PICK UP!
2021.03.01
赤ちゃんの便秘に!【医師が教える】お家でできる改善方法
赤ちゃんの体調管理に毎日のうんちの状態をチェックすることは大切です。お腹がぱんぱんに張っているなど感じたら、便秘かもしれません。そのうち出るだろうで済ませるのではなく、しっかりケアしてあげましょう。
赤ちゃんの便秘とは?
赤ちゃんの便秘は、大人と違った特徴があります。赤ちゃんにとっての便秘とはどんな状態なのでしょうか。
■赤ちゃんの便秘の症状
生まれたての赤ちゃんは、うんちの回数が多く、月齢とともに徐々に減っていきます。うんちの回数は個人差がとても大きく、母乳をたくさん飲んでいて1日に十数回出る子もいますし、主にミルクを飲んでいて1日に1〜2回という子もいます。一般に、ミルクを飲んでいる赤ちゃんの方がうんちは硬めで回数が少ないことが多いです。
そこで、便秘かどうか、うんちの回数だけでなく、次のような症状もあるかを、観察してあげましょう。
・お腹が張っている
・母乳あるいはミルクの飲みが悪い
・機嫌が悪い
・母乳やミルクを吐いてしまう
・肛門が切れて血がついたうんちが出る
2〜3日に1回しかうんちが出ない子でも、上記のような症状がなく、うんちが硬いこともなければ、便秘ではないと考えて良いでしょう。
■便秘の原因
赤ちゃんの便秘の原因は、月齢で異なります。
生後1ヶ月頃まで
生まれたばかり(生後0ヶ月)の赤ちゃんは、肛門を締める筋が未発達で肛門が緩みにくく、腹圧も十分でないことから自分でうんちを出すことが難しいことも多いのです。
また、寝ていることが多いのも原因の一つです。
一方で、胃結腸反射のため、授乳の度にうんちが出ることも多いです。1日に数回、あるいはオムツを開ける度にうんちが出ていた赤ちゃんも、成長するにしたがって、回数が減っていきます。
そして原因として、この時期に一番に念頭においておくと良いのは、「母乳不足」です。母乳育児を頑張っている場合に以下のようなことがあれば、一時的に少しミルクを足すことも考えてみるといいですね。
・体重増加が悪い
・おっぱいを吸っている時間が長い
・授乳の間隔が短く眠りが浅い
・おしっこの回数が1日5回以下と少ない
生後2ヶ月頃
生後2ヶ月~3ヶ月くらいになると消化器官が発達してうんちをお腹に溜められるようになり、便秘の症状が出やすくなる赤ちゃんもいます。
生後6ヶ月頃
離乳食を食べるようになると、固形物を食べることで母乳やミルクの量が減ってくるので、うんちの水分量が減り便秘になりやすいです。
お家でできる赤ちゃんの便秘の改善法
マッサージ
赤ちゃんが便秘かもしれないと思ったら、まずはマッサージや運動をしてみましょう。
腸の動きを促したり、血行を良くするのが目的ですので、色々なマッサージなどを試してみても良いですね。歌ったりしながらマッサージするのも楽しくできます。
【お腹マッサージ法の例】
・手のひらでおへそを中心にお腹に大きく「の」の字を書くように優しくマッサージする
・お腹全体を上から下へ撫で下ろすように優しくマッサージする
・仰向けに寝かせた赤ちゃんの足をもって、自転車をこぐように足を動かす運動をする
できるだけ、膝がお腹につくくらいに大きく動かすといいですね。
また、足が冷たい時には、靴下やレギンスレッグウォーマーを履かせたり、足のマッサージをすることも血行促進になります。
水分摂取
生後6ヶ月頃までの赤ちゃんでしたら、母乳やミルクで水分は十分と言われています。生後2ヶ月以降の赤ちゃんであれば、汗をたくさんかいた時に湯冷ましや赤ちゃん用のお茶、スポーツドリンクなどを飲ませてあげても問題はありません。
生後6ヶ月以降は、離乳食が始まっていくタイミングですので、お茶などの他に汁物も多く取り入れて、水分を摂るといいですね。またバナナやりんご、サツマイモなど、食物線維を多く含む食材を使った離乳食もお勧めです。
赤ちゃんの肛門を刺激
おしりふきなどで、赤ちゃんの肛門をチョンチョンとつついて刺激してみましょう。これだけでうんちを出してくれる場合もあります。
綿棒で刺激する場合には、肛門を痛めないよう綿棒の先にベビーオイルなどをつけて、赤ちゃんの肛門に1㎝ほど入れ、小さな円を描くように動かします。
綿棒を奥に入れすぎたり、強くなりすぎないように注意しましょう。すぐにうんちが出てくる場合もあれば、刺激した後しばらくして出る場合もあります。
特に生後1ヶ月までの赤ちゃんは、1日1回を目安にうんちが出ない場合には、肛門を刺激してあげると良いですね。最初のうちはうまく出せない赤ちゃんも、成長にしたがって自分で出せるようになるので、心配せずに刺激してあげてください。
おすすめ情報
赤ちゃんの便秘で病院に行く目安は?
母乳やミルクを十分飲んでいて、体重増加が良好であれば便秘が問題となることはあまりありません。
ただ、便秘が続いているけどお腹が張っているかどうかよくわからない場合や、改善法を試しても解消できない時には、出産した産院や小児科などに相談してみましょう。稀に病気が隠れている場合もありますので、赤ちゃんの具合が悪そうであれば、すぐに受診しましょう。
《まとめ》
赤ちゃんの便秘で悩むママパパは多いですが、お家でできる改善法で解消できることが多いです。赤ちゃんによって個人差も大きいので、その子に合わせたケアを見つけてみましょう。
お家で解消できない場合には、かかりつけの産院や小児科で相談してみましょう。
病院で浣腸をして便秘を解消してもらう際に、この先癖になるのでは?と心配されるママもよく見かけますが、大体の赤ちゃんは成長とともに自然に治りますので心配ありませんよ。
※写真提供:PIXTA
関連ページ
✔《医師監修》赤ちゃんのうんちで健康チェック!注意が必要な色とは
1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
イベント・セミナー
妊娠・出産について学べるイベントやセミナーを紹介
-
オンライン(録画配信) 無料