赤ちゃんのおならが臭い5つの原因
赤ちゃんのおならで、びっくりした経験がある人もいるかもしれませんね。前述したように、生まれたばかりの赤ちゃんでも大人と同じようにおならをします。1日のおならの回数には、かなり個人差があるようです。というのも赤ちゃんのおならは、その多くがミルクや母乳を飲むときに一緒に飲み込んだ空気だとされています。
授乳の時にどのくらい空気を飲み込んだか、ゲップを出せているかで、おならの回数は変わってきます。ゲップとして体外に出られなかった空気が、消化管を通じておならとして排泄されるのです。
普段は臭くない赤ちゃんのおならですが、どうして臭くなることがあるのでしょうか。臭い原因を項目ごとに解説していきます。
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おならが臭い原因1. 便秘の影響
腸内にうんちがたまると、発酵してガスが発生します。赤ちゃんが便秘の際に出るおならは、授乳の時に飲み込んだ空気ではなく、消化管内で生まれたガスです。うんちと一緒に溜まっていたガスが出るため、臭いおならが出るのです。赤ちゃんの便秘が解消され、定期的にうんちを出せるようになれば、自然におならも臭くなくなるでしょう。
おならが臭い原因2. 離乳食の影響
赤ちゃんは離乳食がはじまると、様々な食材を食べていくことに。消化しにくいものを食べたり、食べた物自体ににおいがあったりすると、臭いおならがでます。赤ちゃんの腸は発達している最中なので、うまく消化されずに臭いおならがでることも。成長の過程だと考えて、見守りましょう。
おならが臭い原因3. 母乳の影響
ママの食べたもののにおいが、母乳を飲むことによって、そのまま赤ちゃんのうんちや便のにおいに影響することは、医学的には証明されていません。
しかしにんにく料理など、においの強いものを食べた後に授乳をしたら、赤ちゃんのうんちやおならが臭くなったと話すママもいます。また母乳をあげる量が少ないと、便秘になりやすく臭いおならが出ることがあります。
おならが臭い原因4. 消化管の発達途中であるため
赤ちゃんは、生後2ヶ月~5ヶ月頃からおならが臭くなることが多いと言われています。生後2ヶ月を過ぎる頃から、赤ちゃんの体の中で胃や腸が成長してきます。成長した腸内にうんちをためられるようになり、臭いおならが出やすくなるのです。
また新生児の時には、ミルクや母乳を飲むたびにうんちを出そうとする「胃結腸反射」という反射ありました。この胃結腸反射は生後2ヶ月頃に消失するため、うんちが腸内に留まる時間が長くなりおならが臭くなりやすいのです。
おならが臭い以外に気になる症状がなければ、赤ちゃんの成長によるものだと考えて、様子を見てあげてくださいね。
おならが臭い原因5. 風邪を引いている
赤ちゃんが風邪を引いたのが原因で、便秘や下痢になることがあります。風邪を引いているときには、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れていることがあり、これが影響して臭いおならがでることもあるのです。
赤ちゃんのおならが臭いときの対処法
それでは赤ちゃんのおならが臭いときに、ママやパパはどのような対応をすればよいのでしょうか。ここではおならが臭くなる原因ごとに、対処法を解説していきます。どれも簡単にできるものなので、赤ちゃんのおならの臭いが気になる場合には、取り入れてみてくださいね。
赤ちゃんの臭いおならに1. 便秘解消のための水分摂取
赤ちゃんの便秘でおならが臭い場合には、便秘を解消してあげることが大切です。
新生児は消化管が未発達なため、水分を多く含んだやわらかいうんちで、少量をこまめに出すことが多いです。赤ちゃんの消化管が発達してくると、徐々に大人のようなうんちが出せるようになります。
便秘の場合には、うんちが硬くなってしまって出にくくなっている場合があります。うんちが硬い場合にはミルクや母乳をしっかり飲み、水分をたくさん摂取してうんちをやわらかくしてあげましょう。
赤ちゃんの臭いおならに2. 便秘を解消するお腹マッサージ
赤ちゃんが便秘の時は、お腹をマッサージすることで、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促すことができます。マッサージする時は、冷たい手でお腹を触ると赤ちゃんが驚いてしまいます。ママの手を温めてからおこなってください。
温めた手にオイルを付けて、赤ちゃんのおへそのまわりを時計回りにくるくるとマッサージしましょう。力を入れる必要はありませんので、赤ちゃんが心地よいと感じるように優しくゆっくりとおこないます。おならが溜まっている場合にも、このマッサージはおすすめです。
赤ちゃんの臭いおならに3. 便秘の解消に肛門刺激
赤ちゃんの肛門の入り口を刺激することで、赤ちゃんがいきんでうんちやおならを出す場合があります。赤ちゃん用の綿棒の綿球部分にオイルを染み込ませて、赤ちゃんの肛門に挿入しましょう。
深く入れすぎると肛門内部を傷つけてしまう可能性がありますので、綿球が隠れる程度まで挿入します。綿球を挿入したら、そのままの深さでぐるぐると綿棒を回して肛門を刺激してみてください。
この肛門刺激は、おならを出したいときにも効果があります。刺激した途端に、赤ちゃんがいきみはじめて、大量のうんちが出ることがよくあります。肛門刺激をするときには、必ずおむつやシートなどうんちを受け止められるものを、赤ちゃんのおしりの下に敷いてからおこないましょう。
赤ちゃんの臭いおならに4. 腸の状態を整える
風邪を引いている影響で下痢や便秘になり、おならが臭くなることがあります。下痢の場合には、ミルクや母乳などで水分をしっかり与えるようにし、脱水症状にならないようにするのが大切です。
下痢の症状が続いているのに水分摂取が全くできない場合には、点滴が必要になる場合もありますの。早めにかかりつけの小児科医を受診しましょう。便秘のときには、便秘の項目で紹介した方法を試してみましょう。
そして風邪で受診した際には、下痢や便秘の症状があることを、かかりつけの医師に伝えましょう。整腸剤が処方されることもあります。
赤ちゃんの臭いおなら・便秘で受診すべき症状
赤ちゃんのおならが臭い・便秘の時にも、落ち着いていて機嫌が良ければ様子をみても良いでしょう。しかし、下痢が続いているのに水分摂取ができない場合や、嘔吐を伴う場合は、脱水症状になる可能性があります。早めにかかりつけの小児科医を受診しましょう。
便秘の場合には、まずこれまでに紹介した便秘解消法を試してみましょう。一度では効果が出ない場合がありますので、少し時間をおいて試してみてください。
それでもなかなかうんちが出ない場合や、お腹が張っている・お腹が硬い・顔色が悪い・元気がない・機嫌が悪い・ミルクや母乳を飲まないなどの症状がある場合には、早めにかかりつけの小児科医を受診しましょう。
《まとめ》
赤ちゃんのおならは、日々の体調をあらわしています。赤ちゃんが臭いおならをした際には、今回お話したことを思い出して、赤ちゃんの体調をチェックしてあげてください。おならが臭い場合でも、機嫌がよく食欲があれば特に問題はありません。いつもと何か違う、機嫌がすごく悪い、気になる症状がある場合には、かかりつけの小児科医を受診してみてくださいね。
※写真提供:PIXTA
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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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