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2021.01.08
妊娠初期に気づかずに飲酒したら?【産科医】妊婦中のお酒のリスクとは
妊娠したらお酒はダメ!ほとんどの妊婦さんは認識していても、妊娠中の飲酒には具体的にどのようなリスクがあるか、理解している人は少ないようです。まだ妊娠を自覚していない、妊娠初期に気づかず飲酒してしまった!と不安に思う妊婦さんもいることでしょう。今回は妊娠中のお酒がもたらす影響について、産科医が解説します。
目次
妊娠中の飲酒がいけない理由!アルコールはどんな影響がある?
妊娠中、アルコールは一切摂取するべきではありません。これは極端な話ではなく、妊娠中のアルコール摂取が、チューハイ1杯のお酒なら大丈夫とか、10杯からダメなど、摂取量の安全基準がわかっていないからです。
妊娠中の飲酒によるママの体への影響
環境省のエコチル調査という研究によって、妊娠中のアルコール摂取がさまざまな悪影響を及ぼす可能性があるとわかっています。
・常位胎盤早期剥離
・前置胎盤や癒着胎盤など胎盤の異常
・妊娠高血圧症候群
の発症率が高まると言われており、これらの症状は流産や早産にむすびつく恐れがあるのです。
妊娠中の飲酒による胎児の健康リスク
妊娠中のアルコール摂取が原因で、生まれた赤ちゃんに起こりうる健康問題のことを胎児性アルコール症候群(FAS)といいます。ママの飲酒によって発育の遅れ、特徴的な顔つき、ADHD(注意欠陥・多動性障害)など、さまざまな症状が出る可能性もあります。
大人になっても影響を受けることがあり、胎児性アルコール・スペクトラム症候群(FASD)とも呼ばれています。
妊娠初期に気づかず飲酒してしまったら?
では妊娠初期、まだ妊娠に気づかず飲酒してしまった場合、一体どうすればいいのでしょうか。
妊娠初期に気づかず飲酒した場合の対処
すでに妊娠中であったであろう妊娠初期のあいだに、気づかず飲酒してしまった妊婦さんもいることでしょう。悪い影響があるのではないかと不安にもなりますが、飲んでしまった後では対処法はありません。
とは言え、妊娠初期の少量の飲酒ではさほど影響は出ませんので心配ありません。悩んでストレスを抱えるほうが体に悪いので、過剰な心配はしないようにしましょう。理想を言えば、妊活中や妊娠する可能性がある段階から禁酒することが望ましいと言えます。
妊娠しているかも?と少しでも思ったら飲酒しない
妊娠している可能性が少しでもあれば、その段階から禁酒することが望ましいでしょう。万が一、どうしてもお酒がやめられないほど依存性があれば、医療機関できちんと相談することが必要です。妊娠中の飲酒はママにも赤ちゃんにも悪影響でしかありません。
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妊娠中はノンアルコール飲料も飲み過ぎ注意
最近では多くの種類のノンアルコール飲料が販売されています。アルコールを含まないから安心と思い、つい習慣化して毎日のように飲んでしまいがちですが、飲み過ぎには要注意ですよ。
アルコールを含まなくとも、糖類が多くカロリーが高い飲料も多くあります。大量の飲み過ぎは体重コントロールの妨げとなりますので注意しましょう。お出かけや食事会などのシーンでうまく取り入れ、適度に美味しく飲むと良いかもしれません。
《まとめ》
妊娠初期に気づかず飲酒してしまったという妊婦さんも、これからは気をつけようという強い意志を持つことが大切です。カロリーや糖質量に気をつけながら、ノンアルコール飲料を嗜む程度にとどめましょう。
※写真提供:PIXTA
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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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