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2022.11.16

【助産師解説】断乳・卒乳の上手なやり方とは?いつ始める?おっぱいのケア方法

「仕事に復帰する予定がある」「乳腺炎がつらい」などで、そろそろ断乳をしたいと考える人もいるでしょう。具体的にどのように断乳しようかと、悩むかもしれません。断乳すると「乳腺炎になるのでは?」「子どもが泣いてつらいから、なかなかやめられない」という不安もあるでしょう。この記事では、断乳・卒乳の上手なやり方と適した時期、おっぱいのケアについて解説します。

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「断乳」と「卒乳」の違いとは?

断乳と卒乳とは

 

「断乳」と「卒乳」の違いは何か知っていますか。

言葉の響きから、おっぱいをやめようと思っているのがママの場合は「断乳」で、赤ちゃんが自然に母乳を飲まなくなるのは「卒乳」とのイメージがあるでしょう。しかしこの2つにはっきりとした決まりはなく、どちらの呼び方でも構いません。ママが使いたい言葉を選んでくださいね。ここでは「断乳」と呼んでいきましょう。

 

 

卒乳・断乳のタイミングはいつが良い?

断乳を考えている場合、いつするのが良いか悩むママもいるでしょう。保育園に行く、仕事復帰をする、治療を受ける、2人目の妊活をするなど、人によって理由は様々ですね。

赤ちゃんは授乳によって栄養を摂取するだけでなく、ママとのスキンシップやおっぱいに触れることで安心感を得ています。断乳する理由は人によって異なるため、「この時期がいい」と決まったタイミングはありません。

 

 

断乳を始めるために必要な準備

断乳しようと決めたら、事前に準備をしておくとスムーズに進みます。

 

断乳への準備1. 母乳以外で栄養摂取する

赤ちゃんがまだ離乳食だけで栄養が摂れない時期は、断乳の前に哺乳瓶で飲む練習をしてください。哺乳瓶を嫌がる場合は、コップやストローなど、哺乳瓶以外を使用してもよいでしょう。

離乳食完了期であれば、母乳を飲む量が減ることで、離乳食の量が増えるケースもあります。たくさん食べるようになると母乳を飲む量が減り、飲む量が減ると母乳が作られる量も減ってくる、というサイクルができて断乳がしやすくなります。

 

赤ちゃんの離乳食

断乳への準備2. おっぱいトラブルを確認

断乳への準備として、ママのおっぱいにトラブルがないことも重要。しこりやつまりがある状態で断乳をすると、トラブルにつながりやすく、乳腺炎になる可能性があります。そうなると授乳回数を減らせず、うまく断乳できません。

おっぱいにトラブルを起こしそうな要因がないかどうかも、確認しておきましょう。

 

断乳への準備3. 赤ちゃん・ママの体調がよい時期にする

赤ちゃんとママの体調がよいタイミングにすることも大切。ママの体調がよくない時は、断乳でつらい時期に赤ちゃんの世話ができなくなります。

また赤ちゃんの体調がよくない場合、ぐずったり機嫌が悪くなったりしやすいです。そうなると赤ちゃんをなだめるのに疲れ、おっぱいを与えてしまうかもしれません。ママの疲れが溜まっていたり、寝不足、季節の変わり目で体調が変化しやすい期間は、できるだけ断乳を避けましょう。

 

断乳への準備4. 赤ちゃんに伝える

断乳をする時期にもよりますが、赤ちゃんに「おっぱいをやめること」を伝えましょう。まだ言葉を発せられなくても、ママの話は理解しています。「おっぱいとバイバイする日だよ」と説明すると、子どもはなんとなくその意味がわかり、心の準備もできます。

 

断乳への準備5. おっぱいの準備

少しずつ授乳回数を減らす

急に断乳すると、ママの胸の張りは強くなります。赤ちゃんに触れられたり抱っこすると、痛みが強くストレスになる場合もあります。

おっぱいをやめるまでの期間が1ヶ月ほどあれば、少しずつ授乳回数を減らしていきましょう。授乳回数を減らしておくことで、母乳の作られる量が少なくなっていきます。

 

授乳回数を減らすのは、日中から始める方がやりやすいかもしれません。日中におっぱいを欲しがる様子がみられたら、「赤ちゃんの好きな遊びに誘ってみる」「散歩に出てみる」などおっぱい以外に興味が向くようにします。子育て広場や、支援センターに参加するとよいかもしれませんね。

また断乳には家族の協力も大切。赤ちゃんはママ以外の人と過ごす時には、おっぱいを欲しがらないので、母乳回数を減らすことができます。

 

断乳しておっぱいが張るときのセルフケア

もし事情があってすぐに断乳をしなければいけない状況で、授乳回数を減らせていないと、かなりおっぱいが張るかもしれません。その場合は、ママのセルフケアが必要となります。おっぱいの状態によっては、自己搾乳が必要となりますが、これにはかなり個人差があります。

 

搾乳】

おっぱいがパンパンになり痛くてつらい場合は、ママ自身で搾乳をしてください。回数や間隔はそれぞれですが、「痛くてどうしようもない」状態になる前に、軽く圧抜き程度に搾乳をします。圧抜き程度であれば、強く張ることはありません。もし搾乳した後もまだ張りが強い時は、保冷剤をタオルガーゼでくるみ、おっぱいに当ててしっかりと冷やします。

 

【生活での注意】

体を温めるとおっぱいの張りは強くなるので、入浴はせず、サッとシャワーを浴びる程度にしましょう。また締め付けの強い下着をつけると、トラブルが起こりやすくなります。あまり締め付けない、楽な下着をつけましょう。

そして高カロリーな食事を摂ることで、母乳が作られてしまいます。断乳中はあまり高カロリー食にならないようにしましょう。

 

【おっぱいのセルフケア】

おっぱいのセルフケア方法について説明します。これはあくまでも目安なので、自分のおっぱいの状態に合わせてケアをしましょう。どうしたらよいかわからない場合は、助産師に相談してください。

※各地域の市町村にある「子育て世代包括支援センター」には助産師の相談窓口を設置しているところもあります。卒乳・断乳以外のことも相談できまので、利用してみてください。

 

1日目

朝に授乳し、しっかりと赤ちゃんに飲んでもらいます。その後は授乳せず、1日2〜3回張りが強くなってきた時に、軽く圧抜き程度に搾乳をします。

2日目

どうしても痛い時以外は搾乳しないようにします。

3日目

両手でおっぱい全体を抑えるようにし、しっかりと搾ります。3日目にしっかりと搾ると、その後は張りが治まるケースが多いです。

4日目~

それ以降は痛い時だけ搾り、1週間後にまたきれいに搾ります。

 

このようなセルフケア方法で対処できない場合、助産院・産婦人科の母乳外来で助産師のケアを受けてください。乳腺炎を疑うような以下の症状には、特に注意しましょう。

 

《乳腺炎を疑う症状》

・38度以上の発熱がある

・しこりがある

・おっぱいが腫れている

・赤くなっている

・熱を持っている

・おっぱいが痛い

 

 

断乳しよう!でも赤ちゃんが泣いてしまう!

断乳を始めた時に、赤ちゃんがおっぱいを欲しがって泣く場合があります。断乳は子どもにとって辛くストレスになることもあるので、優しく声をかけながら進めましょう。断乳してもママからの愛情は変わらないとわかるように、声かけやスキンシップでしっかり愛情を注いでくださいね。2~3日くらいで赤ちゃんは落ち着いてきます。

もしも赤ちゃんが激しく泣き、ママはおっぱいが張って心が折れそうなら、まだ卒乳の時期ではないのかもしれません。その時は、もう一度仕切り直しても大丈夫。断乳はママ自身が納得したタイミングに行ってください。

 

 

断乳後のおっぱいケア

断乳後は、おっぱいの張りやしこり、痛みがなければ搾乳は不要です。おっぱいのトラブルがなく、赤ちゃんも欲しがらないようになったら断乳終了です。

 

 

《まとめ》

 

断乳の時期や進め方は、ママや赤ちゃんの状況によって様々です。できるだけママと赤ちゃんへの負担が少なくなるよう、無理のないスケジュールで進めましょう。断乳・卒乳はママにとって一つの節目です。頑張った自分をほめてあげましょう。「自分にご褒美」もいいかもしれませんね。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に助産師独自の職能団体として社団法人として創立。

全国都道府県助産師会の会員にて組織されている。

2012年10月1日から公益法人制度改革により公益法人認定法に基づいて公益性を認定され、公益社団法人として新たにスタート。

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