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2020.11.24

【産科医】羊水とは?赤ちゃんを守るその役割と量について解説

ママのお腹の中で赤ちゃんを守る「羊水」。そもそも羊水とは何の成分でできていて、どのような役割をもつのでしょうか?妊婦健診では羊水の量を確認し、「羊水過多」「羊水過少」などと診断されることもあります。羊水が多い、あるいは少ない場合の原因と症状、治療についても産科医が解説していきます。

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赤ちゃんを守る「羊水」とは?

羊水とは

 

「羊水」とは、赤ちゃんを育て守ってくれる「生命の水」のようなものです。どのような成分でできているのでしょうか。また羊水がどのように赤ちゃんを守ってくれているのか、説明します。

 

羊水とはスポーツドリンクのような成分

羊水とは、赤ちゃんを包んでいる羊膜を満たしている無色透明の液体のことで、アルカリ性の電解質液です。

羊水にはナトリウムやカリウムといった血液循環のバランスを整える要素、ブドウ糖、アミノ酸、タンパク質など成長を促す栄養素、ホルモンや成長因子、酵素など赤ちゃんの成長に必要なものがたくさん含まれています。スポーツドリンクの成分に似ています。

 

羊水はクッションの役割をもつ

ママのお腹の外からの衝撃が、繊細な赤ちゃんに直接伝わらないよう、羊水が守る役割をします。

 

羊水が感染から守る

羊水には抗菌作用があります。また羊水とそれを包んでいる膜が、子宮の外と赤ちゃんの空間を分けることで、赤ちゃんを感染から守ります。

 

羊水が胎児の発育を促す

子宮の壁で赤ちゃんが直接圧迫されてしまうと、手足をうまく動かせなかったり、肺が膨らまなかったりして発育に影響が出てしまいます。

羊水とは、赤ちゃんが子宮の中で自由に動き、必要な運動ができるような空間を作っています。

 

環境温を一定に保つ

外気温に影響されることなく、一定の心地よい温かさの羊水に包まれることで、赤ちゃんは元気に過ごすことができます。

 

分娩の時に子宮の入り口を開く

分娩の時には、羊水とそれを包む膜で子宮の入り口を押し広げる働きがあります。また、破水した後は羊水でママの産道の汚れを洗い流し、赤ちゃんが通りやすくしてくれます。

 

陣痛時の子宮の圧迫から守る

分娩の時の陣痛による子宮の圧迫は、かなり強いものです。その強さで赤ちゃんが苦しくならないように羊水が守ります。

 

 

羊水の増え方と量を知る方法

羊水とは妊娠中に徐々に増えていくもの。(妊娠8ヶ月で最も多くなります)そして分娩が近くなると、その量は減っていきます。妊婦健診の時、妊娠週数に合った羊水量かどうか、医師はエコーでチェックしています。

羊水はどうやって、どのくらいの量に増えていくかの目安と、その測定方法について説明します。

 

羊水の作られ方

羊水とは最初は、赤ちゃんの皮膚や肺から滲み出る液体です。

その量はだんだんと増加し、妊娠10週頃から赤ちゃんは羊水を飲み込む練習を始めて、尿として排出されるようになります。赤ちゃんが成長するにつれて尿の量も増え、羊水量も増えていきます。

 

羊水の量

赤ちゃんが羊水を飲み込み、尿で排出するのを繰り返して、徐々に羊水量が増えていきます。妊娠10週頃は約30ml、妊娠20週頃には約350ml、妊娠30週頃になると約800mlになります。

そして分娩時期が近づくと、量は徐々に減っていきます。

 

羊水量の測定方法

エコーで羊水の量を測定する方法は2つあります。

簡易的な羊水ポケット法と、実際の量と誤差が少ないとされるAFI法があり、妊婦健診ではこのような方法で、羊水量をチェックしています。

 

 

羊水量は個人差あり!妊婦健診でチェック

羊水量は人によって正常の基準に差があり、多い人も少ない人もいます。医師は赤ちゃんの成長やママの状態など様々な項目をチェックしながら、最終的に異常がないかを判断していきます。

羊水が少なすぎたり、多すぎたりするとどんなことが起こるのでしょうか。また、それに対してどのような治療があるのか説明していきます。

 

【羊水過多】の症状・原因・治療

妊娠時期を問わずに羊水量が800ml以上の時に「羊水過多」と診断されます。羊水過多症にはママの自覚症状としてお腹が張る、呼吸困難、吐き気などがあります。

羊水過多の原因は色々ありますが、ママの糖尿病や赤ちゃんの心奇形や水腫、無脳症、臍帯ヘルニア、食道閉鎖などの異常があります。

 

羊水過多の治療としては、過剰な羊水を抜き取る羊水除去があります。赤ちゃんの異常がわかった場合は、産科医と小児科医が連携をとって分娩の方針を決めていきます。

 

【羊水過少】の症状・原因・治療

羊水量が100ml以下の場合を「羊水過少」といいます。

羊水過少の原因としては、赤ちゃんの腎尿路系の異常、臓器発育不全などの先天的な異常や、感染による前期破水、ママの胎盤機能不全などがあります。 羊水が少ないことで赤ちゃんの動きが制限され、体が変形したり、肺の発達が正常に進まない場合があります。

 

羊水過少の治療としては人工羊水を注入したり、分娩の時期を小児科医と相談・連携して早めたりします。緊急帝王切開になる場合もありますので、準備をしっかりしておきましょう。

 

 

《まとめ》

 

羊水とは赤ちゃんを守り育てる、大切なもの。羊水の量は多い、少ないなど個人差が大きいものです。妊婦健診では、羊水過多や羊水過少と診断されることもあるかもしれません。医師の話をしっかり聞いて、わからないことは遠慮せずに聞きましょう。そして、ママが健康的な生活を心がけて、妊婦健診を医師の指示通り受診することが大切です。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

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