはいきませんよね。ここでは妊娠中の眠気との付き合い方や、対処法について紹介します。
1. できるだけ身体を動かす
常に動いていたり身体を使う仕事であれば、眠気もまぎれるかもしれません。しかし長時間のデスクワークでは、どうしても眠くなってしまいます。ずっと同じ体勢だとなおさらですね。
例えば1時間ごとに5分と時間を決め、立ち上がってトイレに行く、階段の上り下りをする、軽いストレッチをするなど、身体を動かしてみましょう。動くことで気がまぎれるかもしれません。
2. 外の空気に当たる
外の空気にあたることで、刺激を受けて眠気が覚めることがあります。休憩中には外に出て、短時間の散歩で風にあたってみるのもいいですね。気分転換にもなるでしょう。
3. 仮眠をとる
もし上司の許可が得られたら、休憩時間に仮眠をとるのもいいでしょう。職場の上司や同僚には事前に相談しておくと、理解を得られやすいかもしれません。家にいる時は無理せずに、休めるタイミングでしっかり睡眠をとりましょう。
4. 飲み物や食べ物を工夫する
冷たい飲み物や、梅干しなどの酸っぱい物を食べると、眠気を覚ますこともできます。しかし冷たい食べ物を摂りすぎると身体を冷やし、刺激物の食べすぎもママと赤ちゃんに良くありません。食べる量には注意してください。
5. カフェインの摂りすぎには注意
眠らないようにとカフェインをたくさん摂るのは、妊婦さんには良くありません。カフェインの摂りすぎは、お腹の赤ちゃんの成長をゆるやかにし、低出生体重児になる可能性を高めます。コーヒーは1日に2杯程度であれば問題はありませんが、それ以上摂りすぎないように注意しましょう。
またカフェインはコーヒーだけではなく、緑茶、紅茶、清涼飲料水、ガムなどにも含まれていますので気をつけてください。
6. 母子健康管理指導事項連絡カードを活用する
働く妊婦さんのために、「母子健康管理指導事項連絡カード(母健カード)」があります。これは医師が女性労働者への指導事項を、適切に事業主に伝えるためのツール。眠気やだるさが辛い場合は、時差出勤や時短勤務にするなどの対処を、事業主と話し合ってみましょう。
妊娠中に不眠になることもある
妊娠することで、逆に不眠になるケースもあります。その理由はいくつか挙げられますが、一番は自律神経の乱れです。妊娠すると環境の変化によって、心身に大きな不安やストレスがかかってしまいます。すると自律神経を司る脳に負荷がかかり、不眠や疲れ、だるさなど様々な症状が現れます。
また妊娠週数が進むにつれてお腹が大きくなり、息苦しさ、足がつるなどのマイナートラブルも現れてきます。それによって不眠になることもありますので、ゆっくり身体を休めるような環境を整えてみましょう。
《まとめ》
妊娠初期の眠気やだるさの原因は、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れにあります。妊娠初期は非常に重要な時期なので、無理せず休める時に休みましょう。仕事をしている妊婦さんは、外の空気に当たって気分転換をしたり、身体を軽く動かしてみるとよいでしょう。必要な場合は母子健康管理指導事項連絡カードを使用して、働きやすい環境を整えてもらうことも大切です。
※写真提供:PIXTA
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監修者
1955年に助産師独自の職能団体として社団法人として創立。
全国都道府県助産師会の会員にて組織されている。
2012年10月1日から公益法人制度改革により公益法人認定法に基づいて公益性を認定され、公益社団法人として新たにスタート。
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