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2023.03.27

【10回分まるわかり】メンタルリープとは?赤ちゃんのぐずる&寝ないを徹底解説

これまで大人しかった赤ちゃんが急にぐずるようになり、戸惑ったことはありませんか?それは、もしかしたら「メンタルリープ」と呼ばれるものかもしれません。今回は、赤ちゃんの成長に必要不可欠なメンタルリープについて、理解を深めていきましょう。メンタルリープが起こる時期の計算方法や、それぞれの時期にみられる変化と特徴を助産師が解説します。

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「メンタルリープ」とは赤ちゃんのぐずり期!いつ起こる?

メンタルリープとは

 

「メンタルリープ」とは、赤ちゃんのぐずり期です。手がかからない子だと思っていた赤ちゃんが急にぐずりだし、手を付けられなくなることがあります。いろいろな方法であやしたり、何をやってみても泣き止まない時がありますよね。

 

これはメンタルリープの時期にさしかかっているかもしれません。メンタルリープとは、赤ちゃんの成長過程において必要なもの。急激な知能の発達に赤ちゃん自身がついていけず戸惑い、ぐずったり泣いたりして表現することを言います。

メンタルリープの時期は決まっています。生まれて20ヶ月になるまでの2ヶ月に1回、つまり10回ほど起こるとされています。

 

メンタルリープを把握することのメリット

このメンタルリープが起こる時期を把握しておくと、様々なメリットがあります。

1つ目は、赤ちゃんがなぜ泣いているのかわかるようになること。メンタルリープ、つまり赤ちゃんが混乱している時は、今までとは比べものにならないぐずり方をします。メンタルリープの時期を把握しておくと、「今はメンタルリープを起こしていて、成長の時」だと推測でき、過度な不安を抱えずに済みます。

 

2つ目のメリットには、赤ちゃんのぐずりへの対応策が事前に検討できることが挙げられます。いつ頃どのようにぐずるのか、特徴をしっかりと学ぶことで、次のメンタルリープで落ち着いて対応ができます。

 

3つ目として、成長のサインとしてぐずりを捉えられるメリットもあります。泣いている赤ちゃんを前におろおろせず、見守る余裕ができます。

このようにメンタルリープの時期を知っておくと、育児に前向きに取り組めるようになりますね。

 

 

「メンタルリープ」はいつ?計算する方法

メンタルリープとはいつ起こるのか、これは計算が可能です。この時に赤ちゃんの誕生日ではなく、出産予定日を0日として計算することを、間違えないように覚えておきましょう。

 

メンタルリープは生後5週~10回ある

メンタルリープの起こる時期は、生後5週、8週、12週、19週、26週、37週、46週、55週、64週、75週の10回です。

「10回もあるの?」と気が遠くなりそうですが、赤ちゃんは生まれてから身体的能力の成長が著しく、それに伴い脳も急激に発達します。その発達に赤ちゃん自身がついていくのは、本当に大変なのでしょう。

メンタルリープの時期を計算する無料アプリもあり、簡単に子どものメンタルリープがわかりますよ。

 

 

10回のメンタルリープで赤ちゃんがぐずる意味

10回のメンタルリープにはそれぞれ、赤ちゃんにとって非常に重要な意味があります。以下にその特徴を記載します。

 

【1~10回目】すべてのメンタルリープの特徴がよくわかる表

(1回目)生後5週頃:五感のリープ

 

初めてのメンタルリープ。今まで感じたことがないような刺激を受け、警戒心がたかまる時期。

(2回目)生後8週頃:パターンのリープ

 

今まで見たことがある景色やもの、人などを認識してパターン化して覚えていく時期。最初はパターンを認識しつつも戸惑ってぐずりが出てくる。

(3回目)生後12週頃:推移のリープ

 

今まで点として認識してきた動作や様子が線でつながり、移り変わる様子を認識できるようになる。刺激の変化や色々なものに興味がわいてきて、戸惑いを覚える時期

(4回目)生後19週頃:出来事のリープ

 

赤ちゃんの理解力が大きく成長する時期。物事の変化を複数の五感を使用して感じ取れるようになり、そこに戸惑いを感じる。

(5回目)生後26週頃:関係のリープ

 

人やものとの距離を感じ始める時期。物理的に空間や距離があることを認識し始め、そこに驚きを感じる。

(6回目)生後37週頃:分類のリープ

 

見たものを分類しようとする時期。目の前に見えているものを、それがどの分類になるのか自分で考え判断しようとする。他人の感情を理解し始めるものの、順応できずに大人に寄り添うことで安心感を得ようとする。

(7回目)生後46週頃:順序のリープ

 

物事に順序があることを理解する時期。ゴールを目指すためには、順序を踏まないといけないことを理解する。今までと違う感覚に陥り、ぐずりとして表現する。

(8回目)生後55週頃:工程のリープ

 

乳児から幼児にかわる時期。自分の興味があるものを積極的に取りに行こうとする。やりたい気持ちがあるにも関わらず、できないことが多いため、ヒステリーに似たぐずりを見せるようになる。

(9回目)生後64週頃:原則のリープ

 

人やものにつながりがあること、物事にルールがあることを理解する。自分でやってみて結果を楽しめるようにもなる。つながりやルールを意識して言葉を発達するが、最初は順応できずにぐずるようになる。

(10回目)生後75週頃:体系のリープ

 

環境に順応できるようになり、自我も発達してくる時期。変化に慣れないことでぐずりを見せるものの、次第に慣れてきて、理解力、判断力、環境適応力が身につく。

 

ここからはそれぞれをさらに詳しく説明しましょう。

 

1回目:生後5週頃

赤ちゃんが五感を区別できるようになる時期です。生まれたばかりはまだ五感がぼんやりとしていて、識別できない状態です。1ヶ月を過ぎると少しずつ、外の空気に触れるようになります。外の風にあたり、自然のにおいを感じることで、多くの刺激を受けるようになります。

何かを見て、感じることに興味を示すようになり、笑ったり、興味のあるものをじっと見つめたりするでしょう。今まで感じたことのない刺激を受けることで、まわりのものに敏感に反応するようになり、警戒心が高まります。五感の大きな変化から戸惑いを感じ、ぐずるようになるのです。

 

2回目:生後8週頃

この時期はパターンのリープと呼ばれ、物事の規則性を理解するようになります。今まで経験したり、感じたりした景色や物の形などを覚え、意識します。生まれたときにあった新生児反射が徐々にみられなくなり、自分に手や足があることを認識し、自分の意志で体を動かすようになるでしょう。音に反応し、人や物の動きを目で興味深く追うようになります。

この過程で、自分の目の前で起きているパターンを把握し、受け入れることに時間がかかり、ぐずってしまうことがあるのです。物事の規則性に気づいてもすぐに順応できず、戸惑って泣いていることも、赤ちゃんが成長している証ですね。

 

3回目:生後12週頃

推移のリープと呼ばれている生後12週ごろは、徐々に赤ちゃんの体も成長し、五感がますます成長している時期。これまで見ていた景色や色、音など、一つひとつが点として認識していたものが、動作や様子が線でつながり、移り変わる様子を認識できます。

音の鳴るおもちゃに興味を示したり、両親の声の変化を感じたり、家事の様子を目で追ったりと様々な動作に興味をもちます。赤ちゃんとのコミュニケーションが、徐々にとれるようになるでしょう。

今までと異なり、移り変わる様子を認識できるようになるため、身の回りのいろいろなものに興味がわきますが、その過程で赤ちゃんは戸惑いぐずってしまうことがあります。

 

4回目:生後19週頃

生後19週ごろに起きる出来事のリープと呼ばれる時期は、赤ちゃんの理解力が大きく成長します。より複雑な変化を一連の出来事として、認識できます。これまでの3回のリープを組み合わせて、物事の複雑なことや変化を五感で理解できるようになるのです。

自分の名前を呼ばれると反応したり、おもちゃに手を伸ばしたり、物を口に運んだりと一連の動作や感覚を感じ取れるでしょう。大人と同じように、今起こっている事が過去の出来事と照らし合わせてわかるようになるのです。その過程で、ぐずってしまうことがあります。

 

5回目:生後26週頃

生後26週頃に起こる関係のリープは、人や物との距離を感じる時期です。目で見えるものとの位置関係や距離がわかるようになります。そのため、ママが離れると泣き出したり、早い赤ちゃんはずりばいでの後追いが見られます。

音と動きの連動もわかるようになり、機械の音に反応する、鍵を開ける音がしたら誰かが帰ってくるなども理解できるでしょう。

赤ちゃんは急激に成長しているため、これまでできていなかったことができるようになります。赤ちゃんの動作も縦横の平面から、高さのある空間を理解した3次元になります。

その過程で、自分が思うようにできず、欲しいものがうまく手に入れられないと、戸惑い泣くことがあるのです。

 

6回目:生後37週頃

生後37週ごろに起こる分類のリープは、見たものを分類しようとする時期です。目の前にあるものが同じなのか、違うのか、分類が異なるのか判断できるようになります。

例えば、自分と同じと思っていた動物が異なる生き物と知る、パンとごはんは、においや味が違うけれども、同じ食べ物だとわかるなどです。外遊びで砂や石、植物を触ることも、目に見えているものがどの分類に属するかを確認しています。

また人の区別も可能になり、人の真似をするようになります。

 

7回目:生後46週頃

物事に順序があるとわかる時期です。積木を重ねたり、崩したものを同じように組み直したりと、物の関係性を把握し、1人で組み立てるようになります。ゴールを目指すためには順序があると理解します。

例えば、服を自分で脱ごうとしたり、スコップですくった砂をバケツに入れたり、積木を積み重ねたりします。

これまでは感触を確かめるために、物を触り、投げていましたが、この頃からはその前に、順序は正しいか考えるでしょう。

 

8回目:生後55週頃

生後55週ごろに起こる工程のリープは、1歳ごろの乳児から幼児に変わる時期です。自分で動くことができ行動範囲が広がり、興味を持ったものはなんでも取りに行くでしょう。いろいろな手順や方法を試すために、なんでも自分でやりたがります。

例えば、家事などを真似したり、ママの化粧を観察する子もいるでしょう。大人を真似したいという意思が芽生えますが、まだうまくできないので、予想外の動きが増えます。

 

9回目:生後64週頃

原則のリープと呼ばれる時期は、物事の原則やルールがあること、人につながりがあることが理解できます。これまで自分が体験してきたことを試して、結果がどのように変わるのか楽しみます。

自分のものと他人のものが区別でき、友達のものを欲しがったり、待つことが出来ずに叩くこともあるかもしれません。つながりやルールを意識して言葉が発達しますが、うまく適応できずにぐずることもあるでしょう。

 

10回目:生後75週頃

生後75週ごろに見られる体系のリープと呼ばれる時期は、環境に順応し、自我も発達してきます。やっていいこととダメなこと、物事には順番があることを理解します。自分が着たい洋服をアピールするなど、自我を前面に出した行動が増えます。家と保育園で様子が違うことは、状況に応じて環境に適応できている証拠です。

変化に慣れず最初はぐずることがありますが、徐々に慣れて適応していき、適応力・判断力・理解力が高まります。

 

 

【メンタルリープの対処法】寝ぐずり・夜泣きがひどい時

夜泣き

 

メンタルリープにさしかかる時期は、赤ちゃんの発達に欠かせない重要な時間です。急激な脳の変化によって、赤ちゃん自身も戸惑い不安になります。この変化を乗り越えることで、次の段階へとさらに成長します。

しかしママにとっては、この時期の赤ちゃんのぐずりは少し大変です。どのように赤ちゃんの戸惑いを解消し、どう関わるべきか悩む人も多いでしょう。なかなか寝てくれない、夜泣きがひどい時期は、特に疲れてしまいますね。

そこで、これらの対処法をそれぞれ解説します。

 

寝ぐずりがひどいメンタルリープへの対処

寝ぐずりをする時は、赤ちゃん自身の睡眠パターンがまだ確立しておらず、昼夜の区別がつきにくい状態です。環境の変化によって、赤ちゃんにストレスがかかることもあり、寝たくても眠れない状況に陥ることがあります。以下の方法を試してみてください。

 

【寝ぐずりがひどい時の対処法】

■お腹がすいていないか、おむつが汚れていないか確認してみる

■環境は適しているか(冬季は20~22度、夏季は26~28度程度)、直接肌を触って確認してみる

■抱っこやおんぶをしてみる

■何をしてもダメな時は、一度安全な場所に寝かせて様子をみる(身体は離しても目は離さないように)

 

夜泣きがひどいメンタルリープへの対処

生後7ヶ月9ヶ月ごろは、最も夜泣きをする時期と言われています。生活環境が関係している場合もありますが、日中外で遊びすぎて興奮していることも考えられます。夜泣きの対処法としては、以下の方法があります。

 

【夜泣きがひどい時の対処法】

■抱っこして優しくあやす

■抱っこして背中をとんとん、またはふとんの上からとんとんとしてみる

■日中は外で興奮するほど遊ばせすぎないようにする

■寝る直前よりも、少し早い時間に入浴を済ませる

 

寝ぐずりや夜泣きの対処で大切なのは、イライラしすぎないこと。イライラしてしまうとそれが赤ちゃんにも伝わり、さらに状況は悪化します。間違っても赤ちゃんを揺さぶることがないようにしてください。「今はこういう時期だ」と、できるだけリラックスして見守りましょう。

 

ただし、あまりにも夜泣きや寝ぐずりがひどい場合は、赤ちゃん自身の体調が悪い可能性も考えられます。その際は、かかりつけの小児科医を早めに受診しましょう。

 

 

《先輩ママ》メンタルリープの赤ちゃんにどう対応した?

では実際に先輩ママは、メンタルリープにどのように対応したのでしょうか。

うちの子は生後3週間ごろに突然寝なくなった。それまで時々ぐずることはあっても、授乳や抱っこで落ち着いていたし、授乳後はよく寝ていたので、急に寝なくなり戸惑った。しばらくぐずぐずが続いて辛かったが、2週間ほどすると笑顔が増え、ニコニコするようになり成長を感じた。
生後3ヶ月ごろに夜泣きに悩んだ。新生児のころよりもひどく辛かった記憶。なんでこんなに寝てくれないの…と思ったが、日中にできるだけの対策を試した。私が試していたのは、赤ちゃんの新しい行動をとにかく認めて笑顔で褒めること。言葉はまだあまり伝わっていないかもしれないが、褒めていることはなんとなく伝わったのではないかと思う。
生後7ヶ月ごろ、夜泣きがひどくなかなか寝てくれなくて困った。ずっと泣き声を聞き続けて本当にしんどかった。夫と交代したり、母にお願いしたりしてなんとか乗り切った

 

 

メンタルリープにまつわるママの疑問

Q. メンタルリープ中のNG対処法は?

メンタルリープ中は環境が変化している時期。赤ちゃんは変化に慣れようとしているため、ストレスがかかるような行動はやめましょう。例えば、大勢の人に日中会う、遠出の旅行などです。環境の変化は赤ちゃんにとってもストレスとなりますので、できるだけ避けましょう。

 

Q. メンタルリープの時期でもぐずらないのは大丈夫?

メンタルリープの時期にぐずらないと、うちの子は大丈夫?と気になる人もいるでしょう。赤ちゃんにも個人差があり、あまりぐずらない子もいますので、心配しすぎなくてもいいでしょう。

 

Q. 一日中抱っこすると抱き癖がつくの?

「抱っこをすると抱き癖がつく」と聞くかもしれません。昔は一日中抱っこをすると癖がつくと考えられていましたが、今は関係ないと言われています。赤ちゃんが抱っこをせがむなら存分にしてあげてください。ただ、一日中抱っこすると疲れてしまうため、抱っこひも等の育児アイテムを使ったり、他の家族と協力するなどして、無理のない範囲でしてくださいね。

 

 

《まとめ》

 

赤ちゃんがぐずる理由は、メンタルリープが関係していることがあります。このメンタルリープを乗り越えることで、赤ちゃんの脳はさらに発達していきます。ぐずりがひどい時期に入っても、赤ちゃんの成長を信じることが大切です。できるだけリラックスして、赤ちゃんと関わるようにしましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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