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2021.10.08

妊婦の乳房と乳頭(乳首)の変化【助産師】妊娠中のケア方法とは

妊婦さんの身体は様々な変化を生じますが、乳房も授乳に備えて変化します。初めて妊娠した人は、どんな風に変わっていくのか心配になるかもしれませんね。ここでは妊娠中の乳房の変化を知りましょう。事前にケアが必要な場合の、産後の授乳に備えたケアのポイントについて、助産師のアドバイスを紹介していきます。

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【妊娠期別】妊婦さんの乳首・乳房の変化

妊婦の乳房乳首

 

妊婦さんの乳房や乳首はどのように変化していくのか、妊娠の時期ごとに分けてみていきましょう。

 

妊娠初期(妊娠15週まで)の乳首・乳房

妊娠初期には、ホルモンバランスの変化で乳首や乳房に変化が起きます。

 

乳房が張る

妊娠初期はプロゲステロンとエストロゲンというホルモンの影響で、妊娠6週頃から乳房が張りやすくなります。張り方には個人差があり、痛みを伴う人やほとんど張りや痛みを感じない人もいます。

 

乳首・乳輪の色が黒くなる

妊娠8週頃からメラニン色素が増加し、妊婦さんの乳首や乳輪の色が濃くなることがあります。こちらも個人差があり、あまり変化を感じない人もいるようです。

 

乳首・乳房にかゆみや痛みがでる

妊娠すると、乳首が下着や衣服に触れて違和感を覚えたり、ヒリヒリ痛かったりすることも。乳房全体、または乳首に違和感が出てくる人がいます。

妊娠中は乳房のみならず、体全体に痒みが出たり違和感を覚えたりすることがあり、これらについてはっきりとした原因は未だにわかっていません。妊娠時の生理的な症状ですので、強い不快感がなければ心配はありません。

痒みが気になって日常生活に支障がある場合には、妊娠中も使えるかゆみ止めを処方してもらえることもあります。妊婦健診の時にかかりつけの産科医に相談してみてくださいね。

 

妊娠中期(妊娠16~27週)の乳首・乳房

妊娠中期は、乳腺がさらに発達し、母乳分泌への準備が進んでいきます。

 

乳房が大きくなる

妊娠中期には、乳腺の発達とともに皮下脂肪がつき、乳房が大きくなったと感じることが多いです。どのくらい大きくなるかは個人差があります。妊娠前よりも下着のサイズが約2カップ大きくなる人もいるので、乳房を締め付けすぎないように大きさに合った下着を身につけるようにしましょう。

また急激に大きくなる場合には、お腹と同様に妊娠線ができる場合があります。保湿ケアをすることがおすすめです。

 

初乳がつくられる

妊娠16週頃から、乳汁が乳房内で作られ始めます。胎盤から出るプロゲステロンというホルモンの作用で、妊娠中に乳汁はほとんど外に出ることはありません。産後胎盤が出て、授乳によって母乳分泌は軌道にのります。初乳はごく少量排泄され、すぐに乾燥し乳頭に付着する場合もあります。出る量は個人差が多いです。

 

妊娠後期(妊娠28週以降)の乳首・乳房

妊娠初期ほど著しい変化ではありませんが、妊娠後期になると、母乳分泌にむけてさらに準備が進んでいきます。

 

乳房が張る

妊娠後期には乳腺や乳管がより発達していきます。そのため強く胸の張りを感じ、胸の血管が浮き出て見えやすくなる人もいるでしょう。

 

妊婦さんによっては母乳が出てくる人も

個人差はありますが、少量の母乳が出て乾燥して乳首についたり、下着を汚すこともありますが心配はいりません。

 

 

妊娠中のおっぱいのお手入れ・ケア方法

前述したように、妊娠中には出産後に備えて乳房は変化します。おっぱいのケアの必要性についてはさまざまな研究が進み、以前に比べて必須のケアというわけでもありません。

ただし自分の身体に関心をもったり、産後の変化を知ったりするのは、とても大切なことです。また乳首の形状によっては、妊娠中に少しケアをしておいた方が良い場合もあります。

 

母乳育児を希望されている妊婦さんは、かかりつけの産院の助産師に相談しながら、自身のおっぱいのケアについて相談してみましょう。

ケアする上で注意があります。特に妊娠後期における乳首のケアは、お腹が張りやすい人、早産傾向の人は避けましょう。乳首への刺激が子宮収縮を誘引してしまうことがあります。

 

乳首をきれいに保つケア方法

妊娠16週頃になると、初乳がごく少量分泌されることがあります。粘り気が強く少量ですぐに乾燥してしまうので、乳首の表面に小さく垢のように残っている事が多いです。そのままにしておくと、乳首の皮膚トラブルが起きる原因になるので、優しく除去するのがよいでしょう。

 

入浴1時間前に保湿する

乾いた初乳が取れにくい場合、入浴前にオイル(オリーブオイルなど)を染み込ませたコットンで、15分程度保湿してから入浴すると効果的です。

 

入浴時によく洗う

湯船に浸かると乾燥した初乳が、取れやすくなります。ゴシゴシこすると乳首を痛めますので、優しく取り除いてください。

 

乳房にもできる妊娠線の予防

乳房が急激に大きくなると、妊娠線が乳房にもできる可能性があります。肌が乾燥していると皮膚が伸びにくくなり、妊娠線ができやすいと言われており、保湿をすることが効果的です。保湿効果のあるオイルやクリームで、おっぱいを保湿してあげるとよいでしょう。

 

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乳首・乳輪マッサージのやり方

乳首・乳輪のそれぞれの役割は、赤ちゃんが舌で乳首を捉えて、お口いっぱいに乳輪を含んで飲むこと。乳首・乳輪の組織は、産後ホルモンの急激な変化によって柔らかくなり伸びやすくなります。妊娠中どんな形状か、柔らかさや伸び具合はどうか、助産師と確認してみましょう。

マッサージを行う場合は、以下の方法を参考にしてください。

ただし前述したとおり、乳首・乳輪部を刺激すると子宮収縮を起こしやすくなります。マッサージをはじめるのは、妊娠37週以降がよいでしょう。

 

※帝王切開分娩を予定している人は、お腹が張ってくると緊急帝王切開になる可能性があります。必ずかかりつけの産科医や助産師に相談してから行うようにしてください。

 

 

1. 体勢を整える

マッサージする方の乳房と同じ方の手で、乳房を持ち上げます。

 

2. 圧迫する

反対側の手の指(親指・人差し指・中指)の腹で、乳首・乳輪部をつかみましょう。約3秒間、3本の指で徐々に圧を加えます(乳首が硬い場合には5~10秒かけて)。この時の圧は、圧迫している指が白くなるくらいを目安に行いましょう。

痛みの強い場合には無理をしないで、力を加減してくださいね。はじめはゆっくりと、乳首・乳輪部の位置や方向を変えながら、1分程度行ってください。乳首が硬い人は、2~3分程度十分に行いましょう。

 

3. 横方向に伸ばす

縦方向・横方向にもみずらしてみましょう。はじめはゆっくり痛くない程度からはじめてくださいね。

 

4. 縦方向にもみずらす

乳首・乳輪部を圧迫した状態で、自分側と乳首側の方向にもみずらすようにしてみてください。このときも、はじめはゆっくりと痛くない程度からはじめるようにしましょう。

 

 

妊婦さんに適したインナー・ブラジャーの選び方

妊婦のインナーブラジャー

 

妊娠中は乳腺の発達や皮下脂肪が増大し、おっぱいも妊娠前から1~2サイズアップします。ホルモンバランスの変化から、乳首・乳輪部も過敏になりやすいので、妊娠中に適した下着をつけて少しでも快適に過ごせるようにしましょう。

 

妊婦さんのインナー

妊娠中は体型の変化により、必要なインナーの形やサイズも変わってきます。妊婦用のキャミソールは、ゆったりとしたサイズでお腹周りに余裕があるデザインが多く、妊娠後期にも無理なく着ることができます。胸周りも大きめに作られているので、妊娠後期にもゆったりと着ることができます。また妊娠中は妊娠前より汗をかきやすいので、通気性や吸湿性の優れたものがおすすめです。

 

妊婦さんのブラジャー

おっぱいは妊娠初期から大きくなりはじめます。おっぱいの下半分から脇にかけて大きくなりやすく、妊娠末期には妊娠前よりも1~2サイズ程大きくなります。おっぱいを締め付けないゆったりしたブラジャーにしましょう。妊婦用ブラジャーには、サイズ変化に対応できるようにホックが5段階に調節できるものもあり、買い直す必要がなく便利です。

 

産後も乳房が張り、より大きくなります。締め付けの強い下着やサイズの違う下着を着用すると、乳房周囲の循環が悪くなり、乳腺炎を誘引することもあります。産後つけるブラジャーは大きめなものを選ぶと良いでしょう。

 

 

妊娠中の乳首の黒ずみは産後もとに戻るの?

妊娠中の乳首の色素が濃くなるのは、妊娠中のホルモンバランスの変化によって起こります。

一説には、視力がまだ弱い赤ちゃんがとらえやすいようにと言われています。出産後、徐々に乳首の黒ずみは戻っていきますが、いつ戻るかは個人差があると言われています。ただしこの黒ずみは色素沈着によるものですので、摩擦などの刺激により戻りにくくなる可能性はあります。

このため、摩擦が起きにくいようにサイズの合った下着をつけることがおすすめです。

 

 

《まとめ》

 

妊娠すると、乳房のサイズや乳首・乳輪の色などの様々な変化があります。どれも赤ちゃんを育てていくための変化ですので、不安に思う必要はありません。大切な赤ちゃんが元気に成長するために、自身の不快感やストレスを減らせるように、今回お話した妊娠中のおっぱいのケアや下着の選び方などを参考にしてみてくださいね。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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