PICK UP!
2020.11.24
妊娠初期にイライラしたら!【助産師が伝える】マタニティブルー対処法
妊娠初期、赤ちゃんができて嬉しいのになぜか気分が落ち込む、理由なく涙が出てくる、イライラして旦那さんに当たってしまう、などの経験はありませんか?このような感情の変化は「マタニティブルー」の症状かもしれません。
ここではマタニティブルーの主な症状と原因、乗り越える方法について説明します。
目次
妊娠初期にイライラするマタニティブルーの特徴
はじめにどのような症状や特徴があるのか、詳しく見てみましょう。
イライラの他によくある症状
マタニティブルーは、何もしていないのに急に涙が出たり、理由なくイライラしたりと感情の起伏が激しく、情緒不安定になるのが特徴。
よくある症状の例です。
・突然泣きたくなる、気づいたら涙が出ている
・旦那さんの言動に対しイライラする
・気分が落ち込む
・出産や育児への不安が強く自信を持てない
・倦怠感が続き、疲れやすい
・寝つきが悪く、夜眠れない
・集中できない
症状には個人差がありますが、どうしようもなくイライラしてしまう人はとても多いようです。そして複数の症状が同時に出ることがほとんどと言われています。
産前うつとの違いは
「マタニティブルー」と「産前うつ」の違いは「症状が一過性かどうか」です。マタニティブルーの症状は一過性。3週間ほどで改善することが多く、それ以上長く続く場合は産前うつの可能性が高いでしょう。
これまでに精神疾患にかかった経験がある、または治療中という人は、産前うつへ移行しやすい傾向にあるので、早めに医療機関でしっかりと診てもらいましょう。
妊娠初期にイライラが止まらない原因
イライラや情緒不安定など症状はさまざまですが、一体何がマタニティブルーをひきおこすのでしょうか。
■ホルモンバランスの崩れ
主な原因のひとつは、急激なホルモンバランスの変化です。妊娠するとエストロゲンやプロゲステロンというホルモンが急激に増加し、体の中のホルモンバランスが崩れるのです。
妊娠を維持し、胎盤の発達を助けるために必要なホルモンではあるものの、一方では精神状態に影響を及ぼすと考えられています。
■つわりなどの体調不良
つわりなどの体調不良が原因になることもあります。吐き気が続いたり、気持ち悪さがあったりすると辛いもの。
それが、気分の落ち込みやイライラを悪化させてしまうこともあります。
■出産への不安感・孤独感
「赤ちゃんは無事に育っているかな?」「異常はないかな?」と心配し、「ちゃんと出産できるのかな?」と不安になることがあるでしょう。そしてその思いを他の誰かと共有できず、体調が悪くて家にいることが多くなると、孤独を感じてしまう人もいます。
こうした不安感や孤独感によっても情緒不安定になりやすく、マタニティブルーにつながると言われています。
おすすめ情報
妊娠初期のイライラを乗りこえる方法
妊娠初期のマタニティブルーの症状を軽減し、悪化を防ぐには、どうしたら良いのでしょうか。
■不安な気持ちを話す
不安な気持ち・辛い気持ちを、一人で抱え込むのは厳禁です。
自分の中にためこんで我慢すると、「なぜパパはわかってくれないのか」「どうして自分ばかり辛い思いをしなければならないのか」と悪循環に陥りやすいでしょう。
自分の気持ちは、身近な人でも言葉にしないと伝わりにくいものです。辛い時はパパ(パートナー)や家族、ママ友など、周囲に打ち明けてみてください。
泣きたくなる事もあるかもしれません、そんな時は我慢せずに泣きましょう。思う存分涙を流したほうが、スッキリして心が落ち着くものですよ。
■運動や趣味で気分転換する
散歩や軽いストレッチをするだけでも、体がほぐれ、気分転換につながることも。最近では、マタニティヨガやマタニティスイミングなど、妊婦さん向けの教室も多く開催されています。
同じ境遇の友人ができ、悩みを共有できることもありますので、参加してみるのも良いでしょう。そのほか料理や音楽、映画、読書、買い物など、気持ちが晴れるような趣味が見つかるといいですね。
関連ページ
✔【妊娠中のイライラ解消法】動画でみる|情緒不安定が落ち着く片鼻呼吸
■保健師や支援窓口に相談する
身近な人には相談しづらい、また近くに話せる人がいない場合は、地域のサービスを活用してみましょう。保健師への相談や、さまざまな支援を受けられる窓口があるため、自治体のサービスについて調べてみてください。
もちろん、妊婦健診の時に助産師に相談するのも良いでしょう。
マタニティブルーの時にパパは?
さまざまな症状に悩む様子は、側にいるパパにとっても辛いもの。どうすれば良いのか戸惑う場面もあるかと思いますが、旦那さんだからこそできる事もたくさんありますよ。
■まずはマタニティブルーを十分理解して
第一に、症状や原因について理解することが大切。
どのような症状が出ているのか、何にイライラすることが多いか、どんな時に不安を感じやすいかなど、気持ちをくみ取れるようしっかり寄り添いましょう。ささいな事でも、できる限り話を聞くことが大切です。
忙しくても時間を作ってコミュニケーションをとるようにしてください。
■ママの気持ちが落ち着くような行動を
もしも家事や育児を任せきりにしていたら、パパは積極的に手伝いをしてあげてください。
少しでもママの負担を減らし、スキンシップの時間を設け、気持ちが落ちつく環境をつくると喜ばれるでしょう。時には干渉せず、一人の時間がほしいこともあるかもしれません。
どのような方法で乗りこえるのかは、お互いの考えを伝え合い、行動に移していきましょう。
《まとめ》
マタニティブルーは誰にでもなる可能性があります。決して一人で抱え込むのではなく、家族や周りの人たちと一緒に乗り切っていきましょう。
※写真提供:PIXTA
関連ページ
✔妊娠初期は流産しやすい?【助産師監修】原因や注意すべき行動
✔妊娠中のイライラに効く「6秒ルール」!旦那さんへの怒りの対処法
監修者
1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。
2010年一般社団法人格を取得。
2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。
>詳しく見るイベント・セミナー
妊娠・出産について学べるイベントやセミナーを紹介
-
オンライン(録画配信) 無料