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2024.01.17

【これは必須】妊娠糖尿病の検査でひっかからないために!助産師が教える食事管理

妊婦さんが気を付けたい病気の一つ、妊娠糖尿病。妊婦健診で甘いサイダーのようなジュースを飲んで、血糖測定をした経験がある人も多いでしょう。これは妊娠糖尿病の検査です。妊娠糖尿病に一度ひっかかると、血糖測定や食事管理、ひどい場合はインスリン注射をしなくてはなりません。今回は、妊娠糖尿病の検査でひっかからないためにできることを、助産師が解説していきます。

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「妊娠糖尿病」とは?

妊娠糖尿病

 

「妊娠糖尿病」とはどのような病気なのか、詳しく見ていきましょう。

 

妊娠糖尿病の定義

妊娠をきっかけに初めて発見された、糖代謝異常のことを指します。妊娠によるホルモン分泌で血糖値が上がってしまい、重症度によっては赤ちゃんに影響を及ぼします。基本的には出産後に血糖は元に戻りますが、将来糖尿病になるリスクは7倍にも上がります。

 

妊娠糖尿病の症状

妊娠糖尿病の症状は、特に感じることはありません。そのため気づかないうちに血糖値が高くなり、治療が必要となることがあります。

 

妊娠糖尿病の母子への影響

母体への影響

妊娠糖尿病にかかると、以下のような影響が出ることがあります。

妊娠高血圧症候群

羊水過多

網膜症

腎症

肩甲難産(赤ちゃんが大きく育つことによって、分娩時に肩がなかなか出てこない)

 

胎児への影響

妊娠糖尿病は、お腹の中の赤ちゃんの症状を引き起こすこともあります。

流産

巨大児

心臓肥大

低血糖

電解質異常

黄疸

胎児死亡

 

 

妊娠糖尿病の検査とタイミング

妊娠糖尿病の検査

 

妊娠糖尿病の検査と、それを行うタイミングについて解説します。まず妊娠初期の妊婦健診で、糖尿病のスクリーニングが行われます。それが基準よりも高い場合は、さらに細かく血糖の検査をしていきます。

 

随時血糖

妊娠初期にすべての妊婦さんに対し、血糖のスクリーニングが行われます。通常の血糖検査のことです。普通に食事を摂った後に、血糖値検査をします。

 

空腹時血糖

食事を摂らず空腹のタイミングで血糖測定をして、血糖値を調べます。これも妊娠初期のスクリーニング検査として、全妊婦さんが受けます。

 

ブドウ糖負荷試験

ブドウ糖負荷試験には、「50gグルコースチャレンジテスト」と「75gブドウ糖負荷試験」があります。

 

【50gグルコースチャレンジテスト】

50gグルコースチャレンジテストは、妊娠中期の妊婦さん全員が対象です。妊娠中期以降になって、妊娠初期では正常だったにも関わらず血糖値が上がってくる場合があるからです。50gのブドウ糖を溶かしたサイダーのようなジュースを飲んで、1時間後と2時間後の血糖値を検査していきます。

 

【75gブドウ糖負荷試験】

50gグルコースチャレンジテストでひっかかった人を対象に、妊娠糖尿病の確定診断のために行います。空腹時血糖値、1時間値、2時間値の血糖測定を行い、その値を調べます。2010年に診断基準となる血糖値が変更になり、以下のようになりました。

 

空腹時血糖

92㎎/dl以上

随時血糖値

100㎎/dl以上

ブドウ糖負荷試験(1時間後の血糖)

180㎎/dl以上

ブドウ糖負荷試験(2時間後の血糖)

153㎎/dl以上

 

基準が厳しくなったことにより、妊娠糖尿病と診断される妊婦さんは増えています。

 

 

妊娠糖尿病になる原因

妊娠糖尿病は、ふくよかな人や痩せている人など、体型に関係なくかかる妊娠合併症です。

 

ホルモンバランスとの関係

妊娠することで、胎盤からプロゲステロン、プロラクチン、コルチゾールといった、インスリンが効きにくくなる作用のホルモンが分泌されています。

また脂肪細胞からも、インスリン作用を抑える、サイトカインというたんぱく質が分泌。妊娠中は非妊娠時に比べて、インスリンが効きにくい状態といえます。そのため血糖値が一定に保たれず、高くなってしまうのです。

 

妊娠糖尿病になりやすい条件

以下の項目に1つでもあてはまる人は、妊娠糖尿病になりやすいため注意が必要です。

 

・家族に糖尿病の人がいる

・BMI25以上

・35歳以上の高齢出産

・巨大児分娩歴

・妊娠高血圧症候群の既往

・羊水過多

・原因不明の習慣流産・習慣早産

・先天奇形児の分娩歴

・強度の尿糖陽性、もしくは2回以上の尿糖陽性

 

関連ページ

「妊娠糖尿病」になりやすい妊婦とは?【医師】原因・胎児への影響

 

 

妊娠糖尿病にひっかからない!日常の過ごし方

妊娠糖尿病を防ぐ生活

 

妊娠糖尿病になると、その後の管理が非常に大変になってきます。将来、糖尿病になる可能性も高まると言われています。妊娠糖尿病を防ぐための、日常の過ごし方を紹介します。

 

食事管理は絶対に必要

妊娠糖尿病にならないためには、食事に気を付けることが一番でしょう。

 

規則正しく・バランスよく・血糖値上昇が緩やかなものを

生活リズムを整えることは重要で、妊娠糖尿病の予防に欠かせません。食事を抜いたり不規則な食べ方をしたりすると、急激に血糖値が上下して不安定になります。働く妊婦さん、特に夜勤や不規則な勤務がある人は注意が必要です。

 

食事は小分けに

食事は一度にたくさん摂らず、6等分に小分けにして食べるようにしましょう。まとめ食べは急激に血糖値が上昇するため、おすすめできません。1回の食事量が多ければ血糖値が安定せず、過度の体重増加の原因にもなります。

 

栄養バランスをしっかり考える

妊娠中は、栄養バランスをしっかり考えて摂取しましょう。妊娠期によって摂取カロリーも変わりますので、詳しく紹介していきます。

妊娠中の摂取カロリーは、標準体重×30kcal(1日あたり)が基本となります。 

 

妊娠初期

追加摂取カロリーは、1日に50kcal

妊娠初期には欠かせない、ミネラルや葉酸、ビタミンも積極的に摂取

妊娠中期

追加摂取カロリーは、1日50kcalから250kcalに増加

妊娠後期

追加摂取カロリーは、1日250kcalから450kcalに増加

おやつは慎重に

おやつはできるだけ、血糖値上昇が緩やかなものを選びましょう。無糖ヨーグルトや小魚アーモンドなどは、栄養も豊富でおすすめです。

 

 

もし妊娠糖尿病になったらどうなる?

もしも妊娠糖尿病と診断された場合は、まず食事を見直す必要があります。内科もしくは専門科の受診をすすめられます。決して自己判断ではなく、しっかり指示を仰ぎながら血糖管理をしましょう。

 

分割食

妊娠糖尿病の場合、食事によって血糖値が大幅に上昇してしまいます。食事回数は1日5~6食にして、血糖値を一定にする必要があります。食事と食事の間の時間が短くなることから、血糖値の急激な変動を防ぎます。ただし多く食べすぎないように注意しましょう。

 

外食は要注意

外食はカロリーが高くなりがちなので、できるだけ避けたいですが、日常生活では必要なケースも多いでしょう。外食でのメニューは味付けが濃く、塩分も脂質も高めです。メニュー表でカロリーを確認する習慣をつけ、ヘルシーな料理のお店を選びましょう。

 

 

《前日・当日の準備》妊娠糖尿病検査にひっかからないために

妊婦健診の前日になると、「検査でひっかかりたくない…」「体重が増えすぎて怒られてしまうかも」との不安から、食事を抜いたりする人もいるかもしれません。

しかし妊婦健診の前日は、食事を抜いたりせず、普段通りに過ごすことが大切。ただし検査によっては絶食の指示を受けることがあるため、必ず医師に確認したうえで指示に従いましょう。

 

1. 寝る直前に食べないようにする

前日の食事はできるだけ、21時までに済ませるようにしましょう。脂っこいものや甘いものは避け、消化のよい食事を摂るようにしましょう。お粥や煮込みうどん、野菜スープやささみ、魚などがおすすめです。

当日はお粥や軽い食パンなどにするとよいでしょう。

 

2. 糖分の高い飲料は避ける

水分は、お茶や水など糖分を含まないものにしましょう。糖分の高い飲料を飲むと、血糖値に影響してしまう恐れがあります。

 

3. お菓子や甘いものは食べすぎない

妊婦健診前に限らず、妊娠中のお菓子や甘いものの食べすぎには注意しましょう。もちろん全く食べていけないわけではありません。食べる量と時間を決め、1日に200kcal以内を目安にしましょう。

 

 

《まとめ》

 

妊娠糖尿病の予防には、食事の管理が重要です。暴飲暴食は避け、できるだけ血糖値が一定になるような食事を心がけましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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ママのお悩みの声

妊娠糖尿病になると喉が渇く?

高齢出産で妊娠糖尿病になってしまいました…

       

1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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