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2023.01.16

添い乳の正しい&安全なやり方【助産師解説】メリット・デメリット

赤ちゃんの寝かしつけはとても大変。ベッドに寝かせるとすぐに起きてしまうこともあり、「添い乳して寝かしつけたいな」と考えるママもいるでしょう。添い乳は、ママの負担を減らすことができる授乳方法。しかし安全に添い乳をするためには、注意すべき点がいくつかあります。ここでは添い乳のメリット・デメリットに加え、安全なやり方を具体的に説明していきます。

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「添い乳」とはどのような授乳方法?いつからできる?

添い乳とは

 

まず「添い乳」とは、どのような状態の授乳を言うのでしょうか。

 

添い乳とは「寝ながら授乳する」こと

添い乳とは、寝ながら(ママが横になった状態のままで)赤ちゃんに授乳すること。ママは横になったままなので、夜中も起き上がる必要がなく、しんどさを感じずに授乳ができます。

 

添い乳は新生児からOK

添い乳は、生まれてすぐの新生児期からできます。

ただし添い乳はママから赤ちゃんの様子が見えにくいため、慣れていないと上手くできないかもしれません。おっぱいをあげはじめたばかりの頃は、縦抱きや横抱きの方がやりやすいでしょう。

添い乳は、ママと赤ちゃんが授乳に慣れてきたタイミングで試してみるのがおすすめです。また最初は、母乳外来や産後ケアなどで助産師にやり方をみてもらうと安心でしょう。

 

 

「添い乳」のメリット・デメリット!リスクはある?

横になったまま授乳ができる添い乳には、メリットとデメリットがあります。また横になったまま授乳をするリスクの理解も大切です。

 

添い乳の【メリット】

添い乳のメリットには、以下のようなものが挙げられます。

・横になりながら授乳ができるので、ママの体が楽

・赤ちゃんが授乳の姿勢のまま眠ることができる

順番に解説します。

 

添い乳のメリット(1) ママの負担が軽減

まず添い乳をする大きなメリットが、ママの体への負担が少なくなることです。産後の身体はボロボロになっていることが多いでしょう。帝王切開や会陰切開の傷がある人、貧血でずっと座っているのが難しい人もいます。

座って授乳する姿勢では痛みが出たり、体調が優れずうまく授乳ができない場合もあります。そんな時、横になりながら授乳できる添い乳では、ママの体への負担が軽減されるでしょう。

 

添い乳のメリット(2) 赤ちゃんが授乳姿勢のまま眠れる

授乳をしていて赤ちゃんが眠ったのに、ベッドや布団に置いたとたんに起きてしまうことがよくあるでしょう。添い乳はママも赤ちゃんも横になったままなので、赤ちゃんは飲み終わって眠くなったら、そのまま寝てしまいます。すると寝かしつけの必要がありませんので、ママの負担も軽くなります。

 

添い乳の【デメリット・リスク】

添い乳のメリットはなんと言っても、ママの体が楽になること。それに対し、デメリットは以下のとおりです。

・ママが眠ってしまい、窒息事故を引き起こす危険性がある

・吸わせ方によってはおっぱいのトラブルにつながる

順番に解説します。

 

添い乳のデメリット(1) 窒息事故の危険性がある

「添い乳は危ない」と言われる一番の理由は、窒息事故を引き起こす危険性があること。消費者庁からも、添い乳で赤ちゃんが窒息死する事故が、年に数件発表されています。頻回の授乳でママがうとうとしていて、赤ちゃんの鼻と口に覆いかぶさったまま眠ると、赤ちゃんは息ができなくなります。

またママが寝ていなかったとしても、添い乳の姿勢が正しくとれていない場合は、赤ちゃんが窒息することもあり得ます。例えば、赤ちゃんの頭をおっぱいの方に寄せて授乳すると、ママの体が赤ちゃんへ少し覆いかぶさるような姿勢になります。その場合も、赤ちゃんは息ができない可能性があります。添い乳では赤ちゃんの呼吸の状態を見るよう、十分な注意が必要です。

 

添い乳のデメリット(2) おっぱいトラブルに繋がる

添い乳は寝たままなので、正しい授乳姿勢と比べて浅い吸い方になったり、乳房や乳頭をつぶしてしまう可能性があります。赤ちゃんが上手に咥えてくれないと、乳頭が引っ張られて傷ができることも。

また同じ姿勢でずっと授乳すると、母乳の出方にムラができ、うまく排出されずにたまってしまいます。すると乳腺がつまり、しこりができて乳腺炎になるケースもあります。添い乳時も、赤ちゃんが深く正しく乳房を加えているか、確認が必要でしょう。

 

 

「添い乳」の正しい&安全なやり方

添い乳のやり方

 

添い乳は安全に注意して行うべきです。赤ちゃんとママにとって、正しい添い乳のやり方を解説します。

 

【添い乳の前に確認するポイント】

・赤ちゃんの顔が見えるぐらいの明るさにする

・ママの姿勢を保つよう、クッションなどで工夫する

・赤ちゃんの姿勢も保つよう調整する

・おっぱいはしっかりと深く咥えさせる

・添い乳でもげっぷをさせる

詳しく解説していきます。

 

1. 赤ちゃんの顔が見える明るさで

赤ちゃんの様子が見えていないと、呼吸ができているか、鼻や口がふさがっていないかを確認できません。夜間は照明を暗くするでしょうが、赤ちゃんの表情が確認できる程度の明るさにしましょう。

 

2. クッションでママの姿勢を保つ

赤ちゃんに覆いかぶさらないよう、まずママの姿勢を保つようにしましょう。横向きの姿勢でバスタオルを丸めて当てたり、クッションをはさんだりすると、姿勢が安定しやすいです。また横になった時、赤ちゃんが吸いやすい高さになるよう、頭にも枕やクッション・バスタオルを重ねて高さ調整するといいでしょう。

 

3. 赤ちゃんの姿勢を保つ

ママが楽な体勢であっても、赤ちゃんにとって飲みやすい姿勢でなければ、うまく授乳ができません。赤ちゃんは横向きで背中からお尻までまっすぐ、一直線になるようにします。そして赤ちゃんの鼻が、乳首に向かい合うようにします。

この時、バスタオルやおくるみを赤ちゃんの背中に置くと、お尻までまっすぐな姿勢を保てます。そして赤ちゃんのひざを、ママの体の近くに引き寄せましょう。

 

4. おっぱいはしっかり深く咥えさせる

赤ちゃんが乳頭だけ咥えていると、傷ができてしまいます。しっかりと大きな口をあけて、乳輪まで深く咥えさせましょう。

赤ちゃんを引き寄せて、あごが乳房につくと、自分から大きな口を開けるかもしれません。なかなか口を開けない時は、大きく開けるまで上唇を乳房でくすぐり、開けたらすばやく舌の上に乳首を入れます。しっかりと口に含んできちんと吸えるように、赤ちゃんを引き寄せましょう。

赤ちゃんが動いて咥え方がずれたら、そのままにせず、一度外してから再度やり直してくださいね。

 

5. 添い乳でもげっぷをさせる

赤ちゃんによっては、空気をあまり飲まずに母乳を飲める子もいますが、空気をたくさん飲んでしまう子もいます。普段から吐き戻しが多い場合は、添い乳の時でもできるだけげっぷをさせましょう。

吐き戻しが少ない赤ちゃんでも、授乳の後は基本的には、げっぷをしてから寝かせましょう。左右の乳房をかえる時に、いったん赤ちゃんをお座りさせてげっぷを出すママもいます。

 

 

添い乳に関するママの疑問

添い乳は「横になれるので体を休めることができて助かった」というママもいれば、「危険だからやっていない」というママもいます。

ここでは、添い乳についてよくある疑問に回答します。

 

Q. 添い乳で寝かしつけを続けると癖になる?

夜中に添い乳をすると癖になるのではないか、と心配するママは多くいます。しかし、添い乳そのものが癖になるわけではありません。

問題は、夜中に泣くたびに添い乳をしてしまうことです。

夜中に泣かれるとつらいママの気持ちはよくわかります。しかし添い乳をすれば泣き止むからという理由で繰り返すと、赤ちゃんは泣いた時に、おっぱいがないと落ち着かなくなってしまいます。

 

赤ちゃんが泣く理由は、お腹が空いているからだけではないのです。パパママがそばにいるのか不安になったり、眠いのに寝られなかったりして泣くこともあります。赤ちゃんがお腹を空かせているタイミングでだけ添い乳をしていれば、癖になることは少ないでしょう。

 

Q. 虫歯になりやすいのは本当?

添い乳で虫歯になりやすいというのは、離乳食だけで栄養を補えるようになった子どもが、夜間の添い乳をしている場合の話です。

近年では、母乳に含まれる糖分が虫歯の原因になるというより、食べかすが残ったまま添い乳をすることが虫歯の理由とされています。離乳食を食べているお子さんを添い乳で寝かしつけるときは、就寝前にきちんと歯磨きをすることが大切です。

 

Q. 中耳炎を起こすことがある?

添い乳の姿勢が悪かったり、飲んだあとにげっぷをしなかったりすると、おっぱいが喉から耳に流れ込んで中耳炎になることが稀にあります。

添い乳をするときは、赤ちゃんの体が反りすぎないようにしましょう。また添い乳がおわったら、できるだけげっぷをさせてから寝かしつけるように注意してください。

 

 

「添い乳」をやめたい!授乳以外での寝かしつけ

添い乳のリスクを理解しながらも、「添い乳じゃないと寝てくれない」と悩むママもいるでしょう。ここからは、添い乳以外の寝かしつけ方法を紹介します。

 

添い乳をやめてスキンシップをとる

添い乳はママのおっぱいに触りながら、ママも赤ちゃんに触れているため、安心して眠りやすいとも言われています。もし添い乳をやめるなら、おっぱい以外の方法で赤ちゃんにたくさん触り、スキンシップをとりましょう。

赤ちゃんが眠る時に体をトントンしたり、なでたりするといいでしょう。赤ちゃんにママの体が触れていることで安心し、眠りやすくなります。

 

添い乳ではないルーティンをつくる

寝る前のルーティンをつくると、「これをしたら寝る時間だな」と赤ちゃんも眠る準備がしやすくなります。部屋を暗くして着替えをし、絵本を読んだら眠るなど、毎日同じ方法で寝かしつけることがおすすめです。

 

先輩ママに聞く!添い乳のやめ方

先輩ママたちは添い乳をどうやってやめたのか、体験談を紹介します。

添い乳をおしゃぶりに変えて、添い寝しながらトントンで寝かせるようにした。最初は、おっぱいじゃないと気づいて大泣きすることもあったが、そのうち諦めた様子で寝つけるようになってきた。
職場復帰を目前に保育園に入ることが決まっていたので、添い乳でしか寝ないのはまずいと思い、やめることに。しかしおっぱいを欲しがるのに与えられないのが辛く、自分が寂しくてやめられそうになく、思い切って寝かしつけはパパに代わってもらった。毎晩かなり苦労していたけれど、パパのおかげで卒業できた。
一時期は夜泣くたびに添い乳をしていて、いつしか当たり前になっていた。やめるのはスムーズではなかったけど、日中ご機嫌にたくさん遊んだ日などは疲れて寝つきがいいので、少しずつ抱っこやおしゃぶりに変えていった

 

《まとめ》

 

添い乳には、ママの体が楽というメリットがあります。しかし正しい方法で行わないと、窒息事故やおっぱいのトラブルにつながるなど、デメリットもあります。添い乳をする場合は、安全に注意することが大切です。

 

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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