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2021.03.12
【助産師監修】妊娠期のおっぱいケアとは?乳頭タイプ別で変わる?
出産予定日が近づく妊娠後期、母乳育児準備のためのマッサージについて見聞きすることもあるでしょう。一体どんな効果があり、またどのようにケアすれば良いのでしょうか?人によって異なる乳頭のタイプと、それに合ったケア方法も含めて、助産師がわかりやすく説明します。
乳頭のタイプ別おっぱいケアのやり方
赤ちゃんはおっぱいを飲むとき、舌で乳頭を捉えて、お口に乳輪全体をしっかり含んで飲んでいます。女性の乳房は個性があり、人それぞれです。また、産後のホルモンの変化でおっぱいの皮膚の状態は柔軟に変化することが分かっています。
どんな乳頭でも直接授乳は可能と言われていますが、赤ちゃんがくわえやすく、吸い付きやすい柔軟で伸びのよい乳輪乳頭であることは、母乳育児のスタートを順調にする大切なポイントです。
■陥没乳頭
乳首が乳房の内側に入り込んだタイプの乳頭です。乳首を引き出してあげると授乳しやすくなります。
乳輪あたりから手で優しくもみほぐして乳頭を外に出したり、乳頭吸引器で圧をかけて出したりします。
「ブレストシェル」といって自然な陰圧のかかる保護器もおすすめです。下着と乳房の間に当てるだけなので痛みもなく、ストレスもありません。
産後の緊満した乳房の張りを、程よく改善してくれる役割もありますので、長く使える保護器です。
■扁平乳頭
乳頭が突出しておらず、乳輪の高さがほとんどないタイプです。柔らかく伸びる乳頭であれば赤ちゃんも吸い付きやすくなります。
■大きめの乳頭
赤ちゃんの口の大きさと乳頭の大きさが合わず、赤ちゃんが上手に吸い付けない場合があります。赤ちゃんが成長するとお口に合ってきて飲めるようになることが多く、硬い場合は柔らかくなるようにケアしてあげることで飲みやすくなります。
■小さめの乳頭
赤ちゃんが飲む際に捉えにくいこともあります。やはり、柔らかさと程よい伸びが必要です。
基本的な乳頭マッサージ
どのような乳頭のタイプでも、基本のマッサージのやり方は同じです。
1. 親指、人差し指、中指で乳頭をつまみます。
2. 3秒くらいで乳頭にゆっくり圧をかけます。強さは痛くない程度で無理せず行ってください。
3. 色々な角度で圧をかけて1分くらい続けてみましょう。
4. 慣れてきたら、横にねじるような動きも足してみてください。
乳頭を清潔に保つ
妊娠中から少しずつ乳汁が出ると、古い角質が下着の繊維と合わさることで、垢のように乳頭に付着しているときがあります。
これを乳垢(にゅうこう)といいます。乳垢は母乳の出口を塞いでしまいますので、きれいに落として乳頭を清潔に保ちましょう。
1. 入浴後の角栓が開き、皮膚が柔らかくなった時に行います。
2. コットンにベビーオイルなどの油分を含ませ、乳頭にあててしばらくおきます。
3. コットンを使って優しく乳頭を撫でると、乳垢が剥がれます。
頑張りすぎると皮膚に負担がかかりますので、無理に一回で全部きれいにしようとしないでください。
おっぱいケアはいつからがベスト?
様々な見解がありますが、赤ちゃんが産まれても問題のない時期である、正期産(妊娠37週以降)に入ってから、無理のない程度に始めると良いでしょう。
妊娠中に乳頭を刺激することでオキシトシンというホルモンが分泌され、子宮収縮を促すことになり、流・早産のリスクとなる可能性があります。
切迫早産と診断されていたり、お腹が痛い、張る、出血がある、といった症状があった場合はやめましょう。不安な方は出産後から始めても良いでしょう。
疑問や不安がある場合は、妊婦健診の時に助産師に聞いてみましょう。その人に合ったアドバイスをしてくれるはずです。
《まとめ》
産後の赤ちゃんとの生活に思いを巡らせながら、自分のおっぱいに目を向け、事前のケアを助産師と相談しながらやっていきましょう。そして自信を持って母乳育児がスタートできるよう参考にしていただければと思います。赤ちゃんとの楽しい母乳育児を応援しています。
※写真提供:PIXTA
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監修者
1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。
2010年一般社団法人格を取得。
2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。
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