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2021.08.20

おっぱいマッサージ【動画】妊娠中&産後に!助産師がやり方と効果を解説

赤ちゃんを出産後、すぐに授乳が始まります。妊娠期からおっぱいの準備をして、スムーズに母乳育児を始められるようにしておきたいですね。ここでは、妊娠中におっぱいマッサージを始める時期やその効果、具体的な方法について理解を深めていきましょう。またおっぱいマッサージをする際の注意点についても、動画を交えて助産師が解説します。

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おっぱいマッサージとは?効果は?

おっぱいマッサージ

 

妊娠すると乳房や乳輪が大きくなったり、黒っぽくなったり、と変化を感じている方も多いのではないでしょうか。実はこれは母乳が出るための準備として、乳腺や乳管組織が発達しているから。おっぱいマッサージは、乳房の血行を良くし、乳頭や乳輪をほぐして、赤ちゃんが吸いやすいおっぱいをつくることが目的です。

 

おっぱいマッサージは、主に「基底部マッサージ」「乳頭・乳輪マッサージ」に分けられます。母乳は血液で出来ていることをご存じですか?

基底部マッサージは、乳房全体に流れている血液の循環を促して、乳腺を発達させる効果があります。乳腺が発達することで、産後、母乳の分泌を促してくれる効果が期待できます。

 

また母乳が沢山作られていても、乳管の開通がよくなければ母乳の分泌が悪くなったり、乳管が詰まりやすくなり、乳腺炎を起こしたりする可能性があります。乳頭・乳輪マッサージには、乳管の開通を促し、母乳分泌をよくしてくれる効果が期待できます。

 

さらに、赤ちゃんがおっぱいを飲めるようになるには、乳頭や乳輪の硬さも関係してきます。乳頭や乳輪が硬ければ赤ちゃんはなかなかおっぱいを深くくわえることができず、浅飲みになり乳頭が傷つくこともあります。

赤ちゃんが乳輪をくわえやすくし、たくさんの母乳を飲んでもらうために、乳頭・乳輪マッサージを行って乳頭・乳輪部を柔らかくして吸いやすくする必要があるのです。

 

 

おっぱいマッサージはいつから始める?

妊娠期からのおっぱいマッサージは、出産後スムーズに授乳が開始するための事前準備です。では、おっぱいマッサージはいつから開始すればいいのでしょうか。

おっぱいマッサージを始める時期は、胎盤が完成し体調も安定した「妊娠後期」がおすすめです。

 

妊娠後期は、身体が出産に向けて準備を始める時期。乳腺もさらに発達し、母乳分泌開始の準備を始めています。妊娠後期に入ったら、乳頭をきれいにするところから始めていきましょう。

 

乳頭の先端には、乳口といって母乳が出る腺があります。お風呂に入っているときなどのリラックスしているときに、乳頭の先についている垢などの汚れを取り除き、きれいにしておきましょう。同時におっぱいマッサージも医師の許可を得て開始するとよいでしょう。

 

おっぱいマッサージを始める時の注意点

ただし妊娠後期に入っていたとしても、切迫早産や前置胎盤、帝王切開予定、逆子などリスクのある人は、自己判断でおっぱいマッサージを開始せず、必ず医師に相談しましょう。

またおっぱいマッサージ等を行うのは、お腹が張って切迫兆候がない時です。切迫兆候がなくても、おっぱいマッサージを行ってお腹が張りだしたら、すぐに中止しましょう。そして、妊娠37週を過ぎて正期産に入ったら積極的におっぱいマッサージをして、赤ちゃんを迎える準備をしましょう。

 

また、おっぱいマッサージをしないほうがいい時期もあります。胎盤が形成されていない妊娠初期(妊娠16週未満)、妊娠中期(妊娠16週妊娠27週まで)は、慎重におっぱいマッサージをするか否か判断することをおすすめします。

 

 

【動画で解説】妊娠中のおっぱいマッサージのやり方

妊娠中と産後ではおっぱいの状況が変わってきます。ここでは、それぞれのおっぱいマッサージの方法をご紹介。

まずは妊娠中の乳頭・乳輪マッサージの方法です。乳頭・乳輪マッサージは乳管の開通を促してくれるとともに、赤ちゃんが吸いやすいおっぱいを作っていきます。また、基底部マッサージはおっぱいの付け根を動かすことによって、血行を促すマッサージです。

妊娠中おっぱいマッサージを行うときは、必ず医師に相談をし、医師の指示のもと行うようにしてください。また、マッサージ中にお腹が張ったら中止しましょう。

 

【産後】のおっぱいマッサージの方法

妊娠中におっぱいマッサージを行ったからといって、産後すぐに母乳があふれてくるというわけではありません。母乳は赤ちゃんが吸う刺激で作られます。赤ちゃんが吸いやすくなるように、おっぱいのマッサージをしていきましょう。

 

出産後の母乳は、産後1~2日目はにじむ程度で、特に初産婦はほとんど量になりません。そして、産後2~3日目からは、母乳はあまり出ないのに、胸が張って痛くなってくることがあります。

これがいわゆる乳房うっ積という状態です。うっ積は母乳が作られている証拠ですから、産後は積極的にマッサージを行い、母乳の分泌を促進していく必要があります。

 

乳頭・乳輪マッサージ

妊娠中と同じく、優しく痛くないように行いましょう。浮腫んでいるときや、痛みが強い時は優しくつまむだけで大丈夫です。やり方は、妊娠中のマッサージ方法と同じです。

 

基底部マッサージ

おっぱいが張っているときは、血行も悪くなりがちなので、おっぱいの付け根からしっかりと動かしましょう。やり方は、妊娠中のマッサージ方法と同じです。

 

 

おっぱいマッサージをするときの注意点

おっぱいマッサージの注意

 

おっぱいマッサージをするとき、注意するべき点がいくつかあります。それらをご紹介していきましょう。

 

強い力でおっぱいマッサージをしない

おっぱいマッサージを行うときは、痛みを感じるほどの強い力で行わないようにしましょう。乳頭や乳輪、基底部は非常にデリケートです。無理に強い力で行うと、乳頭に亀裂が入ってしまったり、炎症を起こしたりする原因にもなります。痛みを感じない程度の強さで行うようにしましょう。

 

妊娠中のおっぱいマッサージは医師に相談を

先述した通り、妊娠中のおっぱいマッサージは時期によっては切迫流産、早産を引き起こす原因になり、早産傾向や帝王切開予定の方には禁忌になります。自分の妊娠経過が順調かをまず医師に相談し、医師の指示のもとおっぱいマッサージを開始するようにしましょう。

 

乳腺炎でのおっぱいマッサージは悪化の原因に

片方の乳房がパンパンに張れ、しこりを感じたり熱をもっていたら、それは乳腺炎になってしまっている可能性があります。乳腺炎には菌による細菌性乳腺炎と、何らかの原因で乳汁がつまって出てこられなくて起こるうっ滞性乳腺炎があります。

自己判断でおっぱいマッサージをしてしまうと悪化の原因になることもあるので、産婦人科、もしくは助産院に相談しましょう。

 

 

《まとめ》

 

おっぱいマッサージは、スムーズに母乳育児ができるようになるために、妊娠後期から行うことをおすすめします。しかし妊娠初期、中期や切迫早産や帝王切開予定の方など、妊娠後期に入ってもおっぱいマッサージができない場合もありますから、おっぱいマッサージを始めるときは必ず医師の指示に従うようにしましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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監修者

山手 実佳 先生

助産師

国立福山病院附属看護学校卒業後、看護師として勤務。
第二子出産後、岡山大学医療技術短期大学部専攻科助産学特別専攻に進学し、助産師免許取得。
大学の非常勤講師、産婦人科病院、不妊治療専門クリニックなどで勤務。
現在は助産院勤務しながら、自身の出張・オンライン専門のすまいる助産院を開業中。産前産後の身体と心をサポートしてます。

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