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2021.02.15

出産の前兆?【産科医が解説】陣痛の痛みと出産までの流れ

臨月をむかえ出産予定日が近づくにつれて「陣痛っていつ始まるの?」「急に痛みがくるのかな?」と不安に思い、そわそわしてしまいますね。

ここでは分娩の前兆、さらに陣痛が始まった時にどうすればいいのか、お産までの流れについて、産科医がお話しします。

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陣痛・出産の前兆とは?

分娩の前兆

 

陣痛が始まる前には、そろそろお産かも?と思えるような前兆がある場合が多いです。

 

陣痛・出産の前兆【1】子宮収縮による痛み(前駆陣痛)

 

本格的な陣痛が訪れる前にも、痛みを伴う子宮収縮が出現することがあります。子宮のあたりを触ってみると、固く収縮しているのがわかります。

そういった収縮が10分以内で繰り返されるようになると、陣痛と呼びます。でも、身体のことですから、きっちり10分からスタートはしません。10分以内になる前に、20分間隔の不規則な痛みがあったり、2回は繰り返したけど続かなかったりすることもあります。

 

医学用語ではないのですが、このような前触れを「前駆陣痛」という言葉を使うことがあります。痛みが治まってしまえば病院に行く必要はありません。でも心配であれば受診をお勧めします。

 

陣痛・出産の前兆【2】おしるし (産徴出血)

子宮収縮によって子宮の壁と赤ちゃんを包んでいる膜がずれ、その一部が剥がれることで起きる出血です。おりものに混じったような、どろっとした赤色や茶色の血液が出たり、トイレで拭いた際にピンクの出血がペーパーにつくこともあります。

 

「おしるし」というやや古くさい呼び方は、分娩のメカニズムがわからない遠い昔に名付けられたものなのでしょう。予定日もわからない時代は、出血があったら10日くらいで生まれるという言い伝えがあったと想像出来ます。

でも、実際は産徴出血があっても分娩まで何週間も時間のかかる方もいますし、おしるしがないまま分娩になる人もいます出血が多いなと感じた場合は、産婦人科の受診をすることをお勧めします。

 

陣痛・出産の前兆【3】帯下(たいげ=おりもの)の増加

妊娠中期から感じることもありますが、分娩直前に水っぽいおりものが多くなることがあります。なかなか「破水」との区別は難しく、心配になる妊婦さんも多くいます。

ちなみに破水とは、赤ちゃんが包まれている膜に穴があいて破れることで、羊水が流れ出てしまうことです。破水は陣痛が始まる前に起こることもあれば、陣痛がはじまって分娩が進行しているときに起こることもあります。

派手な破水は、コップの水くらい羊水がバシャッと出ますし、破水時に破裂音を感じる妊婦さんもいます。穏やかな破水は、さらさらと少しずつ水っぽいおりものが流れ出るのを感じることがあります。

 

破水でない帯下との区別は、帯下の流れが続くかどうかです。続かない場合は、おりものだと考えて良いと思います。

でも、初めての分娩の方などは、区別をつけることが難しいので、流れないけど量が多いと感じたら、産婦人科の受診をしてください。

 

 

陣痛が来たらどうする?

陣痛かも?思ったら、慌てずにまずは深呼吸してリラックス!初めての出産の場合、陣痛が来たからといってすぐ分娩になるわけではありません。初産婦さんは出産を終えるまで平均で12時間くらいかかるといわれています。

経産婦さんはそれよりもずっと短い時間で出産になりますので、かかりつけの産院から説明されている痛みの間隔になったら連絡しましょう。

 

■痛みと痛みの間隔を計って本陣痛なのか確認する

 

痛みから次の痛みまでの時間を測ります。陣痛計測アプリが多くありますので、自分が気に入ったものをダウンロードしておくと便利です。

10分よりも短い間隔で規則的に強くなってくる痛みであれば、分娩が始まったと考えて良いです。病院に一度連絡をして、指示をもらいましょう。

 

■家族に連絡をする

 

痛みの間隔を測っている間、家族へ連絡しておくと安心ですね。また、入院となった場合の交通手段をどうするか確認しておきましょう。

 

■入院の荷物の最終確認

 

入院のために荷物をまとめてあると思いますが、1人で病院に行く場合は必要最低限の荷物だけを持っていけるように、すぐに必要になるものをコンパクトに準備しておくと動きやすいです。他の荷物は後から家族が持参できるよう、わかりやすい場所に置いておきましょう。

 

■食事や水分補給をする

 

痛みが強くなってくると、食事が摂れなくなることもあります。分娩が順調に進行するためにも、しっかり栄養と水分を補給しておきましょう。

 

■シャワーや入浴をする

 

破水していなければ、シャワーも入浴も問題ありません。分娩中はたくさん汗をかきますので、動けるうちに清潔にしておきましょう。また、体を温めてリラックスすることで分娩が進行しやすくなります。

 

 

陣痛が始まってから出産までの流れ

分娩は大きく3つの時期に区切ることができます。

子宮の入り口が全部開くまでの分娩第1期、赤ちゃんが生まれるまでが分娩第2期、赤ちゃんが生まれてから胎盤が出るまでを分娩第3期といいます。

 

分娩第1期はとにかくリラックス

子宮の入り口が柔らかくなり、赤ちゃんが通れるようになる大きさまでゆっくり開いていく時期です。痛みは徐々に強く、長くなり、10分だった間隔は2分くらいまで短くなります。

この時期の痛みを乗り切るためには、全身の力を抜き深呼吸し、いきみたい感覚を上手に逃してリラックスすることです。水分補給をこまめにして、座ったり立ったり、横になったり歩いたり、なるべく色々な体勢をとるのも、痛みを紛らわせて分娩を進めるのに有効です。

 

分娩第2期は助産師と医師の言葉に耳を傾ける

いよいよ、赤ちゃんが狭い産道を通って生まれてくるために、いきむことができる時期です。痛みもピークとなり取り乱すこともありますが、助産師や医師の声に耳を傾けながらいきむことで、一番効果的に力が入ります。

次に、赤ちゃんの頭が見えてきたら体の力を抜きますが、そのタイミングも助産師が教えてくれますので安心してくださいね。程なく赤ちゃんが生まれて泣き声が聞こえてきます。

 

分娩第3期は安静に

赤ちゃんが生まれてきた後は胎盤が出てきます。この時もリラックスして、体の力を抜いていてください。出血が落ち着くのを確認し、産道に傷があれば医師が処置をします。全ての処置が終わったら、2時間くらいはベッドで安静に過ごし、体を休ませましょう。

 

 

《まとめ》

 

前駆陣痛やおしるしといった前兆に気付いたら、もうすぐ分娩になるかもしれません。陣痛が始まっても、焦らず落ち着いて入院にむけて準備をしていきましょう。

上手にリラックスしながら徐々に強くなっていく陣痛を乗り切って、喜びに溢れた幸せな出産になると良いですね。

 

※写真提供:PIXTA

 

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平成5年東京慈恵会医科大学卒業。
医局は慶應義塾大学医学部婦人科学教室にて研鑽を積む。
平成14年慶應義塾大学大学院医学研究科を満期単位取得し、臨床に専念。
神奈川県の大和市立病院を経てワキタ産婦人科を継承
【主な資格】
医学博士
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医
母体保護法指定医

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