生後9ヶ月の赤ちゃんの身長・体重・発達

生後9ヶ月頃の赤ちゃんの成長の目安は以下の通りです。
|
身長 |
体重 |
男の子 |
67.4cm〜76.2cm |
7160g〜10.37kg |
女の子 |
65.5cm〜74.5cm |
6710〜9850g |
生後9ヶ月の赤ちゃんの運動能力
生後9ヶ月ごろはハイハイがますます上手になり、次につかまり立ちを始める赤ちゃんもいます。イスやテーブルの脚を持ったり、大人に掴まりグッと力を入れて、両足で体を支えて立ちます。つかまり立ちが上手にできると、そのまま器用に移動する赤ちゃんもいます。「さっきまでいたのにいない!」とびっくりすることも増えるでしょう。
生後9ヶ月の赤ちゃんの体の発達
生後9ヶ月は運動能力の発達に伴い、体の発達も様々なものがみられます。
■物をつかめるように
手先の動きがさらに上手になるので、細かいものを触ったり、掴んだりすることが増えます。コップやストローマグを自分で持って、上手に飲めるようになる赤ちゃんもいます。
生後9ヶ月の赤ちゃんの心の発達
生後9ヶ月には言葉の発達がさらに進み、ママやパパの言葉を理解するようになります。「まんま」「パ!パ!」など、たくさんお話する赤ちゃんも多いです。
赤ちゃんの言葉に応えると、赤ちゃんもさらにお話ししてくれることも多いので、たくさん会話をしましょう。絵本の読み聞かせによってもたくさんの言葉を知り、言語の発達が進んでいくでしょう。
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生後9ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間
生後9ヶ月になると生活リズムが整い、夜にまとまって眠る赤ちゃんが多いでしょう。離乳食は3回食になってしっかり食事をとるため、生活のリズムをより作りやすくなります。夜間に起きることなく、朝まで9〜10時間程度ぐっすりなんてこともあります。
生後9ヶ月の赤ちゃんのミルク・授乳・離乳食

生後9ヶ月になると離乳食が3回になるため、ミルクの量も少しずつ減っていきます。
離乳食後のミルクは減らしてOK
生後9ヶ月ごろのミルクの回数は1日5回程度。離乳食の後に3回、あとは食事の間と寝る前の計5回ほどがよいでしょう。そしてこの時期は、離乳食で必要な栄養の半分程度が摂れているため、離乳食のあとはミルクの量を少し減らしていいでしょう。具体的には、離乳食後は100〜200ml、ミルクだけの時は200〜220ml程度にしましょう。
ただし赤ちゃんの体格や、離乳食の食べ具合によって変わります。離乳食後は様子をみながら、飲みたい分だけ飲んでもらいましょう。
母乳も欲しがるだけ飲んでOK
ミルクの場合は量がわかるのですが、母乳だと量がわからず不安に感じるママもいるでしょう。生後9ヶ月ごろには飲んだ分だけ母乳が作られています。飲み過ぎることもありませんし、母乳が作られすぎることもありません。
そのため基本的にはミルクの場合と同じで、1日に4〜5回程度あげましょう。離乳食後にはあまり飲まなくても心配はありません。母乳の場合は寝る前に飲んでも、夜間に起きておっぱいを欲しがることもあります。欲しがったらそのタイミングであげてもいいでしょう。
離乳食は1日3回食へ
2回食に慣れてきたら、3回食へ移行しましょう。大体同じ時間に1日3回の食事ができるように、できるだけ生活リズムを整えましょう。3回食になると、必要な栄養の半分を離乳食から摂ることになります。バランスの良い食事を心がけるとよいですね。
■鉄分を意識して摂取するように
母乳だけの赤ちゃんは、ミルクを飲んでいる赤ちゃんと比べて鉄分が不足しやすく、貧血になりやすいです。貧血は発達にも影響があるため、貧血予防に鉄分を含んだ食事を多く摂るようにメニューを工夫しましょう。たとえば、赤身の肉や魚、緑黄色野菜を毎日取り入れるといいですね。
■手づかみで食事を食べるように
生後9ヶ月になると、赤ちゃんは手先も発達し、食事を手でつかんで食べようとすることも増えます。手で触って固さや温度を確かめる、「手づかみ食べ」も成長している証拠。手づかみ食べしやすいようなメニューを取り入れることも大切です。
たとえば一口サイズのパンや、小さく切った野菜などもいいでしょう。ママは食事の時に周りが汚れるので大変ですが、椅子の下にレジャーシートを敷くなど、片付けやすいように対策をとりましょう。
■噛まずに丸飲みしてないか確認する
離乳食を噛まずに、ミルクなどと同様、口に入れたものを丸飲みしてしまう赤ちゃんがいます。まだ9ヶ月頃であればあまり気にする必要はありません。
ただ喉に詰まらせてしまう危険性があります。もし丸飲みしている様子があれば、なるべく舌ですりつぶせるやわらかいものをあげましょう。そして様子をみながら、徐々に大きさや固さを調整してください。
もぐもぐがうまくできない場合は、食事の時に「もぐもぐしようね〜」と話しながら、ママやパパがもぐもぐ食べる様子を見せてあげましょう。まねをして、もぐもぐしてくれることもあります。
生後9ヶ月の赤ちゃんの生活スケジュール
ここからは、生後9ヶ月の赤ちゃんの生活リズムの例を紹介します。
7:00 |
起床・お着替え・離乳食1回目 |
8:00 |
授乳・遊び・ママ朝食 |
9:00 |
お散歩 |
10:00 |
ねんね |
11:30 |
離乳食2回目・授乳・ママ昼食 |
13:00 |
遊び・お散歩 |
14:00 |
ねんね |
16:00 |
授乳・遊び |
18:00 |
離乳食3回目・ママ夕食 |
19:00 |
お風呂・遊び |
20:00 |
授乳・ねんね |
4:00 |
授乳・ねんね |
授乳回数やミルクは参考程度にしてください。赤ちゃんが夜間に起きなければ、夜間授乳がない場合もあります。また朝寝・昼寝のリズムが、ほぼ出来上がっている場合が多いです。
生後9ヶ月の赤ちゃんのお世話・遊び
ここからは生後9ヶ月の赤ちゃんのお世話・遊びについて紹介します。
持ち手つきのマグで飲む練習を
生後9ヶ月にもなると、ストローや持ち手つきのマグで飲める赤ちゃんが増えますが、まだできなくても大丈夫です。与えても哺乳瓶で飲みたがる赤ちゃんもいるので、その場合は無理に練習しなくてもよいでしょう。
もし赤ちゃんが機嫌のいいタイミングがあれば、離乳食の時に用意し、興味を持ってもらうとよいですね。マグで飲む練習をする場合は、必ず少量から始めましょう。また落としたり、むせたりすることもあります。必ず支えながら飲ませて、むせたらすぐに手を離させて休憩させてください。
つまむ動作ができる
生後9ヶ月ごろにはつまむ動作ができ、絵本などを自分でめくれるようになります。「次のページは何かな?」と赤ちゃんの好奇心を刺激するので、絵本を自分でめくりたがっていたら、遊ばせるようにしましょう。
静かにイタズラをしていることも
静かに遊んでいると思ったらイタズラをしていた!なんてことも多くあります。たとえば、ティッシュを箱から全部出したり、箱から紙を出したり、リモコンをなめていたりなどたくさんあるでしょう。赤ちゃんは色々なことに興味があり、多くのものが好奇心の対象です。
危ない物は触れる場所に置かないように注意し、「あれもダメ」「これもダメ」と言って好奇心の芽をつんでしまわないようにしましょう。

一人遊びができるようになる
生後9ヶ月ごろは様々なものに興味があるため、絵本やボール、積み木など、おもちゃを使って一人で遊ぶことも増えます。危険がないように見ている必要はありますが、一人遊びをしている赤ちゃんを見守りながら、ママも自分の時間が少し持てるようになるでしょう。
大人のまねをして遊ぶ
赤ちゃんは大人のまねによって、学ぶことが多くあります。バイバイと手を振ると赤ちゃんも真似をしてバイバイしたり、手をたたいて拍手すると、パチパチと拍手する練習をします。あいさつなども大人のまねをしながら身につくので、一緒に声をかけながら遊んでみるといいでしょう。
また赤ちゃんは、何度も同じことを繰り返すことが大好きです。赤ちゃんが何度も同じことをして喜んでいる時は、なるべく付き合ってあげて、コミュニケーションをとりながら遊んでください。
赤ちゃんの9~10ヶ月健診
この時期は地域によりますが、生後9~10ヶ月健診があります。チェック項目などについて紹介します。
健診の主な7項目
生後9~10ヶ月健診での確認項目は、以下のとおりです。
・ハイハイの様子
・つかまり立ちの様子
・手や指の動き
・離乳食の進み具合
・パラシュート反射
・身長・体重
・視覚や聴覚の確認
健診の時にはイヤイヤしたり人見知りで、うまくできないこともあります。しかしママ・パパから様子を聞くことで、ある程度の発達はわかります。当日できなくてもあまり気にする必要はありませんよ。ただし健診時には、できることとできないことを医師や看護師にしっかり話せるようにしておきましょう。
赤ちゃんの服装は着脱しやすいものに
健診の時には身体計測があるので、着脱しやすい服で行くのがおすすめです。医師の診察もあるので、すぐにお腹が出せるように上下分かれたセパレートの服がよいでしょう。
聞きたいことは事前にメモ
「発達が遅いのでは?」「離乳食のコツはあるのかな?」など、健診で聞きたいことがあるママも多いでしょう。限られた時間の中で、疑問に対し的確に回答してもらうために、あらかじめ聞きたいことをまとめておくとスムーズです。
産後9ヶ月のママの状態
生後9ヶ月、もし育休中のママは職場復帰を控えて、赤ちゃんとゆっくり過ごせる時間を作っていくことをおすすめします。ただしずっと赤ちゃんと一緒にいると、どうしてもストレスが溜まり、ママが疲れてしまうことも。赤ちゃんが動き回り、目が離せなくなることで、家事や自分の時間をなかなか作れず困ってしまうこともあるでしょう。
そんな時は、少し赤ちゃんと離れる時間を作るのもひとつです。近くに両親がいる場合は、甘えてみてもよいでしょう。
赤ちゃんを両親に預ける時には、アレルギーについての考え方など、不安なところや、気をつけて欲しいところは事前に伝えましょう。メモをして渡すなど共有しておくと、預かる両親もママ自身も安心です。
また近くに両親など頼れる人がいない場合は、一時預かりなどの、保育所や地域のサービスを利用する方法もあります。人見知りで預けることに罪悪感があるかもしれませんが、相手はプロなので問題ありませんよ。
それよりもママやパパが仲良く笑顔で生活できる方が、赤ちゃんにとってもずっとよいことです。「自分でなんとかしないと!」と思いつめてしまうママは一度肩の力を抜いて、誰かに甘えて頼ってみるといいでしょう。子育ては一人でするのではなく、多くの人に関わってもらい育てていくのです。
《まとめ》
赤ちゃんはできることが日々増えていき、ますます目が離せなくなる時期です。お世話に日々追われ、余裕がなくなり怒ってしまうこともあるでしょう。そんな時は、一旦深呼吸してください。どうしてもしんどい時は無理せず、周りに頼るようにしてくださいね。
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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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