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2021.03.14

安産とは?助産師がおすすめする【安産】のためにできること

安産祈願や安産体操などがあるように、「安産になりますように」と願う妊婦さんの気持ちは自然なもの。そもそも「安産」とはどのようなお産のことを指すのでしょうか?

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安産とは?

安産とは

 

そもそも「安産」とはどういうお産なのでしょうか。「すごく時間がかかって難産だった」、「病院に着いてすぐ産まれたから安産と言われた」など、お産を経験した友達や周りの人から聞いたことがあると思います。

医療者側からみて、大変な経過をたどったお産でも、産婦さんに「安産だった」と振り返ってもらえることもあります。反対に医療者が安産だったと思っても、産婦さんはそうは思えない場合もあります。

 

産婦さんの受け止め方は様々です。安産という言葉は医学用語ではなく、医学的な意味を持つ「正常分娩」とはすこし違います。

経過として正常から外れたプロセスでも、産婦さん自身が「良いお産だった」と感じられたら「安産」と捉えて良いでしょう。

 

安産を目指すために

「安産」を目指すために、自分のイメージするお産を具体的にすると良いでしょう。

そのために、まずは正常なお産の経過がどういうものなのかを知り、自分のイメージする「安産」に向かってどんな準備をすればよいか知っておくと良いでしょう。

医師や助産師は、全てのママと赤ちゃんが「安産」となるように、妊婦健診からお産が終わるまで全力でサポートしています。施設によってお産も産後の入院生活も様々です。

まずは自分が望むお産ができそうなところ、かつ安全に産める施設を選ぶことも大切でしょう。

 

また妊娠中からご家族、分娩施設のスタッフと関係を作りながら、自分はどういうお産をしたいか(バースプラン)を通してお互いを知り合っていくことも大切です。

お産はどうなるか、始まってみないとわからないことが多いもの。ですがたとえイメージから離れる経過であっても、ママが納得して「良かった」と思えるよう、ご家族や助産師と二人三脚で作り上げていってほしいと思います。

 

お産には「自然経膣分娩」、「誘発分娩」、「帝王切開」など様々なかたちがあります。

どのお産も、ママと赤ちゃんにとってその時に、一番負担の少ない分娩方法を選んで安全に終えられたら、それは「安産」なのです。

 

正常なお産の経過を知ろう

ママと赤ちゃんの負担が少なくお産できれば「安産」、ということはわかっていても、実際にお産はどれくらいの時間がかかるのでしょうか?まず「正常なお産の経過」を知っておく必要があります。

 

陣痛が10分間隔よりも短くなって規則的に痛みがくるようになってから、赤ちゃんが生まれて胎盤が出るところまでを分娩所要時間と言います。

この所要時間の平均は、初産婦と経産婦で違います。初産婦は平均11〜15時間経産婦は赤ちゃんの通る道が既にできているのでそれよりも早く6〜8時間です。

 

日本産婦人科学会の定義で、「遷延(せんえん)分娩」というものがありますが、これは何らかの原因で分娩が進まず、時間が経ってしまったお産を指します。

初産婦では分娩開始から30時間以上、経産婦は15時間以上経っても赤ちゃんが生まれない場合は異常分娩となり、より安全なお産となるよう医療介入が検討されます。

 

 

助産師がすすめる安産のためにできること

誰もが望む「安産」のために、自分でも何かできることはないのでしょうか。助産師が実際にママたちに指導していることをお伝えします。

 

安産のための運動

 

ヨガやストレッチ、ウォーキングなどの適度な運動

 

お産ではマラソンを完走するくらいのエネルギーを消耗するといわれていますので、筋力をつけておくことは大切です。

またお産には体の柔軟性が大事で、特に股関節の柔らかさは重要です。ちなみに産後は授乳の時に、肩甲骨周りの柔軟性も必要になりますので、妊娠中から意識しておくと良いでしょう。

 

妊婦さんに合った運動は様々ですが、ヨガやストレッチ、ウォーキングが人気のようです。妊娠中から体に負担がかかりすぎない程度に運動をしましょう。

 

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【動画で学ぶ安産体操】臨月まで1日たった3分!安産への股関節のストレッチ

 

バランスの良い食事でしっかり体重管理

 

体重が増えすぎることでお産が困難になりやすいので、食べ過ぎない、塩分を控える、栄養のバランスを考えるなど、運動と合わせて気をつけましょう。

 

無理はせず休息する

 

つわりのときはなるべく横になる、妊娠前とは体が違うので動きすぎに注意するなど、無理をせずに休息をこまめに取りながら体調管理をしましょう。

 

 

体を冷やさない

 

妊娠期間中や分娩中に体を冷さないよう気をつけるのは、とても大切なことの一つです。

「冷え」のある妊婦さんは、微弱陣痛や遷延分娩になりやすいことが研究でわかっています。冷え性のママは、体を温めるように意識しましょう。

 

まずはお風呂に浸かるのが基本です。いきなり熱いお湯に浸かるのではなく、力が抜けてリラックスできる温度から始めていき、お湯からあがる前に温度を上げると良いです。

お風呂から出た後は、その熱を逃さないように手足の表面に水をかけるか、レギンスや靴下で保温しましょう。

また、筋肉を使うことは体の熱を作り出すことなので、冷え対策として体を動かすことも大切です。骨盤底筋群や腹側筋を使う運動をしてみましょう。

 

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助産師が教える《冷え対策》妊娠期の体調不良管理をきちんと知ろう

 

リラックスできる方法を探す

 

お産が順調に進むためには、リラックスが大切です。妊娠中からリラックスできる方法を探しておきましょう。

深呼吸や好きな音楽を聴く、肩や足のマッサージ、アロマテラピーなど気持ちが前向きになれるようなことを普段からやっておくと、お産の時にもリラックスしやすいです。お産の時にリラックスすればするほど、良い陣痛がきて進みやすくなりますよ。

 

 

《まとめ》

 

「安産」は納得いくお産。赤ちゃんとママにとって負担が少なく安全にお産が終わること。

安産のために妊婦さんができることは、適度な運動、バランスの取れた食事、適切な休息、体を冷やさない、リラックスを意識するなどがあります。自分にあった方法を見つけて、「安産」を目指しましょう。

 

※写真提供:PIXTA

 

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1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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