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2022.02.28

産後に便秘になりやすい原因&解消法【助産師】薬は飲んでもOK?

産後ママの身体が回復するには、子宮や骨盤だけではなく臓器、そして身体の血液循環など、妊娠前の身体に戻るため相応の時間が必要です。出産による影響は大きく、産褥期は心身ともに色々な不調が起こりやすい時期でもあります。産後の便通の問題は、よくあることの一つ。便が緩くてコントロールできなくなったり、その一方で便秘になる人もいます。

ここでは産後に便秘になりやすい原因や、その解消法について理解を深めていきましょう。また便秘で辛い時、便秘薬を飲んでもいいのか、授乳への影響の有無についても助産師が解説します。

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産後に便秘になりやすい原因

産後の便秘の原因

 

産後は便秘になりやすいといわれていますが、その原因についてご紹介します。

 

産後の便秘の原因1. 骨盤底筋が緩む

骨盤底筋群とは、子宮や膀胱、腸など骨盤内にある臓器を支える、骨盤内の筋肉や靭帯をいいます。骨盤底筋群の役割は以下の通りです。

 

(1) 臓器が骨盤内に下がらないように、横隔膜とともに内臓の位置を支える

(2) 大きくなった子宮を支える

(3) 排泄をコントロールする

(4) 分娩時に産道となって、赤ちゃんが通る道になる

などがあります。

 

分娩の際に骨盤底筋群は、大なり小なりダメージを受けます。排便をコントロールする筋肉や神経に影響する場合があります。

 

産後の便秘の原因2. 会陰の傷への不安

出産時に赤ちゃんは子宮・頸管・会陰を含む道を通って、胎外へ出ることができます。その時に頸部や会陰が裂けてしまうことや、お産をスムーズに進めるために会陰を切開することもあります。

もちろん出産後は縫合をしてもらえますが、縫合部が痛んだりして腹圧をかけられない場合があります。「いきむとまた裂けてしまいそうな気がする」という不安から、便意を我慢してしまうこともあるようです。

 

また表面の裂傷の範囲が広かったり、骨盤内の排便の調節をする筋肉がダメージを受けていると、何らかの問題が出る場合があります。

 

産後の便秘の原因3. 授乳による水分不足

授乳量は、赤ちゃんの成長に伴って増加していきます。しかし忙しいママはなかなか意識的に水分が摂れず、身体から水分が失われると便自体が硬くなってしまうため、便秘を悪化させてしまいます。

 

産後の便秘の原因4. トイレ回数の減少

産後はトイレに行きたいと思っていても、赤ちゃんのお世話が忙しく、良いタイミングでトイレに行けないことがあります。実は便意とは、一度感じてもタイミングを逃すと消失してしまいます。便意を逃してしまうと腸で便の水分が再吸収されるため、硬くなってより出しづらくなってしまいます。

 

産後の便秘の原因5. 自律神経の乱れ

産後は慣れない育児に追われたり、睡眠時間が少なくなったりしてストレスが溜まると、自律神経のバランスが乱れてしまいます。腸の動きは、交感神経・副交感神経に支配されています。そのため、緊張状態が続く交感神経が優位となると、腸の動きが鈍くなり便秘気味になってしまいます。

 

 

産後の便秘はいつまで続く?

出産後は、大きくなった子宮が急速に元の大きさに戻ろうとします。

入院中は会陰切開や裂傷の痛みなどで、排便がしづらい状況です。しかしこの時期の便秘によって、便がたまった腸が膣壁を圧迫し悪露の排出を妨げ、子宮の戻りを妨げてしまう場合もあります。悪露の停滞は、再出血や子宮内感染を引き起こすことがあるため避けたいことです。

 

また産後は昼夜問わず、赤ちゃんのお世話をします。ママは自分のことを後回しにしてしまう可能性が高く、トイレに行くタイミングや食生活も乱れてくるかもしれません。習慣性の便秘にならないように、忙しい中でもトイレは我慢しないこと。またしっかりと水分を摂取し、食事の時間も確保して、しっかり食べるようにしましょう。

 

 

産後の便秘の解消法6つ

産後の便秘を解消するための方法を、6つ紹介します。

 

便秘解消1. 水分摂取を心がける

産後は授乳により体内の水分が排出されるため、水分不足に陥りがちです。1.5リットル~2.0リットルの水分を摂るようにしましょう。しかし、いきなりこれだけの量の水分を摂取することは難しいでしょう。食事中または食後に、コップ1~2杯を意識的に摂るように心がけましょう。

 

便秘解消2. しっかり食べる

産後は赤ちゃんのお世話で忙しく、自分のことを後回しにしがちです。また出産時に増えた体重を気にしすぎて、食事制限をするママもいるかもしれません。しかしまずは、体力をつける事を考えましょう。食事を制限することはお勧めしません。なるべく三食を食べるように心がけ、しっかりと自分の口に入れるようにしてください。

 

便秘解消3. トイレのタイミングをつくる

前述したように、産後は慣れない育児や授乳で、トイレに行くタイミングを見失いがちです。しかしこれでは便秘が習慣となってしまうため、便意を感じたらトイレに行くように心がけましょう。

誰か家族が手伝ってくれるのなら、少し赤ちゃんを見てもらい、意識的にトイレに行くようにしてください。排便習慣を整えることで、自然と便意が出やすくなります。

 

便秘解消4. 骨盤底筋を鍛える

分娩時の影響で、排便を司る筋肉や神経が存在する骨盤底筋群は、大なり小なりダメージを受けています。妊娠・出産によって影響を受けている、骨盤底筋群の回復のための簡単な運動を取り入れて、便秘予防に努めましょう。産後は骨盤ベルトを巻いて、骨盤底筋群への負荷を軽減するのも大切です。

 

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産後の骨盤ベルトはいつからいつまで?【動画で簡単】正しく着けるコツ

産後の骨盤底筋運動

 

骨盤底筋群の回復のための運動は、意識的に膣や肛門を締める簡単なものです。産後にできる、骨盤底筋運動の方法をご紹介します。

 

【骨盤底筋運動のやり方】

(1) 仰向けになって膝を立てます。腕は万歳のように挙上すると良いでしょう。

(2) (1)の姿勢を整えます。胸式呼吸ではなく、自然にお腹に息が入る腹式呼吸になっていることを確かめます。

(3) 呼吸を整えて、膣と尿道を締めるようにして、「ふぁ~」と言いながら吐き切りましょう。

 

下腹部とみぞおちが動いているのを確認できると、より効果的でしょう。(1)(2)(3)を3~5回で1セットとして、時間がある時に行いましょう。

 

便秘解消5. 薬を飲む

お産での外陰部の傷が気になる場合は、入院中に医師や助産師に相談して、便秘薬を処方してもらっても良いでしょう。退院後はすぐに相談できれば良いのですが、育児で忙しいため受診が難しい場合があるかもしれません。

 

妊娠中に処方してもらった薬や、市販の便秘薬を購入する場合、またかかりつけではない病院を受診する際には、授乳中であることを医師や薬剤師に必ず相談してください。

 

便秘解消6. 排便の際の姿勢

便秘への一番の対策は、はじめの便意でトイレに行くことです。ただし力任せに腹圧をかけて排便することは、骨盤低筋群に負荷をかけてしまうため、あまりお勧めではありません。実はいきまなくても、上手に出すコツがあります。便意がある時に試してみてください。

 

排便の際のコツ

(1) トイレで座る際に、足の高さを台などで工夫します。お腹に太ももが近づくよう座ります。

(2) 手のひらを前か側の壁につっぱり、背骨と頭の位置はまっすぐにします。口から「ふぁ~」の息で吐き切ります。

 

 

産後の便秘解消におすすめの食べ物

産後の便秘解消

 

産後の便秘解消に、おすすめの食べ物を紹介します。食生活の中で積極的に取り入れましょう。

 

野菜・海藻

野菜や海藻には、食物繊維だけではなく、身体の調子を整えるビタミンやミネラルが豊富に含まれています。水分と一緒に摂ることでゲル状になり、排便を促してくれます。特におすすめなのは以下の食材です。

 

・キャベツ

・ごぼう

・オクラ

・モロヘイヤ

・ニンジン

・わかめ

・昆布

・もずく

・めかぶ

 

発酵食品

発酵食品の中に含まれる乳酸菌やビフィズス菌は、腸内環境を整え、整腸作用を促してくれます。胃酸の影響を受けるので、食前もしくは食後に摂るようにしましょう。例えば以下の食材です。

 

・ヨーグルト

・漬物

・納豆

 

豆類・穀物

穀物の中でも最近注目を集めているのが、大麦-βグルカンという食物繊維です。もち麦に多く含まれており、なんと食物繊維が白米の約20倍といわれています。豆類には善玉菌の餌となる、オリゴ糖も含まれています。例えば以下の食材です。

 

・もち麦

・玄米

・小豆

・ひよこ豆

・いんげん

 

果物

便秘改善にバナナが良いのは、よく知られていることです。果物には食物繊維やオリゴ糖が含まれていますので、ヨーグルトと一緒に摂取することをおすすめします。例えば以下の食材です。

 

・バナナ

・りんご

・キウイ

・みかん

・アボカド

・プルーン

 

 

《まとめ》

 

産後のママは、出産による影響や生活習慣の変化から、便秘になりがちです。水分を意識的に摂り、便秘にいい食物を摂ったりして食生活を整えていきましょう。もし便秘が辛くなったら、かかりつけの産科医に相談した上で、便秘薬の力を借りることもおすすめですよ。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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