離乳食【卵の進め方】卵黄・卵白・全卵はいつから食べさせる?
離乳食で卵はいつから食べさせてもいいのか?どのぐらい与えていいのか?初めはわからないことが多いですよね。ここからは卵をどのように進めていくか解説をします。
卵は生後6ヶ月頃からあげてもOK
離乳食において卵は、①卵黄 ②卵白 ③全卵 の順にあげていきます。
卵黄よりも卵白に、アレルギーの原因となる物質が多く含まれ、アレルギー症状が出る確率が高いです。まずは卵黄から始めましょう。そして症状が出ないことを確認しながら、卵黄→卵白→全卵とゆっくり進めていきます。
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」では、“アレルギー症状の発症を心配して、卵そのものの摂取を遅らせることで、アレルギー発症の予防的効果があるという科学的根拠はない”としています。そのため離乳食初期の生後6ヶ月頃から、卵を食べさせて問題ありません。
1. まずは卵黄から始めよう
初めての離乳食は、生後5ヶ月〜6ヶ月頃からスタートする場合が多いでしょう。最初はすりつぶしたお粥から始めて、慣れてきたらすりつぶした野菜を与えます。そしてタンパク質である豆腐、白身魚をあげて、色々な食材に慣れていくようにします。
卵をあげる時期は、タンパク質の食材をある程度食べられるようになってからにしましょう。
【卵黄のあげ方】
まずは固茹での卵黄から始めます。卵を20分ほど固茹でしたら、卵黄の部分だけ取り出し、すりつぶしてあげます。最初は耳かき1杯くらいから始めましょう。
卵黄だけではなかなか食べてくれない時は、お粥に混ぜてみると食べやすくなります。慣れてきたら少しずつ量を増やしましょう。1食分で卵黄1/2〜1個分を食べられるようになれば、次の段階に進みましょう。
2. 卵白も固茹でから始めよう
卵黄を1個食べられるようになれば、卵白に進みます。目安は生後8ヶ月頃です。
【卵白のあげ方】
卵白もしっかり固茹でして、耳かき1杯くらいから始めましょう。細かくみじん切りした卵白を、それだけではなく卵黄と合わせてあげます。食べてみて問題なければ、量を増やしていきましょう。量の目安は1食分で卵1/2~1個分ほどです。
離乳食の進み方には個人差があります。子どもの進み具合を見ながら調整してくださいね。
3. 最後は全卵をあげてみよう
卵白を問題なく食べられるようになれば、最後に全卵に進みます。
【全卵のあげ方】
離乳食後期(生後9ヶ月〜11ヶ月)には、固茹で卵をあらみじん切りに刻みましょう。全卵が食べられるようになったら、1食で全卵1/2〜2/3個を目指します。時期は離乳食完了期(生後12ヶ月〜18ヶ月頃)が目安です。
そしてしっかり両面を焼いた薄焼き卵や、完全に火が通った炒り卵を試していきましょう。加熱が不十分で半熟や生の状態では、アレルギー症状が出やすく危険です。必ず十分に加熱したものをあげてくださいね。
《進め方まとめ》卵黄・卵白・全卵
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形状
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1食分の目安
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初期(5~6ヶ月) |
固ゆでした卵黄をペースト状に
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卵黄1/2~1個弱
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中期(7~8ヶ月) |
固ゆでした卵黄+卵白のみじん切り(耳かき1杯)
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卵黄1/2~1個または全卵1/3個
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形状
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1食分の目安
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後期(9~11ヶ月) |
固ゆでした全卵を5~7mmに刻む
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全卵1/2個
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完了期(12~18ヶ月) |
全卵の固ゆで卵または炒り卵・薄焼き卵
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全卵1/2~2/3個
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ただし離乳食の進み方は、赤ちゃんによって様々です。スケジュール通りにいかなくても焦らず、その子のペースに合わせることが大切です。
卵を使った離乳食【時期別】おすすめレシピ
ここからは卵を使った離乳食の、時期別レシピや保存方法について紹介します。
離乳食初期(生後5ヶ月〜7ヶ月)のレシピ
離乳食初期におすすめのレシピです。
■卵黄のペースト
(材料)
・卵黄 少量〜1/2個
・だし汁もしくは白湯 適量
(作り方)
1. 固茹で卵を作り、卵黄を取り出す
2. 卵黄をすり鉢などですりつぶす
3. だし汁または白湯を加えて、なめらかになるまでのばす
だし汁もしくは白湯の量で、固さを調整できます。開始してすぐはポタージュ状、それから徐々にヨーグルト状、その後にマヨネーズ状と固さを調整していきます。子どもが飲み込む様子を見ながら調整してください。
離乳食中期(生後8ヶ月〜11ヶ月)のレシピ
離乳食中期におすすめのレシピです。
■卵の雑炊
(材料)
・卵 1/2個
・米 30g
・魚やささみなど 10g
・水 140cc
(作り方)
1. 魚やささみなどを鍋に入れ、水を入れて弱火で煮込む
2. 米を入れて、やわらかくなるまで煮込む
3. 米がやわらかくなったら、卵を回しかける
離乳食に便利!卵を冷凍保存する方法
離乳食初期は少量の卵から始めるので、毎回調理するには手間も時間もかかってしまいます。そのため一度に調理して冷凍保存しておくと、時短になり便利です。離乳食初期は固茹で卵の卵黄をあげるので、ゆで卵をまとめて作っておくといいですね。
そこで注意してほしいのが、ゆで卵ができたらすぐに卵黄と卵白をわけることです。卵白の成分が卵黄に付着すると、アレルギーを発症しやすくなるからです。固茹でした卵黄を茶こしなどで裏ごししてから、1食分ずつ冷凍保存しましょう。準備も簡単になり、裏ごしすることで子どもが食べやすくなりますよ。
卵を使った離乳食でよくある疑問
離乳食で卵をあげる上で、よくある疑問にお答えします。
Q. 卵は毎日あげてもいい?
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- 卵は毎日あげても問題ありません。特に初期は3日間連続など、間隔があきすぎないように加熱したものを微量あげると、アレルギーの発症を抑えることができます。ただしタンパク質は体に負担がかかるため、1日の摂取量を決めましょう。
- また卵は必ず毎日摂取する必要はありません。他の食品も使いながら、バランスよくタンパク質を摂取しましょう。
Q. 卵ボーロは卵の練習になる?
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- 卵ボーロには全卵が使われていることが多いので、卵の練習にはなりません。また砂糖を使用しているものもあるため、練習としては使用しないようにしましょう。
Q. 開始時期を遅らせるのはアレルギー対策になる?
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- アレルギー発症を予防するために自己判断で、卵の開始時期を遅らせるのはやめましょう。卵の開始時期を遅らせることは、アレルギー対策にはなりません。様々な研究により、開始時期を遅らせることは逆にアレルギー発症のリスクを高めるとされています。必ず適切な時期に始めましょう。
- ただし赤ちゃんの皮膚の湿疹がひどい場合や、パパやママがアレルギー体質で心配という場合は、主治医の先生に相談してください。
Q. 離乳初期、生卵の状態で卵黄を取り分けていい?
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- 生卵の状態で卵黄を取り出しても、卵白と完全に分離できません。離乳食の初期は、必ず20分以上茹でてから卵黄を取り出しましょう。
Q. 卵黄だけ食べるにはアレルギーを起こしにくい?
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- 卵白よりも卵黄のほうが、アレルギー反応を起こしにくいとされます。ただし、全く反応が出ないわけではないので、耳かき1杯くらいの少量からあげましょう。また茹でてから時間が経過すると、卵白の成分が卵黄に入り込むことがあるため、茹でたあとは早めに取り出すことも大切です。
Q. 市販の卵製品で注意すべきものは?
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- 卵白に含まれるオボムコイドという成分は水溶性で、茶碗蒸しの上澄み液に溶け込んでいることがあります。またコンソメスープは、あくをとるときに卵白が使用され、オボムコイドがスープに流出していることがあり注意が必要です。 固茹でした全卵の半分以上が食べられる時期以前は、しっかり加熱されていない卵料理を避けるのが無難です。
卵のアレルギー症状と注意点
卵を食べてアレルギー症状が出たらどうしよう?と心配する人も多いでしょう。ここからは、アレルギー症状が出た時の対応について紹介します。
アレルギー症状とは
アレルギー症状は以下のとおりです。
◆皮膚症状:かゆみ、湿疹、じんましんなど
◆呼吸器症状:咳、ゼーゼーする、ヒューヒュー音がするなど
◆粘膜症状:鼻水、のどのイガイガ、口がピリピリするなど
◆消化器症状:腹痛、下痢、嘔吐、吐き気など
◆神経症状:頭痛、意識低下、元気がなくぐったりするなど
症状は早ければ摂取後すぐに出現し、多くのケースでは摂取後の数時間以内に現れます。子どもがぐったりしていて元気がない場合では、救急車が必要な時もあります。
病院でのアレルギー検査
もしもアレルギー症状が出たら、小児科で診断のための検査を行います。検査には以下のようなものがあります。
・血液検査(アレルギー症状の有無はわかるが、診断はできない)
・パッチテスト(アレルギーが疑われる食品を皮膚につけて、症状を観察する)
・食物負荷試験(アレルギー食品を摂取してその後の症状を確認する)
初めて食べる時は平日の午前中に!
卵などアレルギー症状が出やすい食品を初めて食べる時は、必ず平日の午前中にしましょう。もしも症状が出たら、すぐに受診が必要になるからです。
そして初めての食品を食べた後の30分は、症状が出ていないかよく観察しましょう。食べる時に写真や動画に残しておくと、万が一症状が出て受診する時に医師に確認してもらいやすいです。
鶏卵アレルギーは魚卵アレルギーとは別
鶏卵アレルギーと魚卵アレルギーでは、原因となる物質が異なります。そのため鶏卵アレルギーだからといって、魚卵を制限する必要はありません。魚卵は生食であり塩分も高いため、3歳を超えるまでは避けた方がいいでしょう。
《まとめ》
離乳食で初めて卵をあげるときは、アレルギー症状が出ないか不安かもしれません。正しい方法で適切な時期に与えれば、大きな心配はいりません。卵は良質なタンパク質です。上手に離乳食に取り入れながら進めていきましょう。
※写真提供:PIXTA
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