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2023.06.23

医師監修【妊娠検査薬】ずっと陰性だったのに妊娠していた?偽陰性の原因

妊娠を待ち望む女性にとって、妊娠検査薬の使用は非常に勇気がいること。妊娠検査薬で陰性が出て、「今回もできなかった…」と落胆したのも束の間、実は妊娠していた!ということがあり得ます。今回は、偽陰性となる原因を紹介していきます。妊娠検査薬を正しく使用して、正しい結果を得るようにしましょう。

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妊娠検査薬を使うタイミングや目安

妊娠検査薬は、尿中のhCGというホルモンの分泌量を調べて検査するものです。hCGはヒト絨毛性ゴナドトロピンと言い、妊娠すると絨毛から分泌され始めます。このhCGの分泌量が一般的な検査薬で反応する量に達するのは、妊娠5週目前後から、つまり生理開始予定日から1週間が経過した頃です。

 

妊娠したかどうかを早く知りたい気持ちはわかりますが、焦っても正しい結果は得られません。妊娠検査薬を使うタイミングをしっかり守りましょう。

 

 

実は妊娠している!でも妊娠検査薬で「偽陰性」が出る理由

妊娠検査薬の偽陰性

 

妊娠検査薬ではっきりと陽性が出た場合は、正常妊娠、異常妊娠に関わらず99%以上の確率で妊娠しています。しかし妊娠しても、ごくまれに陽性反応が出ない「偽陰性」のケースがあります。偽陰性が出る時、どのような原因があるのかを見ていきましょう。

 

偽陰性の理由1. 検査が早すぎる

先述したように、妊娠検査薬は尿中のhCGに反応して陽性か陰性かの判断を行います。この尿中hCGにうまく反応しないと、妊娠しているにも関わらず偽陰性の結果が出てしまいます。たいていの妊娠検査薬は、妊娠5週目ごろからこの尿中hCGに反応するように作られています。

そのため妊娠5週目以前に検査を行うと、尿中hCGの量が低値であり反応が得られにくく、微妙な判定になることがあります。

 

適した時期より早い検査はフライング検査と呼ばれ、正しい結果を得られないだけでなく、気分も一喜一憂してしまうのでおすすめできません。

 

偽陰性の理由2. 妊娠検査薬が正しく使用できていない

初めての使用で多いのが、妊娠検査薬が正しく使用できていないケースです。尿をかける部位を間違える、かける尿が少ないなどの要因があると、正しい結果を得ることができません。取り扱い説明書は必ず読むようにしましょう。

直接尿をかけるのが不安な人は、尿をコップにとって、妊娠検査薬をつけて結果を見るといいかもしれません。

 

偽陰性の理由3. 尿が薄い

検査前に水分を大量摂取していると、尿の濃度が薄くhCGの濃度も低くなってしまいます。そのため妊娠検査薬が反応しにくく、判定線が陰性と出てしまうことがあります。

 

偽陰性の理由4. 妊娠検査薬の使用期限が切れている

妊娠検査薬の使用期限はおおよそ3年です。期限が切れたものを使用すると、妊娠検査薬の薬剤が劣化して正しい判定が出ないことがあります。線が薄いなど、判定があやふやになる可能性もあります。必ず期限内のものを使用しましょう。

 

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陰性だっだのに?検査結果が陽性に変わるとき

妊娠検査薬の結果

 

妊娠検査薬の結果が、陰性から陽性に変わる原因はその他にもあります。

 

検査する時期が早すぎる場合

先述したようにフライング検査では、正しい結果を得ることができません。それは尿中hCGが、妊娠検査薬に反応する値に達していないからです。

どうしても早く検査をしたい場合は、早期妊娠検査薬を使用するとよいでしょう。早期妊娠検査薬は生理開始予定日からの使用が可能です。ただしこれも化学流産を知るきっかけにもなったり、偽陽性が出て一喜一憂したりするので注意しましょう。

 

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双子を妊娠している場合

尿中hCGが低値であれば、正しい判定が得られませんが、実はhCGが高値すぎても正しく反応しないことがあります。たとえば双胎妊娠や胞状奇胎の場合、尿中hCGは高値になり、結果として偽陰性が出ることがあります。

取り扱い説明書には偽陰性の理由として、「妊娠によるhCGが非常に多く分泌された場合」「尿中hCGが多くなりすぎた場合」との記載があるため確認してみましょう。

 

異常妊娠の場合

異常妊娠の可能性もあります。子宮外妊娠の初期では、hCGの増加量が緩やかで、妊娠検査薬で陰性反応が出ることがあります。結果が陰性でも体調の悪化、腹痛や出血など症状が出るケースもあります。

異常妊娠には早急な対応が必要な場合があります。陰性結果が出ていても体調に何か不安がある時は、3日ほどたってから再度検査を行いましょう。

 

 

妊娠検査薬は陰性でも生理がこない!病気の可能性は?

生理が来ないことで妊娠を疑うも陰性だった場合、病気の可能性も考えられます。

 

病的無月経

妊娠や閉経など心当たりがないのに生理が来ない状態を、「病的無月経」といいます。病的無月経の原因には、以下のものが挙げられます。

 

・過度なダイエット

・不規則な生活習慣

・体重減少やストレスからのホルモンバランスの乱れ

・子宮内膜症など

 

このような病的無月経の場合、しっかり治療すれば生理は再開するようになります。

 

甲状腺の病気

甲状腺ホルモンは女性ホルモンの分泌にも関係しています。甲状腺の病気になると、排卵が止まってしまう場合があります。そして生理が来なくなる、あるいは不規則になる可能性が高くなるのです。

甲状腺ホルモンの病気として考えられるのは、甲状腺ホルモンが多く分泌される「バセドウ病」(甲状腺機能亢進症)や逆に低下する「橋本病」(甲状腺機能低下症)などがあります。これらもしっかりと治療すれば生理が再開します。

 

早期閉経

まれに、40歳未満で閉経してしまう早期閉経が起こることがあります。特に症状がない人もいれば、更年期障害のような症状が現れる人もいます。早期閉経でも妊娠を希望する場合は、不妊治療や胎外受精が必要になります。

 

ストレス

過度なストレスは、女性ホルモンの分泌を抑制する副腎皮質刺激ホルモンを過剰分泌させます。そのため生理が止まる、あるいは不規則になります。環境の変化に女性ホルモンは左右されやすいため、できるだけストレスをためないような工夫が必要です。

 

 

《まとめ》

 

妊娠検査薬で偽陰性が出る理由としては、妊娠検査薬が正しく使用できていない可能性があります。使用期限をしっかり見直して、正確な結果を得られるようにしましょう。実際には妊娠しているのに偽陰性が出る確率はかなり低いため、陰性にも関わらず生理が来ない場合は、病気が隠れていることもあります。体調不良が続くときは産婦人科に相談しましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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生理不順のためいつ妊娠検査薬を使えばいいかわからない

           

1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

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