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2021.02.15

《医師監修》赤ちゃんのうんちで健康チェック!注意が必要な色とは

赤ちゃんのうんちは、健康状態のバロメーターといわれ、その時の体調が反映されます。うんちの色や状態に急な変化があった時は、何か病気のサインかもしれません。日ごろから健康なうんちをよく観察し、注意すべき特徴を把握しておきましょう。

ここでは産科医がわかりやすく解説します。

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赤ちゃんのうんちって?その状態と1日の回数

赤ちゃんのうんち

 

赤ちゃんのうんちは、いつも同じ色や形ではありません。成長するにつれて、変化していきます。

 

出生後1~2日くらいまでの「胎便」

 

生後1~2日目くらいまでは黒緑色のどろっとした、海苔の佃煮のようなうんちです。これは「胎便」といって、ママのお腹にいた頃に飲み込んだ羊水や胎脂などがうんちになったものです。

 

生後2~4日の「移行便」

 

母乳やミルクを飲み始めて赤ちゃんの腸が動きはじめると、腸の中に残っている胎便が押し出され、うんちは黒緑色から黄色に変化していきます。

硬さは大人に比べるとゆるい状態で、下痢をしているのでは?と心配になるママもいますが、母乳など液体しか口にしていないので、問題はありません。

 

通常便

 

胎便が腸から全て出て、黄色~茶色のうんちになります。母乳やミルクなど、口から入ったものがうんちとして出てきます。基本的にはドロドロとした軟らかさです。

1日のうんちの回数は赤ちゃんによって違いますが、2~10回くらいと言われています。母乳育児の赤ちゃんは授乳のたびに少しずつうんちが出て、毎回オムツを変える必要があるかもしれません。

ミルク育児の赤ちゃんは回数が少なめで、母乳育児の赤ちゃんより硬いうんちになります。

 

 

緑色は大丈夫?うんちの色で健康状態をチェック

最初のうちは、大人と違ううんちの色に戸惑うママも多いです。健康なうんちと、小児科受診したほうが良いうんちを見極められるようにしましょう。

 

母子手帳の便色カードを活用

母子手帳に挟まっている、便色カードで赤ちゃんのうんちの色を確認しましょう。どんな色だと小児科医に診てもらったほうが良いのか、一目瞭然です。

詳しいことは厚生労働省のサイトを見てくださいね。

 

健康なうんちの色

健康なうんちの色は、明るい黄色、茶色、緑色です。

 

明るい黄色

 

母乳やミルクだけで育つ時期の赤ちゃんは、胆汁といって食べ物を分解する液の黄色が、そのままうんちの色で出てきます。

 

茶色

 

離乳食が始まってくると、明るい黄色から茶色になってきます。

 

緑色

 

緑色のうんちを初めて見たママはびっくりするかもしれませんが、健康なうんちです。腸の中で母乳の成分である乳糖が乳酸菌で発酵され、黄色のビリルビンが緑色に変化したものですので、安心してくださいね。

 

白いつぶつぶが入っている

 

うんちの中に白いつぶつぶが入っていて不安になるママもいますが、これも健康なうんちです。この白いつぶつぶの正体は、母乳やミルクに含まれる脂肪が固まってできたものです。

 

小児科受診したほうが良いうんちの色

注意が必要なうんちの色は白、赤、黒です。この色のうんちが出たら、おむつは捨てずに持参して小児科医を受診しましょう。

 

うんち全体が灰色~白色

 

生後2週間~1ヶ月頃に見られる灰色や白色のうんちは、注意が必要です。胆汁の通る管が塞がってしまっている病気、胆道閉鎖症の可能性があります。

ロタウイルスなどが原因の感染性胃腸炎の時にも、白色の水っぽいうんちになります。

 

赤色

 

離乳食が始まると、スイカやトマトなどが消化されずにうんちに混じる場合がありますが、その場合は問題ありません。

 

それ以外では、

・肛門が切れて出血する裂肛

・ママのおっぱいが切れていたり血乳の場合、また母乳の成分で赤ちゃんの皮膚が一時的に出血する母乳血便

・母乳の成分で腸の壁が荒れて一時的に出血するリンパ濾胞過形成(ろほうかけいせい)

といった病気が考えられます。

これらは自然に治癒することがほとんどですが、念のため小児科受診をすると安心でしょう。

 

いちごジャムのようなゼリー状の赤いうんちの場合は要注意です。腸重積(ちょうじゅうせき)といって、生後6ヶ月頃の赤ちゃんに多い病気です。

突然の腹痛で激しく泣くものの、痛みと痛みの間は普段と変わらない様子になる、という間欠的な痛みを繰り返します。しばらくすると吐くこともあります。

 

黒色

 

うんちが黒いということは、胃や十二指腸など腸よりも上の内臓(上部消化管)からの出血の可能性があります。また、ビタミンKの不足で起きる新生児メレナという病気の可能性もあります。

 

 

うんちの色が気になった時の対処

いつもとうんちが違う、と感じた時にはそのうんちの写真を撮っておいたり、おむつを捨てずに保管して小児科受診をしましょう。

おむつを持参する場合は感染性の病気の場合もありますので、袋で密封しておくことが大事です。そしてママへの感染予防のため、おむつを替えた後は念入りな手洗いを忘れずにしましょう。

 

いつ出たものなのか日時や回数、その前後に飲んだり食べたりしたものをメモしておくと役立ちます。また、発熱、機嫌が悪い、食欲がない、吐くなど他の症状がある場合もかかりつけの小児科医に伝えてください。

 

 

《まとめ》

 

赤ちゃんのうんちの色は様々で変化があり、何か病気なのでは?と不安になることもありますよね。おむつ替えをする時は毎回うんちを見て、健康なうんちなのかそうでないのかチェックしましょう。赤ちゃんがいつもと違う、何か変だなと感じたらかかりつけの小児科医を受診しましょう。

 

※写真提供:PIXTA

             

1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

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