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2021.07.09

【切迫流産】産科医による正しい知識&対処法!安静といわれたら

妊娠の早い時期には、切迫流産に対して不安になる妊婦さんも多いですね。ここでは切迫流産とは何か?その定義や症状、原因、治療法について説明します。また切迫流産と診断されたらどのように過ごせばよいのか、安静と言われたらどうするか、自分でできる対処法についてもまとめました。

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切迫流産とは

切迫流産とは

 

「切迫流産」とは妊娠22週未満で、胎児が子宮の中に留まっているが、流産になるかもしれない状態のことをいいます。切迫流産と診断された妊婦さんのうち、約9割は正常に戻るといわれていますので診断されたからといって諦める必要はありません。

では、そもそも「流産」とはどのような状態なのでしょうか?

 

 

そもそも「流産」とは何?原因は?

流産とは、妊娠の早い時期に赤ちゃんが亡くなってしまうことをいいます。具体的には、妊娠22週よりも前に妊娠が終わってしまうことを流産といいます。

 

流産の確率

日本の医療機関で確認されている流産の割合は約15%です。また病院で確認できていないものを含めると、妊娠した女性の約40%が流産しているという報告もあります。なお、そのうち妊娠12週前に流産になるのが約80%と、そのほとんどを占めています。

 

流産の原因

流産の大半は染色体異常が原因です。妊婦さんの不摂生やハードな仕事、運動が原因で流産することはほとんどありません。流産後に、生活や食事が原因だったのではと自分自身を責める人がいますが、ほぼ関係ないので心配ありません。

 

 

「切迫流産」の症状と原因

切迫流産の詳しい症状と、原因について解説します。

 

切迫流産の症状

切迫流産の主な症状は以下のものがあります。

 

・少量の性器出血

・お腹の張り

・下腹部痛

・腰痛

 

このような症状を自覚したときは、かかりつけの産院に相談しましょう

 

切迫流産の原因

切迫流産の原因としては、妊娠12週までは胎児の染色体異常、遺伝性疾患、受精卵の異常であることがほとんどです。妊婦さんが気を付けてもどうにもできないことで、根本的な治療もありません。

妊娠12週から22週にかけては、子宮に問題が起きて切迫流産になる確率が上がります。絨毛膜下血腫、感染による子宮内の炎症、子宮頸管無力症、子宮頸管ポリープなどが原因となります。

激しい運動や過度に身体に負担のかかることは、子宮の収縮を促し切迫流産につながることがあります。無理せずに過ごしましょう。便秘もお腹の張りを引き起こすので、排便コントロールをしっかりするのも大切です。

 

 

安静といわれたら?切迫流産の対処法

切迫流産の対処法

 

切迫流産と診断されたら、安静と言われたら、どのようなことに注意して生活すればよいのでしょうか。自分でできる対処法について説明します。

 

切迫流産での安静&薬剤治療

現在、切迫流産を完全に治療できる方法はありません。その人の症状に合わせて安静指示や薬剤による治療が行われるので、医師の指示に従いましょう。

切迫流産の安静指示は、入院安静、自宅安静、特に気にせず生活するなど様々です。仕事を一度休んでとにかく横になって休んだ方がよい場合、家事や買い物など動くことを避けて体を横にして寝ていた方がよい場合、普段の生活をしながらでよいので横になる時間を作る場合などです。具体的にどう安静にしたらよいのかを、医師にしっかり確認しましょう。

 

薬剤治療には、お腹が張る場合にはお腹の収縮を抑える薬、出血がある場合は出血を止める薬などがあります。お腹の張りを抑える子宮収縮抑制剤は、動悸や手の震えといった副作用が出る場合があります。しかしその症状が辛いからといって、自己判断で内服を中止しないようにしてください。

大抵は飲み続けていくうちに体が慣れていくことがほとんどですが、あまりにも辛く内服継続が困難な場合には医師に相談しましょう。

 

切迫流産は医師の指示に従い安静に

切迫流産の場合は、安静にして経過をみていくのが基本です。

不安や心配は尽きないと思いますが、ストレスはホルモンバランスや自律神経系の乱れにもつながり、体調不良が深刻化してしまうこともあります。切迫流産と診断されて自分でできることは、かかりつけの医師の指示をしっかり聞いてその通りに生活をし、心穏やかに過ごすことです。

不安や心配で心が辛い時は、かかりつけの産院の助産師や看護師に話を聞いてもらいましょう。

 

自宅安静では仕事を休む

自宅安静の指示が出た場合、医師に診断書を書いてもらい仕事はお休みしましょう。自宅では、トイレ、着替え、シャワーといった必要最低限の動きだけに留めて、それ以外の時間は横になって安静にします。医師の安静指示の内容にもよりますが、基本的には家事や買い物などは家族にお願いしましょう。

上のお子さんがいる場合はご家族に世話をお願いしたり、一時保育やベビーシッター、ファミリーサポートなどの社会資源を活用してなるべく自分の負担を減らしましょう。

 

 

《まとめ》

 

切迫流産とは、妊娠22週未満に流産の可能性が高い場合のことをいいます。性器出血、お腹の張り、下腹部痛や腰痛がある場合は医師に相談しましょう。切迫流産を完全に治す方法は今のところありませんが、お腹の張りや出血を抑える薬を内服したり、安静にすることで症状が改善し、妊娠が継続できることがほとんどです。症状によって入院や自宅安静など安静度合いが違いますので、どのように過ごすべきか医師の指示に従いましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任

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