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2021.02.01

助産師が教える《冷え対策》妊娠期の体調不良管理をきちんと知ろう

「冷え」とよく耳にはしますが、この考え方は東洋医学から来ているものです。一概に体温などで測れるものではなく、西洋医学ではこの考え方はありません。妊婦さんの「冷え」について知り、対策することで体調管理の面でのメリットと、自分の体をより知るきっかけにしましょう。

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妊娠中の「冷え」はなぜ良くないのか

妊娠中の冷え

 

昔から、「妊婦さんに冷えは禁物」と言いますが、なぜ冷えると良くないのでしょうか。

「冷え」を自覚していない人も

冷え性の方によくある症状と言われているのは、

・手足が冷たい

・冷房にあたると具合が悪くなる

・秋口から春の終わりまでカイロや電気毛布がかかせない

・就寝時は夏でも靴下をはく

・すぐにおなかが痛くなる

・下痢になる

など。自律神経と体温調節は深い関係があり、東洋医学でいう「冷え」とは、自律神経の乱れからくるという考え方です。

 

それでは、なぜ冷えは良くないのでしょうか。それは単に体が冷たいだけではなく、さまざまな病気が引き起こされたり、症状がより強く現れたりする原因にもなるといわれています。

妊娠中はホルモンの関係で体温が上がる傾向があり、実際に多くの妊婦さんたちから「以前より体がポカポカするようになった」「ほてりを感じる」「以前より暑がりになった」という声をよく耳にし、冷えとは無縁と一見思われます。

 

ですが、実は下半身には冷えていることが多いと言われています。自分のお腹や腰、足を冷えていない手で触ったり、パパの足と触り比べてみたりすると、冷えていることに気づくかもしれません。ぜひ、時々触って確認してみてください。

 

「冷え」が原因で起こるトラブル

妊娠中に「冷え」がある妊婦さんは、お腹が張りやすいなど異常が起きやすくなります。また、便秘や腰痛・肩こり、むくみ、足のつりなど、マイナートラブルが多くなる傾向があります

 

また、冷え症が出産にどのような影響があるかを約2,800人の妊婦さんに調査した研究があります。

冷え症の妊婦さんは、冷え症でない妊婦さんに比べて、早産が3倍、前期破水(陣痛が始まる前の破水)が2倍、微弱陣痛(陣痛が途中から弱くなる)が2倍、遷延分娩(お産が長くかかる)が2倍という結果でした。

 

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冷え対策〜服装・食事〜

「冷え」は万病のもと、妊婦さんに限らず普段から、是非「冷え」という考え方を知り、体調管理に役立ててください。できれば、妊娠前からが理想的ですが、妊娠初期から冷え対策を心がけましょう。

身体を冷やさないようにするためには、服装や食事などに気をつけることが大切です。

 

服装について

冷えを感じることが多い、赤ちゃんのいる腹部、腰、足(特に足首)などの下半身を重点的に温めましょう。首も温めるようにすると、肩こりや頭痛などのマイナートラブルの予防や改善につながるかもしれません。

 

・きつい下着や洋服を避けて、血液循環を保ちましょう。

・ワンピースでも、下にはスパッツやレギンス、靴下などを履きましょう。冬なら、靴下を重ね履きしたり、厚手のタイツを履くと良いですね。レッグウォーマーもおすすめです。

・お腹は保温機能の高い腹帯やオーバーパンツなどでカバーするとよいでしょう。

・首を冷やさないように、マフラーやネックウォーマーを巻きましょう。また、ドライヤーで髪を乾かしたあとに、首を少し温めて寝るとずいぶん違います。

・使い捨てカイロを背中や腰、下腹部など、冷えているところに当てるものいいでしょう。

夏でも冷房が効いた屋内などで冷えることが多いですので、夏でも靴下を履くようにしましょう。また、カーディガンやブランケットなど持ち歩くか、職場に常備しておくと良いですね。

 

食事について

「冷え」の予防、改善のために冷たいものをとりすぎず、栄養バランスのよい食事を摂り、規則正しい食事を心がけましょう。

食事は、「旬の野菜を取り入れ、タンパク質、炭水化物、脂質をバランスよく食べる」ことが大切で、冷え予防にもつながります。

 

冷たいもの(食べ物・飲み物)はもちろん、甘いもの(東洋医学では甘いものは体を冷やす「陰」の食品とされています)の食べすぎにも注意しましょう。食材はできるだけ、火を通した温かい物を食べると良いですね。

マグボトルに温かい飲み物を入れて持ち歩き、こまめに飲むのもおすすめです。ほうじ茶やハーブティなど、色んな飲み物を楽しむのもいいですね。

 

 

冷え対策〜血行促進〜

妊娠中の冷え対策

 

冷え解消には、血行促進も大切です。血行の改善により体の循環を改善することは赤ちゃんの過ごしやすい環境をサポートすることになるでしょう。

 

適度な運動をしよう

適度にストレッチや運動を取り入れることで筋肉量を増やし循環が改善され、「冷え」の予防改善につながります。また、体を動かすと、気分転換にもなります。

お腹が張りやすい、または医師から安静にするよう言われている妊婦さん以外は、ウォーキングがおすすめです。

 

デスクワークなどで同じ姿勢を続けたり、ストレスなどで体が強張ってしまうのも血行が悪くなる原因です。日頃から、休憩時間やお風呂の後、寝る前、起きて布団から出る前などにこまめにストレッチして、体をほぐして全身の血の巡りを良くしておきましょう。

また、マタニティビクスやマタニティヨガといったエクササイズもお勧めです。妊婦さんに考慮した適度な運動で安心して取り組めますし、楽しくエクササイズできれば心もほぐれてマタニティライフを楽しめるでしょう。

 

毎日の入浴で体を芯から温めよう

忙しいときや、疲れていて早く休みたいときなど、お風呂をシャワーだけですませたり、サッと短時間の入浴ですませたりする方も多いと思います。でも、体が冷えやすい季節は特にじんわりと汗をかくくらいしっかりと体を温める入浴を心がけましょう

熱すぎるとのぼせてしまい短時間しか入れないので、ぬるめのお湯にじっくりつかる入浴方法(または半身浴)がおすすめです。湯船の中で、足の指をグーパーしたり、マッサージしたりするのも良いですね。

 

 

《まとめ》

 

妊婦さんが自身での体調管理のため、「冷え」の状態を知り、快適な方法で生活に取り入れることによって快適なマタニティライフ、そして安産に向けての意識作り、身体作りをしていきましょう。

 

※写真提供:PIXTA

             

1955年に日本助産師会東京都支部として、助産師相互の協力と助産専門職の水準の維持向上並びに利用者に対する質の保証を図り、母子保健事業を通じ、女性と子ども及び家族の健康・福祉の改善・向上に貢献することを目的として活動を開始。

2010年一般社団法人格を取得。

2014年公益法人となり、地域に根差した公共性の高い事業に取り組んでいる。

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