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2021.06.11
前駆陣痛とはどんな痛み?どれぐらい続く?本陣痛との違いとは【産科医】
前駆陣痛とはどんな痛み?症状はどれくらい続くの?前駆陣痛と陣痛(本陣痛)との見分けがつくのか?など不安になる妊婦さんもいますよね。ここでは前駆陣痛の痛みの特徴、本陣痛との見分け方について説明していきます。また、前駆陣痛が辛いと感じる時の対処方法についても解説していきます。
目次
【前駆陣痛とは】どんな痛み?痛む期間や特徴
前駆陣痛とは臨月に起きる腹痛や腰痛のことで、子宮収縮が不規則に起こることです。「これは本陣痛か前駆陣痛か?」と迷っているうちに痛みが遠のいていくのが、前駆陣痛です。
前駆陣痛とは本陣痛の練習
前駆陣痛とは、子宮の入り口を広げるために起こる「本陣痛」のように強い痛みではありませんが、硬く閉じている子宮の入り口を柔らかくするために起こる痛みのことです。
また、前駆陣痛はそろそろ出産が近いと知らせてくれる痛みで、本陣痛の練習のようなもの。前駆陣痛があることで、出産に向けて心と体の準備ができます。
前駆陣痛とはどんな痛み
前駆陣痛の痛みの強さは、人によって違います。生理痛の軽い感じから重くて強い痛み、お腹や膣のあたりがチクチク、キューっとした感じの痛み、腰のあたりがズンと重い感じなどと表現する人がいます。
下痢を我慢している感じ、あるいは冷や汗が出るほどとにかく痛いという人もいます。普通に生活できるくらいでそんなに痛くなかったという人もいて、感じ方は千差万別です。
前駆陣痛の長さや頻度とは
・1回の前駆陣痛の長さは数秒~数時間
1回の前駆陣痛の長さは、バラバラであることが多いとされています。数分続く場合、数時間続く場合、数秒で終わる場合と人によって幅があります。
・前駆陣痛は1日に2〜5回起きる人が多い
前駆陣痛が起こる頻度は、1日に2〜5回くらいが一般的です。1日に10回以上という頻度の人もいて、回数にも個人差があります。
・前駆陣痛が続く期間は2〜3日の人が多い
前駆陣痛が2〜3日続くという人が一番多いと言われています。1日だけの人、1週間以上続く人もいるので、こちらも人それぞれと言えます。
前駆陣痛とは陣痛(本陣痛)とどう違う?
前駆陣痛と本陣痛を見分けられるか心配という妊婦さんも多いですが、8割近くの妊婦さんは前駆陣痛と本陣痛の違いに気づくことができています。
前駆陣痛は気づくと痛みが消えるが、本陣痛は赤ちゃんが生まれるまで続く
前駆陣痛の特徴は、気づいたらおさまっているというところです。痛みが弱くても強くても、間隔が短くても長くても、気付くと痛みが消えています。
それに比べて本陣痛は、10分よりも短い間隔もしくは1時間に6回以上の子宮収縮を伴う痛みが規則的にあるのが特徴で、赤ちゃんが生まれるまで続きます。
前駆陣痛・本陣痛の痛みの「間隔」
前駆陣痛の痛みの間隔は不規則です。10分以上の間があいて次の陣痛がきたり、5分、3分と短い間隔で痛みがきたと思ったら30分以上痛みがなかったり、予測ができません。
それに比べて本陣痛は規則的です。10分毎に痛みが始まり、その後7分、5分、3分と間隔が短くなっていきます。出産直前には1〜2分間隔で痛みが来ます。
前駆陣痛・本陣痛の痛みの「強さ」
前駆陣痛の場合はその時々で痛みの強さが違います。さっきは我慢できないくらい痛かったけれど、今では動いていたら気にならないくらい軽い痛みだった、というようにばらつきがあります。
本陣痛は一定の強さで、徐々に強くなっていきます。1回の痛みは山のような波形を思い描くと分かりやすいでしょう。最初は助走のように緩やかな痛みで始まり、ぐっと強い痛みのピークがやってきて、それまでと同じ時間をかけて痛みがおさまっていきます。
数分何も痛くない時間を過ごしたら、また陣痛の始まりがくるイメージです。この痛みの山は出産が近づくにつれて大きくなります。
前駆陣痛・本陣痛の痛みの「長さ」
前駆陣痛の場合は、1回の痛みの長さが毎回違います。10〜30秒で終わる時もあれば2、3秒の時もあり、バラバラですが本陣痛に比べて短いことが多いです。
本陣痛の場合は、徐々に1回の痛みの長さが長くなっていきます。最初は20秒だったのが、時間が経つにつれて30秒、40秒と長くなります。出産間近には1分程度の痛みの長さとなります。
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前駆陣痛の痛みへの対処法
前駆陣痛の痛みが辛い時には、以下のような対処法を試してみましょう。本陣痛を乗り切るための練習として、自分に合う方法を探していくのもよいですね。
1. 深呼吸
陣痛の痛みを乗り切る基本は呼吸です。呼吸法は本陣痛でも大活躍の対処法なので、前駆陣痛の時に練習しておきましょう。深呼吸の基本は鼻から息を吸って、口からゆっくり長く息を吐くことです。
2. 左を下にして横向きで寝る
お腹の張りと痛みは仰向けよりも横向きの方が和らぎます。体側の左側を下にすると下大静脈という大きな血管の流れがよくなり、より体が楽になります。
3. 同じ体勢で居るのではなく、体の向きを変える
同じ体勢で目を閉じてじっとしていると、痛みの感じ方が強くなってしまいます。仰向け、あぐら、四つん這いなど様々な体勢を試してみましょう。意識的に体の向きを変えることで痛みが和らぎます。
4. お腹や腰をさする
痛いところを自分でさするだけでも痛みは和らぎます。もちろん家族にさすってもらうのもO K。腰をテニスボールなどで押してもらうのも効果的です。人の手が触れることで、安心感が増します。
5. お腹や腰を温める
腰やお腹をカイロやホットパックで温めるのも効果があります。じんわり温めることで、必要以上に筋肉が縮こまってしまうのを防ぎます。
6. 痛みに集中せず、違うことをして気を紛らわす
痛みのことだけを考えていると、余計に痛みが増してしまいます。ゲームをしたり、映画を観る、軽くウォーキングしてみる、人と会話する、音楽を聴くなど自分の好きなことをして気を紛らわせましょう。
《まとめ》
前駆陣痛とは本陣痛の前の不規則な痛みで、続く長さや強さも人それぞれです。本陣痛とは明らかに痛みの感じ方が違い、ほとんどの人が見わけがつくので安心してください。前駆陣痛を乗り切る方法は沢山ありますので、色々試して自分に合ったものを見つけて本陣痛に備えておきましょう。
※写真提供:PIXTA
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1999年愛知医科大学卒業
その後大垣市民病院にて研修、勤務を経て安城更生病院へ赴任
2006年日本産婦人科学会産婦人科専門医取得
2008年やまだ産婦人科院長就任
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