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2021.05.20

妊娠中の体重増加の目安は?妊娠6ヶ月から体調管理を意識しよう

妊娠6ヶ月頃になるとつわりも落ち着き、食欲が出始める妊婦さんが多いでしょう。体調管理を意識してお産に向けた身体づくりをしましょう。今回は妊娠中の体重増加の目安について解説します。

以前は厳しく体重増加について指導されていた背景がありましたが、産婦人科診療ガイドライン産科編2020版には「増加量を厳格に指導する根拠は必ずしも十分ではないと認識し、ゆるやかな指導を心がける」と記載されました。また妊娠中の体重増加に対する提言が、日本産婦人科学会によって令和3年3月に発表されました。このように妊婦さんには、体重増加だけではない総合的な体調管理を心がけてほしいと思います。

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妊娠期の体重増加の目安は?

妊娠中の体重増加

 

体重増加の目安は、妊娠前の体重によって異なります。まずは妊娠前の体重でBMI値というものを計算しましょう。

計算方法は母子手帳の最初のページに書いてあり、病院によっては助産師が計算して記入してくれている場合もあります。つわりなどの初期の体調不良から解放されると一時的にハイペースで増えることもあります。以下は一般的な目安ですので、健診施設のスタッフと相談しながら体重管理をしましょう。

 

BMI計算式を知ろう

妊娠前の体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)=BMI値

例) 50kg÷1.6m÷1.6m=BMI 19.5

 

身長はcm(センチメートル)ではなくm(メートル)なので注意してくださいね。BMIの判定基準はこのとおりです。

 

BMI 18.5未満

低体重

BMI 18.5〜25未満

普通体重

 BMI 25〜30未満

肥満Ⅰ度

BMI 30以上

肥満Ⅱ度以上

 

「低体重」の体重増加

妊娠前のBMIが18.5未満で「低体重」の人は、出産までに12〜15kgの体重増加が目安となります。1週間あたり0.3〜0.5kgが推奨体重増加量です。

 

「普通体重」の体重増加

妊娠前のBMIが18.5〜25未満で「普通体重」の人は、出産までに10〜13kgの体重増加が目安です。1週間あたり0.3〜0.5kgが推奨体重増加量です。

 

「肥満」の体重増加

妊娠前のBMIが25〜30未満で「肥満Ⅰ度」の人は、7〜10kgの体重増加が目安です。BMIが30以上の人は、個別対応になります。おおよその目安としては出産までに5kg増とされていますが、病院や医師によって目安が変わりますのでかかりつけの病院の説明をしっかり聞きましょう。

 

妊娠中の体重増加の上限

痩せ気味、普通の人の体重増加は、1ヶ月に+1.2〜2kg程度が上限と言われています。肥満の人は1ヶ月に+1kg程度と言われていますが、やはりかかりつけ病院の医師としっかり相談しましょう。

 

つわりの期間などの体重減少に関しては、短期間に非妊娠時の体重の5%以上減少すると、その他の身体の状態によっては治療が必要という目安になっています。

 

 

妊娠6ヶ月での体重増加のライン

妊娠6ヶ月ごろで1ヶ月で4kg以上の体重増加があった場合、体重が増えすぎと判断されるでしょう。妊娠中トータルで目安を越えなければ良いわけではなく、急激な体重増加は身体への負担が大きいので気をつけましょう。

 

過度な体重増加によるリスク

過度な体重増加は、妊婦さんや赤ちゃんに様々なリスクを引き起こします。

肥満が原因で起きる妊娠中のリスクの一つとして、妊娠糖尿病があります。妊娠糖尿病になると血糖のコントロールができず、妊婦さんの腎臓に負担がかかったり、赤ちゃんが巨大児となったり、羊水が多くなりすぎて難産になったり、赤ちゃんが出生後に低血糖となる恐れがあります。

 

出産時のリスクとしては、産道に脂肪が増えすぎて狭くなることで、微弱陣痛になりやすく、お産の進行に影響が出ることもあります。分娩が遷延したり出血多量、帝王切開など多様な医療処置が必要になるリスクがあげられます。もちろん赤ちゃんの健康にもお産の経過は影響します。

 

 

妊娠中の体重増加コントロール方法

妊娠中の食事

 

妊娠中の体重増加を管理するための基本は、食事と運動の2つです。無理なダイエットをするのではなく、バランスの良い食事と適度な運動を心がけましょう。

 

バランスの良い食事を摂る

ただ太らないことだけを注意するのではなく、バランスの良い食事を心がけることが大切です。バランスの良い食事というのは、タンパク質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなど様々な栄養素を摂取できる食事のことです。

特に妊娠中は血液や筋肉、皮膚や髪の毛の元になるタンパク質が不足しがちなので意識して摂りましょう。妊娠中は貧血になりやすいため、貧血防止にも心がけることも大切です。肉類、魚類、豆類に多く含まれていますが、忙しい朝などにはプロテインを一杯飲むだけでも違いますよ。

 

炭水化物は太るイメージですが、有効な陣痛を起こすためには大切な栄養素です。少量でも定期的に摂取することで血糖値の変動が大きくならないため、体の負担は少なくなります。

オメガ3脂肪酸という栄養素を積極的に摂取するのもおすすめです。満腹感を得ることができ、エネルギー消費量がアップし太りにくい体にしていきます。サーモンやサバといった脂肪の多い魚、くるみなどのナッツ類、アマニ油などに豊富に含まれています。

 

適度な運動でカロリー消費

体調が良いときを見計らって、無理なく運動も続けましょう。妊娠前に全く運動をしていなかった人は、30分くらいのウォーキングから始めるのがおすすめです。

慣れてきたら、スクワットや階段の登り降り、臨月に入ったら雑巾掛けなど少し汗ばむくらいの運動が良いでしょう。これらは下半身の筋肉を鍛えて、股関節の柔軟性を高めるため、出産の時に役立ちます。運動でお腹が張ったり、痛みを感じる場合は、無理せず安静に過ごしましょう。

 

 

《まとめ》

 

体重増加の目安は妊娠前のBMI値で決まります。急激な体重増加は妊婦さんや赤ちゃんにとって負担になることもあります。バランスの良い食事と適度な運動を心がけましょう。体調を管理しながらお産に向かって心身を整え、元気に産後のスタートが切れることを願っています。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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