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2022.07.15

【妊娠初期症状】おりものの「量・色・におい」特徴&生理前との違い

妊娠したママの身体には、様々な変化が起こります。妊娠初期症状のひとつとして、「おりもの」の状態がいつもと違い、妊娠に気づく人もいるでしょう。ここでは妊娠初期のおりものの「量・色・におい」や、生理前との違いについて理解を深めていきましょう。受診が必要なおりものに関しても、助産師が解説していきます。

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「おりもの」とは?

おりものとは

 

おりものは子宮や膣、汗腺などから分泌されるものの総称です。成熟した女性には誰しもおりものがあり、想像がつくでしょう。おりものの役割は2つあります。

 

1. 女性の身体の中に細菌が入るのを防ぎ、これを自浄作用と呼びます

2. 排卵期に、精子がスムーズに子宮内に入るのを助けてくれます

 

では年代別に、おりものの変化を見ていきましょう。

 

年齢によるおりものの変化

おりものは、エストロゲンという女性ホルモンの影響を大きく受けているため、年齢により変化が現れます。

 

10代はまだエストロゲンの分泌が安定しないため、おりもの自体は増えますが量・周期は安定しません。エストロゲン分泌のピークは、20~30代の妊娠可能な時期。その頃にかけておりものは量が多くなります。

しかし40代になると、次第にエストロゲンの量は減少し、おりものも比例して減っていきます。そして閉経後は極端に少なくなります。

このようにおりものは、女性の身体を守り、身体の状態を知るために非常に重要なのです。

 

 

「妊娠初期のおりもの」の特徴!「妊娠前」との違いは?

次に、「妊娠前」と「妊娠後」のおりものの変化を紹介します。

 

【妊娠前のおりもの】生理前~生理後の変化

非妊娠時における通常の生理周期では、エストロゲンは卵胞期の終わりから排卵期にかけてピークを迎え、黄体期から生理開始直前にかけて徐々に減少します。

生理直後はおりものの量が少なくサラサラした状態で、生理の経血と若干混ざっていることがあります。そして卵胞期後期から排卵期にかけて、おりものの量が増え、卵白のようにとろみがでてきます。においはあまり強くはありません。

黄体期では、おりものの量はだんだん少なく、白濁してどろっとした状態になり、黄色っぽくなることもあります。生理前に向けて、少しずつにおいがきつくなり始めます。

 

【妊娠初期のおりもの】特徴と着床出血

妊娠するとエストロゲンの量は維持されるため、おりものの量は妊娠前よりも増加します。サラサラしていて、粘り気はありません。色は、白っぽくなることもあればクリーム色になることもあり、若干黄色っぽい場合もあります。

 

着床時期のおりものに、茶色っぽい、もしくはピンク色の血液が混ざることがありますが、これは着床によって子宮内が傷ついて起こる、「着床出血」といわれるものです。妊娠していないときのおりものよりも匂いがきつく、酸っぱい匂いになることがあります。

 

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「妊娠初期のおりもの」で受診すべき量・色・におい

妊娠初期のおりもの

 

妊娠した場合のおりものは通常、白やクリーム色、若干黄色味がかることが多く、着床時には出血が混ざることがあります。このような正常なおりもの以外に、注意が必要な状態もあります。妊娠期に病気に罹患すると、流早産や胎児への感染を起こすこともあるため、受診するべきおりものについて知っておきましょう。

 

妊娠初期のおりものが「カッテージチーズのようにボロボロ」

妊娠初期の「カッテージチーズ・酒粕のようにボロボロしたおりもの」は、カンジダ膣炎の可能性があります。カンジダはもともと膣内にいる常在菌ですが、それが繁殖して膣内や外陰部に炎症を起こすことがあります。妊娠中や体調不良時、ストレスがたまって身体が疲れている時などに発症しやすい病気です。強いかゆみも伴います。

 

妊娠初期のおりものが「黄緑色でねばねば」

妊娠初期のおりものが「黄緑色でねばねば」していたら、クラミジア頸管炎の可能性があります。おりものの量も多くなり、濃い黄色や緑黄のおりものがみられることがあります。下腹部痛もあり、放置すると不妊症の原因になる感染症です。このようなおりものの変化があれば、すぐにかかりつけの産科医を受診しましょう。

 

妊娠初期のおりものが「泡状や黄色・緑で生臭い」

妊娠初期に「泡状や黄色・緑で生臭いおりもの」の場合、トリコモナス膣炎を発症している可能性があります。これは性感染症のひとつですが、性行為以外にも、タオルの共有や公衆浴場でも感染するため注意が必要。外陰部のかゆみやただれ、悪臭のある黄白色・泡沫上のおりものが特徴です。

 

妊娠初期のおりものが「灰色・魚の腐った臭い」

妊娠初期のおりものが「灰色がかった魚の腐ったような臭い」であれば、細菌性膣炎の可能性があります。多くの場合、膣のかゆみと焼けるような痛みを伴いますが、なかには症状がない人もいます。

 

妊娠初期のおりものが「黄色い膿状」

妊娠初期のおりものが「黄色い膿状」の時は、性感染症のひとつである、淋菌に感染している可能性があります。悪臭を伴う膿状のおりもの、外陰部のかゆみ、下腹部の痛み、発熱、頻尿や排尿時痛がみられます。しかし、無症状の人も多いのが現状です。パートナーからの感染が多いため、夫婦で治療をする必要があります。

そのまま放置すると、出産時に赤ちゃんに感染し、化膿性結膜炎を引き起こします。

 

 

妊娠初期のおりものが「血液が混ざっている」

妊娠初期のおりものに「血液が混ざっている」場合、不正出血を引き起こしている可能性があります。不正出血から考えられるのは、子宮頸がん、子宮頸管炎、子宮頸管ポリープなどです。着床出血を疑うかもしれませんが、着床出血とは少量のみで続くことはほとんどありません。大きな婦人科系疾患が隠れている可能性がありますので、早めに受診しましょう。

 

このように明らかにいつもと違うおりものの変化や、症状を伴う場合は、すぐに受診して検査をしましょう。何か病気が隠れているかもしれません。妊娠中は自浄作用が低下し、抵抗力が弱くなっているため、感染症にかかりやすく注意が必要です。

 

 

これって妊娠かも?【妊娠初期症状】チェックリスト

妊娠初期症状リスト

 

妊娠すると、おりものの他にはどのような変化があるでしょうか。そして妊娠初期症状に当てはまる場合、何に気を付ける必要があるでしょうか。

 

妊娠初期の心と身体の変化【11種】

おりものの変化は、妊娠を知る大きな手掛かりでしょう。しかしそれ以外にもホルモンの影響により、心と身体にさまざまな変化がみられます。

 

微熱が続く・身体がほてる

妊娠を維持するためには、プロゲステロンという女性ホルモンの分泌が増加し、高温期が維持されます。そのため身体が火照った感じや、微熱が続くようです。

 

強い眠気に襲われる

眠りづわりという、つわりの一種。妊娠の維持や、母乳の準備のために重要なホルモンの影響で、ママの身体を休ませるために強い眠気を生じさせます。たとえ眠気が強くても、カフェインを大量に摂取すると流早産の危険性があり、注意が必要です。

 

腹部痛・腹部膨満感がある

妊娠した子宮は、収縮しながら猛スピードでどんどん大きくなり、その際に痛みを感じることがあります。またプロゲステロンの影響で便秘しやすくなり、腹部膨満感が起こることもあります。

 

胸が張

これもプロゲステロンの影響です。プロゲステロンは母乳が作られるように準備しますので、その際に胸に痛みを感じることがあります。

 

胃のむかつき・吐き気

プロゲステロンは子宮収縮を抑える働きがあり、消化管の筋肉収縮も抑えてしまうことがあります。消化機能が低下してしまうため、胃のむかつきや吐き気が起こります。

 

むくみが出やすい

妊娠した身体が水分をため込もうとするので、むくみが生じる可能性があります。

 

イライラしやすい

妊娠するとホルモンの影響で、イライラしやすくなることも。また急に不安になるなど、落ち着かない状態になることもあります。

 

無気力になりやすい

何に対しても意欲が低下するのも、ホルモンの影響です。ホルモンが原因だと割り切り、できるだけリラックスして過ごしましょう。

 

食欲旺盛または食欲不振になる

プロゲステロンの働きにより、消化器系の機能が抑制され、食欲不振になることが多いです。またつわりの一つとして、食欲が増進してしまうこともあるようです。

 

トイレの回数が増える

プロゲステロンにより膀胱近くの筋肉が弱まり、頻尿になりやすいです。水分摂取は我慢せず、こまめに飲むようにしましょう。

 

めまいや立ちくらみがする

妊娠すると女性ホルモンが急激に変化し、自律神経が乱れて、めまいや立ちくらみがでることがあります。貧血や起立性低血圧なども関係してきます。

 

【妊娠初期症状】当てはまったら気を付けること

妊娠初期症状に当てはまる数が多ければ多いほど、妊娠の可能性は高くなります。妊娠かなと思ったら、なるべく早めに受診しましょう。

タバコや飲酒、カフェインの過剰摂取は、赤ちゃんの成長を妨げるだけではなく、流早産を引き起こす可能性があるため控えましょう。過度のストレスも、妊娠期にはよくありません。できるだけゆったりと過ごすようにしましょう。また妊娠の可能性が少しでもある場合は、薬を飲むことも避けておきましょう。

 

 

《まとめ》

 

妊娠するとおりものの量や色、においに変化が見られます。そして妊娠を維持するために必要なホルモンが、身体と心に影響を与えます。さまざまな変化に戸惑うかもしれませんが、できるだけゆったりとリラックスしながら、妊娠初期を過ごしましょう。もしも気になる症状がある場合には、早めにかかりつけ医を受診しましょう。

 

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に助産師独自の職能団体として社団法人として創立。

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